第2期鸞和戦ベスト16A卓レポート
2022年04月22日
【第2期鸞和戦ベスト16A卓、吉野、會田の勝ち上がり】
第2期鸞和戦、鳳凰位によりベスト16シードの佐々木を除くと、第1期にベスト16に残った選手は誰1人いない。
ここに残ることが難しいし、それだけに選手も気合い十分だろう。
本日のA卓の4選手を紹介する。
真鍋明広
九州本部18期生、D1リーグ
第7期JPMLWRCリーグ優勝、他、九州でのタイトル多数。
2次予選を首位通過により、ベスト16にジャンプアップ。
「尊敬しているプロは(本日解説の)瀬戸熊プロ。ギリギリまで押すところを見ていただければ。」
會田亮介
北海道本部35期生、雪華王戦(北海道プロリーグ)のBリーグ
麻雀歴は20年、39歳
尊敬しているプロは前田直哉。
北海道のラーメンにとても詳しく、解説の瀬戸熊も教えてもらったそう。
「つたない麻雀ですけど、精一杯頑張ります。」
吉野敦志
北陸支部26期生、D1リーグ
「一次予選、二次予選とも有り余る運量だった。バランス型なのでトーナメントには自信があります。」
瀬戸熊「近頃燻っていて能登のチワワになっているので、能登の狂犬を取り戻していただきたい。」と愛のあるコメント。
蒼井ゆりか
東京本部24期生、C2リーグ
雀風は?との問いに、メンゼン高打点を目指す今までのスタイルに、最近は幅広くできるように心掛けているとのこと。
「(尊敬するプロは?)沢山いるのですが、ずっと連盟を引っ張ってきてくれた灘名誉会長や森山会長、今選手を引っ張ってくれている瀬戸熊プロを尊敬しています(笑顔)。」と100点満点のコメント。
「最後まで頑張りたいと思いますので、今日も応援お願いします。」
2回戦を終了してのスコアはこちら。
1、2回戦を連続してラスを引いてしまい、後のなくなった蒼井、3回戦は連続リーチで攻めたてる。
実ったのは東2局2本場、貴重な親番で、是が非でも連荘したいところではあるが、安い手で連荘しても意味がないと、ドラ重なりの可能性だけは残す手筋が生きる。
これを會田から7,700。
放銃した會田もを押した上での放銃なら仕方なかったが、前巡、を切って手狭にしただけに後悔の残る放銃だったそうだ。
蒼井は4本場まで連荘、持ち点を50,000点近くまで増やし、勝負になる差まで縮めてきた。
南1局、真鍋が終局後に語ったのはこの局。
ピンフのテンパイ取らずから、一気通貫と三色同順の両天秤に変化、フリテンだが高目三色同順のリーチに。
しかし、この局は親の吉野に2,000点(+1,000)の放銃となってしまう。
そして、吉野のキッカケとなってしまい、
吉野が突き抜け、真鍋自身は2番手争いに巻き込まれることになってしまった。
(真鍋から吉野へ7,700+600。)
当然真鍋だって、待ちでアガリをとった方が無難なことはわかっている。
真鍋は、アガリ率が下がっても打点を追う選択をしてきたからこそ、それが実った二次予選はトップ通過したのである。
ただ気になったのは、気のせいだったら申し訳ないが、これ以降、3回戦4回戦と真鍋の存在感がないように感じた。
この失着(便宜上失着と表現するが)を引き摺っていて、消極的になってはいなかったか。
本局の是非よりは、失着の後の打牌選択に影響がなかったかを検証した方がよさそうだ。
最終4回戦、2人に抜かれなければいい吉野はほぼ確定、3人で1席の争いになったが、この半荘もアガれるのは吉野ばかり。
誰も抜け出せないままオーラスを迎える。
オーラスのスコアはこちら。3本場で供託はない。
順位点の入れ替わりや浮き沈みが近く、やや難しい条件計算だ。
[真鍋の条件]
ツモは1,200・2,300以上
吉野から8,000
會田から12,000
蒼井から4,500
[會田の条件]
ツモは400・800以上
吉野、真鍋から3,900
蒼井から1,000
追う立場の子方は、自分の通過条件を満たすアガリを狙うだけで難しいことはない。
検算は必要だが、立会人から通過条件を伝えられる。
(※条件を伝えられるのは放送対局のみ。間違っていた場合は選手の責任になるため、自分でも計算する必要がある。)
しかし、親の蒼井は考慮すべきことが沢山あった。
[蒼井の条件]
・ノーテンで流局した場合
・・・吉野、會田の2人テンパイは敗退。會田の1人テンパイはOK。(自身が沈まない)。會田、真鍋の2人テンパイも會田の順位点が増えないためOK。
・吉野がツモアガった場合
・・・跳満ツモは通過、倍満以上は敗退。
(吉野はアガればよいので、高打点になることはほとんどない)
・吉野が自分(蒼井)の放銃でアガった場合
・・・2,000点までOK。それ以上は敗退。
もちろん、真鍋、會田の条件は、どういう手作りをしてくるかの推察のため、計算しておくべきである。
対局再開、蒼井の配牌は以下。
アガリがほどほどに見え、バランスが非常に難しい手だ。
真鍋、會田の条件が難しくないため、当面はアガリを目指すだろう。
3巡目、會田が中をポン。
500・1,000か蒼井からの直撃が目標だろう。
もう1枚ドラを持ってくればどこからでもアガれるようになる。
吉野もダブ南をポン。
打点は2,000点のテンパイ。
そして、蒼井にもテンパイが入る。
瀬戸熊・桜川「あーー!!」
吉野が2,000点のテンパイとわかっている解説席から飛ぶ悲鳴。
待ちは吉野の方が優秀、そして――
蒼井の放銃により決着。
最後のリーチ棒が失着となり、蒼井敗退、會田の勝ち上がりになった。
終局後のインタビュー、勝ち上がった會田は、たまたま吉野のアガリで通過になったと渋い表情。
吉野は、反省点はあるものの、満足いく快勝だったのではないかと見受けられた。
十段戦が近いので、これを読んでくれた若手連盟員向けになるのだが、『自身(蒼井)の何点のアガリによって、次局の會田、真鍋の条件がどうなるのか?』。
ケースが何パターンもあって大変だが、時間をかけてでも最終局が始まる前に、計算しておくべきかと思う。
3,900点のアガリでは會田の満貫条件内に収まるので、リーチ判断が難しいラインではあったが・・・
次回、ベスト16B卓は4/22(金)16時~
大鹿糠文也vs中島寛基vs西川淳vs立田祥平
実況:桜川姫子
解説:藤崎智
(文:福光聖雄)
カテゴリ:鸞和戦 レポート