第24期中部プロリーグ 第4節レポート
2014年12月04日
Aリーグ:長谷川弘
街行く人の装いも徐々に冬支度に入りつつあるようだ。
第24期中部プロリーグも、はや第4節。
季節の移ろいと時間の経過のなんと早いことか。
第4節を終了して規定対局数の大半が消化された。大きく劣勢に立たされた者にとって、上位入賞の可能性は困難を帯びてさらに実現から遠ざかった。
もちろん現在の累計スコアはかりそめのものだ。外見上どんなに優位に見えようとも、最終的な結果にたどり着くまで、成績に表わされる数字は誰にとっても常に不安定で脆弱だ。
些細なミスが致命的な結果に繋がりかねないのが麻雀のゲーム性の一面である。
したがって、どんな立場に立たされた者であろうと最終節まで気を抜くことは許されないだろう。
これまで開戦時に留意すべきこと、また戦略上の攻守について数名に話を伺ったが、今回は麻雀における“ ミス ”に焦点を当ててみたい。
話を伺った各者の考え方は以下の通りだ。
掛水「自分の不注意、集中力の欠如によって、各対局者の態勢の違いに合わせた行動がとれなかったときはミスをしたと感じます。自分自身にとって重要な情報をとらえきれずに、本来ケアすべきところをケアできなかったとき、または修正できたはずの点に気付かずに成すべきことができなかったときは、自らを苦境に追い込んでしまったなと感じます。」
寺戸「孤立牌の処理順、フーロ等、自分の選択した行為が他家にどのような影響を与えたかに特に注視しています。自分の選択によって他家に有利な結果を与えてしまったときはミスをしたと感じます。明らかなアガリ逃しが確定しない限り、メンツ選択のエラーはミスとは捉えていません。麻雀は必ずミスをするゲームですが、いかにミスを減らすかが好成績につながる最短の方策と考えています。」
土岐「牌効率より押し引きの判断を誤った場合をミスと捉えています。たとえ牌効率を考慮しての打牌選択が結果に繋がらなくても、その点は憂慮しないように心掛けています。毎局テーマを決めて臨みますが、不用意な放銃など、それに合わせた行動がとれず、意にそぐわない結果を生んでしまったときはミスをしたと感じます。」
麻雀は常に不可視なものを相手に戦うゲームだ。
牌山に眠る牌、相手の手牌や心理、運否天賦、確実なものなど何も存在しないといつも心に留めておかなければならない。
いくら思慮深く構えようと、誰にでもミスはそこにつきまとう。
寺戸プロの言う「麻雀はミスの少ない者が勝つ。」という捉え方は1つの大きな真理であろう。
喉元を過ぎれば熱さを忘れるのが人間だ。しかし、その苦い経験までも忘れてしまっては顕著な成長なぞ望めるはずもない。
小手先の策に溺れることなく、些細な過ちをも許容しないという強い精神力を心に宿すことが何より肝要ではないだろうか。
Aリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 寺戸 孝志 | 36.7 | 11.1 | 57.5 | 44.2 | 149.5 | |
2 | 森下 剛任 | 8.0 | 15.1 | 82.8 | 14.0 | 119.9 | |
3 | 樋口 新 | 7.1 | 57.3 | 41.1 | ▲ 38.7 | 66.8 | |
4 | 日下 健司 | ▲ 5.8 | 9.6 | 13.5 | 44.6 | 61.9 | |
5 | 佐藤 あいり | 10.5 | 13.7 | ▲ 32.0 | 38.4 | 30.6 | |
6 | 杉村 泰治 | 43.4 | ▲ 45.3 | 2.4 | 28.1 | 28.6 | |
7 | 太田 充 | 15.5 | 8.2 | 22.7 | ▲ 19.7 | 26.7 | |
8 | 櫛田 利太 | ▲ 12.4 | ▲ 34.4 | 29.7 | 27.5 | 10.4 | |
9 | 伊藤 鉄也 | 7.2 | 9.1 | ▲ 9.3 | ▲ 34.0 | ▲ 27.0 | |
10 | 掛水 洋徳 | ▲ 41.7 | 13.3 | ▲ 13.1 | 14.0 | ▲ 27.5 | |
11 | 村瀬 寛光 | 23.9 | 9.3 | ▲ 43.8 | ▲ 18.4 | ▲ 29.0 | |
12 | 三戸 亮祐 | 46.9 | ▲ 27.7 | ▲ 39.1 | ▲ 9.3 | ▲ 29.2 | |
13 | 土岐 雄太 | ▲ 47.5 | 26.6 | ▲ 4.5 | ▲ 37.8 | ▲ 63.2 | |
14 | 毛受 俊 | ▲ 41.4 | 8.9 | ▲ 39.2 | ▲ 16.9 | ▲ 88.6 | |
15 | 杉浦 貴紀 | 43.1 | ▲ 31.5 | ▲ 89.3 | ▲ 16.6 | ▲ 94.3 | |
16 | 長谷川 弘 | ▲ 94.5 | ▲ 44.3 | 0.6 | ▲ 20.4 | ▲ 158.6 |
Bリーグ:山神達也
第4節は、最終節に自分がどう立ち回り、リーグ戦最後の1半荘をどの位置、ポイントで迎えるようにするかという目標を決定する、非常に重要な節目であると思う。
中部プロリーグ第4節、各々の目標を持った選手たちの顔つきはこれまでよりも引き締まって見えた。
私自身も前節までで首位、この第4節さえ乗り切れば昇級への道が一気に開けると思っているので、自然と気合も入るというものである。
ではその結果はどうであったか。
一言でまとめると、「牛尾以外の上位陣が崩れて2位争いが混戦になった。」である。
前節終了時、4位までにいた山神・越川・安藤が今節は40P近いマイナスとしたため、葛山・中西・原田・朝岡の4名が一気に昇級争いに参加する展開となった。
首位の牛尾が最終節で崩れることがなければ、7名で2位の座ひとつを争う熾烈な展開となるだろう。
渦中にいる私は、最終節の最後の半荘が終わるまで全く気を抜くことが出来ない。
私は▲42.5Pと、ポイントを大きく減らしてしまった。
鮮明に覚えているのは対局が開始され、ほどなくして聞こえてきた「2,000・4,000」という別卓の牛尾の声。
自分の麻雀に集中しなければならないのに、意識してしまった。
自分の卓内の事でならまだしも、卓外の事で動揺し、焦ってしまっていては勝てるはずもない。
内容を振り返ると、私の着順は4441であった。
3回戦を終了した時点でのその日のポイントは▲70P近く。
自分の中では、しなくても良いと思う8,000点の放銃を2回もしている印象であった。
半荘3回で無駄な放銃を2回もしていれば、当然浮きにまわれるはずが無い。
4回戦目は自分に手が入りアガリに恵まれ、トップを取り、なんとかギリギリ踏みとどまった。
最後になるが、次は最終節。泣いても笑っても今期はあと半荘4回で終わりである。
熾烈な昇級争いになるだろうが、勝ちに行く意志を最後まで貫きたい。
私は最終節、また卓に着くのが楽しみである。
Bリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 牛尾 信之 | 89.8 | 15.8 | 12.3 | 8.0 | 125.9 | |
2 | 山神 達也 | 27.5 | 52.3 | 40.1 | ▲ 42.5 | 77.4 | |
3 | 葛山 英樹 | ▲ 11.8 | 34.6 | 26.9 | 1.9 | 51.6 | |
4 | 中西 栄二 | ▲ 4.7 | 21.9 | ▲ 4.7 | 35.4 | 47.9 | |
5 | 越川 清一 | 59.6 | 29.8 | ▲ 3.1 | ▲ 41.7 | 44.6 | |
6 | 安藤 大貴 | 31.6 | ▲ 31.3 | 72.9 | ▲ 34.9 | 38.3 | |
7 | 原田 知彦 | ▲ 24.4 | ▲ 2.1 | 9.7 | 53.7 | 36.9 | |
8 | 朝岡 祐 | 13.6 | 34.5 | ▲ 6.2 | ▲ 6.6 | 35.3 | |
9 | 古川 孝次 | 2.6 | 2.5 | 5.4 | ▲ 40.7 | ▲ 30.2 | |
10 | 中谷 彰吾 | 23.8 | ▲ 35.8 | ▲ 47.4 | 20.1 | ▲ 39.3 | |
11 | 菅野 直 | ▲ 16.3 | ▲ 7.1 | ▲ 39.3 | 13.5 | ▲ 49.2 | |
12 | 山本 拓哉 | ▲ 87.7 | ▲ 13.2 | 41.3 | 8.8 | ▲ 50.8 | |
13 | 鈴木 雄介 | ▲ 57.6 | 3.5 | 9.4 | ▲ 20.2 | ▲ 64.9 | |
14 | 大滝 聡 | 42.3 | ▲ 66.0 | ▲ 19.1 | ▲ 22.3 | ▲ 65.1 | |
15 | 木村 東平 | ▲ 48.8 | ▲ 14.3 | ▲ 37.8 | 26.3 | ▲ 74.6 | |
16 | 鈴木 基芳 | ▲ 39.5 | ▲ 25.1 | ▲ 60.4 | 20.2 | ▲ 104.8 |
Cリーグ:池沢麻奈美
秋も深まり、日増しに寒さが身にしみるようになりました。
今期も早いもので気づけば残り2節。最終節へ向けての最後の一歩を踏み出すこととなりました。
Cリーグでは昇級枠に入るまでには現在3位である河合の101.2Pがボーダーラインとなっています。
今節は最終節を優位に迎えるために上位陣にとっては大事な1節です。より慎重な戦いが求められます。
私の現状は、昇級には厳しい位置にいるため今節は「少しでもプラスへ」と思い対局に臨みました。
私の対戦相手は鈴木(淳)(+39.4P)、加藤(+70.6P)、小野(+17.0P)、都築(+115.8P)の以上4名。
私以外は皆3節目までをトータルポイントをプラスで進めてきている。
私の親番から始まった1回戦目。
開局の親という事で勢いをつける為にも11巡目にドラ1の並びシャンポンの形でリーチ。
結果は、私の1人テンパイで流局。
アガれるという期待はしていなかったが、周りオリさせたという意味では十分だった。
そこから私は勝負手をアガりきる事ができ、1回戦目はそれぞれが大きな手がぶつかり合ったが+33.7Pのトップで終えて一安心する事ができた。
2回戦目は拮抗した戦いが続き、その中でも鈴木(淳)がトップ、3回戦目、4回戦目は小野が好調な成績を収めた。
そして5回戦目の南2局、親番を迎えていた私は、6巡目ピンフのみの手をテンパイ。
親という事もあり先制リーチをかけたが、数巡後、手にした中をツモ切ると都築からロンの発声。
国士無双だった。
都築は見事このアガりで暫定首位に返り咲き、私はまた今節プラスだったポイントを全て吐き出し結局マイナスで終わってしまった。
全体の結果としては、小野が今節大きな加点をしトータル+97.8Pで一気に4位まで上り詰めた。
昇級ラインにいた上位3名は安定してそれぞれプラスで終えている。
全5節に渡るリーグ戦もいよいよ次で最終節。
昇級を目指す者はもちろん、私含め昇級には厳しい条件となってしまった者も、それぞれいい内容の麻雀が打てるように頑張りたいところです。
Cリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 都築 友和 | 102.0 | ▲ 7.7 | 18.9 | 24.2 | 137.4 | |
2 | 大高坂 松城 | 98.9 | 18.4 | ▲ 1.5 | 10.4 | 126.2 | |
3 | 河合 慎悟 | 56.4 | 75.8 | ▲ 31.0 | 1.5 | 102.7 | |
4 | 小野 雅峻 | ▲ 25.8 | 28.6 | 14.2 | 80.8 | 97.8 | |
5 | 大町 篤志 | ▲ 15.2 | 48.3 | 48.2 | ▲ 24.5 | 56.8 | |
6 | 上田 利華 | ▲ 18.0 | ▲ 7.7 | 5.8 | 45.1 | 25.2 | |
7 | 中山 千鶴 | 26.0 | ▲ 47.4 | 66.7 | ▲ 25.6 | 19.7 | |
8 | 鈴木 淳 | ▲ 41.8 | 41.3 | 39.9 | ▲ 20.0 | 19.4 | |
9 | 清水 哲也 | ▲ 21.5 | ▲ 2.8 | ▲ 2.7 | 30.2 | 3.2 | |
10 | 若松 正和 | 72.4 | ▲ 150.0 | 4.9 | 71.4 | ▲ 1.3 | |
11 | 加藤 泰史 | 39.5 | 23.7 | 7.4 | ▲ 74.0 | ▲ 3.4 | |
12 | 岡本 丈司 | 27.5 | ▲ 10.1 | ▲ 33.0 | ▲ 19.1 | ▲ 34.7 | |
13 | 太田 峻也 | 14.1 | ▲ 31.9 | ▲ 28.4 | ▲ 31.7 | ▲ 77.9 | |
14 | 斎藤 寛生 | ▲ 71.0 | ▲ 29.3 | 21.3 | ▲ 7.3 | ▲ 86.3 | |
15 | 浅野 文雅 | ▲ 37.9 | ▲ 49.4 | 35.3 | ▲ 41.2 | ▲ 93.2 | |
16 | 池沢 麻奈美 | ▲ 78.4 | 19.9 | ▲ 43.6 | ▲ 11.0 | ▲ 113.1 | |
17 | 大西 義則 | ▲ 44.7 | ▲ 52.0 | ▲ 9.9 | ▲ 13.2 | ▲ 119.8 | |
18 | 角谷 和幸 | ▲ 100.0 | 18.3 | ▲ 51.5 | ▲ 100.0 | ▲ 233.2 | |
19 | 家田 みゆき | ▲ 83.5 | ▲ 38.0 | ▲ 62.0 | ▲ 100.0 | ▲ 283.5 |
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