第11期 JPML WRCリーグ ベスト8A卓レポート
2022年07月28日
【JPMLWRCベスト8A卓、決勝進出は石立岳大、太田優介】
阿久津翔太「よしここから逆転するか、という気持ちでした。」
1回戦東4局、石立岳大の大三元に放銃となった阿久津の弁。
は7巡目に阿久津が切った直後に石立が重ねた牌。
太田優介も小高佑貴も、あのは、自分が持ってきていても止められなかったと語っている。
実は1回戦、好スタートを切ったのは阿久津だった。
ドラ2の手牌を積極的に3フーロ。
石立のリーチを受け全面対決になったものの、高目のドラをツモアガリ、2,000・4,000(+1,000)からのスタートだった。
次局、東2局の親番はダブを鳴いて、ソーズのホンイツに向かった。
待ちかドラの単騎の選択。
阿久津の選択は打。
どちらが良いかは僕にはわからないし、どちらを切ってもテンパイ連荘という結果に影響がないことも多々あると思う。
しかし、選んだは仕掛けていた小高への放銃になる。
もちろん反省点になる話ではないが、を選んでいれば(その先の大三元放銃も含めて)異なる未来だったかなぁ、と感じてしまう1局だった。
続いて小高の書いた自戦記を紹介する。リンクはこちら
ドラクエの行に昭和を感じてやまないが、文章はわかりやすく面白い。是非ご覧になっていただきたい。
彼が最も後悔している局にあげたのは、大三元の次の南1局だった。
noteより引用『多分この中で唯一、私だけが2着を意識してしまった。それが顕著に結果として現れた。』
同じ話をつらつら書いても仕方が無いので、彼のnoteで確認して欲しい。
いや、それは面倒…という人のために一部だけ抜粋させていただいた。
こういった悔しさを、15年選手である石立や太田は何度も味わっている。
2年目にもかかわらず、他の選手と遜色ない内容だったが、経験からくるちょっとの差が今日の結果を左右したように思う。
小高とは対象的だったのは太田。
南3局、親石立のリーチ宣言牌、ドラのをポンして攻め返す。
やは現物とはいえ、太田と小高の持ち点は近く、親への放銃は避けたい点数状況。
躊躇ってしまう人も少なくはないだろう。
この積極性が最高の結果を生む。
鳴かなければ一発ツモだった石立のを食い取り、さらにもう1枚引いて暗カン。
食いとっただけでなく、カンドラもになり跳満のアガリとなった。
迎えた南4局の親番では、太田らしくない一面を見せる。
小高のリーチを受けての選択の場面。役あり、愚形のテンパイ、リャンメンへの変化、などリーチをしない理由がたくさんあった。
僕は太田と仲がよく麻雀の話もよくするのだが、彼のベースはリスク回避型の思考、悪い言い方をしてしまうと、無難な選択をするタイプだと思っていただけに、この追いかけリーチには相当驚いた。
この局のことを後日聞いてみた。
太田「1半荘目はちゃんと手が入れば強くいくとは決めていたよ。競り負けしないように最初からおもいっきり。」
なるほど。LINEのやり取りを思い返すと気合十分で、勝ちたい気持ちに溢れていたね。
作戦も心もしっかり作って臨んだのだろう。
を一発でツモって4,000オール。
まだ1回戦ではあるものの、中堅の2人が大きめのリードを持ったので、試合の大勢は決まったように思われる。
石立は逃してしまっても、残り3人での二番手争いに持ち込みたかった阿久津は、1回戦に太田に稼がれて相当厳しくなってしまった。
2回戦、有利なポイントでも太田、石立は攻め手を緩めなかった。
南2局、石立が小高から満貫を直撃したのがほぼ決定打。(高目のでのアガリでピンフ、三色同順、ドラ)
もちろん小高、阿久津も最後まで最善を尽くし、3回戦は小高が石立とのトップラスを決めそうにはなったのだが、無情にも太田がトップを奪取。
石立はこの3回戦を「アガれなくて大変だったが、太田のアガリで(小高との)順位点が20ポイント縮んだので(トータルでは差がついたので)、展開に恵まれた。」と語っている。
詳しい経過は、 小高のnoteを参照いただきたい。
石立は、第15回日本オープン(2017年日本プロ麻雀協会主催、優勝は渋川難波)、
太田は、第43期王位戦(2017年、優勝は野方祐介)以来の決勝戦。
石立はインタビューで悔し涙を流した。
太田は弱気な麻雀をしてしまったとの反省があり、同じ轍を踏むまいと強く誓っている。
2人とも初タイトル、ぜひとも獲りたいだろう。
きっと熱のこもった麻雀と良い表情を見せてくれると思う。
数日後の決勝が楽しみである。
決勝戦は7/31(日)14時から対局、放送が行われる。
太田優介vs石立岳大vs????vs????
解説:佐々木寿人・齋藤豪
実況:優月みか
(文:福光聖雄)
カテゴリ:JPML WRCリーグ レポート