関西プロリーグ レポート

第17期関西プロリーグ B・Cリーグ 最終節レポート

Bリーグ最終節:山室太二

いよいよ最終節となりましたB1リーグ戦、選手一同締めくくりにふさわしい対局になるように期待したいですね。
今節組み合わせが変則的で、下位争いの卓を予想したのですが、私はマイナス63.1ポイントながら昇級争いの卓へ召集されてしまいました。通常昇級圏外の者はなるべく上位争いを邪魔しないのがマナーなのですが、私は降級がかかっているのでゴリゴリにアガリを目指して行きます。
対局は5人回しの長尾、筒井、山中、貫上に私で昇級に近い者は長尾ですが、上位卓だけあって誰にでもチャンスはありそうと期待出来ます。
今節好調だったのが私で、基本的にマイナス60ポイント台はプラマイゼロを叩けば残留できるので今節私は小場を徹底し、親番でたまたま連荘できたので大きく浮くことに成功しました。
かなりの局を私が小アガリで潰してしまったので大物手はさほど発生しませんでした。
組み合わせの都合上、最終半荘に私は参加しなくてよかったので、打牌制限が無いに等しく有利な条件が揃いすぎていたのが勝因なのであまり嬉しい内容ではないですね 。
同卓者では、親番で二度もの567三色をアガっていた山中が大きく浮き、

二万二万五万六万七万五索六索七索五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ七筒  ドラ八筒

五万七万二索二索四索五索五索六索六索七索五筒六筒七筒  ツモ六万  ドラ南

プラス50獲得の総合4位、粘り強い活躍をした筒井が総合3位で締めました。
そして今節Bリーグ昇級者は、総合1位に大本命の松永、総合2位に城でした。
降級者は4名で、上村宜久、上村政雄、山神、高橋でした。
山神には前期散々苦しめられたので、奇跡の逆転劇の取れ高が欲しかったのですが、あえなく敗退してしまい残念です。
今期1年間対戦レポートにお付き合いありがとうございました

 

C1リーグ後期最終節:松尾潤

最終節を迎えた今回のレポートは昇級争いをお届けします。
1卓 杉田、吉田(圭)、後藤、吉田(哲)、根越
2卓 松尾、音羽、木下、原田、長野
3卓 行野、中野、辰巳、中安、宮澤
※各卓 抜け番1回の5人回し

前節終了時点で上位のポイント状況は、杉田 +157.2P、松尾 +109.8P、吉田(圭) +93.0P、音羽 +89.9P。
4位と5位で約80ポイント差が開いているので、昇級2名はこの中から決まることが濃厚です。

1回戦 杉田、松尾は抜け番。
音羽は浮きの2着でポイントを着実に増やすが、吉田(圭)は痛恨のラス。▲24.8ポイントとなり一歩後退か。

2回戦 吉田(圭)、音羽は抜け番。
北家スタートの松尾がラスから南3局で5,200、南4局で5,800を続けてアガリトップに立つ。しかし、南4局1本場で木下が300・500をツモアガリ再逆転で終局。松尾は手痛い2着となる。
一方で開始時トータルトップの杉田がラスとなり、さらなる混戦の様相を呈してきた。

3回戦
ここからは杉田と吉田(圭)、松尾と音羽が直接対決。
2卓 南3局 5本場
原田が連荘をし迎えた5本場。
捨て牌が3段目に入り、

松尾
五万五万六万七万四索五索六索七索四筒五筒六筒七筒七筒  ツモ九索  ドラ九索

役無しだが五万を切りテンパイ。次巡ツモ九索。ピンズが場に安いこと、八索が3枚見えていること、他家が強めに押し返してくる可能性を見込んでリーチ。七筒をツモり2,000・3,900は2,500・3,400を加点し、この半荘トップをとることに成功した。

4回戦
1卓 吉田(圭)が6万点近いトップをとり再浮上。
2卓 音羽が親番で3,900オールなどリーチでのアガリを重ね1人浮きのトップ。松尾はラスとなり音羽とのポイントがこの半荘だけで61.0ポイント縮まった。

ここで、4回戦終了時トータルポイントを各選手が確認を行い最終局へと臨む。
杉田 +154.2P、音羽 +122.6P、松尾 +117.1P、吉田(圭) +87.2P。
音羽が微差ながら松尾を逆転し昇級圏内に。吉田(圭)も2卓の結果次第では昇級できる位置につけている。

5回戦
2卓
南3局 親:音羽
松尾 22,200、原田 32,200、音羽 25,600、木下 40,000。
オーラスを音羽より上で迎えたい松尾、好配牌から5,200を原田から出アガリ。音羽の親を流すことにも成功する。

南4局 親:木下
松尾 27,400、原田 27,000、音羽 25,600、木下 40,000。
この時点でトータルポイントは松尾が上になるが、音羽はアガればほぼ条件クリア(木下から1,000または1,300の出アガリのみ逆転できない)。
20戦を戦ったのちの両者とも昇級がかかった一翻のアガリ勝負。
木下の第一打、音羽が自風の北をポン、続けて東もポン。松尾は絶体絶命に追い込まれる。
数巡進み、親の木下からリーチ。松尾は親の連荘が見えたのでオリに回るが安全牌が無くなり、音羽に通りそうな牌を選ぶが木下に12,000の放銃。

南4局 1本場 親:木下
松尾 15,400、原田 27,000、音羽 25,600、木下 52,000。
前局の放銃によりトータルポイントで音羽が逆転。
松尾の逆転条件は原田以外からの跳満出アガリ。音羽から5,200は5,500の直撃。跳満ツモ。満貫ツモでは300点足りない。
局は進むが条件が整わず親の流局連荘にかけるも、原田が跳満をツモアガリ終局。

1卓ではトータルトップの杉田が大きなトップで有終の美を飾った。
吉田(圭)は2着となり音羽を逆転することはできなかった。

最終成績
杉田 +189.6P、音羽 +111.1P、吉田(圭) +92.5P、松尾 +91.4P。

 

C2リーグ後期最終節:北村祐二

C2リーグは最終節。毎節様々なドラマが繰り広げられてきましたが、果たして最後に笑うのは誰なのでしょうか。

組み合わせは、
1卓 (冨田・伊原・三好・中島)
2卓 (楠木・山本・秋山・管東)
3卓 (高橋・北村・吉田・南田)

今節も初戦から波乱の展開となりました。各卓3回戦終了時点でのトータルは以下の通りです。

【3回戦終了時点トータル】
1位 秋山 +89.3P
2位 冨田 +74.5P
3位 三好 +69.5P
4位 中島 +63.4P
5位 管東 +56.2P
6位 高橋 +38.6P
7位 山本 +34.0P
8位 伊原 +11.3P
9位 楠木 +4.8P

正に下克上。最終節開始前、下位の三好、中島、管東、高橋が順位を上げ、上位の冨田、伊原、山本、楠木が順位を下げる結果となりました。前節で大躍進した秋山が、冨田に代わって首位に立ち、最終戦を迎えます。

まずは3卓。ここではトータル6位の高橋の結果に注目が集まります。
トップが必須条件でしたが、東場に、北村への満貫、7,700点の連続放銃が大きく響き、痛恨のラスで終えました。先の3半荘で+35.0Pと点数を稼ぐも、オール2着とトップを取りきれず、1戦でもトップを取っていれば状況が変わっていた可能性があっただけに、悔しい結果となりました。
一方の北村は、今までとはまるで別人のような攻撃力で、+88.6Pで終えました。トータルでは▲149.6Pと悔しい結果でしたが、来期に繋がるきっかけとなった最終節でした。

続いて2卓。管東が3半荘で+46.9Pと怒濤の追い上げを見せ、一気に優勝争いに名乗りを挙げました。この勢いで優勝を手にするかと思われましたが、最終戦は3位に終わり、惜しくも優勝には届きませんでした。
同卓した楠木、山本も、序盤の管東の猛攻に手をつけられず惨敗。そんな中で粘りの打ちまわしを見せた秋山がなんとか踏み留まり、暫定首位で残る1卓の結果待ちとなりました。

そして1卓。三好、中島が上位の冨田、伊原を攻め、各々3位、4位に浮上しました。一方の冨田は辛うじて優勝争いには残っているものの、遂に首位陥落し、伊原も優勝への条件が厳しくなりました。2卓の秋山がこのまま優勝を決めるのか、はたまた1卓の誰が優勝を手にするのでしょうか。

南3局2本場(供託2)、ドラ二筒。ここまでの状況は、

中島 55,200点
三好 31,200点
冨田 11,000点
伊原 20,600点

ラス目の親番、冨田にとっては正念場です。4巡目に先制リーチをかけ、他家3人にプレッシャーをかけます。
しかし、親リーチに対して果敢に攻める中島、そして三好も、

一万二万三万五万六万七万五索六索七索八索八索五筒六筒

高目三色のテンパイを入れ、勝負のリーチをかけます。
結果は、中島が七筒を切り、三好への放銃となりました。三好にとっては大きな加点(7,700点+積棒600点+供託3,000点)となり、トップの中島に迫りました。この場面、冨田は七筒がアガリ牌でしたが頭ハネで、三好にアガリを奪われる形となりました。

そして迎えたオーラス。点棒状況は、

中島 46,900点
三好 42,500点
冨田 10,000点
伊原 20,600点

この時点で、順位点を含めたトータルは、
中島 +88.3P
三好 +86.0P
冨田 +46.5P
伊原 ▲2.1P
(首位の秋山 +97.6P)
※別卓のポイント状況は把握できない。

各者卓内1位で終える条件としては、伊原は連荘し続ける。
冨田は、中島から役満を出アガリするか、ツモアガリする。
三好は中島から1,300点の出アガリ、中島以外から2,600点の出アガリ、500・1,000のツモアガリをする。
中島は上記の条件を達成されないようにする。
中島と三好のほぼ一騎討ちとなりました。

南4局 ドラ八万
序盤に中島が八万をポン、三好が七索をチーします。

【中島】
二万三万三万四万五万五万六万四索五索発  ポン八万 左向き八万 上向き八万 上向き

【三好】
一索二索三索四索七索八索南発発中  チー七索 左向き六索 上向き八索 上向き

その後、中島にテンパイが入り、打、発

二万二万三万四万五万五万六万四索五索六索  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き

その発を三好がポンし、同じくテンパイを入れます。

【三好】
一索二索三索七索八索中中  ポン発発発  チー七索 左向き六索 上向き八索 上向き

直後に伊原から親リーチが入り、冨田も全ツッパで応戦します。果たして勝負の行方は。
結果は、伊原が七万を掴み、中島への放銃となり決着がつきました。

この結果、優勝は秋山、2位は中島と、女流プロ2名がワンツーフィニッシュを決め、C1リーグ昇格を果たしました。
最終節まで目が離せなかったC2リーグ。来期も白熱の戦いが繰り広げられること間違いなしです。北村も今期の屈辱を晴らすべく、来期に挑みます。