プロ雀士コラム/第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 ゲスト雀豪予選A卓レポート ケネス徳田
2015年02月09日
『麻雀トライアスロン』…東風戦・半荘戦・三麻戦の3つ1セットの争い。
知力・体力・時の運、3つを兼ね備えた者だけが頂点に立つことのできる、過酷なサバイバルマッチである。
昨年までの『麻雀トライアスロン』は、各界を代表する雀豪16名と日本プロ麻雀連盟のトッププロ16名の計32名が、一同に会して開催される大会でした。
けれど今年からはシステムを一新し、半年をかけて予選が行われ、すべての対局がニコ生『日本プロ麻雀連盟チャンネル』で生放送されることになったのです。
昨年まではプロ2名・ゲスト雀豪2名での対局でしたが、今回からはゲスト雀豪同士・プロ雀士同士という卓組で予選が行われます。
プロ同士でも普段と異なるルール、そして普段では見られないようなゲスト雀豪の麻雀、さらにそのゲスト雀豪同士の勝負となると、「持っている」人たちなだけに、どんな麻雀になるのが想像もつきません。
さて、その麻雀トライアスロンの第一弾として「ゲスト雀豪A卓」が2月15日に開催されました。
最初の登場は元プロボクシング世界チャンピオン・ガッツ石松さん。
ガッツ「麻雀の調子? こないだ以来だね。たしか…1年前のこの麻雀トライアスロンでやったきり。打っていれば思い出すでしょ」
ブランクはありますが、ボクシング同様身体で覚えるタイプなのでしょう。
続いては漫画家・蛭子能収さんです。
蛭子「三人麻雀が自信ないから、東風戦・半荘戦で大きく勝って三麻戦は4着でも勝ち上がれるようにしたいです」
このトライアスロンは三麻戦が肝なのですが…大丈夫でしょうか?
三番手はお笑いコンビ「トータルテンボス」・大村朋宏さん。
大村「週2・3で麻雀やって調整してきましたよ」
さすが自宅に麻雀ルーム(本棚の裏の隠し部屋構造)があるくらい大好きな大村さん。ちなみにこの日、このトライアスロンが終わってからも麻雀の予定があったそうです。
そして作家・白川道さん。
白川「昨日麻雀やってきたけど…四暗刻単騎放銃してきたよ。ガッハッハッ!」
勝つ時も負ける時もスケールが大きいのが白川さん。厄祓いになっていれば良いのですが…。
個性的な4名が出揃いました。さて一体どんな麻雀になるのでしょうか?
★東風戦(順位点5-15)
半荘戦、三麻戦に比べると順位点が比較的小さい東風戦ですが、やはり後の戦いにつながる大事な初戦とも言えます。
起家・大村さんが小刻みにアガリを重ね、4本場まで連荘に成功します。
3本場では蛭子さんとのリーチ合戦を制したり、オーラスではガッツさんの逆転リーチをかいくぐって単騎待ちをツモアガるなど、随所に勝負強さを見せてのトップとなりました。
東風戦成績
大村+23.0P 白川+5.5P ガッツ▲7.4P 蛭子▲21.1P
★半荘戦(順位点10-30)
オーソドックスな半荘戦。10-30という大きい順位点なので、ここでラスを取ってしまうとトップ争いから後退してしまいます。
逆に東風戦で3・4位でも、この半荘戦次第ではトップ目で三麻戦をむかえることができます。
ですがこの半荘戦も大村さんが持ってってしまいました。
東1局でドラ暗刻のチャンス手。
ロン ドラ ドラ
これを白川さんからアガって満貫スタート。
その後も3人リーチに競り勝つなど最終的に5万点を超える大トップとなり2連勝!
蛭子さんが大村さんにあと一歩まで詰め寄るも2着で終わります。
半荘戦成績
大村+51.6P 蛭子+27.7P 白川▲23.7P ガッツ▲55.8P
半荘戦終了時
大村+74.6P 蛭子+6.8P 白川▲18.2P ガッツ▲63.2P
★三麻戦(順位点10-20)
順位点が半荘戦より若干少なくなっていますが、むしろ三麻戦は素点が大事になってきます。
大物手がバンバン決まりやすいので、2、3万点差なら簡単にひっくり返ります。
この三麻戦こそが麻雀トライアスロンの醍醐味と言っても過言ではありません。
4人で行う三人麻雀、つまり毎局誰かが抜け番(前局の東家が抜ける。親が連荘中はその局の北家→西家→南家の順)。
ツモの親カブリは存在せず均等払いで、逆に親のアガリは子の1.5倍。
つまり親番で跳満をツモれば9,000オール(抜け番の支払いは無い。ツモられた2人が9,000点ずつ計18,000点)、27,000点差がひっくり返る計算になるのです。
相手が大物手をアガった時に抜け番でいられるかどうかも重要になります、まさにこれこそ時の運というやつです(笑)
さて、東2局1本場、大村さんの抜け番の時になんと3人リーチが発生しました。まず8巡目に蛭子さんが。
ドラ
続いて10巡目にガッツさん。
ドラ
そして11巡目に親番の白川さんが、ガッツさんの欲しいを重ねてリーチ。
ドラ
すると一発でガッツさんがを掴んで放銃。白川さんが18,000のアガリとなりました。
一度アガると四人麻雀以上にアガリがつながります。次局もあっさり親満ツモ(6,000オール=12,000点)
ポン ツモ ドラ
今度はガッツさんが抜けていたので、大村さんの点数を削ることに成功。
さらに同3本場もガッツさんから12,000をアガりこれで持ち点98,500。
なんと大村さんとトータルポイントほぼ並びとなりました。
白川さんに触発されたのか、蛭子さんもアガリを重ねていきます。
南3局では一発で跳満ツモ。
リーチ 一発ツモ ドラ 裏
西1局の親番で白川さんから18,000。
リーチ 一発ロン ドラ 裏
この瞬間、蛭子さんが白川さんをかわしてトップ目。
そしてわずかですがトータルポイントも大村さんをかわしてトップに立ちました。
ですがその差わずか5.8P差。
しかも2着目の白川さんとも4,000点差でしかないので、どちらかの1アガリで簡単にひっくり返ってしまいます。
なので、すぐに白川さんに逆転され、そして大村さんもようやく加点に成功。
最終局はトータルトップが大村さん、白川さんも蛭子さんも倍満ツモか跳満直撃という条件戦です。
ここで両極端の選択をする2人。白川さんは国士無双に。
そして蛭子さんは…跳満直撃狙いで仕掛けてホンイツトイトイにむかいます
ポン ポン ドラ
は白川さんが2枚すでに持っているため、が大村さんに行くかどうかですが…
ツモ
大村さんがを掴んだ! と思いきや、ここは冷静に蛭子さんの現物のと入れ替えて事なきを得ます。
結果、山に2枚残っていたを白川さんが切って大村さんのアガリ。
一時は逆転を許してしまいましたが、何とか大村さんが逃げ切っての予選勝ち上がりとなりました。
大村「正直、半荘戦終わった段階でよっぽどのことがないと大丈夫だろうと思ってたんですが…三麻戦の序盤からよっぽどのことが起こりましたね(笑)」
三麻戦成績
白川+60.4P 蛭子+25.2P 大村▲7.0P ガッツ▲78.6P
最終成績
大村+67.6P 白川+42.2P 蛭子+32.0P ガッツ▲141.8P
ゲスト雀豪予選A卓勝ち上がり 大村朋宏
次回プロ予選A卓のメンバーは・・・
ミスター麻雀 |
日本プロ麻雀連盟会長 |
初代世界チャンピオン |
現十段位 |
以上の豪華プロ雀士たちによって争われます!
2月15日(日)18:00対局スタート!!
お楽しみに♪
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