中部プロリーグ レポート

第22期中部プロリーグ A・B・Cリーグ 第2節レポート

Aリーグレポート:杉浦 貴紀

第2節は、1節目の結果を受けて最終節へ向けての方針を定める節です。
プラススタートをきった選手はさらなる加点を目論むもよし、それが失敗し、叶わなくとも次のチャンスに賭けることもできます。
しかし、反対にマイナススタートの選手は失敗が取り返しのつかない事態を招くことも考えられます。
後半戦を迎えた際に「もう前に出るしかない」といった状況は避けたいはずです。
絶対ではありませんが、戦術的にも選べる選択肢は多いほうが有利だからです。
第1節のレポートで取り上げた選手の中でも守備寄りの戦術をとる意見が多かったので、紹介します。
この日行われたのは以下の通り。

1卓 日下・太田・三戸・木村
2卓 佐藤・古川・鈴木・樋口

第2節が始まる前に、どういった戦略を持って対局に臨んだのかを佐藤に聞いてみました。
佐藤の目標は「降級しないこと」でした。
第1節に大きなプラスを持ちながら、この言葉が出てくるということは、今期が始まる前から戦略目標として設定していたということです。

その理由として、佐藤は女流で初めてAリーグに昇級し、前期に初めて決勝戦に残ることができました。その結果を、偶然だと周りに思われたくない。その思いから、今期は何が何でもAリーグに残留したいのだと。

降級を避けることは守備を固めることだと考えます。冒頭で挙げたような状況に陥らないための戦術です。
私の考える守備とは、失点を減らす、またはリスクを避けることです。

考えを同じくしたのが三戸で、最近の成績が芳しくないことから、本来の守備重視のスタイルを試してみるのもありかと考えて対局に臨んだとコメントをしています。
もちろん、攻めるときにはしっかりと攻めますが、これまでは若干、攻めすぎであった。
攻守が良いバランスになれば、成績も向上するというのが三戸の考えです。

この日行われた対局でも、両卓共に大きなポイントの移動はなく、三戸の+20.4Pが最大でした。
これは、守備的な戦術をとる選手が複数人いたことが要因の1つだったのではないかと思います。

来節は折り返しの第3節です。来節の結果によって4、5節の戦い方が変わってくることもあります。
そこで、次回は上位、中位、下位それぞれの立場の選手の戦略を紹介していきたいと思います。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 伊藤 鉄也 39.8 68.7 108.5
2 山田 優駿 39.8 62.8 102.6
3 毛受 俊 21.5 51.1 72.6
4 古川 孝次 46.2 17.0 63.2
5 佐藤 あいり 61.9 ▲ 4.5 57.4
6 太田 充 14.3 10.7 25.0
7 木村 東平 3.1 ▲ 7.1 ▲ 4.0
8 森下 剛任 8.0 ▲ 22.2 ▲ 14.2
9 樋口 新 ▲ 1.2 ▲ 23.8 ▲ 25.0
10 村瀬 寛光 22.4 ▲ 52.3 ▲ 29.9
11 三戸 亮祐 ▲ 52.9 20.4 ▲ 32.5
12 鈴木 基芳 ▲ 65.3 11.3 ▲ 54.0
13 寺戸 孝志 ▲ 30.5 ▲ 46.6 ▲ 77.1
14 日下 健司 ▲ 54.6 ▲ 24.0 ▲ 78.6
15 杉浦 貴紀 ▲ 52.9 ▲ 26.6 ▲ 79.5
16 掛水 洋徳 0.4 ▲ 84.9 ▲ 84.5

 

Bリーグレポート:安藤大貴

季節が夏から秋に変わり朝晩が涼しくなり始めた、しかし昼間は残暑の残る暑い中第2節の対局が始まった。

1卓 葛山・朝岡・大滝・浅野
3連続ラスで▲69.4Pと不調の葛山、立て直したい4回戦、空振りし続けた手が決まりだし、

東4局2本場3巡目、

三万三万三万四索六索三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒六筒

これでテンパイ。7巡後に、

三万三万三万六索三筒三筒三筒五筒五筒五筒六筒六筒六筒  ツモ六索

四暗刻単騎をツモアガリスコアを▲1.7Pに抑えた。

2卓 杉村・菅野・土岐・牛尾
この卓は点棒を持った選手がその後の試合展開を運ぶ形となった。
1節目で3位だった土岐、+20.8Pとスコアを伸ばし2位につけた。
杉村もオールプラスで+37.6Pで終えトータル3位に駒を進めた。
一方菅野、牛尾は厳しい状況になってしまった。

3卓 長谷川・若松・小坂・鈴木(雄)
鈴木(雄)▲13.9Pするも上位を維持。
長谷川、卓内トップの+20.8Pで上位組に浮上した。

4卓 中西・櫛田・安藤・山本
1節目で+102.8Pと大きくリードした櫛田は、1回戦に中西にトップを許すも2着を維持し+6.0P、2回戦全員を抑えトップ、3回戦でラスを取るものの4回戦をトップで+45.2Pと好調な様子で2節目を終えた。
昇級に向けて着々と歩を進めている。

私は4、4、3、2と立て直しのきかないまま終わってしまった、好スタートだったため痛い失点となってしまった。

今後昇級残留争いが激しくなる事が予想されるBリーグ、今まで以上に気を引き締めて対局に臨みたい。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 櫛田 利太 102.8 45.2 148.0
2 土岐 雄太 31.9 20.8 52.7
3 杉村 泰治 4.3 37.6 41.9
4 鈴木 雄介 38.8 ▲ 13.9 24.9
5 大滝 聡 11.5 3.7 15.2
6 長谷川 弘 ▲ 7.8 20.8 13.0
7 朝岡 祐 ▲ 21.8 24.7 2.9
8 葛山 英樹 ▲ 5.5 ▲ 1.7 ▲ 7.2
9 中西 栄二 ▲ 18.6 7.7 ▲ 10.9
10 若松 正和 ▲ 37.3 18.5 ▲ 18.8
11 菅野 直 ▲ 8.6 ▲ 26.4 ▲ 35.0
12 山本 拓哉 ▲ 16.2 ▲ 20.1 ▲ 36.3
13 安藤 大貴 16.1 ▲ 52.8 ▲ 36.7
14 小坂 美樹 ▲ 21.0 ▲ 25.4 ▲ 46.4
15 浅野 文雅 ▲ 27.9 ▲ 26.7 ▲ 54.6
16 牛尾 信之 ▲ 43.7 ▲ 32.0 ▲ 75.7

 

Cリーグレポート:大町篤志

最初に、前節のレポートの最後に紹介した手牌についての私の考えとその結果を紹介させて頂きます。

2回戦 南1局 東家 10巡目

四万四万三索五索五索六索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  ツモ四索  ドラ九万

これだけを見ると、いたって普通の手牌なのだが、ここに以下の場況が加わる。
・現状は40,000点台のトップ
・上家が2フーロ(2つとも字牌のポン)でソーズのホンイツ気配。
そしてすでに九索八索が余っていて、対面の切った七索は鳴かなかった。

このとき私が考えていたことは以下のようなことでした。
・満貫以上の放銃をしてしまうと、この半荘の残りは30,000点以上を維持することに専念することになるだろう。
・この手牌を2,000点や2,900点で終わらせることなく、それ以上のアガりにすることができれば、大きなプラスに持っていける可能性が高くなるだろう。
・何を切って勝負するか?
1.素直に打三索でメンタンピン高目イーペーコーでリーチ
2.345の三色への手牌変化を待ち打五索
3.イーペーコー目はなくなるが三索よりもポンされにくい六索を切ってメンタンピンのリーチ

このようなことを考えて、最終的に私は3番を選択した。
結果は、六索にロンやポンの声はかからず、数巡後に白を持ってきて上家にポンされ、その数巡後に対面から七索が打ち出され、5,800点のアガリとなった。

このアガリのおかげで残りの局を余裕を持って打つことができ、大きなトップをとることができた。
また、対局後の上家の方の話では、三索はポンできたようで、ポンすると白を食上げて跳満のアガりだったそうだ。この話を聞いてこの局がこの日の分岐点だったと改めて感じさせられた。

さて、ここからは第2節について記します。
第1節を好スタートを切った上位3人がマイナスしポイントを減らした一方で、第1節4位の中谷が+24.1P、7位の斎藤が+85.8P、11位の鈴木が+71.8Pとポイントを伸ばし順位を上げてきた。
第2節を終えてトータルトップに立った斎藤に、今期を迎えるにあたって何か意識して臨んでいることとかがあるのか聞いてみたところ、次のように答えてくれた。

「これまで、大きな放銃や、選択ミスによるアガリ逃しや失敗で、感情にされることがあり、平常心で打てていない時があった。場況を意識せずに、アガリたい、取り返したいなどの気持ちが前面に出すぎて、その結果、良い方向に繋がらなかった。そういったことから今期は『平常心で、場況を捉えて、無理をしすぎず』ということを意識して対局に臨んでいる。」

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 斎藤 寛生 32.6 85.8 118.4
2 鈴木 淳 10.5 71.8 82.3
3 中谷 彰吾 57.1 24.1 81.2
4 小野 雅峻 39.3 19.1 58.4
5 大町 篤志 126.1 ▲ 73.6 52.5
6 三谷 卓也 34.4 14.5 48.9
7 大高坂 松城 60.7 ▲ 32.6 28.1
8 八木 悠 15.3 ▲ 9.5 5.8
9 河合 慎悟 65.2 ▲ 67.6 ▲ 2.4
10 原 尚吾 ▲ 14.9 10.8 ▲ 4.1
11 吉井 友直 25.7 ▲ 30.3 ▲ 4.6
12 岡本 丈司 ▲ 59.5 43.8 ▲ 15.7
13 山神 達也 6.1 ▲ 25.8 ▲ 19.7
14 大西 義則 10.8 ▲ 30.8 ▲ 20.0
15 太田 峻也 ▲ 13.9 ▲ 9.0 ▲ 22.9
16 家田 みゆき ▲ 79.4 28.3 ▲ 51.1
17 原田 知彦 ▲ 27.4 ▲ 24.6 ▲ 52.0
18 越川 清一 ▲ 90.6 6.4 ▲ 84.2
19 加藤 泰史 ▲ 94.8 ▲ 12.8 ▲ 107.6
20 角谷 和幸 ▲ 125.3 12.0 ▲ 113.3