第39期王位戦 準決勝レポート
2013年12月20日
去る11月30日、日本プロ麻雀連盟のスタジオにて、第39期王位戦準決勝が行われた。
今回から、最終第6回戦は生放送にて配信されるため、組み合わせが変更となり、
最後の半荘は1卓ずつ順番となった。
まず半荘5回戦を行い下位4名が途中敗退。
そして最終戦は順に、
(7位×8位×9位×10位)
(3位×4位×5位×6位)
(1位×2位×11位×12位)
上記のような組み合わせでの対戦となり、トータル上位5名が決勝進出。
そして翌日、決勝7回戦が行われ第39期王位が決まる。
ということは、5回戦終了時の順位も決勝進出のための重要な要素になってくる。
最初に対局をこなすとポイントが確定するため、あとの対局のほうが有利となる。
しかし、11位と12位になると、1位2位との対局になるため苦しい。
逆に、5回戦終了時に1位、2位の対局者にとっては、とても有利な戦いになる可能性が高い。
準決勝に進出したのは、現王位を含めて以下の16名(予選通過順)
二見大輔 (現王位・協会) |
伊藤優孝 (連盟) |
猿川真寿 (連盟) |
近藤久春 (連盟) |
杉浦勘介 (連盟) |
安村浩司 (連盟) |
手塚紗掬 (連盟) |
京平遥 (連盟) |
桶本篤史 (連盟) |
森下剛任 (連盟) |
安藤大貴 (連盟) |
三浦智博 (連盟) |
坂井秀隆 (最高位戦) |
西川貴司 (最高位戦) |
穴澤義則 (一般) |
伊藤康宏 (一般) |
1回戦(猿川×桶本×三浦×西川)
開局早々12,000の声があがったのが西川。
リーチ ロン ドラ
三浦から12,000点のアガリで幸先良いスタート。
負けじと桶本ドラのを切り、
リーチ
リーチと行くが西川が、
ロン
この5,200を桶本からアガリ西川好調か。
しかし桶本もリーチを打ち続け親で2,600オール。
Aリーガー猿川は苦しい展開。
南2局3本場、ここまで我慢してきた猿川に3巡目、
リーチ ドラ
この勝負手が入るが、
三浦がここからをチーして1,000点で応戦。
ラス目でもあり、やむなく前に出るがを引きテンパイ後、300・500は600・800で猿川の本手はかわされてしまう。
最終局、親・三浦
三浦
ポン ポン ポン ドラ
桶本
ポン チー
本手がぶつかる。トップ目の西川がを三浦に放銃し、7,700。
結果、猿川が1人沈みのラスを引かされ苦しいスタートとなった。
(二見×安村×杉浦×穴澤さん)
一般の穴澤さん。今回福島にあらたに設けられたB級予選から勝ち上がり、A級本戦ではベストアマを獲得。破竹の勢いで準決勝に進出。とても楽しそうに対局しているのが印象的だ。
東場の穴澤さんの親番。
ドラ
これをヤミテン。
ツモで4面張リーチには取らず三色を確定させる打。
4面張でリーチをしていれば、ツモの1,300オールであったが、待ち変えをしていくものの流局。
少し緊張しているか?
しかしオーラス、僅差の2着目の穴澤さんとトップ目の杉浦。
穴澤さん
チー
杉浦
ポン ポン
この対決は穴澤さんがをツモり500・1,000でトップに。
(伊藤優×伊藤康さん×手塚×安藤)
一般の伊藤康宏さんは先日行われたインターネット麻雀日本選手権にて、安田麻里菜プロとの激闘を制し優勝し、ロン2カップでも決勝進出と実績のある打ち手。Aリーガーでもあり、鳳凰位決定戦進出濃厚の伊藤優孝、プロクイーン決勝進出の手塚相手にどう戦うか。
東2局、伊藤さん
ドラ
ここからをスルーし、しっかりと面前で手組をする。
そこに安藤が、
リーチ
しかし手塚追いかけ、
リーチ
ツモで2,000・4,000のツモアガリ。
そのままリードを保ち、オーラスを迎えて手塚の1人浮き状態だが、
伊藤康さんがオーラスの親で、
リーチ ツモ ドラ
この2,600オールをツモり手塚に迫る。
なんとか浮きにまわりたい安藤。
ツモ ドラ
ここから打として三色と一通の両天秤。ツモで一通が見えたところに再びツモが。
ツモ
持ち点は21,100のため、打としてドラターツを払ってホンイツに向かうが、やや苦しいか。
そこに伊藤優。
このテンパイだが、ピンズは場に高いのでヤミテンに構えるが、あっさりツモで2,000・3,900で原点確保。勝負手をさばかれていたが、値千金のツモで浮きの2着となり安藤は1人沈みのラス。
1回戦成績
手塚+14.3P 伊藤優+7.1P 伊藤康さん+1.6P 安藤▲23.0P
穴澤さん+17.8P 杉浦+10.0P 安村▲7.9P 二見▲19.9P
西川+14.6P 桶本+4.4P 三浦+2.2P 猿川▲21.2P
坂井+15.3P 近藤+10.5P 森下▲9.7P 京平▲16.1P
2回戦
(三浦+2.2P×手塚+14.3P×京平▲16.1P×二見▲19.9P)
京平
ドラ
ここから打としてしまうが、そのあとのツモで打、ツモ打、とツモがきいて結局、
リーチ
親の三浦から追いかけリーチが入るがツモで2,000・4,000。
そして更に京平。
リーチ ドラ
積極的にリーチを打つ。トップ目の二見がなんとのトイツ落としで8,000の放銃。
京平の積極策がうまくかみ合っている。
しかし、元王位の二見もダブを仕掛けて、
ポン チー チー ドラ
ここでをツモ切り。
が3枚見えている上に、手出しでだと待ちがしぼられるためツモ切りだが、終盤、三浦がをつかむがツモ番がないためオリて流局。
しかし、2回の1人テンパイで6,000点を回収し、ついに勝負手が入る。
リーチ ドラ
ここに三浦が、
ポン
ここからドラを仕掛け、で11,600を放銃。
二見がトップ目を奪還し、三浦は1人沈みの展開となり苦しくなった。
(安村▲7.9P×近藤+10.5P×伊藤優+7.1P×猿川▲21.2P)
Aリーガー3人に、安村がどう挑むかという注目卓となった。
猿川
ドラ
猿川が攻めかかるがまたも流局。1人テンパイだが、なかなかアガリに結び付かない。
次局、親の猿川
チー ドラ
これでが4枚切れているため、5,800確定のテンパイ。安村も、
チー
追いつくがこれも流局。
さらに次局、猿川。
ドラ
ここからを暗カンそして、
暗カン
打でリーチ。が3枚切れており、ドラのカン待ちもあったがリャンメンに受ける。
しかし、もももツモらず流局。猿川の親はなかなか流れない。
しのいでテンパイを繰り返し、やっと500オールは900オールのアガリ。
気がつけばテンパイ料や供託もあり、39,700点持ちでトップ目。
その後、500・1,000しかアガっていない猿川がなんとトップ!!
苦境を我慢してしのいだトップだけに、猿川にとっては大きいトップとなった。
2回戦成績( )内は2回戦トータルの成績
二見+27.0P(+7.1P)京平+6.4P(▲9.7P)手塚+3.2P(+7.5P)三浦▲34.4P(▲17.7P)
猿川+16.7P(▲4.5P)伊藤優+7.6P(+14.7P)安村▲5.4P(▲13.3P)近藤▲18.9P(▲8.4P)
伊藤康さん+24.5P(+26.1P)杉浦▲3.4P(+6.6P)森下▲8.0P(▲17.7P)西川▲13.1P(+1.5P)
安藤+13.4P(▲9.6P)桶本+6.4P(+10.8P)坂井+3.8P(+19.1P)穴澤さん▲23.0P(▲5.8P)
3回戦
(森下▲17.7P×穴澤さん▲5.8P×手塚+17.5P×猿川▲4.5P)
猿川
リーチ ドラ
森下
リーチ
いきなりぶつかるが、森下がをツモり2,000・3,900。
猿川は、相変わらずアガリに結び付かず苦しい。
森下は東4局親で、
ツモ ドラ
この6,000オールで大きく抜け出す。
しかし猿川が、
リーチ ロン
これをトップ目の森下から打ちとり7,700で原点復帰。
少ないチャンスをものにしている。森下はオーラス、
リーチ ツモ
力強くをツモリ4,000は4,100オール。
猿川は、いったん原点を割り込むがオーラス
リーチ ツモ
この1,000・2,000をツモり原点確保し浮きの2着に。
場の状況もピンズが安くうまく待ちどりをした値千金のアガリだ。
森下は得意の親番の爆発力を生かしトップを取る。
(西川+1.5P×二見+7.1P×安藤▲9.6P×近藤▲8.4P)
リーチ ツモ
二見がこの1,300・2,600のアガリ。
テンパイをしている近藤の、親のホンイツに被せていくがすぐにツモ。
二見
リーチ ドラ
捨て牌にがあるが、場況はピンズが良さそうには見えない。
そこに、親の安藤
リーチ
ドラが暗刻の勝負手。しかし、二見がをツモり1,600・3,200。
一歩間違うと、痛手を負いそうなリーチもアガリに結び付いている。
打点がほしい近藤。
リーチ ドラ
生牌の待ちでリーチを打つ。点棒状況的にツモっての3,000・6,000が欲しいところだが、その前の待ち選択できたも場況的には悪くない。しかし、無情にもであればツモアガリであった。流局となる。
近藤はこのチャンスを逃し苦しい展開に。
オーラス安藤が、
こうなる。は3枚切れでピンズが場に高い場況。
安藤はなんと打と、シャンポンに受けをツモり2,000・4,000で浮きの2着に。
(伊藤優+14.7P×三浦▲34.4P×杉浦+6.6P×坂井19.1P)
準決勝前日、白鳥翔プロが「勘介(杉浦プロ)は絶対来ますよ!」とコメントをくれた注目の杉浦。
リーチ
も3枚、も3枚見えており、は1枚切れと待ちはとてもいいが流局。
南家の坂井
リーチ
出アガリ3,200。ツモって1,300・2,600のアガリだが、
捨て牌は
一発裏アリのルールならこの手組もありかもしれないが、リーチ後に伊藤優がを勝負していることを考えても、ドラの打のところでテンパイ取らずも十分あったのではないだろうか?
打点的にもチャンタかホンイツにしたかったように思う。
結局、三浦に400・700でさばかれてしまう。しかし、その後坂井が三浦から7,700を直撃。
(安村▲13.3P×京平▲9.7P×桶本+10.8P×伊藤康さん+26.1P)
東4局、京平が仕掛けたとたんに安村、桶本、伊藤康と立て続けにリーチが入るが、安村の8,000のアガリ
南1局、京平に勝負手が
ドラ
をチーテンにとる。は3枚切れ。
そしてドラ八を暗カン。他家にテンパイ気配はなく、をツモ切る手もあったが、ツモを1回でも増やしたい、リンシャンにがいる可能性を考え京平はカンを決断。
しかし点数的にも苦しい桶本。
国士無双の1シャンテンにツモで打。
京平のカンがなければここで決着だったかと思っていたら数巡後、無情にも桶本にテンパイになるツモ。伊藤康さんもとのシャンポンでテンパイをしていたが、京平の頭ハネで8,000のアガリ。
南2局、親・京平。
チンイツにも一通にもなりそうな好形。ツモで、
リーチ
高めのをあっさりツモアガリ、ドラ1で6,000オール!!
たった2局でトップ目に躍り出る。結局、桶本の1人沈みのラスとなり桶本は途中敗退の危機となった。
3回戦成績( )内は3回戦トータルの成績
二見+16.0P(+23.1P)安藤+11.2P(+1.6P)西川▲8.1P(▲6.6P)近藤▲19.1P(▲27.5P)
森下+35.6P(+17.9P)猿川+4.5P(+0.0P)手塚▲15.7P(+1.8P)穴澤さん▲24.4P(▲30.2P)
京平+31.4P(+21.7P)伊藤康さん+13.3P(+39.8P)安村+9.3P(▲4.0P)桶本▲54.4P(▲43.6P)
伊藤優+17.9P(+32.6P)杉浦+5.2P(+11.8P)坂井▲5.4P(+13.7P)三浦▲17.7P(▲52.1P)
4回戦
(二見+23.1P×伊藤優+32.6P×桶本▲43.6P×森下+17.9P)
東2局
森下
リーチ ドラ
伊藤優
リーチ
追いつくが伊藤優がをつかみ5,200は5,500の放銃。
親の二見が、
ドラ
ここからをカンでチー。二見らしい仕掛けだ。
二見は仕掛けを多用して、昨年筒井久美子との激闘を制して第38期王位を獲得した。
仕掛けは両刃の剣ともいえるが、二見のペースに持ち込めるか?しかし桶本が、
リーチ ロン
これを二見から3,900。
南1局、3回戦まで大きく沈んでいる親の桶本にチャンス手が。
四暗刻が見える。場況も悪くないが森下がをツモり400・700。
オーラス 森下35,000 桶本32,200 二見28,100 伊藤優24,700
トップ目の森下
ドラ
ここにツモ。僅差のためスピード重視で打か?と思ったが森下は打。三色の渡りとドラ打ちをしたくない、リーチをかけたくないのだろうが、これが事件を呼ぶ。
二巡後にを更に河に置き、ツモでドラを打ちだしリーチ。
リーチ
素直に、最初に打ならツモっているが、場にはが3枚切れ、は一枚切れのため絶テンだが・・・
なんと丁寧に安牌を打ちだしながらまわっていた伊藤優。
ツモ
これで2,600オール!!
ソーズか字牌を引けば、当然打になるところだけに紙一重。
この手を開けられた森下の顔色が変わる。伊藤優がラスから一気にトップに。
そして連荘した親の伊藤優。
リーチ ドラ
しかし29,600点持ちとなった桶本。
ポン チー
このバックドラ3で勝負。
二見が追いつき
リーチ
は2枚とも山。森下は絶体絶命だが・・・伊藤がをつかみ二見の2,600は2,900。
その結果、森下31,400 伊藤優29,600 桶本29,600 二見29,400となり
なんと森下の1人浮きのトップとなった。森下が筆者を見て苦笑いする。
別卓では好調だった3回戦まで首位の伊藤康さんがなんと1人沈みのラス。大混戦となる。
4回戦成績( )内は4回戦トータルの成績
森下+13.4P(+31.3P)伊藤優▲2.4P(+30.2P)桶本▲2.4P(▲46.0P)二見▲8.6P(+14.5P)
安藤+21.0P(+22.6P)猿川+4.3P(+4.3P)京平▲6.6P(+15.1P)杉浦▲18.7P(▲6.9P)
穴澤さん+19.8P(▲10.4P)近藤+10.8P(▲16.7P)三浦+3.4P(▲48.7P)伊藤康さん▲35.0P(+4.8P) 供託1.0P
西川+20.5P(+13.9P)手塚+6.1P(+7.9P)坂井▲6.6P(+7.1P)安村▲20.0P(▲24.0P)
5回戦
ここで下位4名が途中敗退となる。
ここまでの成績は、
森下+31.0P
伊藤優+30.2P
安藤+22.6P
京平+15.1P
二見+14.5P
~決勝進出ライン~
西川+13.9P
手塚+7.9P
坂井+7.1P
伊藤康さん+4.8P
猿川+4.3P
杉浦▲6.9P
穴澤さん▲10.4P
~敗退ライン~
近藤▲16.7P
安村▲24.0P
桶本▲46.0P
三浦▲48.7P
下位4名のボーダーが▲16.7P。決勝進出のボーダー5位が+14.5Pとまれにみる大混戦。
ここで下位4名にならなければ、誰もが決勝進出の可能性が出てくるのではないか。
この5回戦は、6回戦の卓組もかかってくる重要な半荘となった。
5回戦
(穴澤さん▲10.4P×京平+15.1P×西川13.9P×伊藤優+30.2P)
京平のリーチ
リーチ ドラ
南家の穴澤さん
チー
ここにを打たれるが、ポンしてテンパイを取らずなんとかを重ねる。
ダブを仕掛けて勝負した伊藤優から、が打ち出され8,000のアガリ。
しのいだ穴澤さんが親で、
ダブルリーチ ツモ
なんと6,000オールをツモリトップ!!
穴澤さんは途中敗退ボーダー付近から一気に2位に浮上。
(三浦▲48.7×森下+31.3×安村▲24.0×安藤+22.6)
カットラインが近い三浦、安村と、現状首位の森下と3位の安藤の対決。
東1局、後がない南家・三浦に最後の勝負手が。
ポン ドラ
つもれば4,000・8,000でまだわからないが無念の流局。
ここからテンパイで親を維持した森下が大爆発。
ポン ポン ツモ ドラ
この4,000は4,300オールなどをツモリ、東1局で55,000点持ち。東3局では70,000点オーバーと怒涛の勢い。逆に、安村は東4局で3,000点と途中敗退濃厚に。あせる三浦と安村から森下が点棒を奪っていく。結局、森下が66,000点と大トップを取り、最終戦を残して決勝進出をほぼ手中にする。
あおりを食った三浦、安村が途中敗退となる。
(桶本▲46.0P×杉浦▲6.9P×近藤▲16.7P×手塚+7.9P)
リーチ ツモ ドラ
杉浦がこの2,000・4,000をツモ。
後のない桶本がメンピンドラ1の–待ちで先行リーチ
手塚
杉浦
チー チー
これで追いつく。結果は、手塚がをつかみ親の杉浦に2,900の放銃。
そのままリードをうまくまとめた杉浦が1人浮きのトップ。
桶本はラスを引き、途中敗退が確定。近藤も▲18.3Pであったがこのポイントまでが途中敗退となる。
(二見+14.5P×猿川+4.3P×伊藤康さん+4.8P×坂井7.1P
猿川が
リーチ ツモ
安めではあるが2,000・4,000で先制。
しかし、伊藤康の5巡目ドラの単騎のリーチに、「親の猿川決めに行くがで5,200の放銃。
親の坂井の一打目のを二見が仕掛ける。
チー ドラ
親の坂井
ここからをチーテンに取り打。それを二見がポンして跳満のテンパイ。
坂井はチーテンを入れるが打点は3,900。明らかにマンズで仕掛けている二見に、ドラ打ちは焦りなのか?坂井がをツモリカンから待ち替え。
チー
この12,000に手変わり。となるが、直後に二見がをツモ切る。
なんと、そこに割って入ったのが伊藤康さん。
リーチ
明らかにドラのを打ちソーズの余った親と、ドラをポンして12,000が見えている仕掛けに、ピンズ待ちのため待ちの優位性は高いかもしれないが、このリーチは今の私には打てない。これが伊藤康さんの強さだろうか?とにかくぶれない。緊張からか手は震えているように見えるが心はぶれていない。
二見からで1,300をアガリ、2人の大物手をさばいてしまう。
さらに二見がドラのを暗カンしリーチ。
暗カン リーチ
が3枚切れており、シャンポンにあえて受ける打リーチ。
しかし、またも伊藤康さんが押し返す。
ポン チー ツモ
2,000は2,200オール。
伊藤康さん
チー
この2,900をテンパイ。
二見が
リーチ
これで追いつく。伊藤康さんがテンパイをはずす。坂井も追いつき、
リーチ
しかし、なんと伊藤康さんが再度テンパイし、
チー
これも伊藤康さんのアガリとなる。
猿川
リーチ ドラ
を暗カンし、リンシャンからなんとツモで2,000・4,000!!
流石にリンシャンツモには力が入る。
我慢を重ねてきた猿川後半で爆発か?伊藤康さんがトップ、猿川2着でフィニッシュ。
ここで4名が敗退。コメントをもらった
桶本「3回戦目で大きなラスを引きバランスが壊れました。また勉強して精進します。
こういう場にこれてよかった。また来ます。」
安村「内容が悪すぎました。うっかりが多すぎた。」
三浦「くやしいっすね。また来年頑張ります。」
近藤「3回戦で七対子ドラドラを単騎に受けたのが敗因でした。」
そして5回戦までのトータルポイントで、最終6回戦の組み合わせが決まった。
(7位・安藤+7.0P×8位・伊藤優+6.5P×9位・手塚+3.4×10位・坂井▲8.0P)
(3位・伊藤康さん+30.2P×4位・京平+20.1P×5位・猿川+16.3P×6位・杉浦+11.2P)
(1位・森下+75.3P×2位・穴澤さん+32.0P×11位・二見▲8.8P×12位・西川▲9.8P)
※対局順
この組み合わせとなった。6回戦終了時トータル5位までが決勝進出となる。
組み合わせが先の対局者の方がポイントがわかるため、目標になりやすく不利となる。
森下は決勝当確だが、二見や西川も差が小さいためチャンスがある展開となった。
最終戦は1卓ごとにニコ生で生中継となる。
6回戦 (7位・安藤+7.0P×8位・伊藤優+6.5P×9位・手塚+3.4P×10位・坂井▲8.0P)
まずはこの卓で卓内トップを取れば決勝進出に大きく可能性が残る。
卓内2番手だと別卓次第だが、ポイントにもよるが可能性が残るとみている。
卓内のトップ争いが注目だ。安藤、伊藤優、手塚はほぼトップであれば卓内トップ。
坂井は点差を少し離してのトップが必要。
手塚が1,300・2,600ツモ、1,600のアガリと好調な出だしであったが
東3局
坂井
リーチ ドラ
これに対して、
手塚
ツモ
ここから打で5,200を放銃。
伊藤優も東4局に1,300・2,600をツモるが、南1局
安藤
リーチ ドラ
坂井
これに挟まれ、伊藤優が打で8,000放銃。
南2局、親の坂井が、
ロン
この7,700を安藤からアガリ更に加点。
しかし、伊藤優が続く1本場を七対子をうまくアガリ3,200は3,500。
南3局の伊藤優の親番で、1,000オールは1,100オール、2,900は3,500と加点し、坂井と卓内トップを争う。
南3局3本場、伊藤優が
ドラ
ここからツモでホンイツに寄せる。
手塚
リーチ
この手で勝負にでる。伊藤優がドラのを重ねて、
チー
は2枚とも山に生きている。アガリになれば決勝進出に大きく近づくが・・・
伊藤が終盤にを勝負し、8,000は8,900を手塚に放銃。
オーラス 坂井45,700 手塚33,800 伊藤29,200 安藤11,300
現状こうなり坂井が卓内トップ。伊藤も7,700をアガるか、手塚から6,400直撃で卓内トップの条件を満たす。
坂井
ポン
この手でテンパイするが
手塚
これで追いつき、ツモで1,000オール。
2,000オールなら坂井より上になるだけにリーチを打つ手もあったか?
しかし慎重に連荘。
手塚
リーチ ドラ
これで先行リーチ。
しかし、伊藤が追いつき条件を満たす。
このテンパイ
坂井の3面張のテンパイ打牌で、直撃となる大きな3,900は4,200を手塚がアガリ卓内トップ目となる。
しかし坂井が条件を満たすリーチ。
リーチ
ツモれば卓内トップ。手塚はフリテンのをチーしてバックのテンパイ。
流局するが、手塚はただの卓内トップではポイントが足りない可能性を考えテンパイ宣言。
オーラス3本場
手塚
これをテンパイ。ここからまずを引くがカンのままヤミテン。ツモで打とし、単騎に受け替えるが、無情にも坂井が打。ツモで長考し、フリテンの4面張に受けるがヤミテンを選択。リーチを打っていれば仕掛けも入らずつもれていたか?しかし、リーチ棒を出したくない手塚は辛抱。結局1人テンパイとなり差は拡がったが、坂井や伊藤優にとってはまだチャンスがある。
しかし、手塚が次局ノーテンで終了となり、無事卓内トップを手にする。
安藤「出だし安全策をとってアガリ逃しをした。での放銃(7,700)が悔やまれます。」
伊藤優「いったら最後までいっちゃえというところがでちゃった。(での手塚に対する放銃)。(勝ちは)鳳凰戦の決勝に取っておこう。」
坂井「卓内トップを強く意識して打ちましたが勝負所で力負けでした。」
(3位・伊藤康さん+30.2P×4位・京平+20.1P×5位・猿川+16.3P×6位・杉浦+11.2P)
手塚の+25.9Pを目標にして、それより浮けば決勝進出の可能性が高くなりそうだ。
卓内トップはほぼ決勝進出。卓内2位でも手塚のポイントを上回れば決勝進出濃厚である。
猿川がいきなり456の三色含みで3面張のリーチを打つが、宣言牌が伊藤康さんに1,000点放銃。
しかし、次局は猿川が伊藤さんから1,000点をアガリ返し振り出しに。
東3局、杉浦が伊藤康さんのリーチをかわし、ドラ暗刻の手をツモリ2,000・4,000。
南2局、親・京平。
ドラ
この手をヤミテンに構える。ドラ引きが三色の手替わり、シャンポンになったらリーチか?
待望のを引き、打で渾身のリーチを打つが、猿川に1,000の放銃となる。
南3局、ここまで苦しい親の伊藤康さんだが、ドラでからポンをしてバックの構え。
ターツ選択を間違わず、
ポン ドラ
このテンパイ。
京平
リーチ
ここで追いつく。残り1枚のはどちらの手に?または流局か?
伊藤康さんが最後のツモがで大きな4,000オール。
伊藤さんはぶれない。とにかくぶれない。これで決勝進出確定か。
オーラス
杉浦
リーチ
親の猿川苦しいがテンパイを目指していく。歯をくいしばり打牌を選択しながら最後の可能性にかけるが無情にもノーテン。上家の伊藤さんが丁寧に打ちまわし、猿川に仕掛けさせない。結果、杉浦がテンパイ料で手塚を上回り終了。
京平「下手なりに一生懸命頑張りました。配牌超悪かったね。でも自分なりに丁寧に頑張った。」
京平の目は悔し涙であふれていた。この悔しさをバネにさらなる成長に期待したい。
猿川「リーグ戦よりも手数を多くして臨んだが、ちょっと後悔が残る。リーグ戦では違う猿川をまたお見せしたい。」
ここまでで上位のポイントは
伊藤康さん +37.8P
杉浦 +27.3P
手塚 +25.9P
猿川 +10.7P
こうなり、やはり手塚の25.9Pあたりがボーダーか?
(1位・森下+75.3P×2位・穴澤さん+32.0P×11位・二見▲8.8P×12位・西川▲9.8P)
森下はハコラスでも決勝進出。穴澤さんは二見、西川にまくられなければ少々マイナスでも決勝に残る。
逆に、二見、西川にも、大きなトップを取れば決勝進出の可能性があるだけに面白い戦いになりそうだ。
東1局、親の森下がドラの白を切って1,000オールのツモ。
ダントツの状況だが打ち方は自然だ。やる気満々か。
次局は、二見が森下から2,000は2,300。
東2局、森下が
これでテンパイ。
更に、ツモでと入れ替え三色も見える。二見もテンパイだが穴澤さんがで3,900を放銃。
東4局
西川
リーチ
二見
安全牌に窮した穴澤さんが、打で二見に1,300を放銃。穴澤さんに暗雲がたちこめる。
このままいくと猿川を下回り決勝進出が危うくなる。
しかし南3局、穴澤さん。
リーチ ツモ ドラ
この2,600オールでだいぶ条件的に楽になる。
南3局1本場、3巡目に穴澤さん。
ドラ
このチャンス手。更にを引き、をポンして、
ポン
この24,000テンパイ。苦しい、待ちだが2枚とも山に生きている。
穴澤さんは、を持ってきて打ならの5面張だが、をツモ切ってしまう。
筆者も解説者も思わず声があがってしまう。
しかし西川に、
この逆転の手が入ってをつかみ24,000の放銃。これで穴澤さんの決勝進出が確定的となった。
二見「また来年っすね。我慢が足りなかった。力不足です。29,400点のラスが痛かった。(4回戦)」
西川「最後大きなトップが必要だったが、24,000放銃が効きました。また来年頑張ります。」
この結果、決勝進出は森下、穴澤さん、伊藤康さん、杉浦、手塚(通過順)となった。
森下「親番でのアガリが効きました。粘ったかいがありました。明日も一番狙います。」
穴澤さん「(最終戦)前半堅く行き過ぎたが、2,600オールで楽になりました。明日も優勝目指します。」
伊藤康さん「今日はついていたと思います。最後のTバックしかアガっていないので運も味方しました。できる限りの一生懸命で頑張ります。」
杉浦「今回一番きつかったのはプロ予選。最後大トップ条件をクリアして通過した。本戦からは勝負所であがれた。決勝はパワフルなアマチュアの方と森下君なので、気合いで負けしないように頑張ります。」
これを聞いた森下「気合い勝ちします。」
手塚「終始手が入らずに我慢して、最終戦もいろいろ思うところはありますが、反省は決勝が終わってからします。もうちょっと明日は丁寧に打って頑張ります。」
決勝はアマチュアの強豪2人と連盟のプロ3人の対決となった。
第39期王位は誰の手に?とても面白い決勝戦になりそうだ。
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