第4期桜蕾戦ベスト8B卓レポート
2022年11月22日
第4期桜蕾戦ベスト8B卓レポート
<スーパールーキー誕生か?新潟からの刺客・加護がまたも快勝で決勝へ。渡部は競り合いを制す>
第4期桜蕾戦ベスト8B卓は、33期入会で先輩格にあたる松田に対し、38期後期(今大会がデビュー戦)の上田・渡部・加護が挑む構図となった。
最初の勝負所は、2回戦東1局に訪れる。
松田に確定三色の先制待ちリーチ。
これに親の加護は丁寧に受けながらドラを暗刻にし、待ちで追いかけ、松田からを仕留め12,000のアガリに。
松田はドラ受けを意識して道中でを払ったことが裏目に出て、痛恨のアガリ逃し→放銃に。対局後のインタビューでもこのシーンを悔いた。
逆に1回戦トップだった加護はここから優位に戦いを進める。
東2局は上田と渡部の対決。
親の渡部が放った先制のシャンポンリーチに対し、ドラを暗刻にした上田が追いかけリーチをかけ、渡部から8,000(+1,000)のアガリ。
このあと渡部が追い上げるも、着実に加点した上田が2回戦トップを取る。
続く3回戦。東2局1本場で親の加護から妙手。
12巡目にテンパイするが、ピンフの3メンチャンではなく、一気通貫確定のカンに受ける。
この時は山にはなかったが、リーチ後に加護から切られたドラを上田が鳴き、を通す。
加護・上田両者の対応を迫られた渡部は共通安牌がなくなり、筋を追ったが加護に捕まる。
加護「連荘がそこまでいいのかなと。余計な連荘するなら打点作ろうかなと思った」
加護の狙いがズバリとはまり、決勝進出を盤石のものとする。
ただ、ここから渡部はしぶとかった。続く東2局2本場。
序盤でが3枚切れていることを見越して、後から持ってきた単騎リーチをツモアガリ2,000・4,000は2,200・4,200。
その後加護に8,000を放銃するも、南3局1本場に3メンチャンリーチをツモって浮きを確保。
辛くも浮きを確保し、上田との最終戦直接対決に持ち込む。
最終戦。上田も渡部も小さいアガリを積み重ね、お互いの抜け出しを許さない展開で進んだ。
渡部2.2Pリードで迎えた南3局1本場。
好配牌をもらった渡部が5巡目にシャンポン待ちでテンパイするとリーチに踏み切る。
渡部にアガられると条件が厳しくなる上田は、仕掛けてタンヤオでテンパイを入れる。
今回が上田にとって「最初で最後の桜蕾戦」。
ここで勝つために連盟の門を叩き、プロになった以上絶対に引き下がれない。
序盤から続いた、上田vs渡部の直接対決はここでクライマックスを迎えた。
この大勝負、勝ったのは渡部だった。
ドラをツモり、2,000・4,000は2,100・4,100。
このアガリが決め手となった。
オーラス、跳満ツモ条件の上田は七対子ドラ待ちでリーチをかけるがツモれず、決勝進出は加護・渡部に決まった。
「まだしっかり全部出し切った感じではない」
この日快調に見えた対局後に加護から出た言葉である。
38期後期入会・プロ成り立ての21歳。
10月に行われた龍龍杯2022秋で番組アシスタントを務め、キャラクターも知られ始めたところだが、今回の桜蕾戦ベスト16に続き、ベスト8も快勝で実力は大いにアピールした。
「今度私とも一緒にセットしてください!」
この日解説担当だった仲田加南のこの言葉が最大の賛辞だろう。
新潟は魚谷・滝沢・吉田直など、トッププロを数多く輩出している地。
決勝でスター誕生にふさわしい活躍ができるか注目だ。
渡部は終始安定した戦いぶりが光った。
受けを重視した結果、放銃に回った局もあったが、大きな失点をしてもブレず、崩れずに戦ったことで最終盤まで勝負圏にとどまり、上田に競り勝った。
ハードな戦いを終えた渡部は疲労の色が隠せなかったが、最後は渡部らしく「勝ちたいです」と決勝を見据えた。
決勝は連覇を狙う廣岡(2020年入会)に、2022年入会の宮成・渡部・加護が挑む、桜蕾戦にふさわしいフレッシュなメンバーとなった。
また、地方に拠点を置く選手が3人いることも注目である。
決勝は11/25(金)14時に戦いの幕が開く。
解説:二階堂亜樹・和久津晶
実況:大和
第4期桜蕾の座を射止めるの一体誰か?
どうぞご期待下さい。
(文・梅中悠介)
カテゴリ:桜蕾戦 レポート