第16期北陸リーグ 決勝レポート
2017年10月04日
8月5日、第16期目となる北陸リーグ決勝が、富山にて開始された。
北陸リーグの今回の決勝システムは、予選通過順で上位3名に決勝ポイントとして40P、20P、10Pが与えられる。
予選最終結果
1位 浦田プロ +164.6P (+40P)
2位 木戸プロ +150.9P (+20P)
3位 成田プロ +146.7P (+10P)
4位 宮内さん +103.0P (±0P)
1位通過の浦田プロとしては、最初の2回で勝負を決めて、そこから更に重い展開になればこっちのものといったところだろう。
だが、ポイント差がある為、1回戦から浦田プロは他3名からマークされる事は間違いない。私としては、最初の2回は、何も考えず自然な形で打つことに決めていた。
1回戦
起家、成田-宮内-浦田-木戸
東3局
南家の私が仕掛けると、北家の宮内さんから早いリーチが入る。
ポン ツモ 打 ドラ
リーチ後ににドラがくっつき、その後打点もあり、ホンイツの為残していた余剰となったを勝負。
リーチ ロン
三色高めの7,700に放銃。予選ポイントの差もあり、宮内さんのリーチに対しては勝負した事にはなにも後悔はしていない。がもちろんダメージは大きい。
南4局1本場
前局私が、2,900をアガリ点数状況は以下の通り。
宮内38,300 浦田30,200 木戸29,000 成田22,500
成田プロがダブを仕掛ける。ドラも持っていそうな捨て牌。
ドラ
この手牌で選択。成田プロに3,900は放銃するとラスだが、1,000・2,000なら3着。
ソーズのの危険度と、マンズの危険度の比較。更には受け入れ枚数、仕掛けも効く形。
頭の中で思考を巡らせる。打牌はを選択した。枚数の事もあるが仕掛けが効くとはいえ、ツモでの、ヤミテンピンフが効かないのは弱いのが最大の理由。
その後が放たれるが、仕掛けも取れずその直後に成田プロのツモアガリ。
ポン ツモ
結果は最悪の2,100・4,000でのラス落ち。成田プロにとっては、浦田プロ、私を沈め、更には自分も浮きの2着とし、最高のアガリとなった。
もしもソーズを残し三色の形ならばを食い仕掛ける為、その後どうなっていたかはわからない。1回戦から4着は痛いが、浦田プロも沈みの3着となった為に、そこまでポイント差がつかなかったことがまだ救いである。
1回戦スコア
宮内さん+15.0P 成田プロ+4.7P 浦田プロ▲5.9P 木戸プロ▲13.0P
2回戦
起家、宮内-成田-木戸-浦田
南3局に宮内さんにメンタンツモイーペーコーの2,000・3,900を親かぶりしての南4局。
南4局
点数状況は以下の通り。
宮内41,100 木戸29,200 浦田29,500 成田20,200
トップ目の宮内さんがをチー。それに対し私も仕掛けを入れる。
チー ポン ドラ
2,000のテンパイ。
その後、親の浦田プロがソーズ456の仕掛けをいれツモ。
中盤ドラ表示のを切るか、を切るかの選択で、を選択するもロンの声は宮内さん。
チー ロン3,900。
宮内さんの仕掛けを見るか、親である浦田プロをみるかの選択だったのだが、判断ミス。痛い放銃となった。ドラを持ってきた時に受けが効くを打ちたかったのだが、浦田プロをマークしてしまった。ここまで調子が良かった宮内さんをケアすべきだったと反省。
2回戦スコア
宮内さん+27.0P 浦田プロ▲1.5P 木戸プロ▲7.7P 成田プロ▲17.8P
前半戦終了時ポイント
1位宮内さん +41.2P
2位浦田プロ +32.6P
3位木戸プロ ▲0.7P
4位成田プロ ▲3.1P
2回戦が終了して、自分の判断ミスが招いたポイント状況。3回戦で上位を崩せない限りは最終戦厳しい展開になることは間違いない。
だが、不思議と焦りはない。その精神状態が3回戦で自分を追い込む事になった。
3回戦
起家、木戸-成田-浦田-宮内
東1局1本場
メンタンピンツモの2,600オールをアガリ、1本場。
私は仕掛けを入れるのだが、その後の浦田プロの仕掛けに対しオリてしまう。親の仕掛けに対し、2着目でポイントもある中、強い牌を切っていたので、打点もあると読みオリに回ったのだがこれが最大のミス。勝負所である自分の親番を無くしてしまった。
東3局
親の浦田プロから中盤リーチが入る。その後下の手牌。
ツモ ドラ
親の捨牌にはリーチ前に–という捨て牌順でのリーチ。
はドラ跨ぎで切りづらいが、打とすればメンタンピンのテンパイ。打はノーチャンス(が4枚見え)だが、ドラ表示牌。選択は打。
親に対し、3,900の打点での勝負が見合うかどうか。更にポイントのある浦田プロが、からを先切りするか?という読みを入れてしまった。
結果はペンのリーチドラ1の3,900に放銃。浦田プロとの対戦経験の乏しさも、この局致命傷になったのかもしれない。自分のポイント状況よりも、点棒状況を優先してしまった。
南4局親宮内さん
点数状況は以下の通り。
浦田プロ39,200 木戸プロ28,200 宮内27,500 成田プロ25,100
私に中盤カンのタンヤオのテンパイが入る。
まずこの3回戦浮きに入らなければ、最終戦厳しい条件となる。アガリもしくは1人テンパイで浮きの2着に入る。浦田プロの3人浮きも防げる。
親である宮内さんはここまでの戦い方を見ると勝負してくる可能性が高い。浦田プロは点数上、オリを選択するか勝負してくるかは五分五分。
成田プロもギリギリまで踏み込んでくるのも、想定してリスクよりもリターンの高さを見てリーチを打ったのだが、結果は浦田プロとの2人テンパイで流局。
成田プロがオリた事により、ポイント首位の宮内さんは、3着を受け入れ、最終戦勝負とした。最大の誤算は、中盤安全牌を打ち続けて、なおテンパイを入れた浦田プロ。
この大きな2人テンパイによりポイントが大きく動いた。
3回戦スコア
浦田プロ+22.7P 木戸プロ▲2.3P 宮内さん▲7.0P 成田プロ▲14.4P 供託+1.0
3回戦終了時ポイント
1位浦田プロ+55.3P
2位宮内さん+34.2P
3位木戸プロ▲3.0P
4位成田プロ▲17.5P
4回戦
規定により2位宮内、3位木戸、4位成田、1位浦田の座り順となる。
東1局
成田プロが親の宮内さんからメンタンピンイーペーコードラドラの12,000の勝負手のアガリを決める。
東2局
バラバラの配牌が来る。この親は逃しては行けない時に厳しい形。序盤から一ポンして形式テンパイを狙おうと思う程の形だったが、鳴く声を必死に抑えると、カンチャン、ペンチャンを引き終盤にピンフの1,500のアガリでなんとか連荘する事に成功した。
東2局1本場
親の私がダブリー宣言。
リーチ ドラ
ドラも含めた勝負手。これに対し、マンズ、ソーズが河に連打され、ピンズだけが高い展開に。その後宮内さんからリーチが来るも、で、11,900のアガリ。
その後、親は流されるも、東3局でもリーヅモドラ3の跳満をツモり、浦田プロに迫る。
だが南2局、南3局と浦田プロに流され南4局へ。
南4局親浦田
点数状況は以下の通り。
木戸プロ+32.1P 成田プロ+7.3P 浦田プロ▲6.6P 宮内さん▲32.8P
順位点を加味すると、私と浦田プロの差は7.6ポイント差。7,700か1,300・2,600のツモ条件となる。成田プロは役満ツモ直条件。宮内さんは役満ツモ条件。
この条件の中で最終局がスタートされた。
条件が軽い為か、浦田プロは序盤からアガリを目指しながら、周りの挙動を見る形をとった。宮内さん、成田プロともに条件の手作りを目指している。
私の手牌。捨て牌の情報が信用できないまま、条件を満たす手を作る。トイトイの形に七対子ドラドラ、リーチツモドラ1。全てを追いつつ進める。
ドラ
序盤の、宮内さんの国士模様を見て、字牌を切るも重なりを見せたり、ツモでが槓子になるもどかしさに、自分自身焦りを感じる。万が一の暗刻や、リーチツモドラ1を逃さない為に、を切って序盤から七対子に決め打つ事が出来なかった。
その後巡目が進んだ為、メンツ手や暗刻系の2シャンテンを諦め、七対子ドラドラに手を決めるも、残された時間は少なかった。
ツモ ドラ
残りツモ1回での選択。浦田プロは中盤からオリ。宮内さんも可能性が無くなり字牌の暗刻落としでオリている。成田プロはピンズの一色手模様。
ここで間違えられない。は既に4枚出ている。が1枚出ており、は生牌。
他の2人は判断できない為、浦田プロの序盤の捨て牌を凝視する。成田プロもピンズの一色模様とはいえ、四暗刻の形もあれば最初ののトイツは残すだろう。
考えた結果、私の出した答えは打。そして最終ツモの感触もだった。
様々な理由からを選んだのだが、結果は致命的なミスで、アガリ逃し。私と成田プロの2人テンパイで流局となった。
山にはとが眠っていたのだが、正解する事が出来ない自分の実力不足を実感すると共に、自分のそれまでの過程を見て納得した気もした。
4回戦スコア
木戸プロ+41.8P 成田プロ+12.8P 浦田プロ▲8.1P 宮内さん▲42.3P
最終成績
優勝 浦田プロ +43.2P
2位 木戸プロ +38.6P
3位 成田プロ ▲4.7P
4位 宮内さん ▲8.1P
第16期北陸リーグ優勝は浦田プロ、おめでとうございます。
優勝者コメント
北陸支部では他の本部支部同様に、熱心な一般ファンの方々に常日頃支えられております。
その熱意と比例してか、リーグ戦はここ何期も優勝者はプロを押し退け、一般参加の方でありました。
「それならば私が!」とプロの先陣に立つべく、私事ながら転職をして環境を整えて挑んだ前期の北陸リーグ。
決勝進出は果たすも優勝は逃し、3位。
そしてリベンジに燃えた今期は予選をトップで通過し、2期連続の決勝進出。
しかし、ここでまた負ければ
「浦田は勝負弱い、詰めが甘い」
と言われかねない状況でもありましたが、そんなプレッシャーを感じつつ、結果何とか優勝する事が出来ました。
最終戦オーラスで、木戸プロとの差はわずか。その木戸プロに逆転の手が入るも成就せず流局で終了。
微笑んでくれた勝利の女神に、
「このタイトルをきっかけに、もっともっと北陸を盛り上げていきなさい。」
と言われたような気がしてなりませんでした。
そして今年6月より念願の「北陸プロリーグ」も開催されました。
支部員一同しっかりと精進し、他の本部支部と互角以上の戦いが出来るように頑張って行きたいと思います。
私の対局後の感想としては、まず決勝卓に座りながらのレポートは、レポートというよりかは自戦記のようなものになってしまい、本当に申し訳ないです。
いざ決勝の席に座って見ると、思いつくのは自分の反省点ばかり。予選の段階から1位通過を逃した事や、決勝の舞台はまだ2度目という経験不足、更には打ち込み不足など。
最終局、との選択ミスだけでなく、成田プロのテンパイ気配を感じていたにも関わらず、リーチの発声が出来なかったことを、猛烈に後悔している。
6,400では足りず、もし万が一、唯一テンパイ気配の成田プロが条件を満たしていた事を考えるとリーチでもツモが一度残っていた為は切るだろう。
との選択だけに思考を集中させ過ぎて、視野が狭く私の駄目なところが見えました。
優勝した浦田プロが、予選決勝共に、一番ミスが少なく公式ルールの攻守のバランスが素晴らしかったです。本当におめでとうございます。
現在開催中の第1期北陸プロリーグや、九月から開催される第17期北陸リーグでは、この敗北を忘れず、またこの舞台に立って次は笑えるように頑張ります。
最後になりますが、半年間ではありますが、拙いレポートにお付き合い戴き有難うございました。
次回も富山開催となります。
またいつかお目にかかる事があれば、宜しくお願いします。
カテゴリ:北陸プロリーグ レポート