第13期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第7節レポート
2014年11月05日
Aリーグレポート:辻本翔哉
夏の暑さは落ち着いて来ましたが、リーグ戦は終盤戦に突入で、
ますます熱い戦いが繰り広げられる7節目となりました。
A1卓:花岡、米川、藤川、辻本
A2卓:佐々木、勝間、中川、堀
A3卓:横山、仁科、貫上、上村
A1卓は、私辻本が入っていました。
組み合わせが良く、前期に決定戦で戦った3名と打つ事になりました。
その戦いの中でも、印象に残った4回戦目のオーラスをレポートします。
辻本が4万点ほどのトップで迎えたオーラス。ドラは。
このまま終われば1人浮きのトップで終わる場面でもある。
しかし、早くも4巡目に南家の米川がリーチ宣言。
米川は5,200点以上のアガリで浮き、7,700以上の直撃でトップの状況です。
を切ってのリーチで、トイツで持っていたので飛び付きポン。
親にツモを与えるが、私もアガリきれば1人浮きと思い、少し遠いが鳴きました。
親の花岡も、米川のリーチを掻い潜ってアガるしかない苦しい状況でもあります。
中を鳴き応戦する。巡目が進み辻本の手牌は、
ポン
ドラ
1シャンテンだが、勝負したいも
も米川とテンパイ気配濃厚な花岡にきつい。
が出ればポンで仕掛けて
を、苦しくなれば場に安いマンズを切っていこうと考えていた所に米川から
が出る。
ポンと言いかけたが、花岡からのロンの声。
米川のリーチを掻い潜り2,900をアガりきった。
その後、花岡が調子を上げ、6,000オールをアガリ4回戦目の勝負ありの形となった。
対戦後、米川にどのような形か聞いたら
この高めメンタンピンドラ1の手だったようだ。
麻雀は4人でするもの、他の3人の思惑や思考を考えれば、私がを切り米川に振り込み、点数は減るがトップをキープ出来ていた事になる。プロ雀士としてもっと考えていかなければならない点であろう。
A2卓は、1回戦目が2時間ほどかかっていた。
成績表を見ると、中川が+82.6Pで半荘1回戦では考えられないほどのプラスを叩いていた。
勝間がその半荘は▲68.3Pと凄まじいマイナス。
勝間に聞くと、国士無双をテンパイなど、大物手は入るが、アガる事が出来ずに苦しんだようだ。
ベテランのプロでも、このような事があるのかと思うと麻雀の怖さを感じました。
A3卓は、少し観戦出来たので、貫上の打ち筋をレポートします。
南1局1本場。
貫上は5万点近くのトップ。しかし、南家の上村と北家の横山が3巡目にリーチ。
貫上の手牌は戦って追い付くような形でもなかった。
私なら2人でやり合ってと考えるが、しかし、横山のリーチ宣言牌を両面でチー。
その後もチーをした。その局の結果は、上村がツモアガった。
対局後に貫上に聞くと、あのまま2人がやり合っていたら状態的に横山が勝っていそうだったので邪魔してやったと。ツモ順を変えて、自分の振り込むリスクがあがる事よりも、調子の良い人を少しでも打ちにくくすることだと言う。
なるほど、色々考えかたはあるようだ。
今節は3卓とも荒れ、大きいプラスを叩いた花岡、中川、横山を誰が脅かすか、今後も目が離せない。
Bリーグレポート:宮田豊夢
リーグ戦も終盤戦、今日はリーグ戦上位陣がぶつかる卓、その一角の筒井の麻雀に注目してみたいと思います。
2卓 (玉木、森下、筒井、山本)
東2局その筒井に勝負手が入る。
東2局 南家
ドラ
なんでもないような手だが、ここから、
、
を3巡で引き入れ手が一変した。
この直後、親の森下からリーチが入り、次のツモが。
筒井は少し考えてから、ツモを宣言した。
上位陣の一角でもある森下のチャンスは封殺しておく必要があると踏んだのだろう。
南2局 筒井の手牌は、
ドラ
再び筒井の勝負手だが、直前に親の森下からリーチが入っており、ドラのを切ってテンパイにとるのが少し厳しい状況でもあろう。
34,000持ちのトップ目ということもあり、ここはオリを選択した。
直後に、森下からがこぼれるが、この
は勝負すべきだったのか、疑問が残るところである。
私の意見としても、親に勝負するべき場面ではなかったと思う。
この次の局も面白い手が入る。
南3局 親・筒井
ツモ
なに切る?の中級者問題に出てきそうな手だが、正しい手はか
。
もし三色の安目であるを引き入れても、まだ三色の高めである
を引くチャンスが残るからである。
筒井も打を選択、直後に
を引き入れる。
思惑通りに手が進み、非常に軽くテンポの良い手が入っている。
オーラス 親・山本
ここまで2着の筒井が36,300点、トップ目の山本が44,100点。
筒井としては満貫のアガリがほしいところです。
手牌が
ツモ
ドラ
実に面白い手牌である。
筒井はテンパイをとらず、を外し三色に向かってひた走る、が、ここは健闘むなしく流局になってしまう。
しかし1局、1局の手牌が面白く、ギャラリーとしては見ていても飽きない麻雀でもあった。
C1リーグレポート:川上直也
C1リーグ第2節は、大きくプラスを叩いた稲岡のいる1卓からレポートしたいと思います。
1回戦 川上 稲岡 秋山 田村
南2局 稲岡親番のとき5巡目で田村がドラの切り、これを稲岡ポン。
下家・秋山は懸命に親のアガリを流そうと、ドラポンが入ってからの食い仕掛けをする。
チー
チー
ここから打は、稲岡に打ち込みとなりました。
11,600を物にした稲岡は、1回戦苦しい東場の立ち上がりが嘘のように晴れ、トップを勝ち取り、その勢いは2回戦も連取した。
3回戦 東1局序盤で稲岡 自風のポンでこの形
ポン
ドラ
すぐに、田村からが出てきて8,000点の出アガリ。
このまま3回戦もアガリを重ねて逃げ切ると思われた、が、
東3局 川上配牌
ドラ
4トイツドラドラの好配牌、七対子のアガリを目指すも、がすぐ重なり、
の1鳴き、続けざま
ポンで6巡目にてこの形。
ポン
ポン
すぐに、秋山からがこぼれて8,000出アガリ。
このアガリを機に、ツモアガリを重ねた川上は、稲岡を抑えて3回戦のトップを勝ち取った。
4回戦 東3局 秋山親番 中盤最終形
ドラ
ここからをツモアガって4,000オール。
これを皮切りに秋山怒涛のラッシュを見せた。
東3局1本場 秋山 9巡目
リーチ ドラ
すぐに田村から生牌の東が出てきて、12,000打ち取り。
6万点オーバーの1人浮きで4回戦は秋山の圧勝で幕を閉じた。
今回は田村の1人沈みで他3人はそれぞれが20ポイント以上プラスになる結果となりました。
その中でも大きくプラスを叩いた稲岡は、自身が決して好調という事ではなかったと思われますが、出るところは出て、引くところは引く、メリハリの効いた押し引きの闘牌にて、今節の結果につながったように思います。
連続の昇級になるのか?今後の行方が楽しみです。
C2リーグレポート:城裕介
C2リーグは新たに後期となった前節、伊原、吉田、山神の先行で始まったが、
2節目で模様が変わってきた。
ここにきて、勢いが凄かったのが吉田、その強さ勢いは、トップか2着しかない、そのことから想像できよう。
また、ラスがないと言えば、小西、伊原、長尾がその後に着けている。
前期まで下位で、冴えなかった小西が、後期に変わってから急に変身してきた。
ポン
ツモ
ドラ
今までならここで振り込みとなっていた。
しかし、今回は違う。小西は進化して昇級にかけている。
また、前期降級となってマイナススタートの木下も奮起して、再昇級を狙って静かな闘志を燃やす。
赤木、土田の女性陣、低迷を続けているが変化はこの先あるのか? 頑張ってほしい。
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