静岡プロリーグ レポート

第13期静岡プロリーグ 第3節レポート

向夏の候、麻雀ファンの皆様はいかがお過ごしでしょうか。

日本プロ麻雀連盟 静岡支部 32期生の足立純哉です。

先日、棋士の加藤一二三九段が現役引退を表明された。
Twitter上で引退時の家族を思いやる気持ちが賞賛を浴びる中で、ある子供が加藤九段の存在を知り、「将棋の段位は、1,239段もあるのか。」と発言したことが話題となっている。
当然、笑い話なのだが、将棋のルールも知らない子供に存在を知ってもらう為には、ただ単純に将棋が強いだけでなく、棋士としての個性が人気を得る重要な要素であり、それは麻雀プロも同様であると考えさせられた。

前置きが長くなってしまったが、梅雨入りを肌で感じる中、第13期静岡プロリーグ第3節が開催された。

第3節の組合せは以下の通りである。
1卓 望月×平野×原×大橋
2卓 土屋×都築×杉村×川崎
3卓 太田×鷲見×足立×越川
4卓 鈴木(郁)×山本×島崎×渡辺×佐藤
別日対局 鈴木(秀)×中×岡本×京平×平岡

1卓 望月×平野×原×大橋
(第2節終了時成績 望月▲16.5P 平野▲52.1P 原+12.8P 大橋+35.5P)

これまでの2節で調子の振るわなかった平野がようやく始動した。「落ち着いて対局に臨むことができ、場も良く見えていた。相手からの攻めに対しても、焦らず対応できた。」と述べている通り、終始安定感のある麻雀を見せた。
原は、2回戦終了時点で、▲28.5Pと苦しい展開になるかと思われたが、3・4回戦をうまくまとめ上げ、マイナスを最小限に抑えた。

望月+1.7P 平野+21.9P 原▲12.0P 大橋▲12.6P

2卓 土屋×都築×杉村×川崎
(第2節終了時成績 土屋+61.9P 都築▲29.4P 杉村▲28.6P 川崎+0.8P)

第2節終了時首位の土屋の動向が気になるところ。1回戦で、43,700点持ちのトップを取る。

このまま突き抜けるかと思われたが、守りを意識し過ぎてしまい、3回戦終了時にはここまでのトータル▲4.2Pまでポイントを削ってしまう。
しかし4回戦は54,400点持ちの1人浮きトップを取り、卓内トップを奪取した。
道中ポイントを減らしても、そこからまた攻めに切り替えせるのが土屋の長所であり、その爆発力は非常に恐ろしいものがあると改めて痛感した。

土屋+32.2P 都築+7.0P 杉村▲19.9P 川崎▲20.3P

3卓 太田×鷲見×足立×越川
(第2節終了時成績 太田+31.7P 鷲見▲6.2P 足立+53.6P 越川▲29.5P)

第2節終了時、ポイントマイナスの越川・鷲見が怒涛の攻めを見せる。

1回戦目は沈みの3着となった越川だが、2回戦目で浮きの2着、3回戦目で57,500点持ちのトップ、4回戦目で42,900点持ちの2着と大きくポイントを伸ばすことに成功した。
それに対する鷲見も、1回戦目で57,300点持ちのトップ、2・3回戦目は沈みの3着になるも、4回戦目で48,600点持ちのトップでポイントを伸ばした。
一方、この日の太田は選択が全て裏目となる厳しい展開となり、大きくポイントをマイナスする結果となった。

太田▲72.8P 鷲見+38.3P 足立▲12.0P 越川+46.5P

4卓 鈴木(郁)×山本×島崎×渡辺×佐藤
(第2節終了時成績 鈴木(郁)▲90.0P 山本+11.0P 島崎±0P 渡辺▲50.0P 佐藤▲5.6P)

第2節終了時、ビハインドを背負った鈴木(郁)・渡辺がどう巻き返していくかが注目された卓。

結果は鈴木(郁)が4回戦中3回トップ且つオール浮きの圧巻の麻雀を見せる。勝因としては、対局前の各選手の分析と対応方法をきちんと想定し、実行できた点を挙げており、鈴木(郁)の戦略が光った第3節となった。
逆に渡辺は、4回戦中3戦でラスを引いてしまい、厳しいポイント状況となってしまった。

鈴木(郁)+64.8P 山本▲9.0P 島崎▲4.1P 渡辺▲69.4P 佐藤+17.7P

別日対局 鈴木(秀)×中×岡本×京平×平岡
(第2節終了時成績 鈴木(秀)+24.7P 中+24.5P 岡本±0P 京平▲0.2P 平岡+30.6P)

事前に別日対局が行われていた卓。
実績から言えば、B2リーグ所属で今季の鳳凰戦第1節で▲50Pオーバーと沈むも、現在ではトータル+34.0Pで昇級圏内にいる鈴木(秀)であろうか。ポイントプラス者同士の戦いに注目が集まる。
結果はB2リーグでの反省点を活かし、戦い方を変えて挑んだ鈴木(秀)の1人舞台となる。4回戦中、60,000点オーバーのトップを含む3勝で、大きくポイントを伸ばすことに成功した。

鈴木(秀)+91.4P 中+6.8P 岡本▲49.4P 京平▲4.9P 平岡▲43.9P

第3節にてポイントの上下がハッキリ分かれ、鈴木(秀)と土屋が抜け出す構図となった。
現B2リーガーの意地がある鈴木(秀)と3年連続の決勝を目指す土屋には、並々ならぬ決意が感じられる。そして、あくまで個人的な予想だが、そろそろあの跳満ベースの男が本領を発揮してくるに違いない。

 

 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 合計
1 鈴木秀幸 45.5 ▲ 20.8 91.4 116.1
2 土屋幸弘 61.9 0.0 32.2 94.1
3 京平遥 59.2 ▲ 0.2 ▲ 4.9 54.1
4 中寿文 21.5 24.5 6.8 52.8
5 足立純哉 53.6 0.0 ▲ 12.0 41.6
6 鷲見隼人 ▲ 6.2 0.0 38.3 32.1
7 大橋幸正 35.5 0.0 ▲ 12.6 22.9
8 越川清一 ▲ 29.5 0.0 46.5 17.0
9 佐藤あいり ▲ 5.6 0.0 17.7 12.1
10 山本拓哉 ▲ 65.5 76.5 ▲ 9.0 2.0
11 島﨑涼 5.1 0.0 ▲ 4.1 1.0
12 平岡理恵 30.6 0.0 ▲ 43.9 ▲ 13.3
13 原佑典 ▲ 15.2 12.8 ▲ 12.0 ▲ 14.4
14 望月雅継 ▲ 16.5 0.0 1.7 ▲ 14.8
15 都築友和 ▲ 49.6 20.2 7.0 ▲ 22.4
16 鈴木郁孝 ▲ 93.4 3.4 64.8 ▲ 25.2
17 平野敬悟 ▲ 33.7 ▲ 18.4 21.9 ▲ 30.2
18 太田昌樹 57.8 ▲ 26.1 ▲ 72.8 ▲ 41.1
19 杉村泰治 33.1 ▲ 61.7 ▲ 19.9 ▲ 48.5
20 岡本和也 0.3 0.0 ▲ 49.4 ▲ 49.1
21 川崎義之 ▲ 70.9 0.8 ▲ 20.3 ▲ 90.4
22 渡辺洋巳 ▲ 18.0 ▲ 32.0 ▲ 69.4 ▲ 119.4