中部プロリーグ レポート

中部プロリーグ レポート/第23期中部プロリーグ 第3節レポート

●Aリーグ(執筆:樋口新)
今月も木村本部長による軽快な挨拶を経て、中部プロリーグ第3節が始まった。
対局場の外はとても暖かい陽気であったが、果たして対局場内ではどのような熱い戦いが繰り広げられるのであろうか。
1卓 伊藤・長谷川・村瀬・日下
暫定首位の日下と3位の村瀬、そして5位の伊藤、6位の長谷川による、上位陣による対局であった。
まだ第3節とはいえ、各自決勝進出を見据え始めていたのではないだろうか。
結果として、卓内トップは村瀬。2回戦に7万点に迫る大きなトップを取り、+44.7Pとして一気に暫定首位まで上り詰めた。また、伊藤も+28.7Pとし、暫定2位につけている。対照的だったのが日下。調子を崩していたのか、大きくマイナスしてしまい、決勝進出争いから一歩後退したのであった。
2卓 木村・三戸・杉村・佐藤
そろそろ決勝進出争いに絡んでいきたい、8位の三戸と9位の杉村。それとは対照的に降級だけは避けたい、13位の木村と15位の佐藤の対局であった。1回戦はそれほどスコアが動かない静かな幕開けだったが、ドラマは2回戦に待っていた。南1局、親番の三戸による渾身の16,000オール。ツモり四暗刻であった。この時、私はちょうど観戦していたのだが、リーチをかけていた三戸の背中からは、気合いとオーラが滲み出ているように感じた。まさに鬼気迫るというのはこういうことをいうのかと思った。
この役満により、三戸は2回戦に70,000点オーバーの1人浮きトップとなり、結果として+53.0Pと大きくスコアを伸ばした。暫定順位も4位となり、一気に決勝進出争いに加わってきた。
逆に、その煽りを食ってしまったのが木村。大きくマイナスしてしまい、降級争いをすることとなってしまった。
3卓 毛受・寺戸・森下・掛水
こちらも2卓と同じく、決勝進出争いを視野に入れている4位の毛受、7位の森下。そして降級争いからは逃れたい、12位の寺戸、16位の掛水という、置かれている立場が対照的な卓組みとなった。
1回戦、寺戸が5万点に迫る大きなトップを取り、幸先良いスタート。このまま寺戸ペースで行くかと思いきや、2回戦では1回戦にラスを引いてしまった毛受が手堅く4万点超えのトップを取り、スコアをプラスとする。そして3回戦。ここまで大きくマイナスをしていた森下が5万点に迫るトップを取り、マイナスを返した。
このような展開になると、もはやどうなるか分からないと思いながら観戦をしていた4回戦。最終的にトップを取り、降級争いから抜け出したのは寺戸であった。また毛受は、3回戦、4回戦と手堅くまとめてプラスポイントとし、決勝進出争いに加わっている。森下は一歩後退、いまいち調子の出ない掛水は降級争いから脱することができなかったのであった。
現状、上位は拮抗しており、第3節終了時点では誰が決勝に残るのか、全く見当もつかない。
どのような展開になっていくのか、非常に楽しみである。
 
 
●Bリーグ(執筆:櫛田利太)
第3節のレポートを担当させていただく27期生の櫛田利太です。 観戦した中で面白いと感じた牌姿、打牌選択を2つあげようと思います。
まずは今節をプラスで終えた安藤の手牌。
南2局 東家  三万四万五索六索九筒九筒北北白白白発発  ドラ六索 発が出てそれをポンし打四万
普通に進めるならどちらかのトイツを落としてリャンメン2つの1シャンテンに構えるのだが、場に八筒が3枚切れていて、九筒北ともに使いづらく場に放たれやすい。それを捕らえられる1シャンテンに構えた方が結果的に早いとの判断だろう。
そして狙い通り同巡九筒をポンすることができ、7,700点のアガリとなった。
2つ目は、こちらも今節をプラスで終えた太田(峻)の手牌。
南3局 東家  九万九万一索二索二索三索三索五索六索六索四筒五筒五筒  ツモ六万  ドラ六筒 対面からリーチを受けていて、場には一索二索枚切れ、二索が1枚切れ。
何としても維持したい親番だが、厳しい手牌である。
ここから太田は七対子に決める打一索。ワンチャンスとは言え通っていない牌なので、やはり簡単に親を落とす気はないようだ。
では何を切るのが良いのだろうか? シャンテン数を考えるならば七対子が早い。 だが余剰牌は重なりそうな牌を選んで残しているわけではなく、もしテンパイしたとしても不利なめくり合いとなる。
なので私なら現物の九万のトイツを落として回りながら安全にテンパイを取りに行く。
麻雀は後手に回った時程その人の打ち筋が見えてくると思う。
先程の手牌で六万をツモ切る人がいてもおかしくはない。
リーグ戦は決められていた面子で戦うので、相手の打ち筋見定めることは大事で、今回はその良い機会になったと思います。
 
 
●Cリーグ(執筆:大西義則)
桜の花も見頃を終えて、初夏を思わせるような陽気の中、第3節が開催されました。
今回もCリーグで切磋琢磨をしている選手達の声をお伝えしたく取材をしてみました。 今回の質問は今期の対戦相手の中で、「この人は強いなと思う選手は?」です。
14人の選手から回答が得られた結果は以下の通りでした。 「中部プロリーグ、Cリーグ対局選手が選ぶ強い選手ランキング」 第1位 清水哲也  選考理由「ミスが少ない。」「以前にくらべて、明らかに強くなった。」等
第2位 原田知彦  選考理由「彼に主導権を握られてしまう事が多い。」等 第3位 特にいない 選考理由「対戦相手に苦手意識を持ちたくない。」等 以下、大高坂、小野、大町、加藤という回答でした。
以前、ある先輩が麻雀の強さとは成績、戦術のみならず、対局所作、身だしなみ、普段からの言動、立ち居振る舞いも含めた総合力だと教えてくれた方がいました。 自分自身、更なる努力と探求の必要を感じると共に、今回、名前のあがった選手達の更なる活躍を期待したいです。
さて、第3節の結果は越川がトップに躍り出る。次点の原田も+160Pを超えて、この2人が抜ける状態に。 しかし、Bリーグ昇級枠は3つ。 今節、+100P以上叩いた吉井の勢いなど、まだまだ、熾烈な昇級レースは続きそうです。