第8期麻雀グランプリMAX ベスト16 A卓レポート
2018年03月23日
「カミソリ灘」の異名を持つ2016年グランプリMAX覇者、灘麻太郎。
2017年度グランプリMAX覇者。「攻めダルマ」こと、佐々木寿人。
第34期・鳳凰位決定戦、準優勝「紅顔のアサシン」の2つ名がついた、HIRO柴田。
プロ連盟唯一の、女流A1リーガー。「超攻撃型アマゾネス」和久津晶。
グランプリベスト16・A卓は、次世代を担うAリーガー3名が、レジェンド灘に挑む!
ベスト8に勝ち残れるのは一体だれなのでしょうか!?
1回戦 起家から HIRO柴田・灘・和久津・佐々木の順
東1局 親 HIRO
ドラ
打。ここから、ツモ・ツモ切り、ツモ打として、難しい手を上手く捌き、で佐々木から7,700。オープニング局は、HIROが制します。
東1局 1本場 前局、7,700をアガった HIROが2巡目にしてこの手牌に。
前局、放銃に回った佐々木が
ここからをポンしてホンイツを含み、 HIROの親を捌きに出ます。
すると、この鳴きでテンパイが入った HIROがツモり三暗刻のリーチ。
ツモ 打
流石に HIROの一人旅と思われましたが・・。
ポン
なんとこの形から、佐々木がをチーして、徹底抗戦の構え!更にもチーしてこの形
チー チー ポン
ノーテンドラ無しの手牌だが、親のリーチに対して、全く怯むことなく戦いを挑んで行きます。
本当に佐々木はメンタルが強い。怖くはないのでしょうか!?
結果はで2,400は2,700の放銃となりましたが、 HIROのツモっていたを喰い流しており隠れたファインプレーとなりました。
東1局2本場、佐々木の
ツモ 打 ドラ
今度はHIROが、佐々木に応戦。親とはいえ、佐々木のリーチに1シャンテンからと無筋3連打!
結果は流局。親流れとなりましたが、次世代を担う若手同士のバチバチ感が凄い。
東1局から、完全に麻雀に入り込んでいる感じで、グランプリベスト16に相応しいスタートと感じます。
東2局 親 灘
ドラ
テンパイが入った灘、即リーチの選択肢もありますが、ここはヤミテン。
次巡をツモります。・・などで打点や役もつく為、更にヤミテンもあるか?と思いましたが、灘の選択はリーチ。しっかりをツモり1,300は1,600オール。
この時 HIROに
このテンパイが入っておりは山に3枚。
最初のカンでリーチを打っていたら、 HIROのアガリになっていたかも知れません。
灘はこの局だけでなく
北家 10巡目
ドラ
は1枚切れ。打として、タンピンを狙うかと思いきや、打のリーチ。
そして、直ぐにでロン。磨き抜かれた、勝負勘の鋭さを見せつけてくれます。
東3局 5本場 親 和久津
和久津もだまっていません。この手をリーチでツモりあげ
ドラ
ツモで4,000は4,500オールでトップ目に。
さらに南1局
ドラ
5巡目にして、このテンパイ。
解説の白鳥は出アガリしたくない。と語る程、手替わりが多い手牌ですが、このまま8巡目にをツモり1,000・2,000。
和久津がリードを広げます。
南2局 HIRO
ポン ドラ
親 灘
ポン
そこに、苦しい持ち点の佐々木が丁寧な手順で追いついてリーチ。
リーチ
をツモって2,000・4,000。3着目に浮上します。
そして今回のラスは、なんとHIRO。
全員の攻撃力の高さを象徴する様な、1回戦となりました。
1回戦終了時
和久津+22.2P
灘+4.5P
佐々木▲11.1P
HIRO▲15.6P
2回戦 和久津 佐々木 灘 HIRO
東場は小場で回りますが、東4局 西家 佐々木
ドラ
北家 灘
佐々木が先行リーチを打つと、灘も追いついての2件リーチに。
ここで、困ったのは和久津。
現物が無い和久津が灘にで3,900。和久津は痛い放銃でしょうか。
南3局、和久津が一気通貫に仕上げてリーチ。
リーチ ドラ
佐々木がを暗刻にして追いつきリーチ。
リーチ
佐々木有利かと思われましたが、粘ってテンパイを入れた HIROが勝負した牌は。
和久津が5,200のアガリ。先程の失点を取り返します。
そして、オーラスへ。
南4局、灘が1巡目にして、なんとこの形。
ドラ
HIROも、4巡目にこの形に。
灘が先にカンのテンパイが入るもHIROが
ここから打。この判断が良く、を引き入れリーチと行きます。
結果は、HIROの1人テンパイで流局。
1本場は HIROが和久津から1,500は1,800のアガリ。
南4局 2本場 和久津
ドラ
浮きに回りたい和久津。七対子単騎で決断してリーチにいく!
ツモればトップまで抜けるリーチ。出アガリでも浮きに回れます。
佐々木も無筋を勝負し追いつきます。
奇しくも同じ七対子テンパイ。ですが、こちらはドラドラだけになんとしてもアガリたい所か。
ツモ 打
ここが運命の分かれ道でした。
結果論になってしまいますが、正解は。は和久津の手にあり純カラ。ならアガリがありました。
和久津カラ打たれる、・・。佐々木の心境は・。
そして、和久津がを引きアガる!
和久津はトップまで抜ける素晴らしいアガリ。佐々木は痛い1人沈みとなってしまいました。
2回戦までのトータル
和久津+34.6P
灘+8.3P
HIRO▲14.6P
佐々木▲28.3P
3回戦 和久津 佐々木 灘 HIRO
東3局、見事な手順でソウズのホンイツに寄せた和久津。
しかし、そこに灘のリーチが入ります。
和久津のツモは無情にも。テンパイが入りを勝負するも3,900の放銃に。
南3局 灘
ドラ
生牌のを温存し、打とします。これがファインプレー。
すぐに和久津に七対子ドラドラのテンパイが入りますが、待ちがなんと待ち。
ポン 打
佐々木が、灘のリーチ宣言牌のを仕掛けて現物の打。それが今テンパイが入った和久津に6,400。
佐々木は本当に苦しい展開・・・。
オーラス佐々木の配牌は、
ツモ 打 ドラ
9種9牌だが、国士を目指し打から。9巡目には
ポイント状況が厳しい佐々木ですが、この手をアガれば一気に戦線復帰です!
しかし、ここからが長い・・。
佐々木の欲しいは2枚・は1枚。
終盤まで縺れ込み、結果はHIROの2,000オール。佐々木はテンパイ出来ず・。
ポン ポン ツモ
そのままの勢いで3本場まで積んだ、HIROのトップとなりました。
3回戦終了時のトータル
和久津+28.7P
灘+15.2P
HIRO+4.5P
佐々木▲48.4P
4回戦 灘 佐々木 和久津 HIRO
東4局 親の HIROが動く
ドラ
七対子の1シャンテンでもありますが、動く方を選択します。
HIROがを仕掛けると、その動きで・と引き入れた灘が、7巡目に高め7,700のリーチ。
リーチ
ライバルの HIROの親だけに、高めをツモりたい所ですが、HIROの動きで有効牌を引いたのは灘だけではありませんでした。
佐々木も四暗刻の1シャンテンに!今度は決めたい所です。
しかし、佐々木が持ってきたのは、灘の当たり牌・・
仕方なく、を切って迂回の佐々木。今日の佐々木は本当に苦しい。
また、灘もリーチを打った時には、7枚いた‐だが、アガることはできませんでした。
粘った HIROと2人テンパイ。
南2局 親 佐々木
ドラ
ここからポンポンで以下のテンパイ一番乗り。
ポン ポン
・は3枚切られており、のブロックも合わせて、強い受けが残っています。これをアガって逆転の布石にしたい所。
しかし灘が
ドラ表示のとでリーチ!
かなり怖いリーチに見えますが、研ぎ澄まされた勝負勘がリーチを打たせたのでしょうか。
それに対し、
ここから、HIROもドラを勝負!高め一気通貫の手。ピンズは絶好に見えます。
リーチかと思いきや、 HIROの選択はヤミテン。
ヤミテンにしたのが生きたか、和久津から2,000点のアガリ。HIROの勝負勘がピタリとハマります。
佐々木もテンパイした速さと、受けの強さでアガリがありそうに思いましたが、今日は展開に恵まれません・・。
南3局、今度は灘が、以下の手でリーチ。
リーチ ドラ
1枚切れのとのシャンポンリーチ。
苦しい待ちに思えたが、をツモって結果を出します。灘は、この様な苦しい受けでリーチの選択をした時、結果を出す確率が相当に高いと感じました。
卓越した読みか、勝負勘か。とにかく凄いと感じます。
オーラス苦しい佐々木だが
ドラ
を引き入れ勝負リーチ!
でもツモればトップになりますが、欲しいのは最高目の。もし、ツモる事が出来れば、跳満のポイントに加えて、1人浮きのトップになる事ができ、苦しいポイントながらもまだまだ逆転可能な差として最終戦を迎える事が出来ます。
道中、を持ってくるも、ツモ切る佐々木。逆転へ執念を見せてくれますが・・。
無情にも・は山に0枚。繰り返しになってしまうが、今日の佐々木は本当に苦しい・・・。
佐々木の1人テンパイで流局。
4回を終えて、8.3ポイントの間に3人がいる大接戦。佐々木は2人を沈めつつ70,000点近いトップが必要か。
ベスト8に進出出来るのは!?残り1回戦!
4回戦終了時のトータル
HIRO+17.2P
和久津+15.8P
灘+8.9P
佐々木▲42.9P
最終5回戦 HIRO 和久津 佐々木 灘
東3局まで、小場で捌き合いで進みます。
局面が重くなって欲しい佐々木には厳しい展開です・・。
東3局HIROが以下の手牌でテンパイ
ドラ 7巡目
3巡目にを切っており、場にはが2枚 が2枚。マンズの下は良さそうに映ります。
小場だけに、でのリーチツモの1,300・2,600は魅力的に映ります。しかし、トータルトップ目な上に、確実に攻めてくるだろう佐々木が親。
難しい選択の HIRO。ヤミテンに構えるも、1巡回してリーチと行きます。
和久津も以下の手牌
ドラドラの勝負手。しかしツモは無情にも。
HIROに2,000点の放銃となりました。解説の白鳥も言っていますが、小場になりやすいメンバー・状況ゆえMAX打点で取れた事は大きいとの事。が、3枚見えたのも大きいとHIROは語っていました。HIROの卓越した勝負勘が光ります。
そして、オーラスへ。灘が親なので、1局勝負に。
和久津の条件は、 跳満ツモか、灘から満貫直撃。佐々木は役満と厳しい条件。
条件に向け、懸命に進める和久津・佐々木でしたが、HIROが自らアガリきり終局となりました。
1位通過 HIRO柴田
2位通過 灘麻太郎
最終トータル
HIRO+31.4P
灘+13.9P
和久津▲10.6P
佐々木▲44.7P
ベスト8に進出したのは、灘麻太郎とHIRO柴田となりました。
灘は、ベテランならではの、勝負勘の鋭さと安定感でした。それでいて、面前良し・鳴き良しの隙の無い雀風。
ベスト8は見ていない、決勝乗ったら優勝しかないと語る灘。ベスト8ではどんな麻雀を魅せてくれるのでしょうか!?
HIROはトーナメント7連勝。
最近のトーナメント3回は、全部逆転勝ちと勝負強さが光るHIRO柴田。念願のG1タイトルまで、後2勝。今度こそは!
惜しくも敗れた、佐々木・和久津も随所にらしさを見せてくれました。
佐々木は1回戦東1局の、強烈な押し。
和久津は、七対子ピン単騎リーチの決断力。
ベスト16・A卓の激闘が、皆様の記憶に残る事を祈りつつ、筆を置く事とします。
この後の、ベスト16・B・C・D卓そしてベスト8もお楽しみに!
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