第6期麻雀グランプリ MAX一次予選レポート 船木 伸一
2016年03月11日
2/27(土)第6期グランプリMAX一次予選が開催されました。
一流の技・若さと勢い。今年最後を彩るオールスター戦!
会場は新橋じゃん亭。レポートは29期生・船木伸一が務めます。
私自身、連盟に入って初めてのレポートという事もあり、拙い文章になってしまう事と思いますが、現場の熱気を伝えられれば、と思います。
宜しくお願いします!
A卓
(森山茂和VS和久津晶VS近藤久春VS小川尚哉)
九段シード、王位・最強位、タイトル多数。プロ連盟会長、森山茂和。
A2リーグ昇級、第13期プロクイーン3位。超攻撃型アマゾネス、和久津晶。
A1・8位、十段・八九段戦
近藤久春
B1リーグ。マスターズB8
小川尚也。
東1局の親番で、4,000オールを引きスタートダッシュを決めた和久津だったが、1回戦は小川が大きなトップ。
勢いに乗る小川は、3回戦でも大きなトップを取りダントツに。
森山・近藤は苦しい展開。
3回戦迄のトータル
(小川+81.4P・和久津±0P・近藤▲34.5P・森山▲46.9P)
4回戦は、森山・近藤の反撃。
上位陣との差が詰まり、最終戦へ。
4回戦迄のトータル
(小川+75.7P・和久津▲13.0P・近藤▲20.1P・森山▲42.6P)
最終戦。5回戦は壮絶な戦いになった。森山が猛反撃。和久津も深い踏み込みと、ギリギリの粘りで一歩も引かない構え。
東4局、5本場供託5本と激しくも重苦しい展開の中、親・森山、勝負を決めに行くべく、とを入れ替えてリーチ。
高め三色で勝負を掛ける!しかし、ここは近藤がリーチ七対子。
3,200は4,700で交わす。
その後、森山が近藤から6,400・8,000とアガリ、オーラスへ。
和久津はアガれば通過、森山は連荘。完全に2人の戦いか?と思うも
・・・
これがA1の底力か!?
近藤執念の国士無双テンパイ!待ちは、小川が通したばかりの。
は場に3枚切れ。オリられない森山、和久津はを止める事は厳しいか!?
しかし、は姿を現さない。ハイテイは近藤。気合いを込めツモる近藤だったが、持って来たのは・・。
字牌までクリアした近藤だったが、1/7のを引き当てる事は、叶わなかった。
『ううぅ・・』
近藤の呻きが、静寂の会場に響く。
そして、アラームが鳴り最終局へ、激戦の最後を、象徴するかの様に、森山・和久津、2人にテンパイが入る。
森山
ドラ
和久津
森山からが打たれるも、役が無いためアガる事が出来ない和久津。枚数が多い森山が、有利と思われたが結果は流局。
『吐きそうになった・・』
と、和久津は静かに語った。
大激戦だった。
最終成績
(小川+64.1P・和久津▲5.6P・森山▲11.2P・近藤▲48.3P)
勝ち上がり:小川・和久津
B卓
(伊藤優孝VS吉田直VS高谷圭一VS山田学武)
九段シード、死神の優こと伊藤優孝
A2・4位、前後期チャンピオンズリーグB16.吉田直
関西C1・十段B16、王位戦4位
高谷圭一
王位戦準優勝・D1リーグ、今年ブレイクした山田学武
安定した成績でポイントを積み重ねる伊藤。3回戦で大トップを取った山田学武が抜け出す展開。吉田はかなり厳しい位置になってしまった。
3回戦迄のトータル
(伊藤+42.5P・山田学武+42.1P・高谷+3.4P・吉田▲88.0P)
吉田と、2位山田迄の差は約130P。正直、絶望的点差である。
しかし、4回戦、起家を引いた吉田の親が大爆発!5本場まで積み上げ、得点は59,700点に。
そして、このリーチ!
リーチ ドラ
高めのドラを引き当てれば6,000オール!
一気に80,000近くになり、ライバルの山田が10,000付近になる為、トップ・ラスで約90P縮まる事になり、逆転が現実的に!
ツモる手に力が入る吉田だが、バラバラの配牌を纏め上げた山田が、七対子で交わす。吉田の大爆発とはならなかった・・。
代わりに、浮上したのが高谷。
手応えあるアガリ。と語ってくれた、東4局の満貫ツモで、伊藤との差を一気に縮め、最終戦へ。
最終戦も、その勢いを生かし、伊藤・山田をも交わして勝ち上がりを決めた!
最終成績
(高谷+34.4P・山田学武+22.3P・伊藤+10.4P・吉田▲70.1P)
勝ち上がり:高谷・山田学武
C卓
(沢崎誠VSともたけ雅晴VS仁平宣明VS鈴木秀幸)
九段シード・2007年グランプリ・十段・マスターズ等タイトル多数、沢崎誠
A1・11位、マスターズB16
24期鳳凰位、ともたけ雅晴
A1・10位、仁平宣明
王位戦3位・C1リーグ鈴木秀幸
Aリーガー3人という、厳しい卓組になったC卓。鈴木の心中は如何に?
1回戦、東4局。
沢崎が、三軒リーチを制する価値あるアガリ。
切りリーチ ロン
抜け出た沢崎だが、この卓の主役は仁平。ともたけも、オーラス七対子ドラドラを引きアガリ、少ない失点で収めるも、仁平の勢いが止まらない。
3連勝でダントツに。4回戦はトーナメント巧者沢崎がトップを取り、最終戦へ。
4回戦までトータル
(仁平+82.5P・沢崎▲15.2P・ともたけ▲40.1P・鈴木▲47.1P)
苦しい立場の、ともたけ・鈴木だが、最終戦、鈴木が爆発。道中仁平に7,700を打ち上げてしまうものの、1人浮きのトップ目で、通過ラインに。
最終局は、沢崎の通過を掛けたこのリーチ。
暗カン リーチ ドラ
ツモる手に力が入る沢崎、しかし、この手を引きアガる事は叶わなかった・・・。
最終成績
(仁平+63.5・鈴木▲15.9・沢崎▲24.2・ともたけ▲44.5)
勝ち上がり:仁平・鈴木
D卓
(HIRO柴田VS山田浩之VS西島一彦VS土屋幸弘)
A2・準優勝、十段B8、チャンピオンズリーグ前期準優勝。HIRO柴田。
A2・3位、後期チャンピオンズリーグ準優勝。山田浩之
チャンピオンズリーグ前期優勝シード、C1西島一彦
新人王4位、静岡リーグ優勝土屋幸弘
今年、A1昇級を掛けて戦った、HIRO柴田・山田浩之にチャンピオンズリーグを制した西島、静岡リーグを制した土屋が挑む構図。
HIRO・ヒロのライバル対決は、2回戦を終えて、HIRO▲52.4P・ヒロ+63.7Pと明暗が分かれる形に。
特に山田は盤石のゲーム回し。
2回戦、南2局 親HIRO
山田手牌 8巡目
ドラ
山田は、1回戦トップで、この2回戦も50,300持ちとイケイケ状態。
更に三色や、ドラ引きによる大量加点を狙うのか?と思いきや、
ツモで、ドラをリリース。ヤミテンで、直ぐを引きアガリ300・500は500・700のアガリ。
有利なポジションを築いたら、リスクをなるべく犯さない、トーナメントを熟知した打ち回しで、非常に勉強になった。
一方、苦しい立場のHIROだが、改名してからのデビュー戦となるこの戦い。簡単には負けられない。
3・4回戦をプラスで纏め、最終戦へ。
4回戦迄のトータル
(山田浩之+61.5P・西島▲11.1P・HIRO▲20.5P・土屋▲29.9P)
最終戦、HIROが西島を15.7Pリードしてラス前まで進めるも、西島が最後の親で連荘。
4本場まで積み上げ、とうとうHIROを捲る。凄い粘りだ!
苦しい土屋も、シャンポンテンパイを外して、満貫・跳満を狙うも実らず、HIROがアガリ、とうとうオーラスに。
西島は300・500でOK。HIROは高い手を上がって安全圏にいきたい所。西島が仕掛ける!
チー ドラ
すると、HIROに好牌が行く。
この手牌に・のツモで、このリーチ!
リーチ
そして、一発は無いがを引きアガる!勿論仕方ない事とはいえ、思わず天を見上げる西島・・・。
条件は2,000・3,900に。親がHIROの為、事実上の最終局か。
西島配牌。
ドラ
正直苦しい手牌だが、丁寧に纏め、
ここまで育てる。高めの・は山に2枚ずつ残っていたが、この手牌が開かれる事は無かった・・。
最終成績
(山田浩之+32.1P・HIRO+13.0P・西島+1.1P・土屋▲46.2P)
勝ち上がり:山田浩之・HIRO柴田
E卓
(石渡正志VS猿川真寿VS阿部謙一VS井上美里)
A2優勝、石渡正志
A2・7位、マスターズB28、猿川真寿
チャンピオンズリーグ後期優勝シード、D3。阿部健一
新人王シード。井上美里
Aリーガー石渡・猿川の2人に対し、チャンピオンズリーグを制した阿部。新人王の井上のフレッシュコンビ。
1回戦・2回戦は小場の展開。
興味深かったのが、2回戦オーラス。井上の選択。
非常に団子状態で、ラス目の石渡からトップ目の井上まで5,500差の大接戦。
石渡26,700・阿部30,700・猿川27,900・井上32,200
オーラス、親石渡。1本場・供託2本。
井上が、以下の手牌から仕掛けていく。
ドラ
・をポンして、
ポン ポン
あっと言う間にこの形。小四喜の1シャンテンだ!
そこに、阿部がリーチ!
リーチ
井上ツモ。どうするのか?と、思って見ていたら、現物を抜き、受けに入った!
是非は私には分からない。でも中々見切れなそうな手牌ではある。
しかし、井上はトーナメントである事を加味してか、この手をオリる事を選んだ。
そして2回戦終了時、トータルトップ目になるのだった。勇気ある決断だったと思う。
2回戦迄のトータル
井上+20.7P・石渡+2.6P・阿部▲2.3P・猿川▲21.0P)
3・4回戦は阿部・石渡がトップを取り最終戦へ。
1・2回戦でのオーラスの競り負けが痛い猿川は、厳しいポジションになってしまった。
また、井上も四暗刻単機をテンパイするが、
アガリ切れず、トータル3着目になってしまう。
4回戦迄のトータル
(石渡+30.9P・阿部+34.6P・井上▲4.1P・猿川▲61.4P)
最終戦、石渡が抜け出し、局を回して行く。猿川も最後まで攻め抜くも、最後の親番が落ちてしまい、万事休す。そして、オーラスに。
親は阿部。井上の条件は跳満ツモか、5,200以上の直撃。
恐らく1局勝負。
井上手牌
ドラ
ここまで育てた井上だったが、この手をアガリ切る事は叶わなかった。
最終成績
(石渡+50.7・阿部+13.5・井上▲10.3・猿川▲73.9)
勝ち上がり:石渡・阿部
熱い戦いは明日も続く!
カテゴリ:グランプリ レポート