第9期麻雀グランプリMAX ベスト16 A卓レポート 日吉 辰哉
2019年03月14日
麻雀グランプリMAXは今年度のポイントランキング上位者のみに参加資格が与えられる。
今年度活躍した選手が大集結する、年度末の大祭典。
一次二次予選を勝ち上がった10名に、前年度優勝者前原雄大、今年度のタイトルホルダーである吉田直(鳳凰位)、内川幸太郎(十段位)、魚谷侑未(王位)、沢崎誠(麻雀マスターズ)、藤崎智(ポイントランキング1位)、以上の6名を加えてベスト16の戦いが幕を開ける。
麻雀グランプリMAXベスト16のシステムは5回戦行い上位2名がベスト8に進出する。
【A卓】前原雄大(前年度優勝)・山田浩之・西川淳・客野直
A1リーガー前原にA2の3人がぶつかる構図のA卓。
鳳凰戦A2リーグ最終節にて大逆転でのA1昇級を決めた西川。
来期A1への挑戦に向けて、このグランプリMAXで弾みを付けたい。
しかし、この日の西川は初戦から3連続4着の▲57.2Pと大苦戦。
迎えた崖っぷちの4回戦。持ち前の攻撃力が発揮される。
4回戦、東3局、ドラ。
まずは前原がマンズの一色狙いで仕掛ける。そこに上位を伺う客野がタンヤオで仕掛け6巡目にテンパイを入れる。
西家 客野
チー チー
前原、客野の仕掛けによりソーズの山を引き当てた西川も仕掛けて1シャンテン。
南家 西川
ポン
更にはドラトイツの山田も仕掛ける。
東家 山田
チー
山田から打ちだされたを仕掛けて西川にテンパイが入る。
チー ポン
客野はドラを掴み撤退。直後山田にテンパイが入る。待ちは、西川とのめくり合いである。
更に西川はツモ、打としフリテンの五面待ちとしツモアガリ。
これで息を吹き返した西川は、次局の親番で2,600オール、更に南場の親でも3,900オールで5万点超えの大トップ。
勝ち上がりに希望を繋ぐも、最終戦は無念の4着で敗退となった。
西川が鳳凰戦A1入りを決めた最終節、涙を飲んだのは山田だった。
このグランプリMAXにかける想いも強いであろう。
1回戦、南1局、ドラ
原点を僅かに超えている山田は親番で以下の先制リーチ。一気に加点を目論む。
東家 山田
リーチ
直後にドラトイツの客野がリーチ。
南家 客野
リーチ
山田は一発でを掴まされ痛恨の放銃。
次局、山田は中盤でホンイツの1シャンテンとなるが、テンパイにたどり着けない。終盤となりアガリは厳しく思えたが、同じく1シャンテンの前原からが打ち出され以下のテンパイ。
北家 山田
ポン
直後にのツモアガリで値千金の2,000・4,000。厳しい戦いが予想されたが直ぐに挽回。
更に次局、西川の先制リーチに以下のリーチで反撃。
東家 西川
リーチ ドラ
西家 山田
リーチ
これを西川から打ち取り、1回戦トップとなる。
2回戦以降も安定感のある戦いを見せた山田。4回戦で西川が大トップの半荘を大きな2着でまとめ勝ち上がりを決定づけた。
最後の一席をめぐる争いは前年度優勝者の前原と一次予選から勝ち上がってきた客野。
客野は粘り強い麻雀で前原に食らいつく。
最終戦を迎えて、前原▲0.8P、客野▲11.7Pの大接戦。
東1局1本場、客野は積極的に仕掛ける。
東家 客野
ポン ポン ドラ
この仕掛けに対し、前原は以下の1シャンテンからを仕掛けてドラ切りのテンパイ。
西家 前原
チー 打
トイトイ濃厚の親番客野に対し、ドラをぶつけて親を流しに行く。これが前原の押し。
これをしっかりアガリ切ると、続けざまに1,000・2,000のツモアガリで更に加点。
一気に前原ペースに引き込むも、東4局に客野が意地の一撃。
南家 客野
ドラ
これを前原からの直撃でトータルポイントも逆転に成功。
ここからは手に汗握る一進一退の大接戦。
南1局では客野が先制リーチも西川に5,200の放銃。
南2局は客野1人テンパイ。
南3局は前原の1,300オールのツモアガリ。
1局ごとに勝ち上がりが入れ替わる。その接戦に終止符が打たれる時が来る。
南3局、前原33.200点、客野33.100点。
11巡目に親の前原が以下のリーチ。
東家 前原
ドラ
西家 客野
ツモ
同巡に上記の牌姿で追いついた客野。前原にアガられては非常に厳しい状況となる。
ペンターツを外した打直後のテンパイ。この形からを止める術はなく、「リーチ!」の発声と共にを河に打ちだした。
前原に真正面からぶつかっていった客野。残念ながらこのビハインドをはね返す力は残っていなかった。
A卓勝ち上がり 山田浩之 前原雄大
カテゴリ:グランプリ レポート