女流プロリーグ(女流桜花) レポート

第16期女流桜花入れ替え戦2nd stageレポート

入れ替え戦2nd stage出場者は、古谷知美(Aリーグ13位)・高宮まり(Bリーグ4位)・楠原遊(C1リーグ1位)・黒沢咲(1st stage勝ち上がり)の4名で、この中で来期Aリーグで戦えるのはたったの1人。

1st stageを勝ち抜いた黒沢でしたが

 

 

古谷に12,000。

 

 

高宮には8,000と1回戦からロン牌が集中。
さらにはアガリが遠く1回戦で致命的な大きなラスを引き、勝負から脱落します。

 

 

序盤での失点を悔い、この反省を次に生かしたいと語った黒沢は

「来期は入れ替え戦ではなく昇級出来るように頑張ります」

すぐに次へと気持ちを切り替えていました。

古谷・高宮の猛攻に大きく水をあけられた楠原でしたが、3回戦の親番で反撃開始。

 

 

3,900オールを皮切りに連荘を重ねて一時はトータル首位に立ちます。

C1リーグ首位で昇級を決めて入れ替え戦に進出した楠原は挑戦者らしく南場の親でも腕を振っていき

 

 

アガれば決定打となる勝負手でリーチを選択しましたが、これは流局して勝負は最終戦にもつれ込みます。

 

 

最終戦は高宮に手が入らず、満貫をツモってリードする楠原を古谷が追いかける展開。

 

 

敗れた高宮は

「今期は苦しい残留となってしまったんですけど、来期は昇級を目指して戦えるように頑張りたいと思います。それと謙虚に考えておかないと降級の危機になってしまうので、そこも気をつけたいと思います」

冷静に今期を振り返り、再スタートを誓いました。

 

 

追いかける側に回った古谷は徐々に差を詰め、1,000と2,000の直撃で楠原を200点かわしてオーラスに突入。

 

 

楠原にアガられたらすぐに再逆転されて試合終了というギリギリの状況で、序盤に黒沢から立て続けに打たれた1,500を見逃した古谷。
この局は流局まで粘り切り、テンパイ料で楠原との差を4,200に広げると

 

 

次局は中盤からオリを選択して運命に身をゆだねます。

 

 

1局勝負となった楠原はダブ南を暗カンして打点の条件をクリア。
残り2巡でテンパイを入れましたが

 

 

山に1枚残っていた八万は黒沢の手に収まって流局。

 

 

「今日は素晴らしい舞台で素晴らしい皆さんと麻雀が打ててプロとして幸せでした。来期はBリーグで活躍してAリーグで打てたら良いなと思います。これからも選手としても実況としても一生懸命頑張りますので宜しくお願いします。」

この経験を糧にして来期初のBリーグで活躍する楠原に期待です。

微差で逃げ切った古谷は

 

 

「女流桜花を取ってすぐに降級したら、その価値を落としてしまうかと思って嫌だった。」

タイトルを獲った人にだけわかる重圧を残留するための力に変え、Aリーグの最後の一枚のチケットを掴み獲りました。

<2nd stage最終結果>
古谷+35.9P 楠原+28.5P 高宮▲0.4P 黒沢▲64.0P

(文:越野智紀)