第9期女流桜花第1節レポート 黒沢 咲
2014年05月15日
第9期女流桜花第1節レポート:黒沢咲
戦いに向けて一番大切なことは何かと聞かれれば、私はコンディションの管理だとこたえる。
体調管理は大前提だが、精神的なコンディションを整えることが非常に重要だ。
リラックスしつつ、適度な緊張感を持ち安定した状態。集中して、余計なことは考えない。
そこにモチベーションが加われば、結果はともかく、自分の力を出し切るようないい戦いができると思っている。
リーグ戦の開幕戦で、私はそのコンディション管理に失敗した。
頭はボーッとしているし、途中から自分が何をやっているのかわからなくなってしまった。
同じ失敗を繰り返してはいけない。そう誓って臨んだ女流桜花開幕戦。
私の卓は、二階堂瑠美プロ、南里はるみプロ、山下忍プロの3名だった。
二階堂瑠美プロは、ここ最近安定して調子が良いと感じているし、劣勢でも「コツ、コツ、ガツン」というリズムで巻き返してくるイメージが強い。
この日も1回戦がはじまり、瑠美プロの調子の良さを感じていた。
対する私は、今日も厳しいスタート。
なかなか手が入らないし、打点が見込める材料があっても、遠すぎて全く追いつかない。
2回戦の東2局、親番の私は好調だった瑠美プロからドラ暗刻のヤミテン満貫をアガリリードした。
しかし、そのあとが簡単にはいかなかった。
東4局、12,000点持ちの瑠美プロが、思い切りの良さと勝負勘、そして丁寧さを見せつける。
まず7巡目に、南里プロから本手のリーチがかかる。
リーチ ドラ
これを受けた時の瑠美プロの手は、
一発目にツモってきた無筋のを押し、をツモって雀頭チェンジで打。
そして3段目に差し掛かったところで、をチー。
チー
私だったら、巡目的にも、手格好的にも、自分の状態を考えても、もう降参する。
しかし、瑠美プロは諦めない。七をチーしてテンパイ。
チー チー
ここからが、ただのイケイケではない瑠美プロのすごいところ。
南里プロの当たり牌であるを食い取り、冷静に打、チーでテンパイ復活、親番を維持したのだ。
この打ち筋の良し悪しは判断できないが、私には絶対にできないし、思い切りの良さと丁寧さのバランスがすごいなと思った。
終わってみれば、私は前半のアドバンテージを吐き出して沈みの2着。
リーグ戦の記憶がよみがえりかけた。
しかしまだ予選2/24だと言い聞かせた。今は集中して麻雀を打つ以外やることはない!!
少し気持ちが落ち着いた。
そして3回戦、前半は我慢が続いたが、ついに私の時間がやってきた。
東4局、南家、
リーチ ツモ ドラ
この2,000・4,000を皮切りに、南2局、北家、
リーチ ツモ ドラ
この1,600・3,200。
南3局、西家、
リーチ ロン ドラ
この8,000。更にオーラス、南家で5巡目に、
ポン ロン ドラ
この7,700をアガってフィニッシュ。
55,000点オーバーで、久しぶりに気持ちの良いトップがとれた。
私は、自分の調子が悪いとき、基準を2万点に置いて戦うようにしている。
誰でもラスをひくことはあるが、トッププロたちはラスをひくときもマイナスを最小限(2万点前後)におさえていることが多く、元々「どうせ負けてるからいくら負けても同じだー!」と突っ込む自分の悪いクセを修正するために、「マイナス時2万点基準」を決めたのだ。
この日は4着、2着、トップ、3着という苦しい成績でも、微差ながら卓内トップだった。
反省点はたくさんあるが、(特に2回戦)、ダメな時にマイナスをおさえられたことはよかった点だと思う。
いい状態のときもあれば、苦しいときもあるということを忘れてはいけない。
まだまだ先が長いが、久しぶりの決勝卓を目指して精一杯戦います。
カテゴリ:女流プロリーグ(女流桜花) レポート