特別昇級リーグ

第33期特別昇級リーグ最終節レポート

【第33期特別昇級リーグ、優勝は中津真吾、2位に大川裕次郎】

今回の参加選手は過去最高の全47名。
出場権利はプロリーグの昇級やタイトル戦の決勝進出者に与えられるのだが、新人王戦、若獅子戦、桜蕾戦などがあり、多数が参加することが予想されていた。
優勝しか意味のないC1リーグ所属の選手は、出場を見送ることが多い。
単純な人数で割って、優勝確率は2.1%。
実力差はあるのでもう少し高いだろうが、それでも5%もあるかどうかだろう。

その中でも出場したC1リーグの太田優介、早川健太には敬意を表したい。
太田は第5節で、早川は第7節まで進むも、途中で敗退となった。

 

 

最終節(第8節)まで残った選手はこちらの5選手。
(写真左から、外嶋諒汰、立田祥平、中津真吾、井坂彰宏、大川裕次郎)
7節終了時のトータルスコアとプロリーグの成績は、下の表を参照いただきたい。

 

 

優勝から3位まで、それぞれB2、C1、C2の特別昇級権利が与えられる。(プロリーグをプラスで終えることが条件)
全員3位以上に入れば特別昇級の権利を得られる。
井坂だけはプロリーグをプラスにするのがかなり厳しいので、優勝狙い(※)の側面はあるのだが、『誰もが3位以内でOK』という条件が展開を大きく左右した。

※ 優勝者がプロリーグでマイナスの場合、特別昇級はできないが、次期の特別昇級リーグの出場権利が与えられる

(開催概要はこちらを参照)

◇1回戦(抜け番は中津)
規定によりトータルスコアの上位から抜け番になる。
4選手とも慎重な入りで、東場は小場で進む。
優勝しか意味がなければもっと乱打戦になっただろう。

3,900と5,200をアガった立田がトップ。
オーラスに井坂がこの7,700をアガって浮きの2着に食い込んだ。(放銃は外嶋)

三万 上向き四万 上向き五万 上向き六万 上向き七万 上向き四筒 上向き五筒 上向き六筒 上向き二索 上向き二索 上向き六索 上向き七索 上向き八索 上向き リーチ ロン二万 上向き ドラ六万 上向き

 

 

◇2回戦(抜け番は井坂)
東3局、立田が外嶋からタンヤオ、ピンフ、ドラ2の7,700をアガリ、上り調子に思われたところだったが、

六万 上向き七万 上向き八万 上向き八万 上向き五筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き六索 上向き七索 上向き八索 上向き ロン五万 上向き ドラ八万 上向き

次局、外嶋のリーチ、ドラ3、12,000に飛び込んでしまい、火種は消えてしまった。

六万 上向き七万 上向き七万 上向き七万 上向き八万 上向き五筒 上向き六筒 上向き七筒 上向き二索 上向き二索 上向き七索 上向き八索 上向き九索 上向き リーチ ロン二索 上向き ドラ七万 上向き

立田は、この手牌から、南をポンして打二索での放銃だったので、ガックリ度は計り知れない。

一索一索二索五索六索七索東東南南発発発

 

 

◇3回戦(抜け番は外嶋)
大川「首位は離れていたので3位狙いで来ました。2位になれたのは僥倖です。」
と終局後の嬉しそうなコメント。
この3回戦、めくり合いをどちらも引き勝てたのが大きかった。

東4局、大川
リーチ、ツモ、タンヤオ、三暗刻、ドラの3,000・6,000。

四万 上向き四万 上向き六万 上向き六万 上向き四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き五索 上向き六索 上向き七索 上向き八索 上向き八索 上向き八索 上向き リーチ ツモ四万 上向き ドラ六索 上向き

親の中津からはツモ切りの追いかけリーチだった。

四万五万二筒二筒六筒七筒八筒二索三索四索五索六索七索 ドラ六索

南4局、大川、ダブルリーチ、七対子をツモアガリ。

四万四万六万六万八万七筒七筒七索七索南南中中 リーチ ドラ六索

井坂の追いかけリーチを受けた直後の大川のツモアガリだった。

二万三万四万二筒四筒八筒八筒八筒二索三索四索四索四索 リーチ ドラ六索

 

 

◇4回戦(抜け番は大川)
中津はD2リーグ所属。
C2リーグへの特別昇級も大きな価値があるが、このスコアで最終節を迎えたのなら優勝を勝ち取りたいだろう。
どちらも沈みの3着で2半荘を終えたが、焦りはなかったのだろうか?

中津「ラススタートが多いので、大して気にしてなかったです。2回戦(自身の1半荘目)に、沈みの3着を受け入れたアガリができていたのはよかったと思います。」
と終局後のコメント。
あえて聞いてはみたものの、こちらからも落ち着いているように見えていた。

そして中津に待望の長打が出る。
東2局の親番、メンホン、七対子も見えるので難しい選択だったが、仕掛けて中のトイツ落とし。

一万二万三万三万四万六万六万八万八万九万九万中中 ドラ九筒

一万 上向き二万 上向き三万 上向き六万 上向き六万 上向き八万 上向き八万 上向き ツモ八万 上向き チー五万 左向き四万 上向き三万 上向き ポン九万 左向き九万 上向き九万 上向き ドラ九筒 上向き
4,000オールに仕上げて、ここで優勝は決まった。

◇5回戦(抜け番は立田)
2位争いは、大川が東3局に跳満をツモってそのまま逃げ切り。
優勝に届かなくなった井坂が3位を確定させて、対局が終了した。

東3局、大川(西家)

一万 上向き二万 上向き四万 上向き五万 上向き六万 上向き発発 ポン東東東 チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き ツモ三万 上向き ドラ発

 

 

中津「前田(直哉)さんと仁平(宣明)さんがゲストの公式ルールのフリーを打ってから来たんですよね。今日は1回もアガれなくてボコボコにされましたが。毎回寄ってから来ています。」
中津は北関東支部所属。宇都宮駅まで車とのことで、片道2時間近くかかっているだろう。
違っていたら申し訳ないが、中津は普段は会社員だったと記憶している。
参加することも大変な中、打数が少ない分をこうして補おうとしている。

冒頭にも書いたが、今日は2番手3番手争いが混戦だったという展開の利はあった。
しかし、その利を作ったのは、中津が第7節までに大きくスコアを伸ばしたからであり、この姿勢が少しずつスコアに寄与したのではないか。

B2リーグに特別昇級できるかは、リーグ戦の最終節次第だ。
20ポイントのプラスは守り切れるスコアではなく、かなり難しい戦いになると思う。
達成に期待したい。

 

 

(文:福光聖雄)