第37期鳳凰戦A1リーグ第9節C卓レポート
2020年10月23日
【今期初A1の佐々木がトータル1位に躍進!あらゆる技を繰り出し鳳凰位決定戦を狙う】
A1リーグ第9節C卓の対局者は以下。
3位 佐々木寿人+69.6P
4位 勝又健志 +61.5P
7位 吉田直 ▲7.0P
8位 瀬戸熊直樹 ▲66.4P
勝又の方が一節多く消化している分、チャンスが一節少ないとも取れるが、ポイント的に佐々木とはほぼ並び。最後に3位までに入る戦いなので、毎回相手より上の着順をキープしたい。
吉田はかなりマイナスしないと降級は見えないので、思い切り腕を振ってくるはず。とにかく大きなプラス、もし佐々木か勝又のどちらかを交わせたら最高だ。
瀬戸熊もプラス域に行けば残りを吉田のように戦えるため、なるべく早い節でプラスを叩いておきたい。序盤戦がよほど悪い結果でなければ超攻撃麻雀で来るだろう。
最初の1局がいきなり山場となった。
①勝又が親吉田の本手気配を敏感に察知したか。字牌を1枚ずつ持ったまま打とし、次巡もツモ切りと明らかにアガリを見ない手組み。
②佐々木が勝又のオーダーに乗り、ドラ表示牌のをチー。タンヤオドラの
待ちテンパイを入れてかわしに行く。
③親吉田がメンホンテンパイ。
④瀬戸熊がリャンメンチーをしてドラ3のテンパイ。待ちはの変則3メンチャン。
は3人のアガリ牌。これがすぐ下家の勝又に流れるが勝又はすでにオリている。
各者が自分の仕事をしっかりした結果なのだが、鳴きにより吉田の元にと流れて4,000オールとなった。
しかし、何故吉田はヤミテンにしたのだろうか?吉田の麻雀ならリーチを打って6,000オールに出来た気がする。
吉田本人もそう思い直したのかも知れない。ここから一気に超攻撃麻雀を展開。親番佐々木のリーチにも怯まず放銃。それでもすぐアガリ返す押しの強さを見せつけてトップ。
吉田は続く2回戦もオーラス親で全てをひっくり返す6,000オールのアガリを決めて2連勝。
この日の前半2回を終えて、トータル成績はこのようになった。
3位 佐々木 +76.6P
4位 吉田 +41.8P
6位 勝又 ▲2.6P
8位 瀬戸熊 ▲58.1P
2回戦までの吉田のゲームは完璧だったが、あまりにも完璧すぎたのがマズかった。プラスしたのに何故マズいのか?この失敗をした事ない人にはピンと来ないかも知れないが、4回で立てた目標を2回で達成してしまうと、残り2回の戦い方が非常に難しくなるのである。
吉田は大きくプラスし、すでにトータル4位につけている。となれば、今日の2回で叩いたプラスを持って帰りたい気持ちが生まれる。腕を振るしか道はなく、失うものがなかった開始前とは景色がまるで違うのだ。
大きなマイナスを背負わされた勝又は当然大ダメージだ。しかし、佐々木はどうだろうか?勝又と吉田のポジションが変わっただけで、むしろ自分との差は開いているくらいだ。ならば今日はこのままでも良し、もし行けそうならポイントを伸ばしに行けばいい。
3回戦の佐々木は「やりたい放題」であった。
①まずは「ガラリーツモ」
②ダブ南の後付け
③役なしツモアガリ
④形式テンパイ
持ち札を順番に使うかのようにありとあらゆる技を繰り出していた。それでいて同じ待ちをツモったり、他家のアタリ牌を吸収してテンパイを取ったりと隙もない内容で3回戦トップ。
4回戦は得意のホンイツ2,600オールが決め手となり2連勝を飾った。
1位 佐々木 3211着と後半に伸びて総合首位に立った。最近色んな打ち筋を見せてくれる佐々木が、残り4節どんな作戦で挑むのか?とても楽しみである。
6位 勝又 2ラスが響いてしまい着を落としたが、厳しい日の後半の凌ぎ方はさすが。次節からは手堅いイメージの勝又の超攻撃麻雀が見られるかも知れない。
7位 吉田 前半のプラスを溶かしてしまった節、選手は精神的ダメージを負ってしまう。短い期間での切り替えは難しいが、もう一度強い吉田が観たい。
8位 瀬戸熊 要所でアガってトップ目に立っていたのにツモられてしまい、ポイントが伸びない辛い1日に見えた。今期は12節で5位までに入れば上位陣と同卓出来るので、残り3節で5位を目指して来るだろう。
(文:編集部)
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