第3期JPML WRCリーグ ベスト8B卓レポート
2018年02月24日
ベスト8もついに最終卓。
A卓勝ち上がりのケネス徳田、B卓勝ち上がりの小林正和、C卓勝ち上がりの藤崎智、D卓勝ち上がりの山田学武の対戦。
ここから上位2人とベスト8A卓勝ち上がりの清原、中川が決勝で戦う事になる。
1回戦(起家から、山田・小林・ケネス・清原)
東2局1本場
親の小林がをポン、終盤にテンパイ。
ポン ドラ
そこへテンパイしたケネスがをカン。
カン ドラ
小林に対して切りにくい単騎でリーチとした。
何とこのが山に3枚いたのだが…ハイテイでを掴んでしまい小林に5,800の放銃。
東2局2本場
ケネスが7巡目にピンフテンパイでヤミテン。
ドラ
そこへ親の小林がリーチ。
リーチ
ケネスは待ちを変えながらアガリを狙うが小林がをツモ。裏ドラ1枚で2,600は2,800オールとなった。
東2局3本場
今度は藤崎の先行リーチ。
リーチ ドラ
すぐ追いつく山田。
打
ここはドラ打ちのヤミテンを選択。
そして数巡後、ツモで待ちも打点もアップして追いかけリーチ!
リーチ
これは好感触かと思いきや高目のを掴んでしまい、裏1で8,000は8,900の痛すぎる損失となった。
たらればを言えば、単騎なら藤崎から討ち取っていたという1局だった。
東4局
小林が11巡目にリーチ。
リーチ ドラ
ここは親でドラドラの藤崎が勝負して8,000の放銃。
実は藤崎はまだ2シャンテンで、今日は攻めるぞという気合いのあらわれにも見えた。このアガリで小林は55,000点オーバー。
南1局
親の山田に大チャンス。
カン ドラ
是が非でもアガリたいだろう。
藤崎が山田の現物待ちでテンパイを入れる。
このまま忍者のヤミにやられてしまうか?と思ったのも束の間、次巡、危険牌のを持ってくると藤崎はをカラ切りでリーチ!
喉から手が出るほど欲しい山田はチー。
このめくり合いは藤崎にほほえみ、裏ドラも1枚。
2,000・4,000のアガリ。
南2局
ケネスが隙なく七対子ドラドラをヤミテン。山田から6,400。
南3局
親のケネス2巡目、ここから何を切るか?
ドラ
が1枚切れという事もありマンズをほぐす人も多そうだが、ケネスは打として、ドがつくほどストレートに手組みした。そして4巡目にリーチ。
リーチ ツモ
2,000オールで最速のアガリを決めた。
切れない単騎はリーチ、七対子ドラドラ単騎はヤミテン、このイーペーコーは即リーチ、とケネスのリーチ判断や手組みは多種多様で面白い。
南4局は山田がしぶしぶラスを受け入れるアガリ。
小林のトップで終了した。
1回戦成績
小林+37.5P 藤崎+7.8P ケネス▲6.1P 山田▲39.2P
2回戦(起家から、藤崎・ケネス・山田・小林)
東2局1本場
山田が4巡目にチンイツのポンテン。
ポン ドラ
ドラドラのケネスから8,000は8,300。
東3局
ケネスが好配牌。
ドラ
しかしテンパイ1番乗りは藤崎!4巡目リーチ。
リーチ
すぐにをカンして新ドラは。
新ドラがトイツになった山田が2軒目のリーチ。
リーチ
ケネスはなんとあの形がテンパイせず、悔しい撤退。
2人の待ちは山に2枚ずつで互角だったが、山田がで4,500の放銃になった。
東4局
5巡目、藤崎が高目三色のリーチ。
リーチ ドラ
ケネスも早い1シャンテンだったのだが
捨て牌
ツモ
前巡に2枚切れのをツモ切っており、藤崎にが間に合ってしまった。
これはケネスが自分の見え方を意識する故の放銃に感じた。で並べて切るのではなく、を後に切る事により手役をボカしたかったのではないか。しかしケネスが思うよりリーチが早かったのが誤算だったか。
藤崎に12,000。
南2局1本場
一斉にテンパイが入る。
11巡目藤崎のヤミテン。
ドラ
12巡目、親のケネスもテンパイ。
これをまさかのヤミテン!
ケネスは11,700点持ちのラス目。加点したくて仕方ないはずなのだが…。
同巡山田がリーチ。
リーチ
ふと小林を見ると、前巡に山田の現物でもあるをトイツ落としで1枚切ったところ。もしやこれを狙っていたのだろうか?
気配を殺したケネスが、小林から2,900は3,200+リーチ棒2本を獲得。
このリーチ判断を解説の勝又は絶賛。
以前「欲を出したら負ける」と言っていたケネスの言葉を思い出した1局だった。
南2局2本場
藤崎のヤミテンに山田が8,000を放銃。国士に向かった山田のドラが狙われた。
南3局
小林が絶好のをチー。
チー ドラ
1シャンテンになった藤崎から8,000。
南4局
10巡目、トップ目藤崎がテンパイ。このまま逃げ切りたい。
ドラ
12巡目、追いついたのは親の小林。
このが藤崎の手に来てしまい、9,600でトップが逆転。次局は流局で小林が2連勝を決めた。
2回戦成績
小林+25.9P 藤崎+13.0P 山田 ▲12.3P ケネス▲27.6P
2回戦終了時
小林+63.4P 藤崎+20.8P ケネス▲33.7P 山田▲51.5P
3回戦(起家から、山田・藤崎・ケネス・小林)
東1局ケネスがテンパイ。
ドラ
ポイント差を考えると、もしや見逃しもあるか?とも思われたが、ここは素直に山田からアガリ、8,000。
東4局
山田がリーチで小林から5,200。
南1局
前局のアガリでもまだラス目、この親で稼ぎたい山田だったが、ケネスのリーチに5,200。苦しい展開が続いてしまう。
南2局
7巡目にテンパイした山田だったが、打点も待ちもイマイチ不満。
打でテンパイはずし。
打 ドラ
しかし更に前からテンパイしている人物が……
親の藤崎だ。
ツモ 打
ドラ単騎にそっと待ち変え、ヤミテン続行。
山田もドラをひけないまま両面変化なら渋々ドラが出てしまうだろう。
9,600は痛すぎる。
危ない山田!
そのままツモ切りが続いていくとついに3人目の男が名乗りをあげた。
ケネス
リーチ 一発ツモ 裏
漢の単騎1発ツモ。
このアガリで持ち点を55,200点まで伸ばした。
南4局2本場
親の小林が連荘して30,000点持ちの2着目。
25,100点持ち3着目の藤崎はケネスとの最終戦勝負に向けて2着になればより有利、このまま終わっても最終戦着順勝負だ。
藤崎
ドラ ツモ
10巡目テンパイ。
さぁリーチかヤミテンか?と見守っていると、そのどちらでもない打牌が映像に現れた。
打。
…あぁ、この人はなんてかっこいいのだろう。
対局後のインタビューで「しか意味が無いような手になってしまったので、ああしましたね」と当たり前のように言っていた。
鳥肌が立った。
次巡
ツモ 打
12巡目、をチーしてテンパイ。
チー
1人テンパイ流局、3着のままではあったが、ずっと記憶に残しておきたい局だった。
3回戦成績
ケネス+36.7P 小林+3.1P 藤崎▲6.9P 山田▲33.8P
3回戦終了時
小林+67.4P 藤崎+13.9P ケネス+3.0P 山田 ▲85.3P
4回戦(起家から、藤崎・ケネス・小林・山田)
小林がほぼ当確となり、残りの椅子は1つ。
+13.9の藤崎と、+3.0Pのケネスの着順勝負がどうなるか。(WRCルールはひと着順で一万点の順位点がつくので、着順が上のほうがほぼ通過。)
かなり苦しくなってしまったのは山田だが、北家スタートは大チャンス。最後まで粘る姿が見られそうだ。
東1局1本場
親の藤崎がリーチ。
リーチ ツモ ドラ
山田・ケネスも勝負手だったが追いつけず。
2,000は2,100オール、プラス供託2本の収入。
東1局2本場
また親の藤崎の手がいい。
ドラ
これをアガれば更に有利なポイント差になる。
そこで密かに先にテンパイしていたのはライバルのケネス。
ドラ表示牌のカンチャン待ち、これをヤミテンとしてイーペーコー・両面・シャンポン変化などを狙い手替わり待ち。
やっと変化したのは12巡目。ツモで両面リーチとした。
藤崎はあの好配牌がテンパイせず、このリーチを受け撤退。
ハイテイで力強くを引き寄せ、2,200・4,200。引き離された藤崎にケネスが再度並んだ。
東2局
やっと先手をとれたのは山田。
リーチ ツモ ドラ
ついに本手成就。
最後まであきらめない気持ちが伝わってくる。
ケネス親かぶりは藤崎は歓迎。
東4局
親番の山田が5巡目リーチ。
リーチ ツモ ドラ
裏ドラは乗らないが、4,000オールを決める。
あと4回ほどこれをやれば山田も通過が見えてくる。
同1本場も1,100オールのツモアガリ。
まだまだ親をやりたい山田だったが、2本場は一斉に藤崎・小林の捌き手に阻まれ、東場は親落ちとなった。
南1局
藤崎がこの1シャンテン。
ドラ
国士模様の山田と、ポイントに余裕がある為同じく国士のような捨て牌で安全策の小林がいるため、が鳴きにくく場況が読み辛い。
終盤1シャンテンキープでをツモ切るとケネスの手が開かれた。
値千金の8,000直撃。
これでケネスが12,000点リード。
南2局、南3局は山田がリーチをしてどちらも1人テンパイ流局となり、ついにオーラスを迎えた。
南4局2本場
供託リーチ棒2本の為、藤崎の条件は満貫ツモ。
4,500以上ケネスから直撃。他家からは1,2000。
小林とケネスはアガれば決勝。山田はこの親でひたすらアガるしかない。
勝又コンピューターでは、14,000点オールほどツモれば並ぶ計算だ。
3巡目、藤崎。
ドラ
七対子のみでは足りない。タンヤオを絡めたリーチや三色、イーペーコー狙いで打とする。
すると次のツモは!
暗刻なら使いたいのだが……無情にもが3枚河に並んだ。
山田もがむしゃらにバックのテンパイ。
チー
これを山田にアガられ、供託リーチ棒が無くなれば、次局藤崎は更に条件がきつくなってしまう。
ケネスも1シャンテンになるが、中盤に差し掛かりオリを選択。
藤崎は12巡目にやっとこの形であと1歩。
そこへテンパイしたのはトータルトップ目の小林。
ポイントを持ってからここまで、危険を犯さずにひたすら守ってきた。
場を見渡し、深呼吸をすると、リーチ宣言。
山田に一発でが訪れ、最後は小林自らこの戦いに終止符を打った。
4回戦成績
山田+31.0P ケネス+6.6P 小林▲11.4P 藤崎▲26.2P
4回戦終了時
小林+56.0P ケネス+9.6P 藤崎▲12.3P 山田▲54.3P
1位通過 小林正和
2位通過 ケネス徳田
以上2人が決勝進出となった。
ベスト16からレポートさせて頂き、ここまで沢山のドラマや逆転劇があった。
ぜひ優勝者をその目で確認して頂けたらと思う。
きっとそこにもたくさんの悔しさと、喜びがあるだろう。
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