第37期鳳凰戦A1リーグ第7節A卓
2020年09月01日
鳳凰戦A1リーグも折り返し地点。
1回戦は僅差での攻防で比較的穏やかに過ぎたが、2回戦にトータル1位を走る西川のピンフ高め三色ドラ2のヤミテン炸裂をきっかけに一気に荒れ場となる。手役を狙い打点を作り、アガリを感じれば無筋をいくつも切り飛ばして勝つ。今期もここまでオールプラスと好調。注目のA1選手だ。
西川への三色の後、勝又にも三色を放銃した伊藤は、七対子ドラ単騎をヤミテンとしたが、親勝又がリーチに来ると覚悟を決めてツモ切り追っかけ。4,100点持ちから跳満ツモをものにすると、親番で怒涛の連荘、一気にトップまで駆け上がる。今期は10名中1人の降級枠に現在収まっているのが伊藤なのだが、追い込めば追い込むほど鎌の切れ味を増す死神が背中にいては、マイナス圏の者は誰も安心出来ない。
完全に仕上がった伊藤に捕まった佐々木は1人沈みのラス。初戦のトップを大きく上回るマイナスを背負わされた。それでも下を向かず、歯を食いしばって戦う。
3回戦起家の親で大物手を2回決めるとリードを守り切り、南3局とオーラスに連続でホンイツをアガって先程の沈みを上回る大トップをもぎ取る。さすがホンイツ評論家だ。
この荒れ場の中を4連続 2着で見事に乗り切ったのは勝又。耐えてどこかで自分のターンを作っての爆発を狙う佐々木とは対照的だ。まるで自分のターンなどなくても読みと場況判断できちんと打ち分ければ、決定戦の椅子に届くと言わんばかりの戦い方。攻撃型3人を相手にいつもよりもラフに見える仕掛け始めで大物手を阻止し、決定戦に照準を絞った巧みな攻防を見せてくれた。
佐々木と勝又の順位が入れ替わったが、全体順位はほとんど変動がなかった今節。しかし、西川は卓内1人沈みで射程圏内に引き込まれた。伊藤はもはやこれまでかと思う痛恨のラス目から見事に生き返ってみせた。後半戦の嵐を予感させるには十分な、非常にワクワクする対局であった。
カテゴリ:プロリーグ(鳳凰戦)レポート