プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第30期プロリーグ A1 第4節レポート

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第30期A1リーグの戦いは第4節を迎えた。
ここまでの戦いは朝武が一歩リードしているものの、まだまだ大きなポイント差はついておらず、全員に決定戦進出の可能性が残されている。さぁいったい誰が抜け出すのか?

まずは、トータル首位を走る朝武の卓。
朝武は1回戦目こそラスを引かされるものの、3回戦目に、

七万八万九万七索八索九索五筒六筒六筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四筒  ドラ八筒

この跳満を引きアガると、そのまま1人浮きのトップでプラスに転じる。
4回戦目には、荒が東場の親で5本場まで連荘を積み重ねるが、無理な戦いは避け冷静にプラスをキープ。
今節も+27.2Pと首位の座をがっちりとキープした。

一方、昨年の決定戦進出組である藤崎。3回戦を終わって▲22P程とこの日は不調であった。
4回戦目の前には、「今日はこれ以上傷口を広げないように戦う。」と話していたが、荒の連荘中に捌きにいった局での放銃が響き、最終戦は大きなラス。4節は▲59.5Pと決定戦争いから大きく後退してしまった。
絶大な守備力を持つ藤崎が、傷口を広げないように戦ってもこの結果になってしまった。
やはりA1リーグの選手たちの攻撃力は計り知れないものである。

続いて沢崎。ダンプ、猿川、近藤と17期、18期のA1リーグでは若手となる3人が対戦相手であった。
比較的軽い場で進行していったのだが、要所で本手のアガリを決め万全にプラスを積み重ねて+43.6P。
トータルを3桁に乗せ2位につけた。

トータル3位は柴田。2、3回戦で連勝を決め+40.5P。一気に3位まで浮上してきた。
この連勝のきっかけとなったであろう素晴らしい局を2つ紹介させて頂く。
まずは2回戦東2局。柴田は6巡目に以下の形になった。

一筒二筒六筒六筒七筒七筒七筒九筒九筒東南中中  ツモ四筒  ドラ四筒

関連牌は九筒南が2枚切れといったところだ。柴田の選択はここから、七対子に決め打つ七筒切り。
この後四筒一筒と引き東単騎で12,000のアガリとなった。
九筒が2枚きれ、三筒がドラ表示牌ということで面子手は厳しいとの判断であろうが、6巡目にこの手牌を七対子に決め打ったのは秀逸の一言である。もしここで、普通に南を切っていたらおそらくこのアガリは生まれなかったであろう。見事な判断力と決断力であった。

そして、トップ目に立って向かえた東4局の親番。
10巡目に、まずは前原が、

二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒八筒八筒九筒九筒東東  ドラ東

ここから八筒のポンテンを取る。捨て牌から十中八九ホンイツのため他家の注目はピンズに集まる。
次巡、柴田にもテンパイが入る。

四万五万五万六万七万七万五索六索三筒四筒五筒七筒七筒  ツモ四索

前原のホンイツもありマンズは絶好のテンパイである。三色の手変わりはあるものの、十分にリーチが考えられる局面だがここはヤミテンを選択。すると13巡目六筒を引き待望の手変わりを果たす。

四万五万五万六万七万四索五索六索三筒四筒五筒七筒七筒  ツモ六筒

待ちの良さ、打点、そして前原がおそらくオリないであろうことも含めてリーチに踏み切るかと思われたが、ここでもヤミテンを続行した。16巡目。前原に対応し、苦しいながらもテンパイを入れていた伊藤が、

二万二万二万六索七索八索二筒四筒発発発中中  ツモ六万

この六万をツモ切り。柴田が最高のアガリをものにした。

四万五万五万六万七万四索五索六索四筒五筒六筒七筒七筒  ロン六万

柴田がリーチとしていたら、伊藤がこの六万を切ることは間違いなくない。
局面を立体的に捉えていた柴田の再びの好判断であった。
やはりA1リーグの戦いは、高い技術と、鳳凰位に掛ける想いが伝わってくる素晴らしいものである。
次節以降の後半戦は、更に激しく充実した対局になることは間違いないであろう。
第5節組み合わせ
A卓 前原 雄大 vs 朝武 雅晴 vs 伊藤 優孝 vs 近藤 久春
B卓 猿川 真寿 vs 柴田 弘幸 vs 藤崎 智 vs 沢崎 誠
C卓 ダンプ大橋 vs 望月 雅継 vs 古川 孝次 vs 荒 正義