第6期JPML WRCリーグ ベスト16A卓レポート 優月 みか
2019年08月30日
第2期から実況を務めさせていただいているこのWRCリーグももう第6期目を迎えた。
若手の良いところ、ベテランの強さ、数々のドラマを間近で魅せてくれたこの大会、今期はいったいどんな物語が綴られるのか。
第6期JPML WRCリーグ開幕。
ベスト16から放送卓となる。
ABCD卓シードを含めどの卓にもタイトルホルダーがいて見応えのある対局となりそうだが、放送できるのは1卓のみ。
今回はSNSでのアンケートにより、A卓の放送が決まった。
対局メンバーは
現チャンピオンである沢崎誠、二次予選から通過の船木伸一、絶大な人気を誇るマスターズ連覇の白鳥翔、一次予選から勝ち上がり、この中では最若手となる木原翼。
半荘4回戦を行い上位2名がベスト8へ進出のトーナメント、ルールは一発裏ドラのあるWRCルールで行われる。
★1回戦目
(起家から木原→白鳥→船木→沢崎)
親番木原の1,500点のアガリ、そして流局が続き重たい立ち上がりの1回戦目。
東3局に白鳥がこの手牌を見事ホンイツに育て上げ、2,000・4,000のツモアガリ。
白鳥に一歩リードされるも、東4局では船木が白鳥の先制リーチ、親番沢崎のヤミテンを受けながらもしっかりと攻め切りリーチ。
この船木のリーチは白鳥から一発でを捕える。
リーチ ロン ドラ
船木、トップ目の白鳥から8,000点の直撃をアガる。
南2局2本場までには、白鳥が1人テンパイや親リーチをうまくかわすアガリを決め持ち点はひとり4万点を超える。
ここで動いたのは沢崎だ。
この手牌を仕掛けてホンイツのテンパイを入れる。
5巡目に打ち出されたにチーの声をかけをポン、さらにツモと引き入れ待ちのテンパイを入れた。
木原も仕掛けてドラドラのテンパイを入れるも、ハイテイで沢崎がツモ2,000・4,000と大きなアガリを物にする。
沢崎
ポン チー ツモ ドラ
南4局1本場
攻防を繰り返しながら点棒状況は
木原21,700
白鳥35,800
船木25,900
沢崎36,600
沢崎がこの配牌。ドラ
この手を1巡目のから仕掛けて、を引き入れ9の三色同刻方アガリという珍しい形。
ポン ドラ
の加カンも入りヒリつく中、8巡目にアガリトップの白鳥がこのヤミテン。
白鳥
同巡、船木がこの形でリーチ。
船木
リーチ
3着目船木からのリーチを受けた白鳥、宣言牌のリーチである。ここに打ちづらいを一発目に持ってくる。現物のがトイツであるもののここは白鳥がを勝負。船木の現物待ち、待ちのテンパイを維持。直後、1シャンテンでもある木原から、船木の現物のが打ち出され白鳥のアガリとなる。
トッププロの押し引きを見せつけ白鳥のトップで1回戦目を終える。
★1回戦成績
白鳥翔 +23.1P
沢崎誠 +11.6P
船木伸一 ▲10.1P
木原翼 ▲24.6P
★2回戦目
(起家から白鳥→沢崎→木原→船木)
東1局、1回戦目は我慢の麻雀が多く見えた木原がここでエネルギッシュなアガリを決める。
配牌からのドラトイツの勝負手。
6巡目にこの形
一見受けの広い打を選びそうな手牌だが、木原はここでドラを2枚使い切ることや、345の三色までと最高打点の見える打とした。
次巡、狙い通りドラを使い切る事の出来るツモによりと払っていく構え。
さらに9巡目、再びを引き入れ絶好の待ち3面チャンでリーチを打った。
木原は一発でをツモアガリ、開局から3,000・6,000の大きなアガリを決める。
繊細な攻防の末、南4局では2着、3着の白鳥船木が同点。4着の沢崎が700点差という非常に僅差なオーラスを迎える。
白鳥 28,600
沢崎 27,900
木原 34,900
船木 28,600
ベテランの沢崎、白鳥がしっかりとテンパイを取り、そのテンパイ料で着順を変える。
★2回戦成績
木原翼 +18.4P
白鳥翔 +5.1P
沢崎誠 ▲5.6P
船木伸一 ▲17.9P
★2回戦終了時トータルポイント
白鳥翔 +28.2P
沢崎誠 +6.0P
木原翼 ▲6.2P
船木伸一 ▲28.0P
★3回戦目
(起家から船木→白鳥→沢崎→木原)
東4局、親 木原 ドラ
木原が難しい選択の答えを見事に導き出した場面。
船木がこの配牌。
ここから打。次巡ツモで打。3巡目ツモで打と船木はジュンチャンを目指して手を進めていく。
5巡目にはを重ねてこの形
仕掛けても満貫の1シャンテンになる。
だがこの1シャンテンがなかなか進まず、親の木原、沢崎も形がまとまっていく。
船木の欲しいは山に3枚生きていたが全て木原の手に吸収されていった。
11巡目、沢崎がこの形からをチーしてテンパイを入れる。
チー ドラ
同巡、親番の木原はを暗刻にし、この形からのトイツを落としていく。
仕掛けている沢崎からはドラのも打ち出され勝負に出ていることは明白だ。
木原はさらにをツモリ、この形。
次巡、木原は沢崎のアタリ牌であるツモ。
この形からしっかりとアタリ牌をスライドさせ打とした。
そして打ち出されたは下家船木が仕掛けてペン待ち、満貫テンパイを入れる。
船木
チー
沢崎、船木の仕掛けを受けて親番の木原はツモ。
木原
この形になる。を切ればタンピンイーペーコーのチャンス手。
だが、下家の船木はカンを仕掛けている。上目の三色であるなら木原の目から4枚見えているは必ずアタリ牌だ。
木原は小考ののち打とし、単騎のテンパイをとる。
次巡、木原はツモで待ちをのノベタンに変え、直後船木からがツモ切られる。
木原、3,900点と打点は少ないながらも放銃を回避し、アタリ牌を止め、見事な手順でアガリへの道を掴み切った1局であった。
ロン
その後の展開としては、船木が渾身のツモリ四暗刻をテンパイするも、白鳥のアガリとなるなど船木にとっては苦しい展開が続いていた。
南1局では8巡目に白鳥がホンイツ、一気通貫、ドラ1のヤミテンを入れ、沢崎から出アガリ。
白鳥はトータルトップからさらに12,000点の加点をし、盤石の状態へ持ち込む。
南3局1本場、白鳥、木原のアガリが続き船木のトータルポイントは厳しいものとなっていた。
船木の手牌。
2巡目にを重ねて、役牌のトイツができるが1枚目のは仕掛けず、メンゼンでの高打点を目指して手を進めていく。
メンゼンで仕上げるのはかなり厳しそうな手には見えたが、この配牌を6巡目にはここまで育て上げた。
12巡目
この形でテンパイ、リーチにいった船木は、ポンと2フーロしている木原から一発でを討ち取った。8,000点のアガリとなる。
南4局では木原の親リーチが決まり4,000オールのアガリとなる。
★3回戦成績
木原翼 +32.7P
白鳥翔 +16.4P
船木伸一 ▲11.8P
沢崎誠 ▲31.3P
★3回戦終了時トータルポイント
白鳥翔 +44.6P
木原翼 +26.5P
沢崎誠 ▲31.3P
船木伸一 ▲39.8P
★4回戦目
(起家から木原→船木→白鳥→沢崎)
トータルポイント2着目の木原と沢崎の差は57.8、船木と木原の差は66.3と大きく離れていた。
トップラスで約3万点の差をつける事が条件となる。
船木、沢崎も攻め入るもののトータルトップの白鳥、木原がアガリを決め局を進めていき白鳥、木原の勝ち上がりとなった。
★4回戦成績
白鳥翔 +40.6p
木原翼 +5.7P
船木伸一 ▲13.8P
沢崎誠 ▲32.5P
★4回戦終了時トータルポイント
白鳥翔 +85.2P
木原翼 +32.2P
船木伸一 ▲53.6P
沢崎誠 ▲63.8P
★勝ち上がり
1位通過 白鳥翔
2位通過 木原翼
カテゴリ:JPML WRCリーグ レポート