第31期新人王戦 予選レポート 藤井 崇勝
2017年09月13日
第31期新人王戦レポート:藤井崇勝
2017年9月2日
第31期新人王を目指し、128名が全国から集まった。
前年度までの新人王戦は入会から3年目までの連盟員のみが参加出来たが、今期から入会5年目までと変更になった。
入会5年目までになったことにより参加人数が昨年よりも多くなり、予選会場を3会場使用して実施されることになった。
今期も予選7回戦を1日で行い、上位4名が翌日の決勝にて新人王を決めるシステムとなっている。
決勝は日本プロ麻雀連盟チャンネルで生放送され、優勝すると様々なタイトル戦のシードや年度末に行われるグランプリMAXにも出場することが出来るため、若手にとっては今後活躍するチャンスが増える。是が非でも決勝に残りたい、優勝したいと思うだろう。
第31期新人王戦システムについて
・参加資格は入会5年目までの連盟員(28期後期から33期生)
・ルールは日本プロ麻雀連盟公式ルール。
・予選4回戦終了時、ポイント上位64名が5回戦へ進出。
・予選5回戦、6回戦終了時にポイント下位24名が各回にて敗退。
・予選7回戦を16名で行い、ポイント上位4名が翌日の決勝へ進出となる。
・決勝戦は予選ポイントリセットし、4回戦で新人王が決定する。
今年は巣鴨に連盟本部道場が新しく出来、新人王戦の予選もそこでの対局となった。
2回戦、南2局2本場 親:稲岡
関西本部所属の稲岡ミカのしっかりとした打ち筋の麻雀が目に入る。
ツモ ドラ
最終形をしっかりと見て打牌選択をしていきながら局終盤に入り他家をケアしつつも16巡目に1,300は1,500オールをツモりアガる。
次局親番の稲岡6巡目にしてこの牌姿。
リーチ ドラ
ここから勢いよくを切ってリーチ。
このリーチに向かって行ったのは南家の中部本部所属の小野雅岐。
ポン チー
2,000点ではあるが親に対して強く戦う意思が見られた。
結果は流局だったが小野が鳴かなければ稲岡の一人旅でアガリをものにしていただろう。
4回戦終了までの上位4名
1位:大橋幸生 +113.5P
2位 :中 寿文 +109.8P
3位:山下将浩 +99.7P
4位:楠原 遊 +88.7P
4回戦終了時で、先日の十段戦決勝で健闘していた上田直樹、前期新人王戦の決勝に残っていた中川基輝、他にも石田亜沙巳や菅原千瑛、七瀬真実や桜川姫子などの女流が敗退となった。
6回戦へと進出することが出来るボーダーが発表され、ボーダーは+21.6P。
例年よりも高いボーダーで予選5回戦目が開始される。
東3局南家、東京本部所属の松本裕也が国士無双テンパイ、観戦にも力が入る。
ツモ ドラ
流局になるかと思われたが、ハイテイで力強くをツモり8,000・16,000。
点数を70,000点近くまで伸ばし上位陣へと名乗りを上げた。
5回戦終了、下位24名が敗退。
1位:山下将浩 +125.6P
2位:大橋幸生 +109.2P
3位:中 寿文 +108.3P
4位:小野雅岐 +95.6P
5回戦で前期新人王戦2位の林潤一郎、中部本部所属の山本拓哉、古川彩乃などがここで敗退となった。
そして+59,6Pと例年よりも高いボーダーで6回戦が開始する。
現在トータル1位、九州本部所属の山下将浩はこの6回戦でもポイントをプラスし、他の選手を引き離していく。
別卓ではオーラスの親番で7回戦へと進出するために粘っていた東京本部所属の庄田裕生だったが悔しさの残る打牌選択で放銃してしまい惜しくも敗退となってしまう。
6回戦まで好調にポイントを伸ばしていた山脇千文美がここでマイナスの2着になりボーダーに少し届かずに敗退となってしまった。
他にもケネス徳田、山田学武らがここで敗退となった。
7回戦までの上位4名。
1位:山下将浩 +162.3P
2位:楠原 遊 +124.3P
3位:小野雅岐 +112.0P
4位:青山めぐみ+110.1P
ダントツのトータル1位の山下将浩以外は卓内ポイントがトップで決勝に進めそうな最終戦になった。
1卓
山下将浩が点数を守りながら打っているところに決勝へと猛追をしたのは+80.4Pの 手塚紗掬。
南4局 親:手塚
リーチ ドラ
親で58,100まで点数を伸ばし、これをツモればトータル3位まで浮上するところまで来る。
しかし無情にもタイムアップと共に山に2枚のをツモることが出来ずに一歩届かずの敗退となった。
2卓
東2局 北家:稲垣
ドラ
関西本部所属の稲垣悠がこの最終戦で国士無双をテンパイ。
親からはリーチ、上家からは仕掛けが入っている中で15巡目にをツモりアガる。
国士無双をツモった稲垣とトータル2位だった楠原とのポイント勝負と共に別卓状況では2人が決勝へと進むこともあったポイントだったが、稲垣は決勝へ楠原は400点足らずで惜しくもトータル5位で敗退した。
3卓
3位+112.0P中部本部所属の小野雅岐と6位+107.0P静岡支部所属の中寿文との着順勝負になるかと思われたが、黙ってなかったのは関西本部所属の稲岡ミカ。
南4局の稲岡の親が終わらない。
稲岡がアガリ続けていたがついに決着がつく。
南4局 西家:小野 北家:中
ポン ドラ
中がこのテンパイでアガったら決勝というところまできたが小野が追いつく。
リーチ
これを一発はないが見事に一発でツモった小野が決勝へと駒を進めた。
4卓
南1局の親で一気に加点して69,000点まで点数 を伸ばした中部本部所属の大橋幸生がトータル4位で先日の十段戦での活躍がまだ記憶に残っている青山めぐみをしっかりと抑えて、冷静に局を進め大橋が決勝へと勝ち上がった。
最終戦終了時の順位
1位:山下将浩(九州)+153.6P
2位:大橋幸生(中部)+153.1P
3位:稲垣 悠(関西)+137.4P
4位:小野雅岐(中部)+130.1P
5位:楠原 遊(東京)+129.3P
小野雅岐「今年から新人王戦の出場権利が3年から5年になったことで得られたチャンス。久しぶりの放送対局を全力で楽しんで優勝したいです」
稲垣悠「月並みで申し訳ないですが、自分の麻雀をしっかりと打って優勝目指して頑張ります。」
大橋幸生「前期の新人王 にプロ1年目でなった藤井プロに続いて自分もプロ年目で新人王戦優勝を目指して頑張りたいと思います。」
山下将浩「九州本部で2人目となる新人王になれるように頑張りたいと思います。気合いと根性、勢いを大事に明日は自分の麻雀を打っていきたい。」
地方連盟員だけでの決勝になった今期の新人王戦。
地方の若手連盟員にとってはまたとないチャンスとなる。
翌日の決勝は予選ポイントをリセットされ、半荘4回戦でのトータルポイント勝負となる。
カテゴリ:新人王 レポート