プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第30期プロリーグ A1 第7節レポート

決定戦争いは残すところ後3節となった。

最終節の組み合わせは、第8節終了時のポイントで1~4位がA卓、5~8位がB卓、9~12位がC卓となることを考えると何としても上位4位までにつけておきたいところである。
となれば今節は、第8節を視野に入れ、いかに好位置に付けられるかが大切となる。
各選手がどのような戦い方を見せるのだろうか。

まずは、首位を走る沢崎。
同卓の望月が終始好調で苦しい展開が続いたが、ワンチャンスをしっかりとものにし、+4.6と首位の座をキープした。
望月の時間帯ではしっかりと我慢を重ね、きっかけとなる4000オールをあがるとそこからは怒濤の攻めを見せた。
ポイント的にはまだまだわからないが、決定戦の席の1つは沢崎が手中に納めたと言えるほど、その内容は充実していた。
また、望月は好調を活かして攻めきり+55.7でトータル4位に浮上。決定戦争いに加わってきた。

一方前原は、あがりはでるもののそれが得意の連続攻撃につながらずポイントが減っていく。
そんな中でも失点を最小限に抑えていたのだが、最終半荘のオーラスにらしくない放銃をしてしまう。
27000点程持った2着目から、この半荘を終わらせに南をポン。
すぐカン三筒で1000点のテンパイが入る。すると、トップ目の親で好調の望月からリーチが入った。
ここでの前原は、アガりを目指しての攻めであった。結果は前原から望月への4800の放銃となる。
仕掛けた以上はアガりを目指すという判断であろうが、これは本来の前原の麻雀ではない。
前原の持ち味は、好調者の攻めはしっかりと受け潰し、自らが好調になったときに徹底的に攻めるというものだ。
本日は▲52.2となり、トータルでも11位となった。次節、前原の圧倒的な攻撃力による巻き返しに期待したい。

続いて2位の柴田。
1回戦東1局にチンイツトイトイの3000・6000をそのリードを守ったままオーラスを迎えた。
40100点持ちの柴田は、

二索三索四索五索五索六索八索九索九索南南  チー 三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ドラ四索

この形となるが、2着目の猿川から

七万八万九万七索八索九索二筒三筒七筒八筒九筒東東

このリーチが入る。柴田の選択は撤退。
勝負手なだけに押すのが自然と思えるが、猿川の手牌の打点を読み切った見事な選択であった。
1回戦は猿川が上記の手牌をアガり切り、トップとなった。

続く2回戦。
1回戦トップの猿川が攻め込んでいく。東1局に親の柴田がダブ東をポンを含む2副露で以下のテンパイ。

八万八万四筒五筒六筒中中  チー七索八索九索  ポン東東東  ドラ中

そこに南家の猿川が

五万六万七万四索四索五索六索七索九筒九筒北北北

でリーチに行く。
結果は、柴田が猿川に1600の放銃となった。

猿川のこのリーチはあまりにリスクが高く、攻めに見合った手牌ではない。
しかし、1回戦でのトップの取り方を含めた猿川の対局観が打たせたリーチであろう。
見事としか言い様のないアガりであった。

ここから一気に猿川の時間帯になる。
東2局の親番で2000点をアガると1本場では、

一筒二筒三筒四筒四筒六筒七筒七筒八筒九筒  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン五筒

これをアガり2連勝を決めた。
今局の放銃は柴田。

七万七万七万二索二索三索五索六索七索三筒四筒五筒白白

この形から二索を切ってリーチを打ったのち、猿川への放銃となった。
一索四索待ちは絶好とは言え、猿川がリャンメンでチーをした後ということを考えれば、二索もしくは三索を切ってダマテンといった選択もあったであろう。
1回戦のオーラスに降りを選択したのならば、今局も受けに回るべきであった。
読みを入れた対応が光る柴田だが、わずか1局だけ隙ができてしまった。また、その隙を見逃さないのがA1リーグなのである。
この後も猿川が独走かと思われたが、歴代鳳凰位である古川、荒が本領を発揮する。
3回戦は古川が得意の仕掛けを駆使してトップを、4回戦は切れ味鋭いあがりで荒がトップとなった。

トッププロの集うA1リーグでは、やはり簡単には抜け出させてもらえない。
残り2節。
決定戦に向けての争いはさらに激しいものになることは間違いない。

第8節は11/4(月)から始まる。