中部プロリーグ レポート/第23期中部プロリーグ 第4節レポート
2014年06月13日
Aリーグ:樋口新
中部プロリーグも第4節。
この日の名古屋の気温は、5月だというのに真夏を思わせるような暑さであった。
そして終盤戦を迎えた対局場も、当然のように熱気であふれかえっていた。
第4節の私の目標は「降級しないように打つこと」であった。
がしかし、結果として▲43.8Pとなり、残念ながら降級争いから脱却するには至らなかった。
そんな私とは対照的に、この日の主役は掛水であった。
第3節まで降級争いをしていた掛水だったが、4回戦ともオールプラスで+75.5Pと、一気に降級争いから脱したのであった。
そして、日下が+34.7Pとし、決勝争いへ名乗り出た。
また、マイナスポイントとしてしまった三戸、村瀬の両名も決勝争いに残っている。
ここで私がこの日印象に残った局面を2つ、紹介したいと思う。
まず1つめ。
樋口・掛水・三戸・村瀬 で行われた全6回戦中の2回戦。
東2局0本場 親・掛水
三戸がとをポンし、最終形が
ポン ポン ドラ
こうなっていた。
ここで、他の3名は受けに回っている局面かと思ったが、ここで村瀬が跳満をツモアガる。
ツモ
自分は完全にオリていたが、この村瀬のアガリを見て、決勝への執念を感じた。
そして2つめ。
掛水・日下・三戸・森下 で行われた全6回戦中の5回戦。
東3局0本場 親・三戸
三戸が早い巡目で以下の形でテンパイする。
この時点で、場には、が1枚ずつ見えていた。
が、7巡目、
ツモ
ツモでを切って、ツモり四暗刻のテンパイとなる。
結果的にはここでリーチをかけ、でロンアガリ。12,000のアガリとなったが、三戸に後日聞いてみたところ、
「–待ちがとても良さそうな待ちに見えたので、出て9,600ツモれば4,000オールとなるし、そのままリーチをかけてもいいかなと思った。」
とのこと。ここで前節のレポートを思い出して欲しい。前節、三戸は四暗刻をツモっている。
しかし、役満にこだわらず、待ちの良さも選択肢に入れているという引き出しの多さ。
このような点が結果を残し続け、「名古屋の絶対エース」と長年呼ばれている所以だと私は思った。
今期のAリーグは上位が混戦模様であり、暫定順位が9位の者までが決勝争い圏内である。
最終節の9名がどのような戦いを見せるのか、非常に楽しみである。
Aリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 伊藤 鉄也 | 4.8 | 35.9 | 28.7 | 65.5 | 134.9 | |
2 | 村瀬 寛光 | 38.1 | 17.0 | 44.7 | ▲ 24.0 | 75.8 | |
3 | 毛受 俊 | 26.2 | 17.5 | 3.9 | 20.6 | 68.2 | |
4 | 長谷川 弘 | 8.5 | 29.1 | ▲ 2.3 | 29.7 | 65.0 | |
5 | 日下 健司 | 64.3 | 30.9 | ▲ 71.1 | 34.7 | 58.8 | |
6 | 寺戸 孝志 | 28.1 | ▲ 52.3 | 41.8 | 28.5 | 46.1 | |
7 | 三戸 亮祐 | 17.1 | ▲ 20.7 | 53.0 | ▲ 8.2 | 41.2 | |
8 | 太田 充 | 39.6 | 26.9 | 0.0 | ▲ 28.6 | 37.9 | |
9 | 杉村 泰治 | ▲ 15.8 | 8.4 | 1.7 | 41.4 | 35.7 | |
10 | 杉浦 貴紀 | 10.8 | ▲ 27.7 | 0.0 | ▲ 19.6 | ▲ 36.5 | |
11 | 掛水 洋徳 | ▲ 52.1 | ▲ 50.4 | ▲ 23.4 | 75.5 | ▲ 50.4 | |
12 | 森下 剛任 | 0.6 | 6.8 | ▲ 22.3 | ▲ 54.2 | ▲ 69.1 | |
13 | 樋口 新 | ▲ 15.2 | ▲ 40.1 | 0.0 | ▲ 43.8 | ▲ 99.1 | |
14 | 佐藤 あいり | ▲ 49.5 | ▲ 20.3 | 14.6 | ▲ 63.1 | ▲ 118.3 | |
15 | 木村 東平 | ▲ 51.8 | 4.2 | ▲ 69.3 | ▲ 75.4 | ▲ 192.3 |
Bリーグ:中谷彰吾
クールビズシーズンの季節となり、暖かい気候に恵まれた中行われた第4節。
戦いは終盤に差し掛かり、より白熱した対局になるだろう。
第3節終了時点での1位は葛山で79.8P。僅差の2位が大滝で75.8P。
特に葛山は、ここまでオールプラスと絶好調で安定感もある。
しかし、後半戦では昇級争いしている者に、ターゲットにされることになるだろう。
その中で、どんな戦い方をするのか楽しみである。
1卓 山本・中西・土岐・太田
土岐が3回戦に1人沈みのラスになるも1回戦、4回戦のトップが物を言い+35.9Pで暫定2位に浮上する。
Bリーグでの経験が長い土岐に絶好のチャンスが訪れた。
2卓 大滝・櫛田・牛尾・斎藤
大滝、牛尾がマイナスとなり、櫛田がポイントを積み重ねたため昇級争いが激戦となる。
これで最終節の対局が、予想の付けがたい楽しみな対局となった。
そして斎藤は、ここまで苦しい戦いが続いていたが、降級争いからは脱出か。
3卓 鈴木(雄) ・朝岡・浅野・中谷
ここでは、鈴木(雄)が圧巻の戦いを見せつけ、一気にマイナスを返済してプラスへ。
最終節に波乱を巻き起こすか?
そして、上位の朝岡は2回戦に大きいラスをとるも、その後立て直し踏みとどまった。
私としては、何とか降級危機を脱したかったが、レベルの差を見せつけられあえなく撃沈。
私と浅野は後がなくなった。
4卓 葛山・菅野・若松・安藤
暫定1位の葛山が、当たり前かの様にポイントを伸ばしていく。
上に立つ葛山を打ち崩すのは至難の技だろう。
しかし、最終節では狙いをつけられているはず。
みながプレッシャーを与えに来る中での、葛山の対局が非常に楽しみである。
ここまでの順位を見てみると、8位の鈴木(雄)までが昇級のチャンスありか。
逆に、それより下位の者は降級を意識しながらの対局になるだろう。
当たり前だが、最終節では自分自身のポイント、順位を確認しどう戦うのかが重要だ。
私としても、少しでもいい結果になるように最善を尽くし、悔いの残らない対局にしたい。
1年ほど前だが、デビュー期の最終節前に先輩から「昇級できる可能性が低くても来期に繋がる戦いをしろ。」という言葉を頂いた。
その時の私は、途中までいい位置にいたが、第4節で大敗してしまい、昇級が厳しくなり落ち込んでいた時にかけていただいた言葉だ。
今となっては、それがどれほど重要な事かを痛感しているつもりだ。
どんな結果になろうとも、最後まで一打一打に思いを込めて対局をしたいと思う。
Bリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 葛山 英樹 | 3.0 | 27.2 | 49.6 | 22.7 | 102.5 | |
2 | 土岐 雄太 | ▲ 7.0 | 13.0 | 22.7 | 35.9 | 64.6 | |
3 | 朝岡 祐 | 10.6 | 56.9 | ▲ 15.5 | 5.2 | 57.2 | |
4 | 大滝 聡 | ▲ 5.5 | 52.1 | 29.2 | ▲ 21.3 | 54.5 | |
5 | 櫛田 利太 | 14.1 | 72.2 | ▲ 54.3 | 19.3 | 51.3 | |
6 | 牛尾 信之 | 12.2 | 23.3 | 27.6 | ▲ 28.4 | 34.7 | |
7 | 菅野 直 | 1.9 | ▲ 2.1 | 13.3 | 2.3 | 15.4 | |
8 | 鈴木 雄介 | 22.7 | ▲ 63.5 | 0.1 | 53.2 | 12.5 | |
9 | 斎藤 寛生 | ▲ 32.9 | ▲ 9.2 | 6.3 | 30.4 | ▲ 5.4 | |
10 | 太田 峻也 | 0.1 | ▲ 8.3 | 0.7 | ▲ 15.3 | ▲ 22.8 | |
11 | 中西 栄二 | ▲ 2.7 | 9.0 | ▲ 19.7 | ▲ 10.4 | ▲ 23.8 | |
12 | 若松 正和 | ▲ 1.5 | ▲ 39.4 | ▲ 2.6 | 7.3 | ▲ 36.2 | |
13 | 山本 拓哉 | 49.8 | ▲ 71.9 | ▲ 29.5 | ▲ 12.2 | ▲ 63.8 | |
14 | 中谷 彰吾 | ▲ 19.9 | ▲ 18.9 | ▲ 15.8 | ▲ 32.9 | ▲ 87.5 | |
15 | 安藤 大貴 | ▲ 36.9 | ▲ 42.2 | 17.4 | ▲ 32.3 | ▲ 94.0 | |
16 | 浅野 文雅 | ▲ 8.0 | 1.8 | ▲ 79.5 | ▲ 25.5 | ▲ 111.2 |
Cリーグ:大西義則
ゴールデンウィークも終わり、落ち着いた日曜日。
まだ、梅雨も迎えてないのに夏の陽気となりました。
第4節も外の陽気に負けないくらいの熱戦が繰り広げられました。
さて、今回は新人選手達の声を聞いてみました。
昨年のプロテストに合格し、今期より中部プロリーグ参加となるのは、上田利華プロと都築友和プロの2名です。
まず、両名に競技プロの志望動機を伺ってみました。
都築 「小学生の頃、TVゲームで麻雀に触れた後、友人と卓を囲むようになって麻雀の魅力の虜になりました。もっと、麻雀が上手くなりたいというのがきっかけです。」
上田 「友人に麻雀アプリを勧められたのがきっかけで、麻雀店でアルバイトするまでになりました。もっと好きな事に関わっていきたいという思いです。」
第4節までを終えて、感想を求めると両名とも同じ答えが返ってきました。
「只々、反省!でも、とても楽しいです。」
私自身、中部プロリーグの参加資格を頂いてから8年目になりますが、初心を思い出すきっかけとなりました。
今後の両名の活躍を心から期待しております。
さて、Cリーグでは大詰めとなる第4節を終えて、トップに立ったのは前節2位の原田。
今節の対局者は、攻撃型の選手が多いので不安もあったのでしょう。
プラスで終えた対局後の安堵した表情が印象的でした。
次いで越川、山神と3人が抜ける様相となりましたが、河合、池沢にもチャンスはあります。
次回は最終節。それぞれが悔いのない対局ができる事を願っています。
Cリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 原田 知彦 | 87.4 | 38.8 | 39.4 | 7.4 | 173.0 | |
2 | 越川 清一 | 40.6 | 62.4 | 79.5 | ▲ 21.2 | 161.3 | |
3 | 山神 達也 | 4.3 | 4.0 | 71.3 | 51.7 | 131.3 | |
4 | 河合 慎悟 | ▲ 23.3 | 38.2 | 6.2 | 49.5 | 70.6 | |
5 | 池沢 麻奈美 | 15.9 | 16.1 | 0.9 | 20.9 | 53.8 | |
6 | 加藤 泰史 | ▲ 8.0 | 31.8 | ▲ 11.0 | 16.0 | 28.8 | |
7 | 都築 友和 | 25.1 | ▲ 10.8 | 34.1 | ▲ 21.2 | 27.2 | |
8 | 清水 哲也 | 31.4 | 21.0 | ▲ 51.0 | 20.8 | 22.2 | |
9 | 吉井 友直 | ▲ 15.1 | ▲ 34.8 | 105.6 | ▲ 48.8 | 6.9 | |
10 | 大高坂 松城 | ▲ 3.9 | 38.9 | ▲ 54.1 | 9.3 | ▲ 9.8 | |
11 | 小野 雅峻 | 39.0 | ▲ 12.4 | 29.6 | ▲ 76.9 | ▲ 20.7 | |
12 | 鈴木 淳 | ▲ 2.7 | ▲ 52.4 | 30.1 | 3.9 | ▲ 21.1 | |
13 | 三谷 卓也 | 21.9 | ▲ 54.7 | 23.7 | ▲ 12.0 | ▲ 21.1 | |
14 | 大町 篤志 | ▲ 32.9 | ▲ 13.9 | ▲ 84.2 | 67.9 | ▲ 63.1 | |
15 | 家田 みゆき | ▲ 85.2 | 15.1 | ▲ 58.4 | 32.3 | ▲ 96.2 | |
16 | 大西 義則 | ▲ 33.4 | ▲ 16.0 | ▲ 52.1 | 4.5 | ▲ 97.0 | |
17 | 上田 利華 | ▲ 47.1 | ▲ 54.8 | ▲ 16.6 | 15.5 | ▲ 103.0 | |
18 | 角谷 和幸 | ▲ 12.4 | ▲ 15.2 | 1.6 | ▲ 98.6 | ▲ 124.6 | |
19 | 岡本 丈司 | ▲ 24.6 | ▲ 4.3 | ▲ 96.6 | ▲ 52.0 | ▲ 177.5 |
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