女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第10期女流桜花プレーオフB卓レポート 紺野 真太郎
2015年12月04日
前週に行われたA卓の結果以下の通りのポイントとなった
1 宮内 +158.8P
2 斉藤 +117.8P
3 和泉 +101.6P
4 亜樹 +98.2P
5 瑠美 +97.1P
6 平岡 +94.8P
7 内田 +43.0P
8 魚谷 +29.6P
平岡、内田は残念ながら決定戦進出はならず、瑠美も厳しい。
暫定3位の和泉も、亜樹がすぐ下にいるので胃の痛い思いでこのB卓の模様を眺めていることであろう。
宮内は和泉より上で終わればほぼ進出が決まる。斉藤も同様。亜樹も和泉を上回ることが最低条件。
魚谷は苦しいが、こちらも和泉を超えてくることが条件となる。
そんな各自の思いが交差する中、プレーオフB卓は開始された。
1回戦 斉藤 魚谷 亜樹 宮内
東1局、5巡目ですでに亜樹、宮内テンパイ、斉藤、魚谷1シャンテン。しかも魚谷はツモリ四暗刻の1シャンテンだ。
6巡目、親の斉藤にテンパイが入る。
ツモ ドラ
ドラのは1枚切れ。も1枚切られており、斉藤の判断に注目だったが、斉藤はリーチを選択。すると亜樹もツモ切りで追いかけリーチ。
亜樹からしてみれば、斉藤を捕えることが出来れば決定戦進出が確実なものとなる。
その標的がリーチにきたのだから、ぶつけない手はないだろう。
しかし、この局を制したのは宮内だった。押した魚谷からでロン。
ロン
決定戦への足場をさらに固めた。
東4局1本場、親の亜樹が以下の形でリーチ。
リーチ ドラ
が良く見え、でも十分であったろうが、結果は高目のをツモ。当面のライバル斉藤を逆転する。
東4局3本場10巡目、魚谷自風のとドラのが暗刻の1シャンテン。
ドラ
12巡目にをチーしてテンパイ。次巡、斉藤にもテンパイが入る。
ドラ
を引きにいくリーチ。亜樹が親であることもそう判断させる理由の一つであろう。を仕掛けホンイツに向かっていた亜樹の手牌。
ポン ドラ
2人の当たり牌が浮いている形。さらにリーチ者斉藤の現物にはがある。ピンチだ。
放銃も時間の問題かと思われたが、魚谷の切ったを宮内が仕掛けた。
チー ドラ
宮内にしてみれば、丁寧に局を消化していけば良い訳で当然のチーであろう。次巡の魚谷のツモもで宮内が捌ききった。
ここまでトータルトップらしく堅実に進める宮内に南2局1本場11巡目決め手が入る。
ドラ
1シャンテンであった斉藤からがツモ切られ12,000。1回戦は宮内トップ。亜樹2着で終えた。
1回戦終了
宮内+20.0P 亜樹+14.2P 魚谷▲13.8P 斉藤▲20.4P
トータルポイント
宮内+178.8P 亜樹+112.4P 斉藤+97.4P 魚谷+15.8P
2回戦 斉藤 亜樹 魚谷 宮内
東場は大人しく進行し、迎えた南1局3本場11巡目亜樹テンパイ。
ドラ
ドラも無くヤミテンに構える。同巡魚谷がリーチ。
リーチ
捨て牌からが良く見え引きに行くリーチだ。更に親の斉藤がこのテンパイ。
この手が決まれば・・魚谷の河にとが1枚づつ。テンパイ打牌は。これは魚谷のリーチに通ってない。場に緊張が走る。
次巡、斉藤のツモは。これも通ってない。この1巡で打たれなかったこともあったのだろう。斉藤はリーチを決断した。
2件リーチに挟まれた亜樹。待ちをに振り替え粘っていたが、を引かされる。
ツモ
これはさすがに・・とばかりに少考ののち打としこの局はギブアップ。行く末を見守る側に廻った。
決着は15巡目だった。2件リーチを受けながらもテンパイを入れていた宮内が、親にはほぼ通るであろうをツモ切り魚谷が3,900は4,800のアガリ。斉藤の勝負手は実らなかった。
南3局、亜樹が8巡目にテンパイ。
ドラ
親の魚谷がソーズ気配。手替わりを待つというよりは躱し手としてのヤミテンか。
ところがこの絶好に見える–がなかなか顔を見せない。そうこうしてる内に魚谷が追いつく。
ポン
宮内、斉藤はオリに廻り、亜樹と魚谷の一騎打ちとなったが、亜樹の–は脇に流れる。そして・・「ツモ」
ポン ツモ ドラ
4,000オールを決め、この半荘のトップをもぎ取った。
2回戦終了
魚谷+21.3P 亜樹+5.6P 宮内▲11.0P 斉藤▲15.9P
トータルポイント
宮内+167.8P 亜樹+118.0P 斉藤+81.5P 魚谷+30.0P
3回戦 魚谷 宮内 亜樹 斉藤
東4局2本場、親の斉藤がテンパイ。
ドラ
亜樹もドラ単騎七対子で追いつく。両者ヤミテン。宮内もカンを引きテンパイ。
直後の亜樹、ツモ。これをツモ切り8,000の放銃となってしまった。
ここでトータルポイントを整理すると、宮内+183.2P和泉+101.6P瑠美+97.1P亜樹+96.7Pと瞬間的ではあるがA卓から2名進出の並びとなった。
南1局、亜樹がを暗カン、斉藤が仕掛ける中、親の魚谷がリーチに行く。
リーチ ドラ
は2枚切れだが、亜樹、斉藤が手間取ってる感があり、牽制の意味もあるか。
だが、亜樹がリーチの一発目に無筋のを押してきたのを見て何を思っただろうか・・11巡目、亜樹テンパイ。魚谷の現物の–だが追いかけリーチを選択した。
暗カン ドラ
上家からのにも動かずリーチに仕上げた亜樹。この手を勝負手と捉えての判断。この判断が功を奏し魚谷から4,500。トータル2番手に舞い戻った。
南2局1本場、前局高目6,000オールのリーチを放つも流局だった親の宮内。七対子1シャンテンで放したが四暗刻手替わり待ちだった斉藤に捕まった。
ドラ
斉藤はこの半荘のトップ目に浮上。決定戦ボーダーに近づく。オーラス11巡目、親の斉藤がリーチを打つも亜樹が三色をアガリ終局。苦しかった半荘を浮きで乗り切った。
3回戦終了
斉藤+13.3P 宮内+5.9P 亜樹+2.8P 魚谷▲22.0P
トータルポイント
宮内+173.7P 亜樹+120.8P 斉藤+94.8P 魚谷+15.1P
最終4回戦 宮内 斉藤 魚谷 亜樹
宮内はほぼ当確、亜樹は+101.6Pの和泉を下回らなければOKなので20,000点を切らないことがおおよその条件か。
魚谷はざっとではあるが10万点トップ。斉藤は6.9ポイント以上浮けば、これも和泉を超えてくる。
各自条件と思いを抱えて最終戦が開始された。
東1局は亜樹が2,000・4,000で決定戦に大きく前進。東2局1本場は魚谷が負けじと2,000・4,000で簡単には逃がさない。
東3局1本場、親魚谷がリーチ。
リーチ ドラ
もちろんだが、魚谷は全く諦めていない。それに対し仕掛けを入れていた斉藤。9巡目に手が止まる。
ポン ツモ
魚谷の捨て牌にマンズは1枚だけ。ピンズはほぼ通りそうだが、斉藤は歯を食いしばりを打った。
しかし、結果は斉藤にとって無情であった。魚谷ツモ。4,000オール。
落ち込んでる暇はない斉藤、東3局2本場、高目ツモ倍満のテンパイを入れるがこれも実らず。
ポン ドラ
2,000・4,000で先制していた亜樹だが、点数を削られ気づけば原点間近。まだ余裕はあるとはいえ気は抜けない。
東3局3本場タンヤオドラ3のテンパイ。
チー ドラ
親の魚谷も七対子で追いつく。単騎でリーチ。
リーチ
亜樹は直後にドラを暗カン。更に緊張感が増す。
先ほどのの引き合いには競り勝った魚谷であったが、ここは勝てずに亜樹に軍配。2,000・4,000今度こそ安全圏か。
南1局1本場、魚谷2,600テンパイ。
ポン ドラ
ここから上家が切ったをチーして食い延ばしを図る。そしてそれが実を結ぶ。
チー ポン ドラ
60,000点近くまで得点を伸ばし「もしかして・・」と思わせる戦いをしてきた魚谷の最後の親であったが・・・
チー ドラ
アガったのは亜樹。1度は危ない場面があったとはいえ、終始安定した戦いぶりを見せた亜樹が最後も自力で決着をつけた。
最終4回戦終了
魚谷+37.1P 亜樹+17.4P 斉藤▲24.0P 宮内▲30.5P
プレーオフ最終成績
1 宮内+143.2P
2 亜樹+138.2P
3 和泉+101.6P
※これより上位3名が決定戦進出
4 瑠美+97.1P
5 平岡+94.8P
6 斉藤+70.8P
7 魚谷+52.2P
8 内田+43.0P
女王吾妻への挑戦権は宮内、亜樹、和泉が勝ち取った。
決勝メンバーはこの2年の新世代と呼べる者たちから四天王と呼ばれる者たちにがらりと入れ替わった。
吾妻の3連覇は成るのか。それとも亜樹3度目の戴冠か。宮内、和泉の悲願が成就されるのか。
決勝戦は12/13.12/20.12/27の3日間完全生中継で行われる。お楽しみに。
決勝初日 :12/13(日) 14:00
実況:勝又健志
解説:瀬戸熊直樹・魚谷侑未
実況:勝又健志
牌譜解説:山田浩之
決勝二日目:12/20(日) 14:00
実況:勝又健志
解説:前田直哉・滝沢和典
牌譜解説:山田浩之
決勝最終日:12/27(日) 14:00
実況:勝又健志
解説:藤崎智・佐々木寿人
牌譜解説:山田浩之
カテゴリ:女流プロリーグ(女流桜花) レポート