JPML WRCリーグ レポート

第24期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート

チャンピオンズリーグとは…

半年に1回開催されるタイトル戦であり、日本プロ麻雀連盟員なら誰でも参加できる。
今回もAリーグからEリーグまでいろんなプロ75名が参加した。

まず予選は4半荘を5節行う。
ポイント上位29名が、トーナメント戦へと進むことが出来る。
予選1位と、前回優勝者がベスト16からのシードとなる。
そしてベスト16、ベスト8とトーナメント戦を行い、決勝メンバー4人を決める。
そして翌日、決勝戦が行われ、優勝した者がチャンピオンとなる。

champ24

図で示すとこのような感じになっている。
このレポートでは、ベスト28の様子について書いていきます。

 

【ベスト28】

2013年8月17日。平均気温は27℃、比較的過ごしやすくなってきた今日この頃、チャンピオンズリーグのトーナメント戦が四ツ谷で行われた。
今回のベスト28は会場が二箇所で行われ、すべての卓を見ることは出来なかったため、一部の卓しか紹介できませんが、御了承下さい。

2卓:内川幸太郎 vs 増田隆一 vs 福光聖雄 vs 斎藤桂史

自分は、今期A2リーグに昇級した内川に注目した。
福光の連荘で始まった東1局3本場。
内川の手牌

二万二万五万六万八万八万九万九万六筒六筒六筒中中  ドラ八万

ここから九万をポンして、打五万
その後、中もすぐ鳴けて、

二万二万八万八万六筒六筒六筒  ポン中中中  ポン五万五万五万

このテンパイ。
数巡後、増田から二万が出て8,000は8,900のアガり。
南入しても内川は満貫をツモアガるなどして加点し、初戦をトップで終える。
調子は良さそうである。

2回戦終了時
内川+22.6P 斎藤+0.5P 福光▲9.4P 増田▲13.7P

最終戦、特に大きな点数の動きが無いまま迎えた南1局、息を潜めていた増田がトータル2着目の斎藤から

二万二万六万七万八万三筒四筒四筒五筒五筒四索五索六索  ドラ七万  ロン三筒

これを打ち取りトータルで2着となる。
その後は、増田ペースで安定した打ちまわしでそのまま終局となり、内川と増田の通過となった。

1位通過:内川幸太郎 2位通過:増田隆一

 

3卓:客野直 vs 石橋薫 vs 松崎良文 vs 戸島祥太

1回戦は石橋の1人浮きで終えて、2回戦。
松崎の満貫ツモアガリから始まり、次局アガった松崎の親番。

四万五万六万八万八万八万二筒二筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ七万  ドラ八万

ドラ暗刻のテンパイの形から、1シャンテンに戻す九筒切り。
そして三万をチーして、

六万七万八万八万八万二筒二筒六筒七筒八筒  チー三万四万五万

この形になり、初戦トップの石橋から二筒を出アガリ、11,600点を加点してこの半荘は石橋が1人沈みとなる。

2回戦終了時
松崎+23.6P 戸島▲1.5P 石橋▲6.7P 客野▲15.4P

松崎以外の3者の競りとなったが、客野が2,600オールをツモり頭一つ抜け出し、そのまま勝ち上がりとなった。

1位通過:松崎良文 2位通過:客野直

 

7卓:桶本篤史 vs 藤井すみれ vs 須浦正裕 vs 蒼井ゆりか

2回戦終了時
藤井+11.0P 蒼井▲1.0P 須浦▲3.6P 桶本▲6.4P

藤井が若干リードしているものの、4者の競りとなった最終半荘。
開局、親番の蒼井からリーチが入る。

八万八万二筒三筒四筒五筒六筒七筒四索五索六索七索八索  リーチ  ドラ三筒

絶好のカン三筒を引き入れてのテンパイで、あっさり高めの三索をツモり4,000オール。
その後も加点を続け、1つ目の枠は蒼井でほぼ決まった。

そして蒼井がトップのまま迎えた南2局。
もう後がない親番の桶本から、蒼井がヤミテンで7,700点をアガリ、桶本はかなり厳しい状態になる。
さらに南3局、藤井が南をポンして桶本から5,800点をアガる。
残りの枠を争って、藤井、須浦の一騎打ちになるかと思われたが、次局桶本からリーチが入る。
流局かと思われた桶本の最終ツモで、力強くツモりアガる。

一万一万二万二万二万五万五万五万七万八万九万南南  ドラ四万  ツモ南

高めの南をツモアガリ、4,000・8,000の倍満である。
倍満の親被りをした藤井がこの半荘でラスになり、トータルでほぼ3者並びになった。
そして迎えたオーラス。
このまま勢いがついた桶本がアガるかと思われたが、藤井が落ち着いてサクっと1,000点をアガり、勝ちあがりを決めた。

1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:藤井すみれ

 

1卓:白鳥翔 vs 石川正明 vs 藤本哲也 vs 杉浦勘介

2回戦終了時
白鳥+29.7P 石川+20.1P 藤本▲23.5P 杉浦▲25.8P

最終半荘、藤本がトップで、石川をラスにするも、石川がギリギリのところで逃げ切り、白鳥と石川の勝ち残りとなった。

1位通過:白鳥翔 2位通過:石川正明

 

4卓:北野由実 vs 藤崎智 vs 加藤博己 vs 三好直幸

2回戦終了時
藤崎+13.1P 三好+1.5P 北野▲1.5P 加藤▲12.1P
最終半荘も上2人がトップと2着をとり、そのまま勝ち上がりとなった。

1位通過:藤崎智 2位通過:三好直幸

 

5卓:太田優介 vs 阿部謙一 vs 犬見武史 vs 鷲見隼人

2回戦終了時
太田+14.3P 鷲見+13.9P 阿部+1.1P 犬見▲30.3P

逃げる2人を阿部と犬見が追う形になったが、そのまま2人が逃げ切り、勝ち上がりとなった。

1位通過:鷲見隼人 2位通過:太田優介

 

6卓:西岡慎泰 vs 田中史孝 vs 塚越祐次郎 vs 西川淳

2回戦終了時
西川+23.9P 西岡+14.8P 塚越▲4.9P 田中▲33.8P

去年のチャンピオンの西川と、今年のマスターズ3位の西岡が、そのまま突っ走って勝ち上がりとなった。

1位通過:西岡慎泰 2位通過:西川淳

次のベスト16トーナメントからは、去年のチャンピオン・中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘が参戦する。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト28トーナメントでした。
次はベスト16トーナメントです。

 

【ベスト16】

ベスト28トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト16トーナメントの戦いが始まる。
去年のチャンピオン中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘がここからの参戦となる。

1卓 中村慎吾 vs 西岡慎泰 vs 蒼井ゆりか vs 石川正明

中村の立ち上がりが気になったが、1回戦から満貫をツモアガったりと、悪くはなさそうだ。
しかし、先程のベスト28を通過した勢いで、アガリ続けた蒼井が5万点を超えるトップを取り、中村は2着となった。
しかし2回戦目は、蒼井がラスを引いてしまい、全員順位がひっくり返り、平らな状態で最終半荘を迎えることとなった。

2回戦終了時
中村+10.1P 蒼井+6.9P 石川▲6.0P 西岡▲11.0P

大きな点棒移動もないまま迎えた東4局、蒼井からリーチが入る。
そして力強くツモ。

二万三万四万六筒七筒七筒八筒八筒六索六索八索八索八索  ドラ六索  ツモ六筒

高めをツモり、跳満をアガった蒼井は、勝ち抜けに大きく近づいた。
ベスト28の時と同じように、混戦の中で大きい手をアガる事が出来るのが蒼井の持ち味なのかもしれない。
そして南1局、蒼井に続こうと、前へと出る石川と西岡の手がぶつかる。
先制リーチは石川。

三万三万四万五万五万五万六万七万六筒六筒四索五索六索  リーチ  ドラ北

そして手変わりを待っていた西岡も、ツモ切り追っかけリーチと出る。

四万四万二筒三筒四筒二索三索四索五索六索七索北北  リーチ

自然と放銃しない形になっている西岡に分があるように見える。
結果、北をツモアガリ、待望の2,000・4,000。西岡と蒼井の2人が38,000点台になって、完全に並びができた。
オーラスの中村の親も蒼井が1,000点でサクっと捌いて、蒼井、西岡の勝ちあがりで終局となった。

1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:西岡慎泰

 

2卓 藤原隆弘 vs 鷲見隼人 vs 藤井すみれ vs 増田隆一

ここから藤原が参戦である。
予選1位の勢いは衰えていないようで、1回戦断トツトップ、2回戦も加点を続け、放銃も殆ど無くいつもどおり安定した戦いを見せる。
逆に調子が悪そうなのが鷲見であった。
2回戦南4局、親:藤井。南家・鷲見手牌

一万二万三万四万五万五万六万七万八万八万九万西西  ドラ六索

五万八万のくっつきテンパイの形である。ここで親の藤井からリーチが入る。
そして同巡ツモ四万
初戦ラスであり、跳満以上確定のテンパイのため、仕方ないといった様子で出る八万
そして藤井がロン。五万八万待ちの、メンタンピンドラ1の11,600点に刺さる。
このアガリが大きく、この半荘は藤井がトップで終わり、完全な並びが出来て、最終半荘を迎える。

2回戦終了時
藤原+38.1P 藤井+34.5P 増田▲16.4P 鷲見▲58.2P

大体トップの藤原と、2着の藤井で決まりだな、と思って目を離した開局、親の増田のツモの声。

五万五万五万七万七万発発中中中  ポン南南南  ドラ四筒  ツモ発

増田がいきなりこの8,000オールをツモアガリ、一気に目を離せない勝負となった。

次局もリーチをして、藤井から2,000は2,300を出アガる。

これで藤井をトータルで捲ることに成功。
どこまで連荘を重ねるのだろう、と期待した増田の親番だったが、次局ツモが伸びずなんとノーテンで流局。
そして東2局、増田が再びリーチを打つ。
みな受けに入るかと思われたが、藤井から無筋が切られる。
藤原と鷲見は受けているため実質、増田と藤井の一騎打ちになった。
そして増田がゆっくりと切った牌で藤井がロン。
自風のドラを暗刻にした満貫を、一番アガリたい相手の増田から打ち取ることに成功。
このアガリで空気が変わり、藤井はその後も加点し原点をまで点棒を戻し、藤原は場を上手く回して、そのまま2人で勝ち上がりを決めた。

1位通過:藤井すみれ 2位通過:藤原隆弘

 

3卓 白鳥翔 vs 藤崎智 vs 西川淳 vs 客野直

今回のチャンピオンズリーグで唯一A1リーグからの参加の藤崎だったが、展開に恵まれずマイナスした状態で最終半荘を迎えた。

2回戦終了時
西川+42.1P 白鳥+12.3P 藤崎▲26.3P 客野▲28.1P

藤崎、客野は必然的に白鳥がターゲットとなる。
東2局、藤崎が親で役牌の中を仕掛ける。

四万四万五万四筒五筒六筒六索七索八索東東  ポン中中中  ドラ四筒

打点が必要な藤崎はここから五万を切り、シャンポンに構える。
東を引けるかどうかの戦いだな、と思ってみていたら、数巡後、白鳥が長考した後、出てきた牌はなんと東
藤崎に11,600点の放銃となった。

この藤崎の親を流せればかなり楽になり勝ち残りが一気に近づくのは確かだが、少し勝負を焦ってしまったか。
次局も白鳥は客野に2,600は2,900の放銃となり、雲行きが怪しくなってきた。

そして迎えた白鳥の親番だったが、客野が積極的に染め手を仕掛けていき、三索六索九索待ちのチンイツをツモアガリ、2,000・4,000。白鳥は痛い親被りとなり、東場が終了した。

南1局、客野が親で連荘をし、少しずつ加点し本場を積んでいく。
南2局の藤崎の親も、客野が1,000点でサクっとかわす。
藤崎はドラが暗刻の勝負手が入っていただけに、少し痛い親流れとなった。
そしてラス前、点棒状況は東家から、

西川30,400 白鳥10,300 客野42,600 藤崎36,700

白鳥が1人沈みになり、トータル2着は客野になっていた。
西川を除く3者、どのような状況でオーラスになるかと思ったら、このラス前で白鳥が西川に11,600を放銃し、ついに箱を割ってしまう。

オーラスの親は白鳥なので、まだ可能性はあるが、かなり重い11,600だったに違いない。
次局は藤崎がアガリ迎えたオーラス。点棒状況は東家から、

白鳥▲2,500 客野42,600 藤崎38,000 西川41,900

藤崎は客野を素点で逆転すればいいので、出アガリ5,200、ツモアガり1,000・2,000が必要である。
ホンイツに寄せていった藤崎は、11巡目、

一万一万二万二万三万四万六万六万八万八万八万中中

この形で、一万をツモり二万を切って面前でテンパイする。
そして、あっさり中をツモアガリ、3,000・6,000で見事逆転の勝ち上がりを決めた。

1位通過:西川淳 2位通過:藤崎智

 

4卓 太田優介 vs 三好直幸 vs 内川幸太郎 vs 松崎良文

ベスト28断トツトップだった内川を見ていたが、試合前にかぜ薬らしきものを飲んでいる姿を見た。
どうやら体調が優れないらしい。
それが関係しているかはわからないが、初戦ラスを引いてしまう。

2回戦目、東3局7本場、太田が50,000点を超えて、この半荘ぶっちぎるか?と思った。
しかし南1局、今度は三好の大連荘が始まる。
3,900から始まり、2,600オールや3,900オールなど高打点も決めて、気づいたら三好が50,000点を超えてトップに立っていた。
見ていただけで、三好の4回のリーチの中、内川は3回一発でロン牌を掴まされる様子を見て、内川の体勢の悪さが良く分かった。
終わってみれば、三好は65,000点の大トップで2連勝し、早くも勝ち上がりがほぼ決まった。

最終半荘、太田と松崎の一騎打ちとなったが、トーナメント慣れした松崎が安定した打ちまわしでリードしたままオーラスを迎える。

ラス親が断トツトップの三好のため、1局勝負となった太田は、残り2巡のところでツモれば跳満で逆転するリーチを打つも、ツモれず流局。
松崎の逃げ切りとなった。

1位通過:三好直幸 2位通過:松崎良文

 

以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト16トーナメントでした。
いよいよ決勝メンバーが確定する、ベスト8トーナメントです。

 

【ベスト8】

ベスト16トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト8トーナメントの戦いが始まる。

ここまで藤原以外は6半荘を打っており、体力的にも辛くなってくる本日最後の3半荘である。

1卓 西岡慎泰 vs 藤崎智 vs 藤井すみれ vs 三好直幸

点棒が大きく動いたのは東2局。
西家の西岡が自風を仕掛ける。そして北ポン、中ポンとし、三好の切った八筒でロン。

六筒七筒白白  ポン西西西  ポン北北北  ポン中中中

西岡、初戦から大きいアガリを拾う。
逆に三好はこの放銃が響き、1人沈みのままオーラスを迎える。
18,100点持ちの南家の三好は、ツモれば跳満のドラ含みの七対子のリーチを打つも、親の西岡と2人テンパイで流局。次局は藤崎がピンフをツモって、三好の1人沈みのまま1回戦を終える。

2回戦に入り、先手を取ったのは三好。
1,300・2,600をアガリ、次局も三色のリーチをツモって加点を続ける。
東4局には44,300点の1人浮きでリードする。
南2局、再び三好の連荘が始まる。が、この連荘を止めたのは藤井。
三好が数牌を1つ仕掛けて、字牌が切りづらくなっている局面の中、藤井から生牌のドラの東が打たれる。
結果、どこからも仕掛けは入らず、次巡、藤井のツモも声。

四万五万六万二筒三筒四筒四索五索五索五索七索七索七索  ツモ六索  ドラ東

500・1,000で三好の親を落とす。
ドラの単騎にも出来る形だったのだが、それよりも三好の親を流すためにアガリ優先の待ちにしたということである。鳴かれたとしても、おそらくほぼオリる気は無かったに違いない。それほど三好の親の連荘を恐れたのだろう。この決死の判断もあり、オーラスの点棒状況は、親から

西岡10,900 藤崎21,200 三好56,700 藤井30,000

ここから藤崎と藤井の2人テンパイで流局。藤井は三好の1人浮きを阻止することに成功。
藤井と西岡と三好はほぼ並びの状態で、藤崎は少し離されて最終戦を迎えることとなった。

最終戦、点棒が大きく動いたのは、東2局、藤井の4,000オールのツモだった。
続く2本場でも、三好と手がぶつかるも、藤井が嶺上開花でツモリ4,000は4,200オールのアガリ
これで一気に決勝進出に近づいた。
ついには60,000万点を超え、勝ち残り濃厚となる。
残りの決勝の椅子を3人で取り合う形となった。

藤井の親は落ち東3局、三好の親で、主導権を握るべく藤崎がリーチを打つ。
しかし一歩も引かない三好もついに追いつき、リーチと出る。
この勝負を制したのは三好。藤崎から12,000点の出アガリとなる。
藤崎にとっては手痛い放銃となった。
そして、三好はこのアガリを引き金に、大連荘が始まるのであった。
東3局1本場、3,900は4,200。
東3局2本場、2,000は2,600。
東3局3本場、流局。
東3局4本場、4,000オールは4,400オール。
東3局5本場、2,000は3,500。
東3局6本場、2,000オールは2,600オール。
東3局7本場、2,600オールは3,300オール。
ベスト28トーナメントでも垣間見た、三好の凄まじいラッシュである。
藤崎と西岡はほぼ点棒は無くなり、そのまま藤井と一緒に勝ち残りとなった。

1位通過 三好直幸 2位通過 藤井すみれ

 

2卓 藤原隆弘 vs 松崎良文 vs 西川淳 vs 蒼井ゆりか

静かな立ち上がりとなった2卓。
東3局2本場、藤原にドラ暗刻の勝負手が入るも、蒼井にピンフでかわされたりと勝負手が出ない。
迎えた東4局1本場。

親の藤原が、

一万二万三万四万四万五万五万六万六万七筒八筒発発  ドラ八索

このテンパイをするもヤミテンにする。
2,000オールを目指してリーチをする人も少なくないはずである。
何かあるのか?と思ったら、その巡目に西川からドラがトイツのリーチ。
そして藤原、次巡ツモ発で打八筒。さらに次巡ツモ七万で打七筒
一瞬にしてこんな手に早変わり。

一万二万三万四万四万五万五万六万六万七万発発発

ヤミでも満貫の勝負手に進化してしまった。
結局リーチしている西川の現物の白待ちにするも、流局。
誰も抜け出すことなく南入。
南2局4本場、藤原が松崎から6,400は7,600をアガる。
小場の中では、かなり大きいアガリである。
そして藤原がトップのまま初戦を終える。

2回戦も1,300の移動で静かな立ち上がりで、1回戦と同じく小場で回るのかと思いきや、北家の藤原に手が入る。

三万三万七万七万八万八万九万九万西西北発発  リーチ  ドラ七筒

この手、早3巡目のリーチである。
北は親が1枚切っていて、絶好の待ちである。
これを西川から出アガリ、初戦トップの藤原、12,000の加点。

その後、大きな点棒の動きはなく、藤原の1人浮きで2回戦を終える。
2連勝した藤原は、決勝進出ほぼ確定となったため、松崎と蒼井と西川の戦いとなった。
現状、蒼井が2位のため、西川と松崎は蒼井がターゲットとなる。

最終戦、西川、松崎ともにアガリを重ねるが、決定打が出ないまま、南1局。蒼井の親を迎える。
西川と松崎はこの親をかわせるかどうかが鍵となる。
先手を取ったのは西川、リーチを打つ。
すると蒼井はここを勝負所と踏み、無筋を押す。
本日、二度ベスト28とベスト16で似たような状況で、蒼井が満貫以上をツモアガるのを見ていた自分は、ここでもアガってしまうのではないか、と感じた。そしてテンパイし、リーチを打つ。

一万一万一万五万五万五万五筒六筒七筒一索一索五索五索  ドラ東

このツモり三暗刻のリーチである。
そして当然のように五索をツモアガリ、待望の4,000オールをアガる。
このアガリで蒼井は4万点近いトップになり、かなり有利な状況になる。
南3局、親の松崎も1,300オールをツモり食い下がる。
そして蒼井がトップのままオーラスを迎える。
親の西川は連荘を、松崎は条件を満たす手を作りに、蒼井はこの局を流せば終了、という各自のテーマがあったが、絶好調の藤原が一瞬でアガリ、そのまま藤原と蒼井の勝ち上がりとなった。

1位通過 藤原隆弘 2位通過 蒼井ゆりか

 

こうして決勝メンバーが出揃った。

藤原隆弘 vs 三好直幸 vs 藤井すみれ vs 蒼井ゆりか

決勝に向けて、決勝メンバー4人に一言づつ頂きました。

~決勝に向けて一言~

三好直幸:
関西にタイトル持って帰ります。

藤井すみれ:
4年前に、同じ舞台で藤原さんに負けて悔しい思いをしたのを今も忘れていません。
4年前より進歩している自分を見せて、優勝したいと思います。

藤原隆弘:
今回はあまりにも楽に残りすぎちゃいました。予選1位通過の勢いが残っていたのかな。
4回目の決勝で3回目の優勝を狙います。

蒼井ゆりか:
決勝の舞台は緊張すると思いますが、自分らしくしっかりとした麻雀を打ちたいです。
精一杯頑張ります!

 

次回はついに決勝です。
女性2人が残った決勝、格が上の藤原はどのような麻雀をするのであろうか。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト8トーナメントでした。
決勝観戦記は、ベスト16トーナメントで惜しくも敗れた増田隆一プロです。
ありがとうございました。

(文中敬称略)