JPMLWRC-Rリーグ レポート

第1期JPML WRC-Rリーグ 決勝レポート

【オーラスに大逆転!仲田加南が“ツモよりデバサイ”で初代栄光に輝く。】

香野蘭×仲田加南×奈良圭純×塚田悠介

実況:小笠原奈央
解説:藤島健二郎・阿久津翔太

 

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昨今のMリーグなど赤牌を使った対局が増えた事に伴って新設された今回のタイトル戦。その記念すべき第1期の決勝戦が開催された。

実績・経験豊富な仲田・奈良に対してプロ歴3〜4年程の香野・塚田という二極化となった決勝メンバー。
開局から積極的な仕掛けとリーチで若手の二人が主導権を握る入りとなったが、ベテラン勢が強烈な一撃でそれを跳ね返す。

 

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1回戦東4局には奈良が、南1局には仲田がそれぞれの親番で跳満ツモを決め早くも二人が抜け出した。
◆1回戦終了時
仲田+49.4
奈良+20.5
香野▲16.2
塚田▲53.7

2回戦に入ると香野に変化が見られる。

2回戦
東1局
北家・香野
二万二万七万八万九万三索赤五索六索七索八索七筒八筒九筒 ドラ五索

役なしだが打点十分のテンパイ。1回戦の戦い方を見ると強気にリーチも考えられたが、香野は良形変化待ちを選択する。そして狙い通りにリャンメンへ変化した所で牌を横に曲げると、力強く満貫をツモり上位陣に迫った。

 

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しかし、この半荘は奈良が並びを意識するヤミテンを織り交ぜながら6回のアガリでトータル首位へ。

 

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◆2回戦終了時
奈良+78.3
仲田+32.9
香野▲11.2
塚田▲100.0

縦長の展開となりつつあったが3回戦に入ると一転する。

3回戦
東4局1本場
東家・香野
七万八万九万一索一索二索二索三索六索七索八索東東 ドラ一筒

この局は仲田がタンヤオ仕掛けでリーチも有効であったが、親番の香野はペン三索待ちヤミテンへ。次巡には狙いの一つである九索引きでチャンタを確定させるもヤミテンをそのまま続行。そして手の内の九万と入れ替えるタイミングでリーチに踏み切ると、見事に仲田からリーチ・チャンタ・イーペーコーの12,000(+300)の直撃を決めて二番手に浮上した。

 

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◆3回戦終了時
奈良+95.8
香野+33.4
仲田+15.7
塚田▲144.9

 

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4回戦は追いかける香野・仲田が奈良の決定打を阻止するアガリを重ねて局面は進み、いよいよオーラスへ。

優勝条件は以下の通り。

■奈良
ノーテン流局で優勝

■香野
ツモは1,600・3,200以上
奈良から4,500以上
塚田から12,000以上
仲田から12,000(※倍満、三倍満は奈良の着順が上がる為、条件を満たせない)

■仲田
ツモは6,000・12,000ツモ以上
奈良から8,000以上
香野からダブル役満以上
塚田から役満以上

■塚田
条件なし

動いたのは奈良。

 

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仕掛けて場に1枚切れの中待ち5,800テンパイでアガれば更に有利な状況へ。しかし先に待ち構えていたのは仲田であった。次巡に奈良が九筒をツモ切ると

 

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白・ホンイツ・一気通貫12,000。

ツモアガリは役満クラスが必要ながらロンアガリの場合は満貫まで条件が緩和する順位点マジック。

“ツモよりデバサイ”

仲田の座右の銘とも呼べるこの言葉通り、女流プロ麻雀日本シリーズ2023に続いてオーラスに大逆転での優勝。そして栄えある第1期JPML WRC-Rリーグの初代チャンピオンの座に輝いた。

 

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【第1期JPML WRC-Rリーグ】
優勝 仲田加南(+65.8)
2位 香野蘭 (+52.3)
3位 奈良圭純(+48.6)
4位 塚田悠介(▲166.7)

(文:小林正和)