北陸プロリーグ レポート

第7期北陸プロリーグ 第4節レポート

Aリーグレポート

2024年8月25日に北陸プロリーグ第4節が開催された。

折り返しとなる第4節でトータル+74.0Pと首位に立ったのは支部長の浦田。

今節の同卓者(木戸、里木、藤本)において、前半戦の山場だと感じていた浦田。全員がトータルプラスの状況で、ライバルを叩くチャンスである。「なんとしてもこの節でプラスを持ち帰りたい!」と強い気持ちで対局に臨んだ。

そんな浦田は自身の反省の局を挙げた。

3回戦 東3局 0本場 西家 ドラ東

37,300点持ちのトップ目から、親の木戸から13巡目にリーチがかかり、以下の牌姿。

三万四万五万四索五索六索東東西西
チー二筒 左向き三筒四筒

親の現物二筒をチーして追いつき、七筒を持ってきた。親には二筒以外のピンズは通っていないが、全体的にはピンズは安く、五筒が3枚見えており、ワンチャンスであった。西は1枚切れであったが、アガリへの感触があった。しかし、あと2巡であるのと親のリーチを考慮してオリに回った。

しかし、次巡のツモ牌が西であったのと、流局し、親のリーチに七筒が通っていたことから、結果的に悔しい局となった。

「今節は結果的にプラスで終えたが、こんな麻雀を打っていたら、勝ち切ることは難しい、と痛感させられる一局でした。」と反省しながら語った。

また、残り4節での戦い方についてこう語った。

「これまで二度決勝に進出しているが、いずれもギリギリでの通過だった。混戦とはいえ、せっかく首位に立ったので、今期はできれば楽々通過して決勝に臨みたい。」

支部長の更なる逃げ切りに注目である。

次に注目したのは、今節+29.0Pと卓内トップを獲得した岡田。

現在、降級圏内にいる彼は、4回戦で+36.3Pの大トップを叩き出し、今節をプラスで終えることができた。

今節において、これ以上マイナスポイントを増やさないように、守備を意識して対局に臨んだ岡田。

勝負を決めた一局がこちら

4回戦 東4局 0本場 西家 5巡目 ドラ南

二索二索二索三索四索五索六索六索七索七索八索八索九索
ロン七索

ヤミテンにし、12,000の出アガリ。
長考もなく、スムーズに打牌を行えたことに彼自身も感触があった。
ただ現在のポイント状況、6面張であること、最高で三倍満まで見えた手であったことから、リーチをかけるべきであったと振り返った。

筆者の山田としては、この手を確実にアガリたいのと、打点十分といったところで、ヤミテンに構えて良かったのではないかと考える。

残り4節での戦い方についてこう語った。

「降級圏内から抜けられるように守備を意識して戦っていきたいです。大きく加点できれば4位以内を狙いに行きますが、折り返しに来て▲60Pほどなので、今年のプロリーグは降級しないことを目標にしていこうと思います。」

今節をきっかけに、彼のここからの巻き返しに注目したい。

次に注目したのが、最下位に沈んでいる志多木である。

第3期小島武夫杯帝王戦にて準優勝となった彼は、今節+2.2Pと今期初のプラスでまとめることができたが、プロリーグでは未だに苦しい展開が続いている。

残り4節での戦い方や目標について伺った。

「まずは借金を返済してプラスになることですかね。目標はもちろん夏目坂スタジオに行って、北陸プロリーグ初の連覇です。かなり遠くになっちゃいましたが諦めていませんよ(笑)。ツキや展開など色々ありますが、それを含めて麻雀は面白いと思っています。この先新しい何かがあると信じて、これからも精進します。」

派手な風貌とは裏腹に、謙虚さとユーモアを交えてインタビューに答えてくれた。
彼が卓上を支配する姿に期待したい。

今節は、上位陣が少し後退する結果となり、決勝争いが混戦となった。中位である松井、梅本、藤本が決勝進出を狙う。

残り4節と折り返しを迎えた北陸プロリーグ。上位も下位も混戦となったAリーグの展開に目が離せない。

次回第5節は9月29日に金沢で開催されます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

(文: 山田航輔)

 

Bリーグレポート

2024年8月25日 第7期北陸プロリーグBリーグ第4節が開催されました。
今節のレポートは39期月野桜悠が担当します。
拙い文章かと思いますが、お付き合いいただけると幸いです。

北陸プロリーグもあっという間に前半戦の最終節を迎えた。
今節も好調ぶりを発揮し、更なるプラスポイントを重ねて首位をキープした小林。
他の者とは頭一つ抜けて、トータル+100P超えとなった。

そんな小林に、今節印象に残った局を聞いてみると、+41.5Pを叩いたこととは裏腹に自身が反省した1局だった。

3回戦 南1局5本場 北家 ドラ北
二万三万四万八万八万七筒八筒九筒四索五索六索東北
この形から、10巡目にツモ東でドラの北を切ってリーチ。

ところが、宣言牌を東家の山田がポン
数巡後に小林が六筒を掴み、
三筒四筒四筒五筒五筒七筒八筒九筒東東 ポン北北北
12,000は13,500を放銃。

山田の捨牌にはピンズが切られておらず、染め手気配は感じられていたそうだ。
小林は、
『有り得ない選択だった。親に連荘され、本場が積まれたからといって焦るべきではなかった。』
と、振り返る。
『1・2回戦終了時点で+40P程ありました。役のないテンパイだったこともあり、親に有利な牌を切らない選択をするべきだったと思います。
特に親のホンイツ気配にドラの字牌は切るべきではなかった。具体的には、親の現物だった八万のトイツを落としてテンパイをくずし、ドラの北が重なってテンパイした時だけリーチするという判断をすれば良かったと思っています。』

5本場でドラを切って勝負しにいった局だから仕方がないのでは?と結果論を思う者も中にはいるかもしれないが、小林は冷静に反省点として捉えている。

彼のこの謙虚さが、今シーズン大きなマイナスをせず、首位を走り続けている要因のひとつでもあるのかもしれない。

小林は、
『次節以降は、こういう甘い判断を今より減らしていきたいです。また、各者の持っているポイントも意識して押し引きの判断材料にしたいと思います。このままのポイント状況で、逃げ切れればそれが1番ですが、最終的には昇級出来るよう、丁寧に打てるよう頑張ります。』
と、語った。
現在追われる立場にある小林だが、後半戦をどのように戦い、首位をキープし続ける事が出来るのか、そして念願のAリーグに昇級する事が出来るのか、今後の立ち回りに注目したい。

その一方で、同卓で小林を追いかける宮川。
彼は今期入会の新人プロではあるが、麻雀歴はもちろんのこと、公式ルール歴も若手プロ達よりも長い。
帝陸戦にもアマチュア時代から長年参加しており、2回のプレーオフ進出、そして第27期には優勝を経験している期待の新人プロである。

宮川は、
『+32.4Pの6位で迎えた今節、目標は更なるポイントの積み上げと、できれば首位の小林プロを沈めること。まだ残り節はあるが公式ルールはポイントを持てば持つほど展開を有利に持ち込めるので、それを意識して対局に臨みました。』
と、意気込みと目標を掲げて挑んだ。

今節印象に残った局を聞いてみたところ、

1・2回戦はスタートから小林が好調で上手く立ち回られ、親のヤミテン満貫を2回も交わされたそうだ。
ミスもあり苦しい展開に追い込まれることになってこの時点で▲28.4P。
『今日は50P負けるな』と、思ったとのこと。

ところが、なんとか打開しなければと思って迎えた
4回戦 東4局 東家 ドラ中
一万二万六万八万九万九万二筒六筒七索九索南南北発
から1打目に打六筒
ここまで調子が良さそうな上家の山田から1巡目に打南、体が反応しポン。
そこから七万中中と喰い下げ、九万ポンであっという間に
一万二万六万七万八万中中 ポン九万 左向き九万九万 ポン南南南の聴牌。

これを石川から打たれた三万をとらえ12,000をアガった。

そこからアガリが加速し、
南3局 南家 ドラ三万 7巡目
一万二万二万三万三万四万五万六万七万七万七万五筒六筒
八万ツモで打六筒九万をチーして山田から一万をとらえ、チンイツ一通ドラドラの勝負手16,000をアガリ、6万点を超えるトップとなった。
そして、最終的には今節+17.0Pとスコアをプラスにする事が出来た。

抜け番だった私は、違う局面でも宮川のホンイツ手を見ていた。
局の中盤から終盤に切り替わりそうな時に、ヘッド候補として使っている字牌のトイツを、一瞬の迷いも無く落としていき、チンイツを目指している最中だった。
その後すぐに、他家にアガられた局面ではあったが、ホンイツでトイツの字牌をどうするか少考長考する者は多いと思うが、対局者に悟られないようノータイムで切っていく姿には驚愕した。
素直にお手本にしたい、見習いたいと思った。

宮川は、
『小林プロに更に加点を許してしまったことは悔しい結果となりましたが、私自身の調子から言えばプラスで終えれたのは僥倖でした。まだ残り4節あるので、なんとか喰らい付き今期目標のAリーグ入りを果たし、早く夏目坂スタジオで放送対局を経験したいと思います。ルーキーだけどベテランという不思議な立ち位置ですが、精一杯若手の壁になれるよう頑張りたいです。』
と、語っており、残り4節どのような麻雀を魅せてくれるのか要チェックである。

第4節を終了し、小林、宮成が昇級ゾーン、先程紹介した宮川、そして中川もポイントを伸ばして入れ替え戦ゾーンへと突入。
また、第1節から不調気味だった南が+61.9Pと大きく加点、山田も+31.0Pと加点し、順位を上げてきた。
一方、堂垂、石川が大きなマイナスをし、日水、髙地も順位を下げてしまった節となった。
執筆者である月野は、苦しい展開の中、我慢に我慢を重ね勝負手を捉えて、+3.1Pとなんとか堪えた節だった。

しかし、まだ前半戦が終わったばかり。
後半戦の展開次第で、いくらでも順位は変わる。
来月から折り返しとなるが、各々がどのようなテーマで挑んでいくのか楽しみである。

次節は9月29日に金沢で開催されます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(文: 月野桜悠)