中部プロリーグ レポート

中部プロリーグ レポート/第27期中部プロリーグ 第2節レポート

Aリーグ:大滝聡
三寒四温という言葉がまさにピッタリ当てはまる、そんな3月の中旬。中部プロリーグ第2節が開催されました。
今節より最終節にあたる第5節までの対局の組み合わせが変更となり、5人打ちでの対局となりました。
当たり前の事ではあるが同じ面子で4回戦、対局するのとは違い、毎回面子が1人入れ替わる。
これが今期、戦っていく上での1つのポイントになりそうだ。
麻雀には打ち手のフォームというものが存在するが、攻撃型・守備型・面前重視型・速攻型・自在型(バランス型)私がざっと思い浮かんだだけでも様々な型がある。
もちろん1人の打ち手を1つの型に当てはめる事など出来ないし、同じようなタイプの打ち手であっても個人の雀力の違いや当日の調子次第で展開や内容はガラリと変化するものだ。
同じ面子で対局しても麻雀というものの性質上、毎回違う結果をもたらす。
面子が変わればなおさらである。
普段、決勝戦や自分の対局が早く終わった際にしか観戦出来ないものが抜け番の時間にする事が出来る。
自分は昇級したばかりで未対戦の方も何名かいる。
今後戦っていく相手を知る為にも勉強させてもらう為にも有意義な時間を使いたいと思う。
1卓 杉村・菅野・朝岡・小野・杉浦
この日の主役は何と言っても杉浦。4連勝こそならなかったものの、4回戦もきっちりと浮いてのトータル+94.9Pと存在感を見せつけた。
前節からの巻き返しに注目していた杉村だが+25.5Pと挽回してみせた。
今節の杉浦の様な好調者がいると、それに巻き込まれて同卓者はマイナスで終わりそうなものだが何とか離されずにスコアを残す。
杉村の地力を再確認した。逆に、前期優勝の小野は前節に続いてのマイナスとなり、厳しいポジションとなった。
2卓 土岐・大滝・寺戸・三戸・森下
2回戦から対局の土岐がアガリの回数こそ少ないものの、親番で本手を決めての2連勝。
逆に後半戦は後手にまわる展開が続き、前半戦のプラスを吐き出すだけに留まらず、▲29.3Pと悔しい結果となった。
土岐自身、もう少しやれたはずといったもどかしさが残ったのではなかろうか?
3卓 佐藤・村瀬・山神・伊藤・日下
1回戦、2回戦と連続ラスの伊藤であったが、後半戦は1人浮きの2連勝で卓内トップの+47.2Pで締めくくった。
優勝経験もある伊藤の長所はAルールにおける素点の叩き方にあると思う。
最終節にゴボウ抜きで決勝進出を決めた記憶も新しい。このまま勢いにのってくのか?
来節以降も注目したい。
第2節を終えて、杉浦・三戸が頭一つ抜け出す展開となった今期のAリーグ。皆が目指すものは決勝の舞台。
まだまだ全員にチャンスが残されているし、私自身もこれからだという気持ちでいる。来節も胸を借りるつもりで自分らしい自然なフォームで対局に臨みたいと思う。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 杉浦 貴紀 23.7 94.9 118.6
2 三戸 亮祐 108.2 ▲ 10.3 97.9
3 伊藤 鉄也 22.4 47.2 69.6
4 佐藤 あいり 39.9 6.1 46.0
5 寺戸 孝志 ▲ 3.5 13.7 10.2
6 森下 剛任 18.6 ▲ 12.7 5.9
7 朝岡 祐 23.2 ▲ 36.8 ▲ 13.6
8 菅野 直 13.2 ▲ 38.2 ▲ 25.0
9 杉村 泰治 ▲ 64.7 28.5 ▲ 36.2
10 大滝 聡 ▲ 59.6 18.6 ▲ 41.0
11 日下 健司 ▲ 65.8 13.4 ▲ 52.4
12 村瀬 寛光 ▲ 14.4 ▲ 48.5 ▲ 62.9
13 小野 雅峻 ▲ 29.0 ▲ 48.4 ▲ 77.4
14 土岐 雄太 ▲ 58.4 ▲ 29.3 ▲ 87.7
15 山神 達也 ▲ 82.3 ▲ 19.2 ▲ 101.5

 
Bリーグ:林俊宏
「時の運」
先日鳳凰位戦で決勝の解説で言われた言葉である。
勝負事には運否天賦は付き物なのは、誰もが味わった事のある出来事であろう。
中部プロリーグ第2節の日、名古屋には多くの観光客が溢れ、街中がごった返していた。
この日は名古屋ウィメンズマラソンで、リオデジャネイロ五輪最終選考会を兼ねたレースが行われたのだ。
候補となる日本人選手は2位と3位だったのだがレース史上空前のデットヒートとなり、その差はわずか1秒だった。
五輪への切符は2位の選手が獲得濃厚と翌日のニュースや新聞は伝えた。
たったの1秒。100メートル走ではなく42.195キロメートルでの1秒差。
こんなにも大きな大きな1秒があるのだろか。
私達麻雀プロも半年間のリーグ戦を打ち終わった時に100点差で負ける時がある。
勝者がいれば敗者が存在するのだが、この重みは各々だ。私達競技者として衝撃の出来事だった。
「勝って騒がれるより負けて騒がれる力士をめざせ!」
こちらはある、偉大な力士が言われた言葉である。
この言葉を聞いたとき、自分もそんな麻雀プロをめざしてみたいと思った。
意義深い言葉である。
まずは、結果を出すのは必須だし当然過程も大事なのだ。
絶対的王者というものはそういうものだと考えている。どの競技もトップアスリート達は当たり前のように勝ち続け結果を残し続けているが、それは途方もない努力の賜物なのだ。
プロ野球でヒットを打ち続けている選手が1日に3三振をしたら翌日にはニュースになる。オリンピックで金メダル確実と言われる柔道の選手が1回戦で負けたら翌日、日本中が落胆する。
その舞台に立つだけでも偉業な事なのだが、様々な競争に勝ち続けてきたにも関わらず一度の敗戦で騒がれてしまうのだ。
麻雀という競技はいつも勝ち続け常勝というのが非常に難しい競技である。
技術、知識、精神力、体力、集中力、間合い、駆け引き、戦略、我慢、勇気、経験、執念、覚悟。
有りとあらゆる要素が必要なのだが、何か1つでも欠けた時、敗北がやってくるのである。
故に一流のアスリートや棋士達は、試合当日へ体調やモチベーションをマックスに持ってくるのだ。
何故負けたのか?
もし、この理由が分からない若手プロがいたのなら今一度、稽えて欲しい。
そして、多くの負けの苦渋を知り勝ちへ貪欲になって欲しいと思う。
順風満帆に勝ち続ける人はいないのだから、例え負けてもいいし効率が悪く遠回りしてもいいのだ。
上に記した内容だけではなく麻雀プロとしてのプロセスを細分化して、勝利への道筋を確立していって欲しい。
きっと、この中部プロリーグからいずれ大きな舞台で闘う若手プロが現れるだろう。
麻雀プロにはマラソンのようなゴールはないと思っている。
ゴールがないからこそ、そんな時に勝って騒がれるより負けて騒がれるプロへと育っていってほしいと思う春の1日であった。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 牛尾 信之 2.7 62.1 64.8
2 山本 拓哉 41.3 ▲ 0.8 40.5
3 青山 大 ▲ 1.9 37.6 35.7
4 浅野 文雅 17.0 17.9 34.9
5 安藤 大貴 53.7 ▲ 25.9 27.8
6 古川 孝次 ▲ 13.5 39.6 26.1
7 木村 東平 7.2 15.0 22.2
8 加藤 泰史 ▲ 5.6 8.0 2.4
9 鈴木 雄介 27.6 ▲ 31.3 ▲ 3.7
10 中谷 彰吾 ▲ 0.1 ▲ 4.9 ▲ 5.0
11 金平 裕樹 15.8 ▲ 25.1 ▲ 9.3
12 林 俊宏 ▲ 4.3 ▲ 11.7 ▲ 16.0
13 越川 清一 ▲ 81.6 36.0 ▲ 45.6
14 太田 峻也 ▲ 44.1 ▲ 33.2 ▲ 77.3
15 大町 篤志 ▲ 56.0 ▲ 61.9 ▲ 117.9
16 掛水 洋徳 ▲ 129.2 ▲ 21.4 ▲ 150.6

 
Cリーグ:都築友和
第1節マイナスで終えた私の相手は、長谷川・鈴木(淳)・河合の3者である。
皆上位リーグ経験者と言うこともあり厳しい戦いになることは予想していたが、私も是が非でもプラスが欲しいところでありこの第2節は一層気合を入れて臨んだ。
1回戦目は+6.4Pの2着、2回戦目は、河合が東場の親で5本場まで積みあげた時に「はやく止めなければ」と少し焦った私は、軽率に長谷川に満貫を放銃してしまうなどして、その後立て直すことが出来ずに▲34.3Pと大きなマイナスで4着となってしまう。
自ら墓穴を掘ってしまった私は、3回戦目も展開は変わらない。
全く手が入らないうえに他家の連荘は止まらないジリジリと点棒が削られていった私の南2局の大切な親番もすぐノーテンで流れてしまう。
もう負けを覚悟していた私にようやく念願の手が入る。
南3局2本場、7巡目 持ち点は13,300点
タンピンドラドラのテンパイ。ツモに好感触がありツモアガリすることができればオーラス次第でプラスにもっていけるかもと私は迷わずリーチを選択した。
だが、当然そんなにあまいものではない。長谷川に仕掛けをいれられてかわされ1,000点の放銃となった。
しかし、また次局に同様のタンピンドラドラの手が入る。「次こそは」とまたもリーチを選択したが、振り返ってみればこれが大きな間違いであったと思う。
その時、親の長谷川はピンズ模様のホンイツ仕掛け、待ちは他の色ではあるがそんな親に喧嘩をふっかける私に対して、他の2人もあまい牌を切るはずもなく、結果は長谷川に12,000点の放銃で目も当てられない結果となった。
オーラスには鈴木(淳)にアガられ全員に浮かれてしまい1人沈みでさらに大きなマイナスの▲46.7Pの4着で終わった。
1回目の放銃は勝負に負けた結果ともとれるが、2回目は状況判断が全くできていなく少しでもポイントを取り戻そうとただ自身の手に溺れた欲望による行動であったしこのような最悪な結果から逃れる手段はあったと思う。
調子の悪い時にも少ないマイナスで抑える技術や精神力を身につけねば堂々巡りで大きなポイントは積み重ねることは難しいのであろう。
4半荘目もいいところなしの4着で今節は▲96.6Pと順位もかなり落としてしまった。
残り3節で課題を克服し、ボーダーまで辿り着くのは難しいかもしれないが諦めることなくまずは今節の結果を深く反省し来月向けてしっかりと準備して備えたいと思う。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大西 義則 95.2 48.7 143.9
2 長谷川 弘 102.2 16.4 118.6
3 清水 哲也 ▲ 6.9 91.6 84.7
4 河合 慎悟 ▲ 12.8 84.9 72.1
5 大高坂 松城 8.3 41.5 49.8
6 原田 知彦 35.6 1.8 37.4
7 岡田 智和 43.2 ▲ 12.7 30.5
8 鈴木 淳 29.7 ▲ 4.7 25.0
9 高橋 侑希 54.0 ▲ 30.1 23.9
10 鈴木 基芳 ▲ 9.0 32.3 23.3
11 山本 美文 ▲ 16.9 39.8 22.9
12 太田 充 ▲ 3.2 ▲ 3.1 ▲ 6.3
13 富村 つぐみ ▲ 3.8 ▲ 2.6 ▲ 6.4
14 若松 正和 36.4 ▲ 46.1 ▲ 9.7
15 斎藤 寛生 ▲ 23.6 11.2 ▲ 12.4
16 岡本 丈司 ▲ 35.2 0.9 ▲ 34.3
17 堤 文吾 ▲ 50.6 ▲ 0.4 ▲ 51.0
18 永井 ゆうま ▲ 57.2 ▲ 34.8 ▲ 92.0
19 花井 香央理 ▲ 9.5 ▲ 89.9 ▲ 99.4
20 都築 友和 ▲ 12.3 ▲ 96.6 ▲ 108.9
21 三谷 卓也 ▲ 10.8 ▲ 100.0 ▲ 110.8
22 池沢 麻奈美 ▲ 80.2 ▲ 36.7 ▲ 116.9
23 家田 みゆき ▲ 76.6 ▲ 53.4 ▲ 130.0