第37期鳳凰位決定戦三日目観戦記 HIRO柴田
2021年02月26日
佐々木+48.3P 勝又39.8P 藤崎▲28.6P 沢崎▲60.5P
上記のポイントで迎えた3日目。
2日目の内容としては佐々木の独走を止めるべく3者が意識した結果、佐々木のポイントを少し削る事に成功し、そしてそのすぐ背後に勝又が付けて終えたといった所か。
折り返しの残り8半荘、マイナスしている沢崎・藤崎としてはあと8半荘しかない、荒れ模様が予想される3日目の始まりである。
9回戦 (起家から、沢崎・勝又・藤崎・佐々木)
東1局、先制のパンチは南家の勝又。
勝又
ポン ドラ
は生牌、は1枚切れ、勝又は迷わずカンを選択。
勝又はやはり間違えないと思わせるようにのツモアガリとなる。
そして、始まったばかりではあるが、このアガリでトータルポイントは首位となった。
東4局
沢崎
南家の沢崎の牌姿。速度だけなら切りだがそんなアガリには価値はないと言わんばかりの打。
三色狙いだけでなく、ドラを引いてからのホンイツなど、様々な沢崎の構想を視聴者は感じたのではないだろうか。
そして、その期待に応えるかの様にを引き入れると、カンのリーチだ。
沢崎渾身のリーチは、河にそしてリーチ後のが4枚切れと、が絶好の景色となる。
そしてメンゼンホンイツテンパイの藤崎の押しをみても佐々木1人ノーテンは推測しやすい。
そんな場況、状況共にマッチして、テンパイを入れた勝又が打ち出す牌はとなり沢崎が5,200のアガリ。
沢崎にとってこのアガリは感触が良かったはずだ。
南1局
先ほどのアガリで迎えた親の沢崎が動き出す。
沢崎
ポン ドラ
ここから打とし高打点への渡りも見ながら、次にをポンとすると一気にホンイツへ。
沢崎
ポン ポン
勝又
ポン
藤崎
リーチ
沢崎狙いどおりホンイツになると、勝又もドラをポンして三色の片アガリテンパイ。すると藤崎も残り2巡でリーチを打つ。結果は3人テンパイだが、藤崎の麻雀をよく見ているが故に、このリーチは勝負に対する強い気迫を感じた。
南1局1本場
勝又
リーチ ドラ
勝又ドラを2枚雀頭にしてリーチとすると、
沢崎
リーチ ロン
前巡にテンパイを入れていた沢崎が、ツモ切りリーチをしてアガリきる。沢崎はもう一歩も譲る気はないのだろう。
南4局
沢崎
チー ポン チー ドラ
オーラスを迎えた沢崎、狙うわ1人浮きだ。しかしなかなか手が追いついてこない。
勝又
リーチ ロン
そこへ勝又がドラを暗刻にしてリーチ。勝又も佐々木もひとアガリで浮きに回る好位置。
一歩も退かない構えで佐々木が打ち出したで勝又の手が開かれた。
勝又にとって絶好であり、佐々木にしては最悪の結果となってしまった。
9回戦成績
沢崎+17.3P 勝又10.0P 藤崎▲9.1P 佐々木▲18.2P
9回戦終了時成績
勝又+49.8P 佐々木+30.1P 藤崎▲37.7P 沢崎▲43.2P
10回戦 (起家から、勝又・藤崎・佐々木・沢崎)
東2局3本場
沢崎
チー ドラ
流局が続いて迎えた今局、西家沢崎がドラ2枚を武器に仕掛けを入れる。
藤崎
沢崎の手牌がなかなか進行しない中、親の藤崎は既に役なしのテンパイを入れていて手替わり待ちだ。
狙うはイーペーコーとなるや一気通貫となる、もしくはといったところだが持ってきたのは。
藤崎
リーチ ツモ
これ以上相手の好きにさせるのも不本意と、藤崎最初の手替わりでリーチを打ち見事に2,000オールのツモアガリ。
南2局
藤崎
リーチ ツモ ドラ
南場の親番でもこの2,600オールをツモアガリり、一気に5万点に近づくがこの半荘の主役はこの人。
南3局
佐々木
リーチ ドラ
南3局1本場
佐々木
リーチ ツモ ドラ
南3局2本場
佐々木
ポン ポン ツモ ドラ
9回戦の鬱憤を晴らすかのような佐々木の連続攻撃。
特に3本場は勝又も勝負をかけていただけに、直撃された12,000の放銃は痛恨となってしまった。
10回戦は降りかかる火の粉を払うかの如く、佐々木が大きなトップで終えた。
10回戦成績
佐々木+42.7P 藤崎+9.6P 沢崎▲17.2P 勝又▲35.1P
10回戦終了時成績
佐々木+72.8P 勝又+14.7P 藤崎▲28.1P 沢崎▲60.4P
11回戦 (起家から、佐々木・藤崎・沢崎・勝又)
残り6半荘・・1位を走る佐々木と勝又の差は60P、藤崎は100P、沢崎は130Pと縦長になって来た。
残り回数を考えると順位の入れ替わりは起きにくいので、3者共に佐々木へのマークはせざるを得ないはずだ。
東1局
沢崎
リーチ ツモ ドラ
トータルトップ者の親だからヤミテンで流す、それともツモの時に少しでも多く払わせる為にリーチを打つ。
色々な方法があるが沢崎の選択はリーチ。自らのポイントを増やさないと優勝はありえないからだ。
東4局
藤崎
リーチ ドラ
佐々木
リーチ
藤崎がリーチを打てば、佐々木もいつでも決めに行きますよとばかりに、追っかけリーチとくるが、ここは藤崎の2,000・3,900のアガリとなる。
南1局
勝又
リーチ ドラ
佐々木
リーチ
次局も勝又先制リーチに、親の佐々木リーチとくるがを掴み勝又に軍配。
南3局
佐々木
リーチ ドラ
佐々木これでもかとリーチを打つも、
沢崎
ポン ポン ツモ
沢崎が1,000オールと佐々木の攻撃を当てさせずにアガリきる。
佐々木はなにもやらせて貰えずこの半荘4着となり、沢崎にとっては、残りの半荘を全て浮きたいくらいのポイント差なので、このトップはまずはといった所だろうか。
11回戦成績
沢崎+17.4P 藤崎+5.8P 勝又▲5.7P 佐々木▲17.5P
11回戦終了時成績
佐々木+55.3P 勝又+9.0P 藤崎▲22.3P 沢崎▲43.0P
12回戦 (起家から、佐々木・藤崎・沢崎・勝又)
いくつリードしたら足りるのだろう?観戦している私達側と打ち手側とではかなりの違いがあると思う。
あと一歩でほぼ決まりか?と何度も思ってしまう私達と、いくらあっても足りないと思うのが打ち手の本心であろう。
そして11回戦4着となった佐々木のポイントは+55.3P、この数字は勝又・藤崎・沢崎にとって難しい課題ではあるが無理な課題ではないだろう。
東1局、起家の佐々木が先制リーチとくる。
藤崎
ドラ
沢崎
勝又
チー
なんと4者テンパイで、佐々木への放銃は避けたいが、アガリ逃しもできない場面。
皆がアガリに向かっている分、佐々木の現物であるやは山になければ抜き打たれる事が無さそうで1牌1牌ツモる毎に緊張が走る。
いち早くテンパイを入れていた勝又がここはアガリとなり佐々木の親を落とす。
東3局
佐々木
リーチ ドラ
佐々木、少しも手を緩める事無く先制リーチを打つ。
沢崎
リーチ
藤崎
リーチ
それならばと佐々木を捕らえるべく親の沢崎、そして藤崎もリーチと来る。
アガったのは沢崎。これで縦長であったポイント差が一段と詰まってきた。
東4局2本場
沢崎
リーチ ドラ
45,700点持ちの沢崎はさらなる加点を目指しリーチと来る。
こちら8巡目の佐々木の牌姿、かを切ればテンパイである。
沢崎は子なので現状無理しない手もあるし、を切る手もあると思われたが、佐々木の選択はシンプルに自らのアガリやすさを求めた切りのリーチだ。
佐々木
ロン ドラ
一目シンプルなアガリに見えるが、この鳳凰戦という舞台でトータル首位に立ってこのアガリができる事に佐々木の強さをさらに見せつけられた気がした。
南1局
佐々木
ロン ドラ
南1局1本場
佐々木
リーチ ドラ
南1局2本場
佐々木
リーチ ロン ドラ
南1局3本場
佐々木
ポン ポン ツモ ドラ
東4局のアガリで迎えた南場の親で、またしても佐々木が麻雀を線で描くかのような連荘が始まり、持ち点が4万点を越えトップ目となる。
南1局4本場
佐々木
ポン ポン ドラ
続く4本場、これをアガったらいよいよかという局面にストップをかけたのは藤崎。
藤崎
ツモ
佐々木の仕掛けや、まだ手替わりがあるのでリーチとまでは行けないが、藤崎が価値ある2,000・4,000のツモアガリで佐々木の大物手をかわす。
南2局2本場
藤崎
リーチ ツモ ドラ
さらに藤崎はこの2,000オールのアガリでトップ目に立つと
南2局3本場
沢崎
チー ポン ポン ツモ ドラ
ここでマイナスするわけにはいかない沢崎も懸命にアガリ返す。
南4局2本場
沢崎
リーチ ロン ドラ
このアガリで沢崎11回戦に続いて12回戦もトップの2連勝。
勝又・藤崎・沢崎はトータルで僅かなマイナスで終えた。
そして佐々木は、+50ポイントのリードで最終日を迎える事となった。
12回戦成績
沢崎+14.3P 藤崎+9.6P 佐々木▲4.6P 勝又▲19.3P
12回戦終了時成績
佐々木+50.7P 勝又▲10.3P 藤崎▲12.7P 沢崎▲28.7P
カテゴリ:プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記