特別昇級リーグ

【菊田政俊、D1リーグからB2リーグへ!特別昇級リーグレポート】

2020年9月26日に行われた第28期特別昇級リーグ決勝戦は、準決勝終了時点で首位に立っていた小林正和を逆転し、菊田政俊が優勝。
D1リーグから4階級ジャンプアップの快挙となりました。

特別昇級リーグは2006年から開始した力量ある若手のためのリーグ戦。2020年現在で11階層まで増えたリーグ戦をジャンプアップするチャンスを設け、プロリーグ全体の活性化を目指す制度です。
「本場所のリーグ戦での成績がプラスである」という条件はあるものの、優勝すればB2リーグ、準優勝でC1リーグ、3位でもCリーグまで昇級することができます。

 決勝開始時点での成績は以下の通り。
1位 小林正和 +223.6P(C1リーグ所属)
2位 菊田政俊 +216.6P (D1リーグ所属)
3位 東谷達矢 +160.6P (C2リーグ所属)
4位 上田稜 +123.8P(D1リーグ所属)

既にC1リーグにいる小林は優勝した場合のみ、C2リーグにいる東谷は準優勝以上の場合のみ昇級するチャンスがあります。

 

 

試合が始まるとまず目立ったのは小林の手数の多さ。1回戦12局中6局をアガリ、ライバルの菊田の親番では遠くて安くても仕掛けを入れるなど、今日に向けて戦い方を練ってきたことを感じさせる内容でトップをもぎ取ります。

 

 

上田もオーラスの親番までアガリが無かったものの、鳴いての連荘で粘りこみ、2万点近く加点して準優勝以上への希望を繋ぎました。

 

 

トータル首位のトップで苦しくなった東谷でしたが、2回戦目ではリーチ三色の5,200を小林から直撃。さらに南1局では驚くような手が。3巡目に出た中に「ポン」の声をかけた西家・東谷の手牌がこう。

五索五索東東西西西発発発 ポン中中中

次の巡目には小林から東が放たれ、跳満の直撃。

 

 

そしてオーラスの菊田の親番になった時点では菊田・小林が3・4着に。東谷は役牌をポンして終わらせにいきますが、メンゼンで東・一通の7,700をテンパイしていた菊田に痛恨の放銃。小林とともに沈みに。

そして当日菊田が「一番大きかった」と振り返るのが3回戦オーラス。
親番の東谷のリーチがかかった巡目に菊田はくっつきの1シャンテン。

六万七万八万一筒二筒三筒六筒七筒七筒七筒四索四索七索 ドラ六筒

ノーテンからは押しづらい手ですが、なんとここに引いたのが四索
現物の七索を切って追いかけリーチとすると、すぐに六筒をツモアガリトップに。

 

 

最終戦は100ポイント差を逆転したい東谷がタンヤオドラ3をリーチしてツモるなど1人浮き状態に。
僅差で優勝を争う菊田・小林は決定的なアガリが出ないまま菊田リードでオーラスへ。
ノーテン罰符で順位が入れ替わる程拮抗していましたが、上田が3位確保のピンフのみをアガリ、決着。

最終的なポイントと結果は以下の通り。

優勝 菊田政俊 +225.1P
準優勝 小林正和 +216.4P
3位 上田稜 +152.4P
4位 東谷達矢 +130.7P

菊田はB2リーグへ、上田はC2リーグへの昇級権利を得ました。

 

 

二人のコメントは以下の通り。

菊田政俊
「最初から最後まで、勝った気がまったくしない戦いでしたが、優勝という結果になりました。沢山の応援いただいた力が勝たせてくれたのだと思います。これからも戦いつづけます!感謝。」

上田稜
「(優勝のために)100ポイント差は捲れなかったですけど、何とか3位でC2リーグに昇級出来ました!これからも頑張ります!」

2選手の今後の活躍にご注目ください!

(文中敬称略)
文:浜野太陽