第29期麻雀マスターズ 決勝レポート
2021年05月11日
~大打撃戦の応酬!~
5/2(日)第29期麻雀マスターズ決勝戦が行われた。
システムはWRCルール(一発・裏ドラあり)で半荘5回戦を行いトータルポイント1位が優勝者となる。
今期決勝に残ったのは以下の4名。
二見大輔(日本プロ麻雀協会) 第38期王位戦優勝者
沢村侑樹(一般)
福田大志(最高位戦日本プロ麻雀協会)
真光祐尚 第28期マスターズ優勝者
実況:伊達朱里紗
解説:佐々木寿人 勝又健志
連覇を狙う真光。王位戦に続きマスターズを狙う二見に対し、新人の福田、一般から参加の沢村さんがぶつかって行く構図か?
立会人・山田浩之の合図で1回戦が開始された。
まず先制したのは福田。親の沢村さんからリーチ・ドラ3の8,000をアガると、勢いは止まらず次局も三暗刻を一発ツモ。
更に裏ドラを4つ乗せて4,000・8,000。いきなりの大量リードに成功する。
この半荘の主役は福田かと思われたがそこから各者の反撃が凄かった。
南1局1,300オールをツモった沢村さんが、僅か5巡目にしてこのテンパイ。
・メンホン・一気通貫の18,000。
これに飛び込んでしまったのがテンパイが入っていた二見。
沢村さんはこの18,000に加え、2,600は2,800オールをアガリ60,000付近の大トップ目に。
だが、1一回戦を制したのは15,000付近まで削られていた真光。
親の沢村さんの追いかけリーチを振り切り、力強くドラを一発ツモ。
3,000・6,000は3,300・6,300で点数を戻すと、オーラスの親番でまたしても一発ツモの6,000オール。
福田・沢村の大量リードを捲ってのトップ奪取。大打撃戦を制し連覇に向け視界良好のスタートとなった。
真光・沢村・福田・二見の並びで1回戦が終了。
2回戦
1回戦苦しい展開だった二見が3,000・6,000をツモりトップ目に。
局は進みオーラスとなる。
現状の順位は二見・沢村・福田・真光と二見にとって理想的な並びであった。しかしラス目真光に大物手の配牌が入る。
さらにも鳴けて単騎12,000のテンパイが入った。
そこにぶつけたのが福田。三色のペンリーチ。まさに決勝戦ならではのリーチと言えよう。直ぐに当たり牌を掴む真光だがに待ち変えして3,000・6,000のツモアガリに成功する。
二見・真光・沢村・福田の並びで2回戦が終了した。
3回戦
衝撃的だったのが東1局。ドラ暗刻の福田のリーチに対し、沢村さんと真光が仕掛けて応戦する。
2人とも奇しくも待ちであった。そのドラを持ってきたのが福田。暗カンで放銃を免れると新ドラが何と更に勢いそのままリンシャンツモ。
リーチ・ツモ・リンシャンカイホウ・ドラ9の3倍満
親かぶりがまたしても二見。二見は1日通してかなり展開が厳しかった様に思える。
更に追加点を重ねる福田。
しかし今度はオーラスの親沢村さんに超がつく大物手が入った。
様々な選択がある中、最終的に選んだのは2枚切れの
出アガリ24,000だ。
しかしここは二見の追いかけリーチに放銃となり、福田・真光・二見・沢村の並びで3回戦が終了となった。
4回戦
真光対福田の様相が強くなってきた4回戦。二見・沢村の両名は並びを作りつつ自身がトップを取りたい所。
二見トップ目で向かえた南3局。福田のリーチに親二見が仕掛けて応戦。真光も粘ってテンパイを入れた、しかし次のツモで長考。
5枚中3枚が当たり牌という大ピンチ。悩みぬいて出した一打は、皮肉にも福田の当たり牌であった。
お互いにとって大きな8,000の直撃となり福田が真光に41.1Pの差を付けて最終戦を迎える事になる。
最終戦
粛々と局が進んでいき気づけば南1局になっていた。福田の持ち点は30,000点を越えており、福田優勝の雰囲気が漂う。
しかし壮絶な打撃の応酬となったこの決勝戦。最後の一山が福田に襲い掛かるのであった。
沢村さんが真光から当たり牌を見逃し福田から執念の8,000直撃。これで優勝が分からなくなった。福田がラス目になった事により、この時点で真光・福田の差が10P圏内に入る。
そして迎えたオーラス各者の優勝条件は。
福田ノーテンOK。
真光2,000・4,000ツモか6,400直撃。
二見、役満ツモか福田から3倍満。
沢村さんはダブル役満直撃。福田が親なのでほぼ1局勝負である。
真光に条件を満たしたテンパイが入った。ツモアガりOKだが出アガリは届かない。
当たり牌
そして最後に手変わりを果たすと勝負リーチといった。
ツモは1回。山には
最後のツモに力を込める真光。しかし最後のツモは隣のであった。
第29期麻雀マスターズ優勝者は福田大志に決まった。
プロ2年目とは思えない堂々の麻雀だったのでは無いだろうか。
また常に戦いあう選手の姿が印象的な決勝戦だった。
一般参加の沢村さんも慣れない放送対局の中、素晴らしい振る舞いを見せてくれたと思う。
来年はコロナウイルスも収まり更なる参加者が増えることを願いたい。
30期の決勝はどんなドラマが待つのだろうか?。
(文:船木伸一)
カテゴリ:麻雀マスターズ レポート