第37期プロテスト 執筆:高宮まり
2021年02月05日
「プロ雀士って何をするんですか?」
私が初めてプロ雀士という存在に出会った時の質問がこれでした。
このコラムを読んでくださっているあなたも、麻雀プロとはなんぞ?と思っているかもしれません。
その時の返答は試合に出たり、勉強会に出たり、麻雀プロとして仕事の依頼を受けたりということでした。
試合とは?勉強会とは!?と、麻雀を始めたばかりの私にとっては興味深く胸が躍ったことを覚えています。
プロとしての仕事については、想像もつかずピンと来なかったので、何があるんかなーくらいに思っていました。
兎にも角にもプロになるにはプロテストを受けて合格せねばならないとのこと。
日本プロ麻雀連盟のホームページを調べ、いざプロテストを受けてみると、予想だにしていなかった新しい世界が待ち構えていたのです。
「プロテストって何をするんですか?」
まずプロテスト自体がとても勉強になりました。
プロテストは筆記、面接、実技。半年の研修期間を経て最終試験。
麻雀のテストに筆記試験なるものがあることにもうワクワクしていたわけですが、過去問題を解いてみるとなるほど、点数計算に加え点差計算、ルールの違いなど座学で覚えることもいろいろあるんだなと。
実技はなんだか強そうなプロ達に見られながらの対戦。
試験での麻雀はもはや試合な訳で、私語もなくピリピリと打つ麻雀に緊張しつつ、何だかアドレナリンが出ている気がしたものでした。
そして最初の試験に合格すると半年間の研修。
麻雀そのものの研鑽はもちろんですが、マナーや麻雀中の動きなども指導してもらえるので、他のプレイヤーと関わるということの勉強にもなりました。
今は研修不要の一発合格制度もあるようです。
「麻雀プロになって何をしたいの?」
半年間の研修ののち最終試験(筆記実技面接リターンズ)を受け、けっこう不安だったけど無事合格。
初めてのリーグ戦、出ることが経験と言われたタイトル戦への出場。
新人だけど勝ちたくて精一杯で一喜一憂して。最初は右も左も分かりませんでしたが、人見知りなりに徐々に他のプロとの関わりが増えていきました。
そこから試合に出ること以外にも、麻雀に関わる様々な活動があることを知りました。
コナミ麻雀格闘倶楽部やロン2といった麻雀ゲームへの参戦や麻雀番組の出演、麻雀対局のゲストなどもありますし、執筆活動や麻雀教室の講師、タイトル戦など大会の運営もプロがやっていたりします。
そりゃそうだろって話なのですが、何にせよ誰かがそれぞれの仕事をしてこそコンテンツは成り立ち、その方達の試行錯誤によって発展するのだということを小娘は知ったのでした。
そして昨今では麻雀を取り巻く環境が、劇的に変化ないし進化しています。
“生放送”が登場したことで、パソコンや携帯から麻雀配信が手軽に見られるようになりましたし、テレビ放送での麻雀番組も多くなりました。
Mリーグの開幕で一流企業と麻雀プロが契約を結ぶというビッグウェーブも起きました。
さらに健康麻雀やネット麻雀など比較的新しい麻雀分野の発展もめざましく、世界大会もしばしば行われるようになり、麻雀がすべての人にとって身近な存在になりつつあります。
そんな中でプロにならなくても楽しめることや、手にし得るものはたくさんあると思いますし、プロでなくても力のある打ち手や働き手、素敵な麻雀活動をされている方はたくさんいらっしゃいます。
しかし、プロになってこそ挑戦できることがあります。
遥か遠く幻だか夢だかわからない目標だとしても、麻雀プロリーグもしくは麻雀プロ限定タイトル戦の頂点に立ちたいという挑戦はプロにならないとできません。
プロになることで挑戦しやすくなることもあります。
麻雀が強くなりたいや、麻雀に関わる活動がしたいといったことはプロに限定されたものではないですが、一から始めようと思ったときのとっかかりはなかなか掴みにくいものです。
例えば日本プロ麻雀連盟では麻雀の勉強会だけでなく、麻雀教室講師養成講座やPC採譜(*麻雀の記録をとること。運営の仕事のひとつでもある。)研修など、麻雀も麻雀に関わることも学びやすいようにさまざまな取り組みが行われています。
勉強会や講座に出てみたり、巣鴨道場に顔を出したりで麻雀関連の顔見知りが増えることにより、先輩や経験ある方に話を聞きやすくなることもプラスのひとつかなと思います。
個人的に知らない人に話を聞くってけっこうハードル高いので。
さらに若獅子戦・桜蕾戦という20代対象の特別ランクアップ権も獲得できるタイトル戦が始まります!
もちろん若者でなくとも、比べたら少しチャンスは減るでしょうが、挑戦への糸口や努力する人への道標は用意してくれています。
掴めるか掴めないかは私達次第です。
プロ雀士になって何がしたいの?は私がプロテストの面接で受けた質問です。
私が受験してから10年の月日が経ちました。
いい時代にプロになったねと言われたものですけれど、ますます充実していってるじゃないか、新人羨ましい。
と思いつつ、プロになったときより益々がんばりたいし、がんばれると思える環境がここにはあるので、新人のみんなに負けないくらい麻雀打ちとしても人としても成長してやるぞ!
先輩方には当たり前だもっとがんばれって言われるでしょうが、私はまだまだこれからです。そう思えるくらい麻雀の世界は広がっています。
そしていつか先ゆく人達がつくってくれたこの世界を、支え広げ繋げられる人に私達がなっていけたらと思っています。
このコラムが、これから麻雀プロになる方の参考に、ほんの少しでもなれば幸いです。
あと、東京遠いよという方は、北海道本部、東北本部、中部本部、関西本部、九州本部、静岡支部、北陸支部、北関東支部、広島支部がありますので、ホームページやSNSをご参照いただければと思います。
おわり。
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