第6期JPML WRCリーグ ベスト8A卓レポート 優月 みか
2019年09月04日
このベスト8A卓では、鳳凰位吉田直、十段位内川幸太郎、マスターズ連覇白鳥翔という連盟を代表するスター選手。そしてもう1席は今期麻雀プロ入りを果たした、声優としても大きく活躍している伊達朱里紗という非常に濃厚なメンツで対局が行われた。
タイトルホルダー同士の戦いも非常に注目する点である。だがそこに入るプロ歴半年、紅一点の伊達朱里紗は、この3人を相手にどう戦うのか。
1回戦目
起家から伊達→吉田→内川→白鳥
東3局1本場
7巡目に白鳥が七対子タンキで先制リーチを打つ。
捨牌は 宣言牌(のみツモ切り)
白鳥
ドラ
このリーチを受けて同巡、親番の内川も七対子のテンパイを入れる。
内川
ここから一発目にを押し、白鳥の現物単騎のヤミテンを入れる。
次巡、を引き入れ打と待ちを変え、下家の白鳥からが打ち出される。
内川、2,400点と打点は少ないながらも見事な手順で先制リーチをかわし、加点を決めた。
東4局では、伊達が8巡目に高め三色の待ちという勝負手をリーチにいくも白鳥の2,000オールツモアガリとなる。
その後もメンピンドラドラの勝負手が白鳥への放銃になるなど、伊達にとっては苦しい展開が続き、1回戦目が終了した。
1回戦終了時トータルポイント
吉田直 +28.4P
内川幸太郎 +10.5P
白鳥翔 ▲7.4P
伊達朱里紗 ▲31.5P
2回戦目
起家から内川→白鳥→吉田→伊達
東1局、親番内川の先制リーチに対して15巡目に吉田がドラのを勝負してリーチ。
これを吉田がハイテイでツモアガリ、1,000・2,000のアガリ。
その後も初戦トップをとった吉田が、自身のリードに甘えることなく押し続けるという強靭な精神力を見せつけた。
南1局では白鳥の繊細な手順が光る1局が見られた。
2巡目、
白鳥
ドラ
この手牌、引きで3面張の形になる為、形で打となりそうだ。
だが白鳥は親の2打目のを見てソウズの下に手応えを感じ打とした。
この繊細な選択が見事功を奏し、、と連続で引き入れ4巡目に最速かつノーミスのリーチ。
このリーチにも押していった吉田がここはアタリ牌を掴み、白鳥へ8,000点の放銃となった。
リーチ ロン ドラ
白鳥は一歩リードを決めるが、南3局吉田の親番。
ここでも吉田が強靭な精神力を発揮。
先制リーチにも臆することなく押して押して、吉田の親番は4本場まで続いた。そして6万点を超える大きなトップ、2連勝を掴み取り2回戦目が終了した。
2回戦ポイント
吉田直 +45.3P
白鳥翔 ▲0.5P
伊達朱里紗 ▲14.0P
内川幸太郎 ▲30.8P
2回戦目終了時トータルポイント
吉田直 +73.7P
白鳥翔 ▲7.9P
内川幸太郎 ▲20.3
伊達朱里紗 ▲45.5
3回戦目
起家から伊達→内川→白鳥→吉田
南1局まで親の連荘なし、流局1回、最高打点が伊達の700・1300と小場で進んでいった3回戦目。
大きく点棒が動いたのは南2局、内川の親番だ。
2巡目にトータルポイントで1人大きくプラスをしている吉田からのポンが入る。
親番の内川は吉田の仕掛けをうけて3巡目にこの形になる。
ドラ
吉田からの仕掛けを受け、この手牌は親番であることもありは仕掛けていくであろうと予想される。
だが内川は、5巡目に白鳥から打ち出されたを仕掛けずに見送った。
9巡目には手牌をメンゼンテンパイまで育ててリーチにいった。
このリーチへ吉田から一発でアタリ牌が打ち出され、内川7,700点のアガリとなる。
リーチ ロン ドラ
南4局では内川が白鳥から満貫の手をアガリ、最大のライバルである白鳥へ44.9P、伊達には52.7Pの条件をつけ、最終戦へと向かう。
3回戦終了時トータルポイント
吉田直 +63.7P
内川幸太郎 +11.3P
白鳥翔 ▲33.8P
伊達朱里紗 ▲41.1P
4回戦目
起家から内川→吉田→白鳥→伊達
いよいよ決勝戦への権利を賭けた最終戦が始まった。
ポイントとしては、吉田が+63.7Pと1人抜けていて、開始時トータル2位の内川と3位白鳥との差が44.9P。内川と伊達の差が52.7P。
白鳥は内川とトップラスで14,900点の点差を作ること。伊達は内川とトップラスで22,700点差、さらに白鳥よりも上の着順にいないといけない。となりそうだ。
東1局、白鳥がトイツ、ドラのトイツの手を仕掛けて伊達から3,900点のアガリを決めた。
まずは堅実に素点を稼いでいく。
東2局では、フリテンながらタンヤオの3面張テンパイを入れた吉田からドラのが打ち出され、白鳥がポン。テンパイを入れるもここに伊達がピンフドラ1でリーチをぶつけた。
制したのは伊達、1,300・2,600のアガリを決めた。
東3局、白鳥の親番では内川が仕掛けたトイトイ、2,600を吉田からアガリ、白鳥の親を落とす。
局面が大きく動いた東4局1本場。親番は伊達。
5巡目白鳥の手牌
ドラ
この形にをツモり暗カンを入れる。
リンシャン牌から、新たにドラになったを引き入れ、満貫の1シャンテンの形にした。
そして9巡目、暗カンを入れた白鳥が満貫以上確定のリーチにいく。
暗カン リーチ ドラ
白鳥からのリーチを受けた次巡、内川も高め三色のタンヤオテンパイを入れる。
そして10巡目、内川は白鳥のアタリ牌であるを掴んだ。
白鳥への直撃はかなり痛い。仕掛けている吉田もいる。だがここの手をアガリ切れば決まり手となる。
長考の末、が打ち出され白鳥の8,000点のアガりとなった。
このアガリにより、白鳥と内川はトップラス、満貫の直撃によりトータルポイントでも白鳥が上となる。だが内川としても、着順をひとつ上げればまた逆転。そして伊達は白鳥をまくりトップになれば勝ち上がりと、誰が通過するか目が離せない戦いが始まった。
南4局 親番 伊達
ここまで苦しい思いをしてきた。丁寧で慎重な打牌を続けてきた。先制リーチがアガれない事が続いた。そんな伊達にこの勝負所でこの配牌が。
ドラ
ドラを2枚使った2メンツと、マンズで1メンツが完成している。
2,600オールをアガると勝ち上がりの条件を達成する伊達。
3巡目にを引き入れ、さらに好形の手になる。
さらに4巡目にをツモり、この形
ドラ
打で待ちのヤミテンに構えた。
条件的にはツモアガリが1番価値がある状況。
ヤミテンにするもアタリ牌は出てこない。
13巡目、伊達は小考の後ツモ切りリーチにいった。
そして15巡目、のツモアガリ6,000オールと大きな大きなアガリを決めた。
リーチ ツモ ドラ
このアガリで、内川は満貫ツモ、白鳥は跳満ツモとライバル2人に条件を突き付けた伊達。
そして南4局1本場では吉田がそっと三色のヤミテンをアガリ、この大接戦のWRCベスト8A卓は伊達の大逆転で幕を閉じた。
勝ち上がり
吉田直、伊達朱里紗
カテゴリ:JPML WRCリーグ レポート