第2期JPML WRCリーグベスト8A卓レポート 菊原 真人
2017年09月01日
去る8月17日第2期WRCリーグのベスト8A卓が開催された。
ベスト16から勝ち上がりとなった
羽山真生
藤島健二郎
井出一寛
小松武蔵
この4人が決勝戦のイスをかけ熱い闘牌を繰り広げた。
1回戦
東場は点棒の大きな移動がないまま進み南場へ。
南3局 親 羽山
小松から先制のリーチが入る
ドラ
ドラドラの藤島、同じくドラドラで手格好の整っている井出はギリギリまで踏み込み、ぶつける構え。
追いついたのは井出。
1シャンテンのこの形からを引き入れドラを切りリーチと強くぶつけていく。
この勝負、勝ったのは井出
ロン ドラ
小松がを掴み8,000の出アガリをものにする。
これで、井出32,000、藤島26,300、羽山35,700、小松26,000となり4者平たい展開でオーラスへ。
南4局 親 小松
北家のトップ目の羽山が藤島の切った自風のを1巡目から仕掛けていく。
井出もドラを重ね、苦しい形だったペンを引き入れリーチ。
リーチ ドラ
羽山もすぐにテンパイをいれる。
ポン ポン
羽山は3着の藤島と9,400点差のため満貫放銃でも2着であること、自身がドラドラである事、待ちがリーチ者の現物である事を加味して、真っ直ぐいき、トップを目指す構え。
このオーラスの勝負を制したのは井出。
羽山の掴んだをロンとし1回戦を逆転トップで終わらせることに成功した。
1回戦成績
井出+25.0P 羽山+2.7P 藤島▲8.7P 小松▲19.0P
2回戦
東4局 親 井出
10巡目小松は1シャンテン。
ドラ
切りや切りがテンパイ枚数が多く、裏目が少ないが小松が選んだのは打。
その直後羽山からリーチが入る。
リーチ
ここで小松が持ってきたのは。
打がうまくいった形となり、一発であたり牌を掴んだ羽山から8,000は8,300のアガリをものにする。
ロン
南1局 1本場 親 羽山
藤島からの先制リーチに対してドラドラの羽山
ドラ
1シャンテンで勝負形のためぶつけにいく構え。
羽山のツモ切りしたに声をかけたのは小松。
ロン
羽山から8,000は8,300の出アガリで小松は大きく加点していく。
南2局 親 藤島
藤島にチャンス手が入る。
9巡目、藤島は8枚目のを引き入れテンパイ。リーチとし、この勝負手をツモアガリ6,000オールでトップ目に立つ。
リーチ ツモ ドラ 裏
オーラスは藤島と小松がトップ争いになったが制したのは小松。
2回戦は1回戦とは打って変わり勝負手がぶつかり大きく動く展開となった。
2回戦成績
小松+32.6P 藤島+16.2P 井出▲2.2P 羽山▲46.4P
2回戦終了時成績
井出+22.8P 小松+13.5P 藤島+7.4P 羽山▲43.7P
3回戦
2回戦大きく沈んでしまった羽山の悪い流れが止まらない。勝負手をぶつけては放銃を繰り返していたが親番にまたチャンスを迎える。
東4局 親番 羽山
羽山はドラを暗刻にして4巡目に
ドラ
この1シャンテン。その後、とツモり、
盤石の1シャンテンになるも、なかなかテンパイせず、巡目が深くなり他家に追いつかれていく。
テンパイが入ったのは残りツモがあと2回になった場面にツモのカンテンパイ。
は前順に藤島にポンされており、テンパイをいれるもこの局のチャンス手も実らないかに思われたが、羽山の最後のツモ山に眠っていたのは最後の。
羽山が4,000オールとし連荘へ。1本場は羽山の先制リーチ。
徐々に流れを引き寄せはじめているかに思えたが、リーチに対して同巡にテンパイをいれた藤島が、一発目に無筋のを勝負し、この局のアガリをものにし羽山を勢いにのせなかった。
南2局 親 藤島
井出と藤島の手牌がぶつかり、アガったのは井出。
井出
ポン ポン ロン ドラ
藤島
ポン ポン ポン
藤島が井出に8,000の放銃となった。
この局面、井出は1シャンテンが
ポン ポン
藤島がその時
ポン ポン
この形から打としてを重ね井出のテンパイで切られたをポンしてテンパイをいれたのだが、ソウズ模様の井出に対してドラが重なり自分のアガリを見るならピンズとして、危険な牌を早めに処理し、この形ならぶつけるとしていたのだろう。
1回戦から丁寧かつ闘い続けている今日の藤島らしい1局に思えた。
南4局 2本場 供託1.0
全員平たい点棒状況で迎えたこの局を羽山が2,600は2,800オールで頭1つ抜ける。
迎えた3本場
羽山42,000
井出29,500
小松27,200
藤島21,300
小松は
このリーチ。
これをアガれば2着浮上の小松。
井出は小松とテンパイノーテンでも変わってしまうためいきたいのだが、余剰牌がドラの。
満貫放銃はラスまでいってしまうため無理も出来ない。
そこに割って入ったのは藤島。
ツモ ドラ 裏
を一発でツモリ3,000・6,000は3,300・6,300のアガリとなり藤島が2着に食い込み、最終戦は誰が勝ち上がってもおかしくないポイント差で迎える事になった。
3回戦成績
羽山+20.7P 藤島+10.2P 井出▲8.8P 小松▲22.1P
3回戦終了時成績
藤島+17.6P 井出+14.0P 小松▲8.6P 羽山▲23.0P
4回戦
東1局 親 井出
藤島が積極的にリーチにいく。
リーチ ドラ
井出もすぐに追いつきリーチとぶつけにいく。
リーチ
最終戦突入時点で1位通過の藤島、2位通過の井出がリーチに行ったこの局面。
競っているこの場面でターゲットにならないために先に突き抜けたい。
ベスト16、ベスト8と見てきたが藤島がこの形からリーチの判断をするイメージがなかったので強く勝負に出た局に見えたが、親の井出も同じ事を考えたのだろう。
7,700や4,000オールで抜けてターゲットにされにくい環境にしたい。
藤島と親の井出の思惑が出た1局になったが結果は流局。
その後井出、藤島とアガリ2人が加点する展開。
追いかける小松と羽山には苦しい展開の中、前回チャンプの羽山の追撃がはじまる。
東2局 親 藤島
井出の先制リーチが入る。これに羽山は真っ向勝負をポンしてこのアガリをものにする。
ポン ツモ ドラ
3,000、6,000をツモアガリトータル2位の井出に3.8P差まで迫る。
その後、羽山が1,000オールをアガリ、井出を逆転するが、井出が1,000は1,300をアガリ再び井出がひっくりかえす。
そしてまた羽山が2,000をアガリ、1局毎に通過者がかわるデッドヒートの中、南場に入る。
南1局 親 井出
競り合いが続いていた場が激しく動いたのはこの局。
井出が
ポン ポン ツモ ドラ
この6,000オールをツモアガリ、通過に王手をかける。
羽山はこの時点で藤島がターゲットになるが、ポイント差からトップの獲れる位置にいたい。
羽山が連荘を阻止して南2局。今度は羽山と藤島がぶつかる。
南2局 親 藤島
先制リーチは羽山
リーチ ドラ
これにドラ暗刻の藤島が追いつきリーチ。
リーチ ツモ
山には2対2で勝負所になったこの1局を制したのは藤島。
4,000オールをツモアガリ藤島も加点し、南3局の羽山の親番を迎える時には、
井出39,300
藤島37,200
羽山35,600
小松7,900
となり、逃げる2人が点棒を持っているため追いかける羽山、小松は苦しい展開。
羽山は親番にテンパイで連荘を重ね2本場でアガリをものにしてトップ目に立つ。
そして3本場、羽山がこのアガリをものにする。
ツモ
4,000は4,300オールをツモリ最終戦南3局にまた井出、藤島、羽山の大接戦となった。
南3局4本場
小松がダブをポン、からをチーとして最後の親番にかけるためこれ以上の加点はなんとしてもさせない構え。
井出は31,300 ここまで+14.0P
藤島は34,300 ここまで+17.6P
羽山は54,200 ここまで▲23.0P
現状 井出+10.3P 藤島+21.9P 羽山+16.2P
井出は、藤島を逆転すれば通過が見えるが、ここでダブを仕掛けている小松に満貫を放銃でもすれば、オーラスに藤島から6,400以上の直撃か跳満ツモ条件になる。
だが井出は、無筋の、、ドラのを勝負しリーチ。
リーチ ツモ
2,000は3,200をアガれば藤島より上にいけること、放銃が3,900までならオーラス満貫ツモ条件が残る事などが勝負判断になっているのかも知れないが、無筋を3枚勝負はせずに小松にアガられても軽い条件でオーラス勝負に持ち込む事も選択肢にはあったのかもしれないが、今日の井出は1回戦から一貫して勝負所を保留する事はあまりせず、闘っているように見えた。
井出は35,200 ここまで+14.0P
藤島は33,200 ここまで+17.6P
羽山は52,500 ここまで▲23.0P
現状 井出+19.2P 藤島+15.8P 羽山+14.5P
羽山は1,300点以上のアガリで通過だが井出から2,000点だけ井出、藤島が同着になるためアガれない。
5ポイント以内に3人がいる大接戦のオーラス。
藤島が仕掛けをいれて早いテンパイからアガリ切り、井出、藤島が通過となり、前回チャンプの羽山はベスト8で惜しくも敗退となった。
もしも井出がオーラス勝負に持ち込んでいたなら、通過はこの藤島のアガリで藤島・羽山だったかもしれない。
最後まで誰が決勝に行くかわからないA卓の見応えある試合だった。
4回戦成績
羽山+37.5P 井出+10.2P 藤島 ▲0.8P 小松▲46.9P
4回戦終了時
井出+24.2P 藤島 +16.8P 羽山 +14.5P 小松 ▲55.5P
通過者 井出・藤島
B卓ではどのような闘牌が繰り広げられるのか、こちらも見逃せない。
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