第33期特別昇級リーグ最終節レポート
2023年01月04日
【第33期特別昇級リーグ、優勝は中津真吾、2位に大川裕次郎】
今回の参加選手は過去最高の全47名。
出場権利はプロリーグの昇級やタイトル戦の決勝進出者に与えられるのだが、新人王戦、若獅子戦、桜蕾戦などがあり、多数が参加することが予想されていた。
優勝しか意味のないC1リーグ所属の選手は、出場を見送ることが多い。
単純な人数で割って、優勝確率は2.1%。
実力差はあるのでもう少し高いだろうが、それでも5%もあるかどうかだろう。
その中でも出場したC1リーグの太田優介、早川健太には敬意を表したい。
太田は第5節で、早川は第7節まで進むも、途中で敗退となった。
最終節(第8節)まで残った選手はこちらの5選手。
(写真左から、外嶋諒汰、立田祥平、中津真吾、井坂彰宏、大川裕次郎)
7節終了時のトータルスコアとプロリーグの成績は、下の表を参照いただきたい。
優勝から3位まで、それぞれB2、C1、C2の特別昇級権利が与えられる。(プロリーグをプラスで終えることが条件)
全員3位以上に入れば特別昇級の権利を得られる。
井坂だけはプロリーグをプラスにするのがかなり厳しいので、優勝狙い(※)の側面はあるのだが、『誰もが3位以内でOK』という条件が展開を大きく左右した。
※ 優勝者がプロリーグでマイナスの場合、特別昇級はできないが、次期の特別昇級リーグの出場権利が与えられる
◇1回戦(抜け番は中津)
規定によりトータルスコアの上位から抜け番になる。
4選手とも慎重な入りで、東場は小場で進む。
優勝しか意味がなければもっと乱打戦になっただろう。
3,900と5,200をアガった立田がトップ。
オーラスに井坂がこの7,700をアガって浮きの2着に食い込んだ。(放銃は外嶋)
リーチ ロン ドラ
◇2回戦(抜け番は井坂)
東3局、立田が外嶋からタンヤオ、ピンフ、ドラ2の7,700をアガリ、上り調子に思われたところだったが、
ロン ドラ
次局、外嶋のリーチ、ドラ3、12,000に飛び込んでしまい、火種は消えてしまった。
リーチ ロン ドラ
立田は、この手牌から、をポンして打での放銃だったので、ガックリ度は計り知れない。
◇3回戦(抜け番は外嶋)
大川「首位は離れていたので3位狙いで来ました。2位になれたのは僥倖です。」
と終局後の嬉しそうなコメント。
この3回戦、めくり合いをどちらも引き勝てたのが大きかった。
東4局、大川
リーチ、ツモ、タンヤオ、三暗刻、ドラの3,000・6,000。
リーチ ツモ ドラ
親の中津からはツモ切りの追いかけリーチだった。
ドラ
南4局、大川、ダブルリーチ、七対子をツモアガリ。
リーチ ドラ
井坂の追いかけリーチを受けた直後の大川のツモアガリだった。
リーチ ドラ
◇4回戦(抜け番は大川)
中津はD2リーグ所属。
C2リーグへの特別昇級も大きな価値があるが、このスコアで最終節を迎えたのなら優勝を勝ち取りたいだろう。
どちらも沈みの3着で2半荘を終えたが、焦りはなかったのだろうか?
中津「ラススタートが多いので、大して気にしてなかったです。2回戦(自身の1半荘目)に、沈みの3着を受け入れたアガリができていたのはよかったと思います。」
と終局後のコメント。
あえて聞いてはみたものの、こちらからも落ち着いているように見えていた。
そして中津に待望の長打が出る。
東2局の親番、メンホン、七対子も見えるので難しい選択だったが、仕掛けてのトイツ落とし。
ドラ
ツモ チー ポン ドラ
4,000オールに仕上げて、ここで優勝は決まった。
◇5回戦(抜け番は立田)
2位争いは、大川が東3局に跳満をツモってそのまま逃げ切り。
優勝に届かなくなった井坂が3位を確定させて、対局が終了した。
東3局、大川(西家)
ポン チー ツモ ドラ
中津「前田(直哉)さんと仁平(宣明)さんがゲストの公式ルールのフリーを打ってから来たんですよね。今日は1回もアガれなくてボコボコにされましたが。毎回寄ってから来ています。」
中津は北関東支部所属。宇都宮駅まで車とのことで、片道2時間近くかかっているだろう。
違っていたら申し訳ないが、中津は普段は会社員だったと記憶している。
参加することも大変な中、打数が少ない分をこうして補おうとしている。
冒頭にも書いたが、今日は2番手3番手争いが混戦だったという展開の利はあった。
しかし、その利を作ったのは、中津が第7節までに大きくスコアを伸ばしたからであり、この姿勢が少しずつスコアに寄与したのではないか。
B2リーグに特別昇級できるかは、リーグ戦の最終節次第だ。
20ポイントのプラスは守り切れるスコアではなく、かなり難しい戦いになると思う。
達成に期待したい。
(文:福光聖雄)
カテゴリ:特別昇級リーグ