麻雀日本シリーズ、麻雀日本シリーズ レポート

麻雀日本シリーズ/麻雀日本シリーズ2017 第4節レポート 黒木 真生

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大爆発した人が2人いた。
1人は全試合を終了し2位に浮上してきた鈴木達也プロ。自身の第5回戦目で87,000点のトップをとり、プレーオフ進出どころか決勝進出へ向けてかなり優位な位置まで上がってきた。
もう1人は最終戦で78,000点のトップを取った前原雄大。
同じくマイナスから浮上して、プレーオフ進出をほぼ確定させた。
WRCルールはこれがある。
プロ協会やRTDルールと比べ、順位点が小さく、トップ賞もないため、素点の影響がかなり大きい。
素点で何とかなるということは、親の連荘で何とかなるということでもある。
意外と、順位点が小さいルールの方が、大逆転の可能性が最後まで残るのである。
大爆発を起こした2人とは対照的に、終始安定した成績を保っているのが首位の沢崎誠、3位の白鳥翔、5位の藤田晋さんだ。
3人の中で最も大きなマイナスは、白鳥の▲10.2P。
数字だけを見ても、この3者がいかにうまくポイントをまとめているかが分かる。
もちろん、理不尽な不幸に見舞われてしまうのが麻雀であり、他者がポイントをまとめるのが下手だと言っているわけではない。
試合巧者と名高い選手ばかりが集まっているこの日本シリーズだが、少し歯車が狂っただけで、大きく負け越してしまうこともある。
4位の勝又健志と7位の忍田幸夫プロは、緒戦でラスを引いたが、すぐに挽回し、以降をきっちりとまとめ、好位置につけている。
逆にそのまま波に乗れなかったのが藤崎智と近藤千雄プロだ。
特に近藤千雄プロは自分の麻雀を打たせてもらえないまま、敗退濃厚となった。
藤崎は最後の1回を残しており、鈴木プロや前原のように大爆発ができれば、プレーオフに進出することもできる。
10位の佐々木寿人も同様で、4万点台のトップをとれば、ボーダーにいる多井隆晴をかわしてすべりこみセーフとなる。
最終戦の見どころはここにあると言ってもいいだろう。
白鳥と藤田さんが大きく崩れたら落ちる可能性もあるが、それは数字上の話だ。
やはりターゲットになるのはボーダー上の多井プロである。
自力ではなにもできないだけに、ただひたすら祈りながら見守るしかない。
藤崎か佐々木が浮上してきた瞬間に3連覇の夢はついえてしまうのだから。
全試合を終えて勝ち残りの可能性がなくなってしまった萩原聖人さんと前田直哉プロ。
2人とも、予選で負けるイメージがあまりない人たちなのだが、よくよく考えてみれば、出場選手全員がそうなのである。
まさに、方々で勝ちまくってきた人たちの集まりなのであり、全員が勝つというのも無理なのだから、必然的に誰かが敗者となる。
2人とも、来期、出場の機会がもしあれば、再び私たちを、ハラハラドキドキさせてくれることだろう。
さて、予選は残り1戦。その後プレーオフもある。
私たちは結果とともに内容を楽しむ立場であるが、選手たちにとっては「結果こそがすべて」という戦い方になるだろう。
麻雀のルールが分かる方全員に見ていただきたい。きっと、他では見られない、煮詰まり切った、濃いエスプレッソのような麻雀がお届けできるはずである。
※予選最終21回戦及びプレーオフの対局は終了いたしました。
決勝進出者
白鳥翔 勝又健志 鈴木達也 沢崎誠
放送日:10月28日(土)14:00~ 半荘4回戦
システム
■予選全21回戦(各自6回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイント持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦
プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 白鳥翔(連盟会長推薦) 133.3 13.5 ▲ 5.6 141.2
2 勝又健志(連盟会長推薦) 60.7 26.0 4.5 91.2
3 鈴木達也(連盟会長推薦) 69.1 24.1 ▲ 5.2 88.0
4 沢崎誠(連盟会長推薦) 86.5 12.0 ▲ 41.0 57.5
5 前原雄大(鳳凰位) 28.3 ▲ 39.0 39.7 29.0
6 藤田晋(連盟会長推薦) 2.4 ▲ 1.3 19.4 20.5
7 多井隆晴(麻雀日本シリーズ2016優勝) ▲ 3.6 ▲ 1.5 6.5 1.4
8 忍田幸夫(将王) 1.8 ▲ 34.8 ▲ 19.3 ▲ 52.3

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 合計
1 白鳥翔(連盟会長推薦) 12.0 29.7 ▲ 10.2 27.1 9.0 65.7 133.3
2 沢崎誠(連盟会長推薦) 34.7 22.4 3.8 9.6 27.0 ▲ 11.0 86.5
3 鈴木達也(連盟会長推薦) 16.4 ▲ 3.3 5.9 ▲ 37.3 72.0 15.4 69.1
4 勝又健志(連盟会長推薦) ▲ 31.5 21.7 39.2 ▲ 6.9 10.6 27.6 60.7
5 前原雄大(鳳凰位) ▲ 23.9 ▲ 25.0 6.6 11.4 ▲ 4.4 63.6 28.3
6 藤田晋(連盟会長推薦) ▲ 2.9 14.0 11.2 28.0 ▲ 4.7 ▲ 43.2 2.4
7 忍田幸夫(将王) ▲ 31.4 ▲ 6.0 22.4 21.5 10.1 ▲ 14.8 1.8
8 多井隆晴(麻雀日本シリーズ2016優勝) ▲ 9.7 ▲ 8.2 27.0 ▲ 23.6 39.1 ▲ 28.2 ▲ 3.6
9 近藤誠一(最高位) 33.5 12.1 17.8 ▲ 27.4 ▲ 9.6 ▲ 30.3 ▲ 3.9
10 藤崎 智(十段位) ▲ 41.1 26.7 ▲ 31.9 ▲ 13.4 14.7 0.8 ▲ 44.2
11 佐々木寿人(麻雀グランプリMAX優勝) ▲ 18.4 ▲ 7.4 ▲ 10.6 33.9 ▲ 28.1 ▲ 23.3 ▲ 53.9
12 前田直哉(連盟会長推薦) 30.4 12.6 ▲ 29.4 ▲ 22.2 ▲ 27.0 ▲ 24.5 ▲ 60.1
13 萩原聖人(連盟会長推薦) 8.9 ▲ 7.9 ▲ 24.2 ▲ 71.4 30.7 ▲ 5.8 ▲ 69.7
14 近藤千雄(最強位) ▲ 43.8 ▲ 0.8 ▲ 45.7 ▲ 16.9 ▲ 11.2 ▲ 35.3 ▲ 153.7