第3期北陸プロリーグ 第6節レポート
2019年12月10日
11月24日(日)、富山市にて「第3期北陸プロリーグ第6節」が開催された。
1年間にわたるこのリーグ戦も残すところあと2節となった。
第1期と第2期の決勝戦は藤本・木戸・安城の3名が連続出場だったため、後藤と私を含めて5名の者以外はまだ決勝戦に出場していない。
その決勝戦は今年も夏目坂スタジオで行う予定で、選手全員が優勝は勿論の事、先ずは「目指せ、夏目坂!」を目標に、今節も熱い闘いが繰り広げられた。
●A卓
里木(1位)×梅本(6位)×前田(7位)×安城(12位)
前々回のレポートより早々に決勝当確と書かせて頂いた、第2節から首位独走中の里木。この位置であれば各状況による選択肢も増える事もあり、より戦いやすくなってくる。
その心の余裕もあるせいか、今節もしっかりとポイントを上乗せさせて、2位以下を大きく引き離し、首位固めをより強固なものとした。
最終節を前にして、本人に一言コメントを頂いた。
「最終節までにこのポイント状況を作れた事は、自分を評価してやりたい。負けるのは嫌いなので最後もしっかり勝ちにこだわって闘います。」
里木の頭の中では、既に夏目坂スタジオでの決勝戦の闘いかたをイメージしているのかもしれない。そのためにも「強い里木」を他選手に植え付けるべく、最終節もコメント通り流す事なく、勝ちにこだわる打ち方となるであろう。
今節、里木を上回る+67.6Pを叩き出し、トータルでも決勝進出圏内の4位に浮上したのが、ルーキーの梅本。
1回戦・南4局1本場、得点状況が
東家・里木 48,000
南家・梅本 29,500
西家・前田 5,500
北家・安城 37,000
6巡目の梅本の手牌。
ドラ
何でもアガれば浮きに回るのでを鳴く構えで打かでも良いが、前田が国士模様であり、この後「字牌が重い」展開になると判断し、打とする。
次巡にを持ってきて、国士も怖いが、ここは思い切ってリーチ!
2巡後に見事をツモり、浮きは勿論、2着まで浮上する事に成功。この1回戦オーラスのアガリで気をよくした梅本、その後の爆発に繋がった。
本人のコメント
「全体的に展開に恵まれたり、何をしても良い方向に転んだように感じる1日でした。今回大きくスコアを伸ばせたことで、現時点では決勝進出がかなり濃厚になったので、素直に嬉しいです。しかし安心するのはまだ早く、次節に大きくマイナスをしてしまうと、決勝進出が危ぶまれてしまうので、次節は変に守備寄りになったり、焦った仕掛けをしないように、普段通り打とうと思います。」
梅本は現在月に250回を越える半荘数を打っており、若さゆえの経験値の不足をその稽古量で日々鍛えている。
順当にいけば、ルーキーでの決勝進出が果たせるかもしれない。
それとも同卓の先輩達が意地を見せるのだろうか?
●B卓
本田(3位)×木戸(4位)×荒谷(9位)×獅坂(15位)
前節50Pを叩き、トータル4位まで浮上した、現チャンピオンの木戸。
3期連続決勝進出にむけて、いよいよ本命登場か!?と言われて挑んだ今節。
しかし、麻雀という競技は本当に難しく、そう簡単に事を運ばせてはくれない。
今節の木戸は勝負手が全然入らず、我慢の展開だけが続く。
最終戦、やっと1人浮きのトップ目に立つも、オーラスで魔が差してしまう。
タンピンドラ1のテンパイを入れ、そのまま終了というところで親の荒谷からリーチが入る。
木戸のツモはドラの筋の
。本田がを二鳴きして、かわしに来ているので任せる手もあったが、1枚だけ勝負するとメンタン三色の親満を放銃、沈みの3着まで落ちてしまった。
結果、トータル7位まで後退してしまうが、最終戦にチャンピオンの意地を見せれるか!?
対して第3節よりポイントを目減りさせながらもトータル3位をキープし続ける本田。
今節は好調で、①②①と3回戦までで+40Pと稼ぎ、トータルポイントも+100Pに迫り、決勝の椅子がちらつき始めた4回戦。
南3局、ここまでも好調は持続で、浮きをキープしてむかえた親番の本田。
チー ポン
この親満をアガる事が出来たら、最終節の闘いかたが非常に楽になるであろう。
打としてシャンポンに受ける。すると次巡のツモがアガリ逃しの。まぁ、これは仕方がない。
ここで沈んでいる獅坂からリーチが入る。本田、を勝負し、次巡ドラを掴む。少考後、そのドラをツモ切る。無事通過、次のも勝負して、ドラヘッドのメンピンドラ2に放銃となる。
その結果、浮いている状態から沈みラスまで落ちてしまった。木戸と同じく、本田もまた魔が差してしまう。
本当に麻雀という競技は難しい。
本人のコメント
「獅坂さんのリーチはトータル順位的に信頼度のあるリーチだったので、例え親満テンパイでも自分のポイント場況や、アガリ逃しをした事を考えて、オリる選択肢を強く持つ事でした。あれを完璧にオリることで、最終節をもっと楽に戦えたと思いますからね。最終節はマークされる事になりそうなので、それを意識しながら4位以内をキープできるよう頑張りたいと思います。」
果たしてマークに打ち勝ち、初の決勝進出を勝ち取る事が出来るだろうか!?
●C卓
藤本(2位)×成田(5位)×浦田(8位)×志多木(11位)×南(14位)
最後に私の卓。
先ず注目すべきは全節プラスで安定感抜群のトータル2位の藤本。
今節も浮きなら文句無し、沈んでも大きなマイナスでない限りは、首位の里木に続き、決勝進出当確ランプが点灯するであろう。
結果は最終戦こそ大きなラスではあったが、トータル2位でしっかりとキープ。
3期連続決勝進出がしっかりと視野に入って来た。
本人のコメント
「トータルポイント状況を鑑みると、最終節は上位A卓(1・4・5・8・9位)より2名、上位B卓(2・3・6・7・10位)より2名の勝ち上がりが濃厚であろう。
なので最終節の戦い方は、特に戦術を用いることはなさそうで、基本となる私の次点である本田と局を流していく、浦田・木戸が調子良くて本田と争う状況になっても、淡々といつも通りの打ち方で問題なしと捉えています。
気負わずいつも通り卓に臨もうと考えています。」
さて、最下位からなんとかマイナスをほぼ完済して臨んだ私。
しかしながら、まだスタートラインに戻っただけで、なんにも始まっていない。
残り2節となった今節に、ポイントを上積み出来ないようだと、上位陣のポイント次第では最終戦を待たずして敗退が決まってしまうかもしれない。
そんな崖っぷちな気持ちで卓につくも、この日はその気合いが空回りしてしまう。
1回戦・開局・西家の私。
配牌で九種九牌…。ここから国士にむかうも全然有効牌を引かない。
8巡目にを切ると、親の藤本へタンピンイーペイコウの5,800に刺さってしまう。
なんか前のめりにかかっている自分に気付かされる。
→1回戦、沈みの3着。
2回戦・東3局。
西家の志多木が序盤からとを立て続けにボンをして、明らかな染め手模様。
そして早くもドラのを切って来た。
その時、親である私の手。
ドラ
このをポンして打。すると志多木が牌を倒す。
ポン ポン ロン
この放銃はいただけない。
「まだ巡目も浅いから。ピンズがまだ余っていないから。」という自分勝手な理由で、この場況からのんびりとピンズを2枚も払っていこうとしている。
ドラまで切って「サイン」を送ってくれているのに…。
もう間違いなくテンパイと思わなければならない。
ドラポンはまだ許せるとしても、いくらピンズでアガリが取りにくいと言っても、ここは切りであろう。
この時点で持ち点も34,000点ほどあったのに…。
→2回戦、沈みの2着。
3回戦、東3局。
私、親で2巡目リーチ。
捨て牌
手牌
ドラ
今度こそトップを取りたい!そしてここから上位を目指したい!
そのためにもこの手をアガリたい!
「を出さないでほしい、をツモらせてくれ…。」
そんな勝手な思惑とは裏腹にツモはおろかも出て来ない。
そして手が入ったと思われる南から猛然と突っ張られる。、、そしてドラのまでもが切られてきた。ただ、私のアガリ牌のだけは出て来ない。
そして私がを切ると、
ロン
12,000アガるつもりが7,700の放銃。
さすがに、さすがに心が折れた瞬間であった…。
→3回戦、沈みの3着。
4回戦を前にして今節▲26.1P。
上位を目論むどころか、最終節を待たずして敗北宣言にリーチがかかってしまった。
いよいよ追い込まれてしまう。
そんな4回戦・東2局の親番、開き直った私に突然僥幸が舞い込む。
6,000オール、4,000オール、3,900と立て続けにアガリを連発し、そのままトップを獲得。
今節ポイントも一気にプラスとなり、トータル順位も上位陣とはだいぶ離されているものの、6位まで浮上する事となった。
終わった瞬間、「まだ諦めるな、まだいっぱい苦しんで、決勝を目指せ!」
神様にそう言われているような気がした。
「最終節、最後の最後のまで足掻いてみよう!」
あらためて決意しました。
運命の次回予選最終節は12月15日(日)、いよいよ決勝進出者の4名が決定致します。順当か?それとも波乱か?
是非とも観戦して見届けて下さい!
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 里木 祐介 | 8.8 | 119.3 | 40.3 | 28.9 | 34.4 | 19.7 | 251.4 | |
2 | 藤本 鉄也 | 46.7 | 61.9 | 16.0 | 10.2 | 43.4 | ▲ 26.6 | 151.6 | |
3 | 本田 朋広 | 0.3 | 18.1 | 57.1 | ▲ 8.7 | ▲ 11.8 | 27.9 | 82.9 | |
4 | 梅本 翔 | 36.2 | ▲ 30.5 | 4.0 | 4.7 | ▲ 6.9 | 67.6 | 75.1 | |
5 | 荒谷 誠 | 51.6 | ▲ 90.8 | 38.5 | ▲ 10.8 | 3.0 | 27.1 | 18.6 | |
6 | 浦田 豊人 | ▲ 16.7 | ▲ 91.4 | 49.7 | 9.7 | 47.0 | 7.1 | 5.4 | |
7 | 木戸 僚之 | ▲ 42.6 | ▲ 15.2 | 42.9 | 11.4 | 51.2 | ▲ 46.6 | 1.1 | |
8 | 成田 理良 | 36.5 | 67.5 | ▲ 57.7 | ▲ 23.1 | ▲ 3.1 | ▲ 33.7 | ▲ 13.6 | |
9 | 阿戸 翔太郎 | 5.6 | 7.2 | ▲ 10.1 | ▲ 27.8 | 11.8 | ▲ 20.0 | ▲ 33.3 | |
10 | 志多木 健 | 13.2 | ▲ 24.1 | ▲ 19.4 | 26.2 | ▲ 59.1 | 17.5 | ▲ 45.7 | |
11 | 前田 倫也 | ▲ 2.4 | 30.7 | ▲ 31.5 | 15.7 | ▲ 9.1 | ▲ 70.3 | ▲ 66.9 | |
12 | 南 和之 | ▲ 45.8 | ▲ 25.4 | ▲ 95.1 | 58.3 | ▲ 24.4 | 35.7 | ▲ 96.7 | |
13 | 安城 るい | ▲ 20.2 | ▲ 30.5 | 21.4 | ▲ 37.9 | ▲ 31.8 | ▲ 17.0 | ▲ 116.0 | |
14 | 後藤 正博 | ▲ 47.6 | 23.7 | ▲ 30.0 | ▲ 30.0 | ▲ 44.7 | ▲ 50.0 | ▲ 178.6 | |
15 | 獅坂 祐一 | ▲ 23.6 | ▲ 40.5 | ▲ 77.1 | ▲ 56.8 | 0.1 | ▲ 8.4 | ▲ 206.3 |
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