北陸プロリーグ レポート

第18期北陸リーグ 決勝レポート

鳴りやまない蝉の声、甲子園も盛り上がる中、
平成30年8月18日、石川県金沢市で第18期北陸プロアマリーグ決勝が行われた。
前期は一般参加者4名での決勝、今期はプロとしてのプライドを賭けプロ一同が背水の陣の覚悟で臨んだ北陸プロアマリーグ。
決勝に残ったのはプロ2名、一般2名。

1位通過 北川さん
2位通過 平澤さん
3位通過 藤本プロ
4位通過 志多木プロ
この4名で今期最後の闘いが始まる。

 

1回戦 北川 平澤 志多木 藤本
東1局は平澤さんが藤本から1,300の出アガリで静かな幕開けとなる。
しかし東2局、早くも場が動く。

一索一索二索二索七索七索八索八索九索九索南南北  ツモ北  ドラ八筒

志多木の3,000・6,000により空気が一変する。
そして同時にもう1人のプロが目を醒ます。
東3局 北川さんがソウズの染め気配で進める中、親の藤本がドラ二筒を打って先制リーチ。
しかし対面の平澤さんがドラ二筒ポンの発声。

藤本
一万二万三万七万八万九万七索八索九索三筒三筒七筒八筒  ドラ二筒

ピンズの上は河に八筒が3枚、九筒が2枚と絶好に見える場況の中、北川さんがソウズのメンホンテンパイ。

一索二索三索三索五索八索八索白白白中中中

一歩遅れる志多木ではあるが567の三色1シャンテンで追いかける。早くも火花散る熱い局面。
このあと間もなく志多木は藤本の当たり牌九筒を掴まされる。しかしこれを止め現物の一筒を切って回る。
そして最後の九筒を平澤さんが掴み放銃。藤本がメンピン三色の11,600出アガリ。
志多木が止めた九筒、それでもアガリきった藤本

これがこの決勝の明暗を分けたと言っても過言ではない。
このあと藤本が2,000点、1,500点とアガリを続けるも場が流れ南場1局5本場へ突入。
親の北川さんが粘り500オールの5本付け。
6本場は藤本が志多木から1,300に1,800付けをアガリきる。
南2局、3局は志多木がアガリを続けトップ目でオーラスを迎える。志多木42,000点の2着目の藤本とは5100点差。しかし親の藤本がこの接戦の中あっさりと捲り返す。

二索二索三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ドラ二索

これを北川さんから六筒の出アガリ 12,000
1回戦は藤本のトップで終える。

1回戦成績
藤本プロ +35.9P 志多木プロ +14.4P 北川さん ▲16.0P 平澤さん ▲24.3P

 

2回戦 志多木 平澤 藤本 北川
東1局 藤本がマンズの仕掛けで主導権を握る中、親の志多木が必死に食らいつく。

四万五万五万六万七万七万八万三索三索三索四索五索五索  ツモ七索  ドラ七万

ここで打八万、自分のアガリがマンズにないと見切りをつける。その後ツモ六索を入れ打五万でテンパイ

四万五万六万七万七万三索三索三索四索五索五索六索七索

直後に平澤さんから七万の出アガリ12,000。
早くも一歩抜ける。このあと小場が続く。
迎えた南2局、志多木の配牌に大きな光。

一万二万五万三筒六筒九筒九筒九筒南南南西白  ドラ九筒

満貫以上が見える配牌を得るも決めきれず、親の平澤さんが2,600オールをツモアガる。
志多木が一歩抜けるも全員にトップが見える状況でオーラスを迎える。
志多木38,900 平澤27,700 藤本25,800 北川27,600。
しかしここは志多木がなんとか逃げ切る。

2回戦終了時小計(予選順位点込み)
志多木プロ +38.7P 藤本プロ +27.2P 北川さん +10.2P 平澤さん ▲6.1P

上位2人の着順が入れ替わるが、まだまだ先が見えないポイント差で3回戦へと向かう。

 

3回戦 藤本 北川 志多木 平澤
東場はMAX2,000点という小場で重い空気を漂わせながら南場に突入する。
南1局、場が動く。
藤本がトイトイをツモアガリ1,600オール。
しかしこの流れを止めるべく好調の志多木が対抗。
南1局1本場
志多木のピンズ寄せが決まる。

四筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒南南南西西  ドラ南

これを北川さんがテンパイ打牌九筒を打ち志多木12,000の出アガリ。
その後、南3局に北川さんが藤本から7,700を出アガるも志多木が大きく抜け、2回戦に続き志多木の1人浮き。

3回戦終了時小計(予選順位点込み)
志多木プロ +67.4P 藤本プロ +25.6P 北川さん +1.7P 平澤さん ▲24.7P

 

4回戦 藤本 北川 平澤 志多木
2着目で追いかける藤本、この東1局の親番は是が非でもポイントを叩きたいところに好気配の配牌。
東トイツにドラ六筒が1枚、5,800以上が見えるところ9巡目に高打点期待の1シャンテン

六万七万八万二索三索六索七索八索六筒六筒八筒東東

しかし藤本の親番だけは絶対に断ち切ろうと次巡、志多木がリーチ。この4回戦、早くも勝負所と観戦者も唾を飲む。
そして次巡、藤本ツモ一索でテンパイ。六筒八筒は志多木の現物牌であるが、カン七筒に受けるか生牌のダブ東に受けるか。誰にも答えが見えない一打、藤本が選んだのは打八筒、これをヤミテンでテンパイ。
そして14巡に決着がつく。
それは予想だにしなかった北川さんからのロンの発声だった。志多木から七対子1,600を出アガる。

藤本のアガリを阻止しなければ絶体絶命である状況の北川さんがこの局面を躱す。
それでも東3局、藤本が平澤さんから8,000を出アガリ志多木を追走。
この後、志多木、北川さん、平澤さんの3者は失点を抑えるも藤本がトップでオーラスを迎える。
藤本41,100 北川31,800 平澤26,100 志多木21,000
この時点で平澤さんは絶望的な状況であるが、北川さんには役満ツモアガリの条件が残された。
そして藤本は、1,000・2,000ツモ、北川さんから2,000、志多木から3,200、平澤さんから12,000の出アガリといった条件である。
志多木は藤本の1人テンパイでも勝利。とはいえ志多木優位とは決して言えない状況。
そして最後の1局が始まる。
先制したのは藤本、長考からのリーチ。

二万三万四万八万九万二索三索四索一筒一筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ三索

出アガリ2,600、ツモ1,000・2,000。
しかし藤本の辺七万は北川さんが暗刻で抱えている。この時、北川さんは四暗刻1シャンテン。
そう藤本が長考したのは北川さんが四暗刻狙いで待ち牌の七万がトイツ以上であると読んでいたからである。しかし北川さんはテンパイまでに至らず最後の一巡を迎える。
何も起きなければハイテイは藤本であるが、志多木の暗カンで終了。

4回戦
藤本+21.1P 北川+4.8P 平澤▲8.9P 志多木▲18.0P

最終成績
志多木+49.4P 藤本+46.7P 北川+6.5P 平澤▲33.6P

 

第18期北陸プロアマリーグを制したのは志多木プロ。準優勝 藤本プロ 3位 北川さん 4位 平澤さん
今期のリーグは北川さん平澤さんが抜け出す中、3位以下は混戦の末に迎えた決勝でした。
そして優勝者の志多木プロは予選中盤から最も勢いがありましたが、攻守のバランスが良く、ここ一番の強さも他者を圧倒していたように見えます。
しかし年々レベルが上がっている北陸プロアマリーグ、来期は今期以上の混戦が予想されます。
第19期は9月30日からスタートしますが、今期以上の熱い闘いを見せてくれるはずでしょう。
今回の執筆者である自分も今期は9位で終わりましたが、来期は優勝を目指し今期以上に北陸プロアマリーグを盛り上げたいと思います。
最後になりますが、今回のこの報告に最後までお付き合い頂きありがとうございました。