第12期グランプリMAX一次予選D卓レポート
2022年03月02日
【第12期麻雀グランプリMAX一次予選D卓、オーラスまで僅差の大接戦】
最終5回戦を迎えて以下のスコア。
追いかけるともたけ、山田としては30ポイント強の差はやや難しいが、杉浦、石川のどちらか沈んだ方をターゲットにできるので、ポイント差の割には逆転が起きやすいだろう。
東2局、親の山田、七対子だと1シャンテンのこの手牌、選択は色々あるが、ここから切りとする。
そして、見事チンイツに仕上げる。4,000オール(+3,600)
ともたけも猛追する。
迎えた東3局の親番、全員がテンパイしていたが、中、ドラ2の3,200オールと大きなアガリ。
追う山田とともたけが浮き、杉浦、石川が沈むという、追う側としては理想の並びとなった。
この時点のトータルスコアはこちら。全くの横一線。
解説の猿川曰く「この差の下位2人がともに逆転するのは見たことがない」とのことだが、現実味を帯びてきた。
ここまでの経過時間は5時間半。
5時間半経ったにも関わらず、横一線スタートの一周半のスプリント競争になってしまった。
気持ちの面では追いついた2人の方が元気かもしれない。
東3局1本場、杉浦と山田の手牌が噛み合った。
1つでも鳴けなかったらアガリは厳しかったと思われるが、ちょうどよく山田の手から余る。
杉浦、東、西、ホンイツ、ドラ2の3,000・6,000(+300)。
1歩、いや3歩くらい抜け出す嬉しいアガリとなった。
南場に入ってリードしたのはともたけ。
南2局1本場は石川から、リーチ、ピンフ、ドラの3,900(+300)、
南3局は山田から、リーチ、ドラ1の3,900とアガって、リードしてオーラスを迎える。
(南4局を迎えてのスコアはこちら)
実況の仲田浩二「新人王がベテランの壁に挑みます。」
この第1声から今日の放送が始まったのだが、今期新人王を獲得してこの舞台に出てきた石川の挑戦は終わってしまうのか。
「とに照準を合わせていた。」これは戦後の石川のインタビュー。
落とせない親番なだけに切りとしそうだが、切りとしたのが見事で、起死回生のアガリに繋がった。
リーチ、ツモ、ドラ2の3,900オール(+2,600)。
このアガリで石川はトータルトップ目に立ったのだが、杉浦がともたけ以外からアガると順位点が減ってしまい敗退、ともたけのアガリもツモアガリの点数によっては杉浦に逆転される、と3人の中では一番厳しい条件だった。
当然石川はそのこともわかっており、次局は杉浦から2,000+900。
ドラでアガれば安泰だったが、これでも十分。勝ち上がりとなった。
放銃した杉浦はトータル3着目に落ちてしまったが、同4本場は何をアガっても通過という僅差。
ともたけとのアガリ勝負を制し、勝ち上がり。二次予選に進出となった。
杉浦「(石川の状況だと)役ありならヤミテンだと思うので、で放銃して高くはないと思ったので。アガって勝ち抜けのテンパイが入って、なかなかオリられないですね。」
と戦後のインタビューで語ってくれた。
(文:福光聖雄)
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