第2期グランプリMAX ベスト8レポート
2012年04月18日
【A卓】藤崎智 勝又健志 堀内正人 白鳥翔
左から 堀内正人、白鳥翔、藤崎智、勝又健志
藤崎 智 |
勝又 健志 |
堀内 正人 |
白鳥 翔 |
1、2回戦が終了し、得点状況は以下のようになっている。
堀内+35,0P 藤崎+26,2P 勝又▲18,6P 白鳥▲42,6P
3回戦東4局、南家の堀内が3巡目にを仕掛けると、
ドラ
チー
瞬間、下家の白鳥にが食い下がる。
度々見かける、堀内流の仕掛けであるが、対局者もそれに対応した打法を取る。
同巡、40ポイントのマイナスを背負っている白鳥が、場に見えていないを打ち出すと、堀内はポン。
間もなくを引いてこの形。
堀内
ポン チー
さらに親の勝又がこの形でリーチをかける。
リーチ
お互いに先手の取り合いを重視した打ち方が見られる。
ドラも役もなく、さらに待ちも悪いが、先手を取られたときにベタオリしているばかりでは相手の思う壺なのだ。
先手を取られた方は、相手が「本物」か「偽者」か見極める作業に入る。
ポン チー
この手牌同士の争いは、一見単なるテンパイ競争に見えるが、卓上ではそのような無言のやりとりが会話されている。
リーチを受けた堀内は、ドラを引き入れ待ちこそ悪いが勝負できる形になった。
そこに追いついたのが西家の白鳥。
ツモ
長考した白鳥の選択は、三色取らずの打として堀内への放銃を回避。
は堀内に対する安全牌であるが、勝又には通っていない。
そしてを引き入れた白鳥は、カンに待ち替えでリーチ。
西家・白鳥
リーチ
東家・勝又
南家・堀内
加カン チー
この局を制したのはトータル3着目の勝又。
ハイテイでをツモり、2,000オールのアガリとなった。
次局、堀内が再び仕掛ける。
チー ポン ドラ
すると、北家の藤崎がをポン。
相手が起こしたアクションに対して、攻め返した藤崎の手牌の信頼度は抜群だ。
場に緊張感が走った瞬間、堀内の7,700放銃となった。
藤崎
ポン
南2局、トータル最下位の白鳥は、3,900オールをものにする。
ツモ
続く2本場、再び白鳥が先制リーチ。
リーチ
勝負に出た勝又から出アガリ3,900。
続く南3局、親番の藤崎の配牌が凄い。
ドラ
南家・勝又の手牌もドラがトイツの好手牌だ。
すると、なんと西家の堀内が第一打をツモ切ってリーチ!
数巡後に、堀内がツモアガリ1300・2600。
ツモ
これでもラス抜けはすることはできないが、
ここまでのポイントを全て失ってしまう可能性があっただけに、非常に大きなアガリとなった。
最終戦のポイントは以下。
藤崎+37,9P 堀内+11,9P 勝又▲11,0P 白鳥▲38,8P
藤崎が頭1つ抜けており、白鳥は大きなトップが必要。
実質、勝又、堀内2人の勝負といって良いだろう。
南2局となり、点数は北家・勝又36,000点持ち、西家・堀内は24,300持ち。
順位点を加えて、勝又が4,8ポイントリードしている。
勝又手牌
ポン
が場に1枚切れ。トータルの点数状況がなければを仕掛けていたかどうか?
この勝又の仕掛けに対して堀内。
堀内手牌
下家のライバル勝又がソーズ模様であったため、の打ち出しが遅れてしまっているが、
堀内が信条とする麻雀スタイルなら先打ちしても良いではないか?と思う。
この後、勝又が2ポンでシャンポンに待ち替え。瞬間、堀内にテンパイが入ってしまい。で放銃となった。
ベスト8、A卓最終戦オーラス、親番は堀内。このとき11,6ポイント差で勝又がリードしている。
南4局1本場、堀内に勝負手が入る。
ツモ ドラ
打としてテンパイをとる。
同巡、勝又はこの手牌から、を抜き打ち。
絶対にテンパイをとらなければならない、堀内の変則的な捨て牌。
そして余ったピンズを見て、ピンズ受けが残った自分にアガリはないと踏んで、完全にベタオリをはじめる。
勝又の冷静判断が光り、流局となった。
2本場、堀内が先制リーチ。
ドラ
勝又はここで勝負に出る。リーチに対して危険牌を連打。
すでに何が危険かなど考えていないようにも見える打牌モーションだ。
ようやくテンパイが入ると、流局間際にをツモ。
ツモ
A卓からは藤崎、勝又が決勝進出となった。
A卓:1位通過・藤崎智+29,3P 2位通過・勝又健志+15,6P
【B卓】小島武夫 ダンプ大橋 和久津晶 奈良圭純
左から 奈良圭純、ダンプ大橋、小島武夫、和久津晶
小島 武夫 |
ダンプ大橋 |
和久津 晶 |
奈良 圭純 |
ロースコアで進んだA卓とは対称的に、B卓は激しくポイントが上下している。
3回戦を終了して、奈良+41,3P、小島+21,1P、和久津▲3,6P、ダンプ▲58,8Pとなっている。
4回戦南2局2本場、供託×2。
北家・和久津は25,900点持ちでこのテンパイ。
ドラ
ここから和久津は打のテンパイ取らずとした。供託が2本あり、親番がない状況で持ち点が25,900。
以上の条件があるため、絶対にアガリ損ないたくない場面である。
打としたときのリャンメン変化は6種類。テンパイをとったときリャンメンに変化するとの2種類。
カンのテンパイに価値がないと判断したのであろうが、この苦しい場面で落ち着いた判断を下せるのはさすがである。
今局は、ツモでリーチとなり流局となったが、次局にこのリーチ。
ドラ
ツモでテンパイ打リーチ。1発目にをつもり1,300・2,600。
ライバルの小島をラスに落として半荘が終了し、最終戦のポイント差がぐっと縮まった。
B卓最終戦。
ポイントは、奈良+34,1P、小島+8,4P、和久津+2,4P、ダンプ▲64,9Pとなっている。
A卓の最終局を観戦していると、小島の「5,200」という声が響いた。これに放銃したのは和久津。
坦々と局が進み、和久津最後の親番。
南1局、西家・小島と東家・和久津の点差は15.000。
和久津はこの親番を簡単には落とせないため、必然的に打牌が粗くなる。
その打牌を小島が活かし、あっと言う間に3フーロ。
小島手牌
ポン ポン ポン
数巡後、小島がを加カンすると、リンシャンツモにで2,000・4,000。
ポン ポン ポン ツモ
小島の積極策にのみ込まれ、和久津はほぼ逆転不可能な位置まで落ちこんでしまった。
そのまま小島は手を緩めず、トータル首位の奈良まで大きくまくる大爆発。
B卓からの決勝卓勝ち上がりは小島、奈良で確定となった。
B卓:1位通過・小島+41,3P 2位通過・奈良+12,7P
(文中敬称略)
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