第2期鸞和戦ベスト16B卓レポート
2022年05月09日
【第2期鸞和戦ベスト16B卓、西川、中島の勝ち上がり】
大本命A1リーガーの西川と、初めてまたは、久しぶりの放送対局となる3選手での組み合わせとなった。
まず始めに、B卓の4選手を紹介する。
大鹿糠 文也
31期、E1リーグ30歳
メンゼンのんびり高打点型、放送対局は5年ぶり2回目。
2次予選を113.3ポイントの首位でジャンプアップしてベスト16に進出。
「今日はみんなの応援に恥じないように全力を尽くしたい。」
立田 祥平
35期、D1リーグ32歳
放送対局は初めて。勝ち上がった1ヶ月前から緊張しているとのこと。
「結果もそうなんですけど、見てもらえた人に覚えてもらえるように自分らしく精一杯打ちたいと思います。」
西川 淳
18期、A1リーグ49歳
「丁寧に丁寧に全力で戦って、褒めていただけるような内容になるように頑張ります。」
格上の本命でやりづらい面もあるのでは、と解説の藤崎。
今期の鸞和戦がおそらくラストチャンスの年齢のため、このタイトルを手にしたいところだろう。
中島 寛基
36期、中部本部所属32歳
初の放送対局。
「緊張していて、新幹線で食べたお弁当の味が全くしなかった。中部にタイトルを持って帰れるように、今日は勝ち残りを目指して頑張りたいと思います。」
東1局、親の西川が切ったに手が伸びている。
ポンの発声は立田からだった。
この手牌からの鳴きの是非は別にして、初めての放送対局の第一打にポンの声を出せたことは素晴らしい。
ちゃんと心構えを作ってきたのだと思う。
立田は普段から仕掛けが多いので、舞い上がって声が出てしまったわけではないだろう。
鳴きの是非について触れておくと、教科書的には鳴くべきでは無い手牌とされている。
そのため、『こんな鳴きをして、この選手大丈夫?』と思われた方もいるかもしれない。
僕の意見にはなるが、メンゼンでもアガリは厳しいし、鳴いても守備力を確保しながら進められるので、戦略込みで鳴くのもあり、と考えている。
こういった遠い仕掛けは、別の局で効果を発揮する。
、ホンイツ、一気通貫の7,700を西川からアガる。
この局の立田の進行は、第一打が、すぐにをポンして打、手出しで、ツモ切り、をチーして打だった。
腰の重い打ち手であれば、高打点の仕掛けだろうと、特にピンズのホンイツはケアされるところだが、仕掛けが多いと対応が甘くなるのである。
そういうメリットを踏まえて仕掛けていることも覚えておいてほしい。
このアガリが大きく、1回戦は立田がトップになった。
好スタートを切った立田だったが、2回戦、この1局でムードがガラリと変わってしまった。
東3局、ドラが暗刻の大鹿糠が先制リーチ。
親の立田はここからをチーして、現物の打とした。
西川がリーチ後すぐに通したを見落としてしまったのかもしれないが、大鹿糠のリーチがリャンカンからドラ表示牌のに受けることはほぼ無いので、を切る一手と解説の藤崎。
そして、立田にとっては最悪の結果となる。
でのアガリを逃した後に、大鹿糠のツモアガリ。
リーチ、ツモ、ハイテイ、ドラ3の3,000・6,000。
立田は痛恨の親被りであり、大鹿糠は仕掛けがなければ回ってこなかったハイテイでのアガリとなったため、点数以上に大きなものがあっただろう。
以降、大鹿糠は調子良くスコアを伸ばし、逆に立田は三番手で最終4回戦を迎える。
最終戦、やっと中島に出番がやってくる。
セオリー通りに親には勝負しない大鹿糠、お互いを牽制し合う西川と立田という状況もあったか、東2局の親番を2局連続流局でつなぐとそこから大連荘が始まった。
2,600は2,800オール。
、トイトイの7,700は8,600を立田から。
2,600は3,000オール。
西川から12,000は13,500。
大鹿糠をも抜いて、トータルトップ目に立つ。
親番1回で勝ち上がりを決めてしまうとは力強い。
そして、この中島の大まくりは、大鹿糠にとっては大誤算だった。
3人で競ってもらう算段なところ、A1リーガーの西川と最後の1席を争うことになったのだから。
東4局、西川2,600オール。
このアガリで大鹿糠と西川の差が約13ポイント。
この後、東場の親はすぐに落とせたが、南場の親は落とせなかった。
500オールで繋がれた後、次局に18,000のアガリ。
西川の底力が大鹿糠を上回った。
大鹿糠「3回戦まで良く打てていたけど、その中ても要所要所で反省すべき点がいくつかあって、そこをきっちり打てていれば、最終戦あそこまでアガられても何とかなったと思う。」
大鹿糠「(応援してくれた方へ)皆さんすみません。逆転されてしまい、勝ち上がることができませんでした。またチャンスがくると思って全力で頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。」
振り絞ってコメントしていた姿に、僕は泣きそうになりました。
(文:福光聖雄)
カテゴリ:鸞和戦 レポート