中部プロリーグ レポート

第26期中部プロリーグ 最終節レポート

Aリーグレポート:朝岡祐

5ヶ月間の集大成、第26期中部プロAリーグ最終節は、以下の卓組みで行われた。

1卓(伊藤・杉村・寺戸・土岐)
2卓(日下・牛尾・佐藤・杉浦)
3卓(掛水・樋口・山神・村瀬)
4卓(森下・三戸・朝岡・小野)

今回最も注目を浴びたのは、2卓の暫定3位杉浦と暫定5位佐藤の闘いであろう。
同卓の日下、牛尾も熾烈な残留争いを繰り広げており、見ている者としては面白いのだが、プレイヤーとしてはさぞかし痺れた対局となった事だろう。
最後まで着順勝負となり、もつれた展開となったこの対局を制し、見事決勝進出を決めたのは佐藤であった。

『1回戦は大きめのラス、2回戦は点棒が少ない3着で、決勝進出はないなと半分諦めていましたが、3回戦でトップを取り、杉浦プロとの着順勝負に持ち込む事ができました。とても緊張しましたが、展開にも恵まれトップを取る事ができ、本当に嬉しかったです。決勝戦では、タイトルホルダーの森下プロ、樋口プロ、そして最近各タイトル戦でしっかりと結果を出している小野プロが相手であり、胸を借りるつもりで全力でぶつかっていきます。自分が出来ることを出しきりたい。』
と、コメントを頂いた。

着順勝負でAリーグ昇格を決めた経緯もあり、ここぞの勝負で落ち着いた結果を出すことが出来るのは強みである。
競った展開になれば勝機は十分にあるだろう。

3卓では、暫定2位の樋口が、苦しみながらもそれまでの貯金を活かし、崩れる事なく3位通過を決めた。
決勝進出は当たり前と思わせる程、彼の強さは皆が認める所。展開に嫌われさえしなければ、中部を制する可能性は十分有り得るだろう。

4卓では、暫定4位の森下が常に攻めの姿勢を貫き、持ち前の攻撃力を発揮して見事首位通過を決めた。
若干その煽りを受けたが、暫定首位の小野が危なげなく2位通過を決めた。

森下からは、
『最終節は4位スタートでプラス条件だったが、最初様子見ではなくぶつける意識で臨みました。その姿勢がよい結果に繋がったんだと思います。決勝は3回目の出場です。しっかり頭取りの麻雀をして、それに精神力がついてこれるようにしたいです。』
とコメントを頂いた。
こちらも実力は折り紙つき。まだ中部を制覇していないのが意外とさえ思えるほどである。
持ち前の攻撃力をここでも発揮できれば必ず勝機は見えてくるだろう。

そして今回最も勢いのあるプレイヤーが、Aリーグ初出場ながら見事に決勝まで登りつめた小野である。
『さすがにポイントに余裕があったので1局1局丁寧に潰していけば決勝に残れるだろうと思ってました。マークしていたのはとりあえず森下さんでした。途中親番とはいえ、国士無双にちょっと押してしまった以外は丁寧に打てる事ができたかなという感じです。決勝戦に関しては、タイトルホルダーが2人もいますし、胸を借りるつもりで楽しめればいいと思っています。Aリーグに昇格したばかりで、自分の情報が少ないと思うので、その辺りで若干勝機もあるかなと感じています。』
と、やや謙虚なコメントを頂いたが、常に自分らしい麻雀を貫くと言い続けてきた小野からは、自分の麻雀に対する誇り、プライドが滲み出ているように思える。小野らしい麻雀を遺憾なく発揮し、新たな旋風を巻き起こすのか、是非注目していきたい。

4人それぞれが素晴らしいものを持っており、誰が優勝するのか全く分からないのが正直な所である。何れにしても、見応えある好ゲームを期待したい。

来期は自分がここでご紹介頂けるように、まずは決勝進出を目指して、この4人を見習って精進していきたいと思います。
最後になりましたが、半年間、拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 森下 剛任 55.7 48.6 ▲ 54.5 18.6 55.7 124.1
2 小野 雅峻 ▲ 7.9 38.2 63.3 33.4 ▲ 22.3 104.7
3 樋口 新 ▲ 15.2 37.6 86.7 ▲ 35.2 ▲ 17.4 56.5
4 佐藤 あいり 16.8 ▲ 22.6 ▲ 2.2 49.5 6.2 47.7
5 杉浦 貴紀 ▲ 30.4 77.0 ▲ 2.0 24.8 ▲ 31.3 38.1
6 村瀬 寛光 39.4 ▲ 6.5 11.9 ▲ 11.0 ▲ 12.1 21.7
7 朝岡 祐 8.9 ▲ 8.9 19.2 ▲ 4.6 ▲ 12.5 2.1
8 土岐 雄太 44.3 1.1 ▲ 80.0 17.5 8.7 ▲ 8.4
9 寺戸 孝志 ▲ 18.2 ▲ 29.0 ▲ 6.5 7.4 28.3 ▲ 18.0
10 三戸 亮祐 ▲ 11.8 ▲ 34.6 ▲ 4.4 50.4 ▲ 20.9 ▲ 21.3
11 山神 達也 ▲ 7.0 ▲ 13.4 ▲ 73.5 38.4 16.3 ▲ 39.2
12 杉村 泰治 ▲ 77.5 70.6 ▲ 51.6 15.0 ▲ 6.5 ▲ 50.0
13 伊藤 鉄也 60.7 ▲ 69.3 38.6 ▲ 71.9 ▲ 30.5 ▲ 72.4
14 日下 健司 ▲ 17.6 ▲ 46.8 ▲ 35.3 ▲ 30.8 44.9 ▲ 85.6
15 牛尾 信之 ▲ 33.7 14.3 ▲ 3.1 ▲ 64.4 ▲ 19.8 ▲ 106.7
16 掛水 洋徳 ▲ 97.5 ▲ 57.3 ▲ 9.6 ▲ 37.1 13.2 ▲ 188.3

 

Bリーグレポート:河合慎悟

年の瀬もいよいよ押し詰まった頃、中部プロリーグも最終節の大詰めとなる。
今日で半年間の集大成が出る、勝負への気持ちが最も高鳴る日である。

選手全員で築き上げたスコアを、最後には各々が受け入れなければならない使命がある。
昇級、残留、降級。Bリーグのみこの3種がある。
ポイントがプラスの選手は積極的に昇級ラインを目指す。マイナスの選手は降級枠には死んでも入りたくないところ。
1戦1戦でそのボーダーが変わる戦いに緊張感のある空気が漂う会場内。

8位スタートの私は1回戦ラスでわずかな昇級の可能性もほぼ絶たれたので、降級阻止の打ち方に切り替えたが踏みとどまれずズルズルとポイントを削られこの日最下位で幕を閉じた。

成績発表があった後、数分間、頭が真っ白になった。

「降級」・・・ため息を何度してもいくらでも量産できてしまう。
弱きは駆逐される戦いの場。
一瞬、退会の2文字も頭によぎったが、一生麻雀に携わって生きていくと決めたこの身、「逃げるな自分」と言い聞かし我に返った時にはCリーグでの戦い方を考えている自分が居た。
負けたままで終われるはずがない。
有望な若手選手が次々と台頭し盛り上がる中部本部。
勝ち上がるのは容易でないが、また来期から初心に戻ったつもりで頑張りたい。

昇級を決めたのは大滝と菅野。
2人ともBリーグで満足する器でない
Aリーグでも活躍できるスター選手だと思っている。
心から応援できる2人である。

半年間ありがとうございました。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大滝 聡 18.1 56.7 97.8 1.6 9.7 183.9
2 菅野 直 ▲ 32.8 40.0 ▲ 4.6 12.3 72.5 87.4
3 中谷 彰吾 34.5 ▲ 28.1 65.3 12.2 ▲ 34.7 49.2
4 木村 東平 ▲ 3.2 0.6 ▲ 42.6 37.7 15.9 8.4
5 金平 裕樹 ▲ 100.0 20.4 18.4 ▲ 20.7 86.3 4.4
6 越川 清一 ▲ 56.0 47.1 ▲ 18.9 2.3 23.1 ▲ 2.4
7 葛山 英樹 30.3 ▲ 38.6 1.3 69.3 ▲ 80.2 ▲ 17.9
8 大町 篤志 17.1 2.9 ▲ 62.8 35.5 ▲ 10.6 ▲ 17.9
9 鈴木 雄介 51.1 28.4 ▲ 30.4 ▲ 8.7 ▲ 67.5 ▲ 27.1
10 古川 孝次 4.0 ▲ 29.3 ▲ 18.7 ▲ 17.1 29.3 ▲ 31.8
11 安藤 大貴 ▲ 4.6 ▲ 0.2 ▲ 37.7 ▲ 37.5 41.2 ▲ 38.8
12 太田 峻也 ▲ 8.6 ▲ 21.8 ▲ 15.2 8.5 ▲ 19.8 ▲ 56.9
13 山本 拓哉 5.6 ▲ 105.4 53.2 0.5 ▲ 19.0 ▲ 65.1
14 太田 充 ▲ 11.3 ▲ 54.6 76.5 ▲ 62.1 ▲ 28.1 ▲ 79.6
15 大高坂 松城 ▲ 7.4 ▲ 69.5 ▲ 47.7 ▲ 12.5 49.4 ▲ 87.7
16 河合 慎悟 ▲ 38.8 70.4 ▲ 33.9 ▲ 24.3 ▲ 67.5 ▲ 94.1

 

Cリーグレポート:清水哲也

半年に及ぶリーグ戦も最終節を残すのみとなった。
最終節とは半荘のオーラスのように各々に条件があり、それに則った打ち方をする。
私の対戦相手は山本、鈴木(淳)、堤。
山本は+58.4P持ちの4位。昇級には+30Pくらいの加点が必要か。
鈴木淳、堤は共に+100P以上は必要。
私は+50P以上でなおかつ山本より上位に入る事を目標にした。

それらを踏まえると場が重たくなり皆が攻撃的になるであろうと考え対局に入った。
そして始まった1回戦私は▲16.4Pの4着スタート。
私の対局前の考えと他の対局者の思惑が大きく違っているように感じた。
それらを踏まえ2回戦以降は少し修正しようと思い対局に入った。

2回戦はオーラスに2,000・3,900をツモり、かろうじて望みをつなぐ浮きの2着。
3回戦は調子が良くオーラスを親番で残し50,000点弱で迎えた。
しかしこのままトップ終了したところで4回戦に大きな加点が必要になるのでまだまだ点数がいる。
そのオーラスに21,900点持ちの山本からリーチが入り、何とか1シャンテンで粘っていた。

残り1巡となったところに上家からテンパイがとれる七万が出て長考した。
切らなければならない牌は三筒で、山本の河を見直すとピンズが四筒しか切れていない変則的な河になっていたが、ドラが九万、宣言牌が一万であった事も考えると、ホンイツとゆうより、チャンタ系が本線であると推測できた。
だがどちらにせよ三筒は危険だと考え、テンパイを取ることを断念した。

流局し開かれた手牌を見ると、純チャンのペン七筒待ちツモ12,000点であった。
考えは間違えてはいなかったが、自分のポイント状況上、切る選択しかなかったのではないかと反芻した。

全卓3回戦を終えポイント集計が発表されると、林、浅野が大きく加点し、その時点で私は4位につけていたが3位とは大きく離された。
4回戦も浮きの2着でポイントを重ねたが、足りずに全体5位で全節終了した。

1位は終始安定した成績でプラスを重ねた加藤。
2位は最終節+143.3Pと大爆発した林。
3位も最終節に+63.7Pとポイントを稼いだ浅野。

終わってみると3位の浅野で+116.6Pとやはり昇級ボーダーは120P前後になった。
今期の反省を糧に来期こそは昇級したいと。
拙い文章でしたが、半年間お付き合いありがとうございました。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 加藤 泰史 33.2 57.0 16.5 42.5 35.0 184.2
2 林 俊宏 ▲ 4.4 13.6 ▲ 24.7 23.8 143.3 151.6
3 浅野 文雅 ▲ 48.1 78.8 13.3 8.9 63.7 116.6
4 富村 つぐみ 26.4 ▲ 57.1 56.5 ▲ 2.0 57.3 81.1
5 清水 哲也 49.6 ▲ 5.0 ▲ 16.9 15.1 29.8 72.6
6 鈴木 淳 ▲ 19.5 51.3 0.6 ▲ 27.0 29.2 34.6
7 大西 義則 ▲ 10.6 52.4 ▲ 25.8 52.0 ▲ 59.8 8.2
8 斎藤 寛生 ▲ 15.8 ▲ 26.8 32.6 ▲ 39.3 50.7 1.4
9 岡本 丈司 ▲ 31.2 17.7 ▲ 46.2 73.3 ▲ 13.1 0.5
10 山本 美文 80.7 46.8 ▲ 59.5 ▲ 9.6 ▲ 60.6 ▲ 2.2
11 池沢 麻奈美 41.3 8.8 ▲ 10.8 ▲ 72.1 29.7 ▲ 3.1
12 鈴木 基芳 ▲ 4.1 5.1 1.4 27.7 ▲ 36.1 ▲ 6.0
13 堤 文吾 ▲ 39.9 11.1 10.4 3.4 0.6 ▲ 14.4
14 都築 友和 43.7 ▲ 8.8 91.4 ▲ 50.0 ▲ 94.8 ▲ 18.5
15 原田 知彦 ▲ 39.8 ▲ 51.6 ▲ 3.0 48.3 21.2 ▲ 24.9
16 若松 正和 28.0 ▲ 26.0 ▲ 47.7 4.9 5.8 ▲ 35.0
17 島﨑 涼 ▲ 46.7 17.0 13.8 ▲ 6.0 ▲ 27.2 ▲ 49.1
18 中西 栄二 38.0 ▲ 16.5 ▲ 46.0 30.2 ▲ 67.6 ▲ 61.9
19 上田 利華 ▲ 8.4 ▲ 103.3 ▲ 15.1 ▲ 26.0 38.8 ▲ 114.0
20 長谷川 弘 16.4 ▲ 28.8 26.3 ▲ 22.9 ▲ 108.3 ▲ 117.3
21 三谷 卓也 ▲ 25.6 ▲ 15.1 ▲ 2.4 ▲ 41.4 ▲ 100.0 ▲ 184.5
22 家田 みゆき ▲ 64.2 ▲ 40.6 14.3 ▲ 54.8 ▲ 39.6 ▲ 184.9