第37期鳳凰位決定戦二日目観戦記 HIRO柴田
2021年02月19日
1週間、各々がどのように過ごしたのであろう、動画を見返し対策を練る者や、イメージを大事に挑む者。
それぞれが自分に合った過ごし方を選び長いようで短い1週間が経過した。4者のポイントはこうなっている。
佐々木+66.0P 勝又+11.5P 沢崎▲29.1P 藤崎▲49.4P
首位で初日を終えさらなるリードを狙う佐々木。それを追う勝又、藤崎、沢崎は、まずマイナスをといったところか。
鳳凰位決定位戦2日目の始まりである。
5回戦 (起家から、藤崎・勝又・佐々木・沢崎)
東1局、まずは北家沢崎の仕掛けから始まる。
沢崎
ポン ドラ
沢崎7巡目にして1シャンテンのチャンス手と思ったがをツモると打と面白い手を打った。
場にはが2枚が1枚、自身の手出しは→→→でポン材のやは厳しいが、それをポンできた時の切りは相手の読みをずらすのには効果的だ。その様々な意図を我々視聴者は考えさせられただろう。
すると沢崎の次のツモはで、ここは打点よりもアガリ易さを重視と判断し→と外していく。
藤崎
リーチ
すると同巡に親の藤崎がドラを雀頭にしてのリーチ。藤崎にとってここは好スタートを切りたいところ。
沢崎
チー ポン ロン
ホンイツのアガリまでは牌の枚数は厳しいと舵を切り替えた沢崎。残しから見事にアガリに繋げる。一方の藤崎は感触の悪い立ち上がりとなった。
東3局
佐々木
ポン ドラ
親番の佐々木は4巡目にドラ2枚持ちのチャンス手。これを2枚目のをポンしてホンイツへ向かうと、
佐々木
ポン
藤崎
ツモ
ドラの、と引き入れ、満貫の勝負手となる。今局、佐々木に対抗できそうな2番手に付ける者でもアガリは厳しく、今にも佐々木のツモアガリになりそうな雰囲気ではあったが、配牌では4番手だった藤崎が、最後のシャンポン選択で正解を導き出し300・500の価値あるツモアガリとなった。
南1局
勝又
ドラ
誰一人抜け出すことができないで迎えた南1局、南家の勝又が僅かな少考を入れた。
場にはが1枚、下家の佐々木は少しマンズを多く切っていて、河にはも置いてある。
それをみた勝又の選択は、ドラ色のペンを残した打となった。
勝又
リーチ
すぐにを引き入れペン待ちのリーチを打つ。狙いのは見事山に3枚残っていた。
佐々木
チー ロン
しかし、ここは佐々木が勝又のリーチ宣言牌であるを仕掛け、親の藤崎から2,000をアガる。これで佐々木が31,600のトップ目に。
南3局
佐々木
4巡目にドラを重ねて一気に引き離す大チャンス。
沢崎
藤崎
同巡に、沢崎・藤崎も1シャンテンとなり、小場となるこの半荘抜け出したいところ。テンパイすれば形に拘らずリーチまで考えていたはずだ。
勝又
ポン ロン
この3者の1シャンテンを追い越すアガリとなったのは、親の勝又。が無くテンパイさえ厳しいと思われたが、自力で最後のを引いてしまえばは絶好の牌である。
この勝又の7,700に捕まってしまったのは佐々木。まだまだ抜け出させないぞと、執念さえ感じさせられるこのアガリによって、5回戦は佐々木が1人沈みの4着となる。
5回戦成績
勝又+15.6P 沢崎+5.4P 藤崎+1.9P 佐々木▲22.9P
5回戦終了時成績
佐々木+43.1P 勝又+27.1P 沢崎▲23.7P 藤崎▲47.5P
6回戦 (起家から、佐々木・勝又・藤崎・沢崎)
東2局
勝又
ドラ
追う側にとって親でタンヤオドラ1リャンメンテンパイは絶好のリーチか?と思われたが勝又の選択はヤミテン。
藤崎
ポン
すぐに追いつくは南家の藤崎だが、
勝又
ここは勝又の好判断で、藤崎の待ち牌であるとを入れ替え11,600へ変化。
最初のテンパイでリーチと打てばここで終わっていた局だけにもうどうなるかわからない。
沢崎
チー 打
最後のツモ番である沢崎の選択も面白い。下家の佐々木が守備に転じているのを察してか、自身のハイテイアガリより、佐々木を苦しめてのテンパイ維持となる喰い替えを選択。
ハイテイ牌は勝又のアガリ牌であったので沢崎もここは好判断となり、皆が正解の判断を選び続けた結果、佐々木にとっては痛い1人ノーテンとなった。
東2局 1本場
勝又
ドラ
ポン
沢崎
リーチ ロン
続く1本場では、親の勝又がメンゼンカンのテンパイから、をポンしてタンヤオドラ1の待ちへ変化させるが、局面は長引き雲行きが怪しくなると沢崎からリーチが来る。
沢崎の6巡目のが効いたのか、勝又を掴むも現物とせず自らのアガリを重視しでの5,200放銃となった。
南3局1本場
佐々木
リーチ ドラ
藤崎
リーチ ロン
佐々木が高め三色に振り替えてリーチを打てば、それならばと親の藤崎もリーチのみではあるが応戦し2,000をアガる。
南3局2本場
勝又
リーチ ドラ
藤崎
ツモ
次局も勝又のリーチをかいくぐり、藤崎1,300オールのツモアガリでこの6回戦はトップとなった。
6回戦成績
藤崎+20.1P 勝又+9.5P 沢崎▲8.3P 佐々木▲21.3P
6回戦終了時成績
勝又+36.6P 佐々木+21.8P 藤崎▲27.4P 沢崎▲32.0P
7回戦 (起家から、勝又・藤崎・沢崎・佐々木)
勝負手がなかなか決まらない佐々木が連続4着になり勝又が首位に立った。
藤崎・沢崎もこれを機に浮上を狙いに来るであろう。
東2局に沢崎がこの3,900を勝又からアガると、
東3局親番の沢崎が
チー ポン ロン ドラ
明カン ポン ポン ロン ドラ
ロン ドラ
この4連続のアガリで持ち点を42,200伸ばすと他の3人も黙ってはいない。
東3局3本場
佐々木
リーチ ドラ
佐々木がこのリーチを打つと、勝又・藤崎も見事な立ち回りで対応する。
勝又
暗カン
藤崎
ポン
これで沢崎は1人ノーテンで親を落とす。
次局、東4局4本場も、
藤崎
リーチ ドラ
佐々木
チー
勝又
チー
藤崎のピンフドラドラリーチに、親の佐々木も応戦。北家に回った沢崎も、佐々木へのケアを考えればやりにくいはずだ。
そして勝又もうまく立ち回り、沢崎にとって痛恨の連続1人ノーテンになった。
南4局
北家の沢崎が2枚目のをポンとして打のこの形。
ポン 打 ドラ
現状藤崎が36,500持ちトップ目、沢崎は31,400、トータルで浮いている勝又・佐々木は沈んでいるが、なにやら大人しく終わる気はない雰囲気。
沢崎
ポン ポン
勝又
ポン
勝又・沢崎共に仕掛けが空回りしだして抜け出したのはこの男。
佐々木
チー チー ツモ
荒れ模様のこの半荘、見事に最後のをツモアガリ佐々木がトップを取る。
7回戦成績
佐々木+20.6P 藤崎+10.9P 沢崎▲7.4P 勝又▲24.1P
7回戦終了時成績
佐々木+42.4P 勝又+12.5P 藤崎▲16.5P 沢崎▲39.4P
8回戦(起家から藤崎・勝又・沢崎・佐々木)
東1局1本場
藤崎
リーチ ドラ
流局スタートの1本場、親の藤崎がとのシャンポンリーチを打つ、その宣言牌はだ。
字牌が良しと見たか、それとも打点を見たのか、私はこういう選択をした時の藤崎はアガった場面しか見たことがない。
沢崎
チー ツモ
ここは沢崎も高打点チャンスの場面ではあったが、藤崎がリーチならばと現物のをチーして、あっさりをツモり1,000・2,000のアガリとなる。
東2局
佐々木
ツモ ドラ
配牌からのツモが良好となり以下となる
佐々木
→→→と一気に跳満まである1シャンテンとなったが、佐々木を止めるカウンターを放ったのは勝又。
勝又
ドラ
ホンイツは見えるが、配牌にスピード感は無かった勝又だが、ピンズのツモが良好となる。
勝又
ロン
佐々木がと外すと、次に持ってきたが勝又への7,700の放銃となる。
東3局2本場
沢崎
リーチ ドラ
親の沢崎がリーチ。下家の佐々木がソーズのホンイツだが、ここで手を緩めるわけにもいかないはずだ。
藤崎
リーチ
藤崎もここで勝負リーチ。高めはまだまだ山にある。
勝又
ツモ
勝又もテンパイを入れてはいたが、佐々木のホンイツ、藤崎、沢崎のリーチに対して持ってきたはキツい牌でここまでか。
佐々木
ポン ロン
この全員テンパイを制したのは佐々木。先ほどの放銃をものともしない7,700のアガリだ。
南1局1本場
勝又
リーチ ツモ ドラ
勝又がこの2,000・3,900をアガると。
南2局
勝又
ドラ
親番でこの難しい配牌を丁寧にまとめ4,000オールに仕上げる。
勝又
ツモ
これで勝又の持ち点は50,000点を越え1人浮きとなり、再び佐々木のトータルポイントを抜く。
南2局1本場
勝又
ポン ドラ
親の勝又はさらに畳み掛け満貫のテンパイを入れる。これを佐々木から直撃できれば大きなリードとなる為、佐々木のリーチに真っ向勝負だ。
佐々木
リーチ ロン ドラ
佐々木も覚悟は出来ている。だからこそ討ち取ることが出来るのであろう。勝又からのアガリとなり、佐々木8回戦は浮きの2着で首位キープのまま2日目を終えた。
8回戦成績
勝又+27.3P 佐々木+5.9P 藤崎▲12.1P 沢崎▲21.1P
8回戦終了時成績
佐々木+48.3P 勝又39.8P 藤崎▲28.6P 沢崎▲60.5P
カテゴリ:プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記