中部プロリーグ レポート

第26期中部プロリーグ 第4節レポート

Aリーグ(執筆:朝岡 祐)

11月も終盤に差し掛かり、きらびやかなイルミネーションが街をクリスマス色に染め始めた今日この頃。
冬の寒さも吹き飛ばすかのように、中部プロリーグ第4節の熱き闘いが繰り広げられた。

暫定7位でこの日を迎えた私には、首位の樋口、5位の杉浦との直接対決とあり、最終節を有利に進めるためには、この2名を抑え加点していく必要がある。
また、守備志向の強い杉浦、杉村が相手であることから、主導権を握るべくとにかく前へ出て闘おうと試合前から意気込んでいたのだが…

意に反して杉浦、杉村の先制攻撃に遭い、苦しい展開に。何とか食らい付いていこうとして迎えた南場の親番でも、ハイテイで杉浦の当たり牌を掴み、痛恨の8,000放銃で万事休す。
▲23.5Pと、完全に出鼻をくじかれた。
その後は一進一退となり、4回戦目でようやくトップを取り、何とか失点を小さくまとめ、ギリギリ最終節に望みを繋げたが、この日のような状態では、またもや上位陣との対決となる最終節でも悔しい思いをするのが目に見えている。もっと稽古を積まなければ通用しないと思い知らされた。

他の卓に目を向けてみると
1卓(伊藤・村瀬・佐藤・小野)
破竹の勢いでここまで快進撃を続ける小野、経験を積んでパワーアップした佐藤がここでもしっかりと点棒を荒稼ぎ。小野は暫定首位、佐藤も決勝進出が十分狙える暫定5位にそれぞれ順位を上げた。

3卓(森下・寺戸・山神・牛尾)
降級がちらつき始めた山神が、価千金の卓内トップで降級争いからひとつ抜け出した。もちろん最後まで何が起こるか分からないのが麻雀でありまだまだ気は抜けないが、ひとまずはホッとしている事だろう。
また、前節大きなマイナスポイントを喫してしまった森下も今回はきっちりポイントを伸ばして、決勝進出圏内の4位につける。

4卓(三戸・掛水・日下・土岐)
今期絶不調の掛水、日下がこの日も苦しい展開。同じくここまで不本意な位置に甘んじていた三戸に屈してしまう形となった。
一方、三戸は今回のプラスで今までの借金をほぼ帳消しにすることに成功。その勢いのまま最終節で奇跡を起こすのか、注目したいところである。

最終節を前にして、小野がやや抜け出した形となり、2位以下は混戦模様となった。もちろん小野に至ってもまだ決勝が確約されている訳ではないが、ついこの間までCリーグにいたとは思えない、貫禄さえ覚える活躍には目を見張るものがある。
ただ、他のプレイヤーも中部を代表するAリーガーであり、黙って見ている訳にはいかない。
意地とプライドをかけた闘いの末に、最後に笑っている4名は誰なのか。終盤の熱き闘いにまだまだ目が離せない。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 小野 雅峻 ▲ 7.9 38.2 63.3 33.4 127.0
2 樋口 新 ▲ 15.2 37.6 86.7 ▲ 35.2 73.9
3 杉浦 貴紀 ▲ 30.4 77.0 ▲ 2.0 24.8 69.4
4 森下 剛任 55.7 48.6 ▲ 54.5 18.6 68.4
5 佐藤 あいり 16.8 ▲ 22.6 ▲ 2.2 49.5 41.5
6 村瀬 寛光 39.4 ▲ 6.5 11.9 ▲ 11.0 33.8
7 朝岡 祐 8.9 ▲ 8.9 19.2 ▲ 4.6 14.6
8 三戸 亮祐 ▲ 11.8 ▲ 34.6 ▲ 4.4 50.4 ▲ 0.4
9 土岐 雄太 44.3 1.1 ▲ 80.0 17.5 ▲ 17.1
10 伊藤 鉄也 60.7 ▲ 69.3 38.6 ▲ 71.9 ▲ 41.9
11 杉村 泰治 ▲ 77.5 70.6 ▲ 51.6 15.0 ▲ 43.5
12 寺戸 孝志 ▲ 18.2 ▲ 29.0 ▲ 6.5 7.4 ▲ 46.3
13 山神 達也 ▲ 7.0 ▲ 13.4 ▲ 73.5 38.4 ▲ 55.5
14 牛尾 信之 ▲ 33.7 14.3 ▲ 3.1 ▲ 64.4 ▲ 86.9
15 日下 健司 ▲ 17.6 ▲ 46.8 ▲ 35.3 ▲ 30.8 ▲ 130.5
16 掛水 洋徳 ▲ 97.5 ▲ 57.3 ▲ 9.6 ▲ 37.1 ▲ 201.5

 

Bリーグ:河合慎悟

昼間は秋風が心地よい時期になり、リーグ戦も終盤に向けての土台作りとなる4節目が行われた。

今日は選手達の表情も硬い。
それもそのはず半年間のリーグ戦の集大成がすぐ目の前に迫っているからだ。
この真剣な空気が漂っている会場内は私に高揚感を与えてくれる。
この空気間は通常ではなかなか味わうことができない。
まさに真剣勝負の醍醐味である。

今日私の対戦相手はポイントの関係上、願ってもないチャンスになっていた
1位の大滝、2位の中谷が相手だ。
私と太田峻でうまく応戦すれば昇級のチャンスも巡ってくるチャンスカードだ。
上位2人が攻守のバランスを崩せば好機があると思っていたが、結果は私の1人沈みで幕を閉じた。
大滝、中谷ともに守り寄りに構えると思っていたが自然なバランス感をみせてきた大滝、中谷共に気負いした感じもなく淡々と局を消化されてしまった。
私は2人にプレッシャーを与えるような仕掛けや、河を作るも毅然とした対応で応じられこちらが追い込まれてしまった感があった。完敗である。

緊張感の中での対局はいつもの何倍もの技術の収穫を得ることができると思っている。
それは緊張感のある中でこそ自身の真価が出ると考えるからだ。
人は環境によって変貌を遂げる。この麻雀環境を大事にし、プロ同士が互いに前向きなエネルギーを与え続ける。環境を大切にしていきたいと思える日となった。
最終節も糧になるように臨んでいきたい。

昇級のボーダーをみるとAリーグへの切符は大滝、中谷そして4節に大きくポイントを伸ばした葛山が候補に挙がりそうだ。Aリーグ行きは2名のみ。
順当に行けば昇級は大滝、中谷だが、最終節、2位の中谷と4位の鈴木雄が同卓する。
それを踏まえると4名に昇級争いは絞られそうだ。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大滝 聡 18.1 56.7 97.8 1.6 174.2
2 中谷 彰吾 34.5 ▲ 28.1 65.3 12.2 83.9
3 葛山 英樹 30.3 ▲ 38.6 1.3 69.3 62.3
4 鈴木 雄介 51.1 28.4 ▲ 30.4 ▲ 8.7 40.4
5 菅野 直 ▲ 32.8 40.0 ▲ 4.6 12.3 14.9
6 大町 篤志 17.1 2.9 ▲ 62.8 35.5 ▲ 7.3
7 木村 東平 ▲ 3.2 0.6 ▲ 42.6 37.7 ▲ 7.5
8 越川 清一 ▲ 56.0 47.1 ▲ 18.9 2.3 ▲ 25.5
9 河合 慎悟 ▲ 38.8 70.4 ▲ 33.9 ▲ 24.3 ▲ 26.6
10 太田 峻也 ▲ 8.6 ▲ 21.8 ▲ 15.2 8.5 ▲ 37.1
11 山本 拓哉 5.6 ▲ 105.4 53.2 0.5 ▲ 46.1
12 太田 充 ▲ 11.3 ▲ 54.6 76.5 ▲ 62.1 ▲ 51.5
13 古川 孝次 4.0 ▲ 29.3 ▲ 18.7 ▲ 17.1 ▲ 61.1
14 安藤 大貴 ▲ 4.6 ▲ 0.2 ▲ 37.7 ▲ 37.5 ▲ 80.0
15 金平 裕樹 ▲ 100.0 20.4 18.4 ▲ 20.7 ▲ 81.9
16 大高坂 松城 ▲ 7.4 ▲ 69.5 ▲ 47.7 ▲ 12.5 ▲ 137.1

 

Cリーグ:清水哲也

リーグ戦も4節を迎えポイントを意識しながらの戦いに大きくシフトしていく。
私は+27.7Pの7位で降級はなさそうであるが、昇級も少し厳しいといったところか。
リーグ戦では対戦相手がどのようなポイント状況でどのような麻雀をするかも考えて対局に入るようにしている。
南場で持ち点の少ない相手が普段より踏み込んでくる事が容易に考えられるのと同様に、リーグ戦も終盤になるにつれてそういったケースが考えられる。

対局を迎え私は、1回戦2回戦と好調で+38.1Pとなった。
ここでの私の思考はシンプルに昇級のチャンスがかなり現実になっていて、降級はもうないなと思っていた。
そして迎えた3回戦で大失態を犯してしまった。
▲34.2Pの大きなマイナスをし、3回戦トータル+3.9Pになってしまう。
ポイントを伸ばす事だけを考え麻雀が雑になってしまい、余計な放銃を幾度となくしてしまった。

ポイントも気持ちもフラットになって挑んだ最終4回戦のオーラスに、前節と同じく難しい局面を迎えた。
オーラス西家5巡目 24,300点持ち3着目

二万四万一索一索二索四索五索五索六索六索七索七索三筒四筒  ドラ二筒

4着とは数百点差で原点復帰には6,400以上のアガリが必要。
ここで私は清一色が残る打二万とした。
次巡、ツモ三万と完全に裏目に出てしまうが、次の巡目に上家のトップ目の中西からリーチが入った。
このリーチにより私は2,000・3,900ツモでトップになる条件になり、直後にツモ二筒とドラを引き入れリーチをした。
結果は幸運にも三索をツモアガリ、トップで終えトータル+15.1Pとなった。

全体では加藤が順調にポイントを重ね、+149.2Pと単独で首位になった。
しかし他の上位陣が崩れ昇級ボーダーは3位の大西で+68.0P。
Cリーグでは毎期ボーダーが120ポイント以上なので非常に低いボーダーである。
このチャンスを生かせるように最終節をしっかり勝ち昇級したい。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 加藤 泰史 33.2 57.0 16.5 42.5 149.2
2 都築 友和 43.7 ▲ 8.8 91.4 ▲ 50.0 76.3
3 大西 義則 ▲ 10.6 52.4 ▲ 25.8 52.0 68.0
4 山本 美文 80.7 46.8 ▲ 59.5 ▲ 9.6 58.4
5 浅野 文雅 ▲ 48.1 78.8 13.3 8.9 52.9
6 清水 哲也 49.6 ▲ 5.0 ▲ 16.9 15.1 42.8
7 鈴木 基芳 ▲ 4.1 5.1 1.4 27.7 30.1
8 富村 つぐみ 26.4 ▲ 57.1 56.5 ▲ 2.0 23.8
9 岡本 丈司 ▲ 31.2 17.7 ▲ 46.2 73.3 13.6
10 林 俊宏 ▲ 4.4 13.6 ▲ 24.7 23.8 8.3
11 中西 栄二 38.0 ▲ 16.5 ▲ 46.0 30.2 5.7
12 鈴木 淳 ▲ 19.5 51.3 0.6 ▲ 27.0 5.4
13 長谷川 弘 16.4 ▲ 28.8 26.3 ▲ 22.9 ▲ 9.0
14 堤 文吾 ▲ 39.9 11.1 10.4 3.4 ▲ 15.0
15 島﨑 涼 ▲ 46.7 17.0 13.8 ▲ 6.0 ▲ 21.9
16 池沢 麻奈美 41.3 8.8 ▲ 10.8 ▲ 72.1 ▲ 32.8
17 若松 正和 28.0 ▲ 26.0 ▲ 47.7 4.9 ▲ 40.8
18 原田 知彦 ▲ 39.8 ▲ 51.6 ▲ 3.0 48.3 ▲ 46.1
19 斎藤 寛生 ▲ 15.8 ▲ 26.8 32.6 ▲ 39.3 ▲ 49.3
20 三谷 卓也 ▲ 25.6 ▲ 15.1 ▲ 2.4 ▲ 41.4 ▲ 84.5
21 家田 みゆき ▲ 64.2 ▲ 40.6 14.3 ▲ 54.8 ▲ 145.3
22 上田 利華 ▲ 8.4 ▲ 103.3 ▲ 15.1 ▲ 26.0 ▲ 152.8