関西プロリーグ レポート

第17期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第3節レポート

Aリーグ第3節:辻本翔哉

上位陣に動きがあったのか、3節目のレポートをいたします。

1卓:横山・仁科・勝間・佐々木
この卓は現在1位の勝間と3位の横山がどのようなポイントになったのか。良い位置につけている仁科と佐々木が今期一番の注目カードです。
結果は、勝間+31.9P、横山+26.5P、佐々木▲5.4P、仁科▲53.0Pとなり、上位2人が着実にプラスを伸ばす事となりました。
太閤位経験者の2名がこのまま突き進むのか、次節以降ますます注目していきたいです。

2卓: 宮田・高谷・米川・稲岡
先にトータルの結果から高谷+23.6P、米川+3.0P、稲岡▲4.8P、宮田▲21.8Pで終了。

5回戦目の南4局1本場供託1,000点。
見た時には1人沈みの高谷が、23,500点から4巡目でリーチをしており

五万五万六万六万六万七万八万五筒六筒七筒東東東  ドラ九万

九万をツモ時には5,200+300+供託1,000で30,000点となるリーチとなった。
点数計算をしっかりしていないと、4巡目でもあり三暗刻やホンイツの手替わりを待つ場面だが、高谷はリーチを打っていきます。
結果は親の宮田が中筋となった五万を放銃。稲岡が30,000点からの追っかけリーチもしていて、米川が34,300点の1人浮きの結果となりました。

通年のリーグ戦を戦っていくなかで、結果的に4位となってしまったが1人沈みの▲12Pと2人沈み、1人浮きの▲8Pでは点数では4,000点も違う。アガリ時の素点、本場、供託とリーチのみでも+3,600。高谷は40半荘のトータルで戦う事をしっかりと考えている手強い相手と感じました。

3卓: 坂本・藤川・吉本・辻本
こちらも先にトータルの結果から、辻本+100.3P、吉本▲24.3P、藤川▲37.8P、坂本▲40.2Pとなりました。私辻本の調子がよくこのような結果でした。

こちらも5回戦のオーラスのレポートをします。
南4局1本場ドラ東
西家辻本29,800の2位。1局前に藤川に7,700を放銃しており、トップとも12,100点離れている状況。何とか30,000点を超えたいと考えていた。
配牌は下の三色が狙えそうな手で、仕掛けていく事も考えていました。しかしツモは縦に伸び8巡過ぎ

四万四万二索三索三索四索五索五索六索六索三筒三筒三筒  ツモ五索  ドラ東

三索を切ればツモり三暗刻テンパイ。しかし四万三索六索も場に1枚も出ていない。二索四索を切れば四暗刻1シャンテン。私は今日の調子と役満を狙える手であることからチャンスとみて四索を切りました。しかし何か出たらすぐに鳴いていく事も考えていましたが、すぐに藤川から三索が出てポン。二索を切ってタンヤオトイトイツモり三暗刻のテンパイ。四索を切り三索をポンして二索を切った時点でトイトイバレバレです。次巡四万をツモりアガリきることができました。
自分の調子がいい時と悪い時、ポイント的に余裕のある時ない時、状況を考えて打ち筋を変えていく事が必要と感じました。
次節で前半戦終了です。まだまだ気温もリーグ戦も熱くなっていくと思いますので気合を入れてレポートしていきたいと思います。

 

Bリーグ第3節:山室太二

3節目の対戦相手は大橋、辻井、福原でした。
今日の対戦は符ハネで得するケースが多く見受けられたので記載していこうかと思います。

2回戦オーラス、山室の手牌は

五万六万七万九万九万四索五索六索七索八索  暗カン牌の背九筒 上向き九筒 上向き牌の背  ドラ二索

3着目で32,500点持ち。2着目の辻井は親で35,500持って、トップには満貫ツモが必要な条件です。
九筒をカン出来たことによってツモのみでも同点2着ではありますが、着順が浮上する状況です。
牌姿だけでいえば3面なのでリーチ打てばいいのですが、二打目に九索を切っていてフリテン、その場に4枚切れているので、とてもリーチの打ちづらい手になっています。
どうせフリテンなので、ドラの二索をひいて満ツモになるカン三索の形になったらリーチしようと思っていたら、あっさりと六索をツモって500・1,000で終了。
同着2位は順位点的にはあまり美味しくないのですが、リスクなく着順浮上ならやはりお得な展開だったと言えるでしょう。

3戦目東3局、

大橋手牌
三万三万六筒七筒  暗カン牌の背東東牌の背  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  チー三万 左向き四万 上向き五万 上向き  ツモ八筒  ドラ八筒

この3,900オールからの3戦目オーラス、

大橋手牌
三万三万五万六万七万六筒七筒七筒八筒九筒  カン北北北北  ドラ一万

この半荘は大橋の1人浮き状態となり、かろうじて2着の山室が30,300点で浮きの状況でしたが、大橋からツモの声、倒牌された手牌からドラを探し、ノミ手だと思っていたら、400・700申告。2~3巡前に加カンしていたためにツモでも1人浮き可能形になっていました。
結果、符ハネで得した大橋が50ポイント叩いたトップで、私もやや浮きでしたが公式ルールでは打点がたたきにくいので、符も重要なダメージソースだなと思いました。

 

C1リーグ前期第3節:稲垣諒彦

連盟では十段戦の真っただ中ですが、そのような中、関西プロリーグの第3節が行われました。

第3節の組み合わせは、
1卓:行野・川上・根越・吉田圭吾
2卓:吉田哲史・後藤・辰巳・音羽
3卓:長野・原田・土田・中野
4卓:木下・宮澤・稲垣・冨田

1卓の結果は、川上の一人浮き。根越・吉田圭吾・行野はマイナスの結果となりました。この日は中々つらい展開でしたが、吉田圭吾は非常に強いと思います。
その特徴は【しっかり攻める】ことにあると思います。攻撃型という言葉でくくるのは簡単ですが、なかなかバランスよく攻めることは難しいです。
吉田はその【バランスを加味した攻め】がうまく、私もよく参考にさせてもらっています。攻めるべき手できちんと攻める、これができている結果が、今回の十段戦での躍進につながっていると思います。直近2節で結果が出てはいないものの、残り2節では上位戦線に食い込んでくるとみています。

2卓は、結果だけを見れば、女流の音羽の大きなマイナスとなりました。特に3回戦までは特大のマイナス。しかし、音羽の良さは簡単にはあきらめないところ。
迎えた4回戦、音羽は特大の1人浮きのトップを取ります。この状況の中、特大トップを取ることは難しいのではないでしょうか。負けは誰にでもありますが、終わってしまったことに目を向けるのではなく、今できる最善の努力を常に怠らない。この姿勢こそ各プロが見習うべきものであり、大事なことだと改めて教えてもらいました。

3卓は、さすがの強さで原田が1人浮きとなりました。
1回戦4着でしたが、その後は3連勝。特に2・3回戦は連続1人浮きトップ。同卓者も終盤には「かなわない」という表情で打っていたのが印象的でした。
この3卓はロングゲームとなり、中々、原田の親が終わらないという状況が続きました。私は、連盟公式ルールは経験がモノを言う部分があると思っていますが、原田の麻雀は長年の経験に裏打ちされた、攻めどころを間違えず、きちんと結果を出してくる精度の高さにあると思います。この日も終盤には多くのプロが観戦をしていました。結果だけを見ればさすがの一言ですが、常に結果を出し続けるのは難しいと思います。原田が今期のC1リーグで首位通過も不思議ではない、という重圧の中、しっかり結果を出している姿を他のプロも見習わなければなりません。

4卓の前半戦は木下のペース。木下の速攻のアガリに誰もついていけず、非常に強い、という印象を対戦者に与えました。
しかし、この卓で一番光ったのは宮澤。3回戦まで非常に苦しい展開の中、粘り、回復の時機をじっと待ちます。そして4回戦目。この日の大きなマイナスをすべて回復するのは無理でも、せめて半分までには回復したいという中、木下から大きな11,600を出アガリ。結果的には大きなトップとなり、マイナスを4割程度に減らしました。宮澤は関西プロアマの優勝者でもあり、期待の大きな打ち手。この後もしっかりいい試合を見せてくれると思います。

次回は第4節。初夏の中熱い戦いが行われます。4節が終わるころには昇級候補も出そろいます。首位原田の後を誰が追いかけるのか、非常に注目です。

 

C2リーグ前期第3節:山本裕之

第2節では、順位が大きく変動したことで、今回の結果がとても重要になってきます。
3卓1回戦。この対局は中安の独壇場でした。

東1局 北家の中安は

四筒五筒六筒六筒九筒九筒九筒  ポン西西西  ポン北北北  ドラ四索

上記の手で三筒をツモ、1,300、2,600を加点。

さらに、東2局

一万二万三万五索六索七索東東西西  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ドラ東

上記の手で秋山から東をロンアガリ、7,700点を加点。
快調に得点を重ねていきます。

南場に入り、南1局。他家からリーチがかかるも、

三万四万四万五万五万六万八万八万八万五筒五筒七筒七筒  ツモ五筒  ドラ三万

1,000、2,000を加点、さらに場を支配し続けます。

南2局 ドラ中の場面では、

五万六万四索四索五索六索七索中中中  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き

伊原から四万をロンアガリ、高めにはならずとも7,700点をさらに加点。

南3局、
二索三索四索一筒一筒五筒六筒  ポン中中中  ポン東東東  ドラ九索

この局でも秋山から四筒をロンアガリし1,000加点、他家の親番のチャンスを許しません。

オーラスで秋山が500、1,000をアガリも中安には到底及ばず。
結果、中安が圧倒的な勝利を収めました。