第20期北陸プロアマリーグ 第2節レポート
2019年05月15日
日本プロ麻雀連盟33期生の里木祐介と申します。
第20期北陸プロアマリーグ、第2節よりレポートを担当させて頂くことになりました。
宜しくお願い致します。
4月14日、少し肌寒さの残る曇天の下、第2節がおこなわれた。
全5節20半荘での戦いとなる短期決戦の北陸リーグ。31人の争いの中決勝卓に座るには全節が重要になる。
私は、参加した過去2回のプロアマリーグで、一度の大敗が致命傷となり最終節には目標を失っていた。受けて立つプロとして不甲斐ない成績に終わり、短期決戦の難しさを知った。
三度目となる今期にかける思いは強い。しかし他の30人の猛者たちも同じく全身全霊をかけて頂点を目指してくるだろう。
そんな激しい戦いの中、2節を終え上位につけた選手たちを中心にみていこう。
6卓・浦田 瀧根さん 久保さん 森田さん
今回のプロアマリーグ、一般参加者の中によく知る顔が多くいる。
彼らとはこのリーグ戦以外での対戦経験も多い。
瀧根さんはその中の1人だ。
押しが強く、アガリへの道筋が見えたときは一歩も引かない。私は彼にそのようなイメージを抱いている。
3回戦 南2 1本場
ドラ
東家 瀧根さん18,000
南家 浦田 28,000
西家 久保さん42,000
北家 森田さん32,000
ラス目で迎えた親番、瀧根さんの手が以下の牌姿となる。
マジョリティでは外しだろう。裏ドラに頼らずとも6,00オールが見える。
しかし、に手ごたえを感じた瀧根さんはなんと6に手をかけていく。
ツモ
3面張リーチで狙い通りのを手繰り寄せ4,000オール。
このアガリで好位置につけると、オーラスもアガリきり本日初のトップをもぎ取る。
結局この日は+31.2Pの卓内勝ち頭。トータル82.4Pとし一般参加者の最上位につける。次節以降の活躍にも期待したい。
逆に卓内最下位に沈んだのは支部長の浦田。前節に引き続きマイナスをたたき苦しい位置となった。
しかし、最終回にトップをとり大崩れは避けた。実力者だけに残り3節で充分決勝へのチャンスはあるだろう。
5卓
藤本 窪田さん 小泉さん 岡田さん
初参加の岡田さんも瀧根さんと同じく「よく知る顔」だ。
先日おこなわれたマスターズ北陸予選では私と決勝卓で戦っている。しかし本日は振るわず卓内最下位に沈んでしまった。
爆発力の高いタイプだけにこのままでは終わらないだろう。次節以降持ち前の攻撃力と手数で上位を目指してほしい。
この卓では藤本がプロの貫禄を見せつける。
ラススタートながらそこから3連勝を決め+64.2Pの圧勝。
2回戦で先手ピンフリーチを一発裏1で出アガリしたのをきっかけに調子を上げ最終戦では
ドラ
リーチ ツモ
親番でとどめの6,000オール。
1巡待てば三色変化があったが、その場合はヤミテンに構えるだろうから同じ6,000オールだ。
藤本は2節を終え、総合2位につける。
トータル首位にたったのは南、プロになって日の浅い彼だがマスターズ北陸予選、十段戦北陸予選と立て続けに優勝しており、今もっとも勢いのある男と言っていいだろう。
連覇を狙う獅坂は+28.1Pとスコアをまとめ7位につける。今期も好調を維持しているようだ。
3卓では木戸が3-1-1-1とこちらも3連勝。4回戦ではオーラストップまで8,000条件でタンヤオリーチを敢行。
これがカンも入り裏2で逆転。WRCルールへの対応もお手の物といったところか。+92.6Pでトータル4位までジャンプアップ。
そして、最後に私だがこの第2節+93.4Pと勝ち頭となった。
1回戦 起家
ドラ
ハイテイでをつもり8,000オール。最高のスタートだ。今日はこのように東場でアドバンテージを持つことが多かった。
南場は仕掛けを多用して局消化を優先した。もちろん順位点の大きいWRCルールということも意識してだ。
結果は最高だった。だがそれはたまたまであり大きく上にブレた1日だったにすぎない。いい麻雀を打てば勝てるのなら苦労はない。
私は麻雀には全ての選択において最善があると思っている。彼は攻撃的だから押すのが最善だ、彼は守備型だから引くべきであろう。
そういう風潮には共感できない。自分の麻雀を打ち切るというのもある意味思考放棄だ。
しかし、全ての最善手などわかる者はいない。だから強者同士でも選択は別れ「スタイル」で片付けるしかないのだろう。
誰もが納得する最善を導き出すのは人間では不可能なのかもしれない。ネット麻雀ではすでにAIが稼動している。
麻雀のシンギュラリティもそう遠い未来の話でもないだろう。
プロとして活動する以上、思考停止に陥らず、さまざまな選択のなかのたった1つの最善を求めていきたい。
それが結果につながるはずだからだ。
第3節開催は5月26日(日)
徐々に暑くなってくる気候のように我々の戦いもますます熱を帯びてくるだろう。
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