達人戦 レポート

第1期達人戦〜GREAT LEAGUE〜第6節〜レポート

【これぞ達人戦の醍醐味。技と技の応酬!】

《第6節》
古川孝次vs伊藤優孝vs沢崎誠vs前原雄大

解説:白鳥翔
実況:阿久津翔太

今節で対局者全員が予選12回戦の内、9戦を打ち終えた。
《第6節結果》

 

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沢崎▲61.7P 伊藤+8.9P 古川+23.3P 前原+27.5P

 

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沢崎誠
「今日は感触も良くなくて全然ダメだったかな。でも昔からやり合ってる面子だから、やっつけたりやられたりだよね。最初の方は縦よりも横の伸びが良いかなと思ってたよ。」

対局後のインタビューでそう語ったように、横の意識が顕著に出たのは1回戦目の南3局。

 

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前原のリーチを受けての一発目。沢崎の選んだ牌はトイツの西。現物の六筒切りで七対子イーシャンテンをキープする人も多い中、この選択が功を奏する。

 

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四筒赤五筒と立て続けに引き入れテンパイ。見事な技が繰り出された局であった。

 

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伊藤優孝
「周りもしぶとくて強いよね。今日はエンジンがボロボロでスタートしたけど2回戦の赤3の親マンガンでトップ取れてホッとしたよ。」

2回戦南2局
東家・伊藤

 

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北家・前原のリーチに対して鳴いて応戦した伊藤。ドラの白を切って真っ直ぐ行くかと思われたが、何と通っていない三筒切りで様子見とする。そして白が通ると一気に攻め返しへ。

 

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待ち選択も四万が通っているにも関わらず五万切りを選択すると、見事にシャンポン待ちをアガリきる。3回戦通してほとんど加点チャンスがなかったが、このアガリで一日のトータルポイントもプラスとした。

 

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古川孝次
「みんな歳とったよ。あと何回東京来れるか分からないけど頑張らなあかんね。あの一索止めは1点(読み)でしたよ。」

その実況席もザワつかせたビタ止めシーンがこちら。

 

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1回戦南3局2本場、熾烈なトップ争いの中で前原が発ポンテンの一索四索待ち。そして一索が手の内に浮いている古川の切り番。

 

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まだ序盤だからとフワッと放銃に回ってもおかしくなかったが、古川の選んだ牌は前原の現物である一筒。普段は鳴きを駆使した攻めの印象が強いが、最年長A1リーガーとして最前線で戦えているのも、こうした長年の読みや経験則からくる鉄壁に近い守備力があって為せる技なのだろう。

 

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前原雄大
「初めて娘から貰ったネクタイで気持ちが入っていたけど、2回戦東1局1本場の局で押せなかったのが自身の目指すものと違ったね。」

解説の白鳥も“普段の前原さんなら攻め切れた”と語った局がその2回戦東1局1本場。

 

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開局に6,000オールとし連荘で迎えた親番、伊藤のリーチを受けて西のトイツ落としで受けた前原。

白鳥
「えぇっ。行かないんだ。これメチャクチャ意外ですね。」

順位点の大きいルール。もちろん中盤から終盤に差し迫る中でのリーチ一発目なので受ける選択も一般的である。しかし、前原という打ち手としては行かないとお金を払って視聴して下さる人達に申し訳ないと対局後に反省の弁として挙げていた。

結果論とはなるが、真っ直ぐ行っていると

 

100

 

13巡目にテンパイし、リーチ者の伊藤から一発での出アガリ。
達人戦ならではの対局者・解説者の思考が一致する熱い一局であったので、是非ご覧頂きたい。

(文・小林正和)