女流プロリーグ(女流桜花) レポート

第9期女流桜花第5節レポート 美波 智子

いよいよ終盤になった。
どの選手ももちろんプラスを重ねたいと考え戦っているが、今回はそれぞれの目標が明確になった状況での戦いだった。

1回戦 東1局

開局早々私に大物手が入る。

8巡目

一索二索三索五索六索九索九索西西西  暗カン牌の背中中牌の背  ドラ四筒

西家だった私は、出アガリ満貫、ツモアガリ跳満のテンパイを入れたが、11巡目に和泉のリーチ。

六万六万六万三索四索五索四筒五筒五筒六筒六筒白白  リーチ

このリーチを受け、親の瑠美が6をチーして以下の形。

四万四万三索四索七索七索七索四筒五筒六筒  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き

終盤に五索を持ってきた私がツモ切り、瑠美に2,900の放銃。
形を見た時に、私のアガリ牌である四索七索が5枚あった。
シャンポン待ちも考えた場面で、リャンメンに決め込んだ事が裏目となる放銃。
今日の戦いも苦しいものになると感じた。

東1局から手がぶつかり、激しい半荘になると思ったが、終始小場で終わった。

2回戦

東場の親番で瑠美、和泉が勝負手をしっかりとツモアガリ大きく加点。
焦ってしまった私は、すっかりバランスを崩し箱下まで点棒を減らしてしまった。

3回戦 東1局

親である内田がピンズの一通を完成させ、テンパイでドラの南を切りヤミテンに構える。
トイツで持っていた和泉はその場では仕掛けず、合わせ打った私の南を二鳴きする。
一鳴きでない事から、役が確定していない感じはしたが、ピンズが高い捨て牌に対し、内田が勝負していた。

内田の手牌は

六万七万九索九索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ南

こう変化するもヤミテンのまま。
和泉の手牌は

二万三万四万二索三索四索二筒三筒六筒六筒  ポン南南南

終局間際に、内田が四筒をツモり長考、確定している一通が崩れる一筒を河に置き放銃回避。
ヤミテンの判断、打牌選択ともに成功となる内田のファインプレーであった。

タイムシフトを見たところ、単純な枚数では123と234の三色に断定要素はなかった。
五筒が内田からは4枚見えており、ピンズの一通や345の三色は否定できている。また翻牌の可能性もなくなっている)

2回戦まで、このような際どい局面は勝負を避ける事が多かった内田。
勝負所では読みを入れてギリギリの打牌選択もする、そして反撃チャンスではリーチも多用し加点する、というのが私の知っている内田の勝ちパターン。

しかし和泉は同巡に四筒をツモアガリ、その反撃チャンスを与えない好調ぶり。
さらに加点し大きなトップを取った。

4回戦 東1局

4回戦も東1局に勝負手がぶつかる。
すでにこの日▲54.3Pと後のない私に、またもや勝負手が入った。

二万三万三万四万四万五万六万六万二索三索四索二筒三筒  リーチ  ドラ発

しかし、瑠美の手牌

一索二索四索五索六索七索八索九索発発  ポン東東東

またしても、勝負手をものにした瑠美が得点を重ねた。

この日多くの失敗を重ねてきた私は、このアガリを見てやっぱり浮上するのは難しいと感じていたが、その後親番で勝負手をあがることができ、4回戦はトップをとることができた。

従来の桜花であれば5節で終わり、降級が確定しているところであるが、今季から6節となり、あとチャンスが1回ある。
なかったはずのこのチャンスを生かして、来節は自分の良いところを出し、残留を目指したい。